ロキファミリアに両親を求めるのは間違っているだろうか 作:ルナー
〜第3章 72時間〜
「あれはうちのナァーザが作った物だ」
ミアハが出されたお茶を飲み、ヘスティア達に伝えた。
「じゃないかと思ったよ。にしても、前の【ユメミール】もそうだけどナァーザ君の才能がすごいな。」
ヘスティアが呆れながら呟く。
現在、ヘスティアファミリアのホームにはヘスティア、リリ、ヴェルフ、そして床に臥せっている命のみ。
春姫は命の薬を作ってもらいにアミッドを訪ねに出ている。
「でも、特には色にも変化なかったようですが?
リリも普通のポーションだと思ってお渡ししましたし。」
リリが不思議そうにミアハに尋ねる。
「……改良して普通のポーションと見分けが付かないようにしてみたのだそうだ」
「「阿保かー!」」
ヘスティアとリリ両人の怒号がミアハへと降り注ぐ。
「すまない。」
ミアハは申し訳なさそうに頭を下げる。
「ま、まぁ、ミアハ様も来たことだし解毒剤?まぁ、ベルを元に戻す薬をもらおうか。」
ヴェルフが仲裁に入るが
「すまない。元に戻す薬はないんだ」
「「「え!?」」」
ミアハのまさかの答えに一同驚愕である。
「これは、飲んだ者の脳に直接影響を及ぼし飲んだ者、今はベルが親だと思った者と72時間過ごさないと体の成長に欠かせない成長ホルモンが分泌されない。つまり元に戻らない様になっている。いや、ナァーザがそう作った。。」
ヘスティアの顔がひきつる。
「そ、そんな危ない物をなんで普通のポーション色にしようとしたんだ……」
ミアハも苦笑しながら答える。
「ナァーザ曰く、それを人に飲ませてその子を世話すれば擬似家族が味わえる、と言っていた。誰と家族になってみたかったのかはさっぱりだが。」
『もう、末期だな。』
そう3人は思うのだった。
「あ!でも、この姿のベル様はリリを見てママと言いました!」
リリが思い出し発言する。
「あ〜、確かにな。俺を見てパパって言ったしな。
ってことは、俺とリリスケが72時間一緒に居てベルの面倒を見ればいいのか?」
ヴェルフも記憶を辿るように視線を上の方に向ける。
この短時間で物事が超スピードでかけていったので記憶が曖昧になるのもしょうがない。
「それは各々"一回"呼ばれただけか?」
「ええ、一回、ママ?と聞かれました。」
ミアハの問いにすぐリリが返答する。
「それではダメだ。この状態になった者は男をパパ、女をママと呼ぶようになっている。本当に72時間一緒に居なければならない相手が目の前にくると"3回"パパとママを連呼する。」
「な、なんでそんなやっかいな仕様にしたんだい?というかそんな風に作れたんだい?」
ヘスティアはとうとう冷や汗までかきだした。
「作り方は私も聞いてない。だが、ナァーザが言うには飲ませればその場でパパ、ママの言葉が聞けるからと言っていた。」
『もう、だめだ。』
一同はナァーザの行く末を心配しだした。
ちなみに、よくよく話を聞いてみるとその時ミアハファミリアは多忙で特にナァーザに至っては睡眠まで削れ、まともな判断が出来ずにいたという。
驚く事にしっかり睡眠を取ったナァーザはこの薬の事を覚えていない。
ヘスティアはベルを見て話す。
ちなみに話には興味がない幼少ベルはというと部屋をあっち行ったりこっち行ったりと大忙し。冒険気分で部屋を散策していた。
「僕にはまだママと言っていないな。僕を呼ばせて3回ママと呼んでくれれば話は早いんだけど。」
ヘスティアは暖かい神だ。小さい子供を見るときは母親の様に優しい笑みをまとって話す。
「試してみるか。」ヴェルフがおもむろに椅子から立ち上がる。
そしてベルのもとに歩みより抱き抱える。
「んしょ。以外に重いもんだな。ほら、ベル。ヘスティア様だぞ。なんて呼ぶんだ?」
そのままヘスティアへ渡す。
「よいしょ〜。ほら、ベル君。なんて呼んで……」
ポフン。
「んなっ!!」
リリが立ち上がる。
「へ?」
ヘスティアが困惑する、なぜなら
幼いベルはしっかりヘスティアの豊かな双丘、つまり胸に触っていた。
「べ、べべべべべベル君!?いくら君だからといっても流石にそれは早いと思うんだ!」
ヘスティアが顔をほんのり赤くしてベルを少し自分から離す。
当事者のベルはというとヘスティアの胸を触った手をグーパーして次の瞬間。
「モーモー? 」
薬の作用にない言葉を口にした。
その直後悲鳴とも取れるヘスティアの叫び声がホームに木霊したことは言うまでもない。