弾き語りパートやってなくて申し訳ない
たえの看病もあって、俺の体調は回復した。梅雨の時期も過ぎ、季節は夏になろうとしていた。
最近、俺はたえに避けられているような気がする。なんでだ?俺はたえになにかしたのだろうか?香澄達に聞いてみようと思ったが、聞いたら色々とヤバいような気がする。
「はあ」
「どうしたのハク?」
「沙綾か。ちよっと色々あってな」
「色々って、なにかあったの?」
沙綾に相談してみるか?いや、ここはいっそのこと香澄達に相談してみる、それもアリかもしれない。ヤバいかもだけど、こうなった原因は多分俺かもしれない。たえ絡みとなると俺しかいない、そうとしか思えない。
「あったちゃ、あったかな?」
「ふーん」
沙綾はニヤニヤと笑った。なんだ?なんか嫌な予感がするな。
「なにニヤニヤしてんだ」
「なんでもないよ。ハクっておたえのこと好きだなって思ってね」
え?俺がたえのことを好き?それはどういう意味だ?確かにたえのことは好きだけど、特別な関係だからこそ言えることだ。
「ちょっと待て。どういう意味だ?」
「そのままの意味だよ!」
そう言って沙綾は去っていった。どういうことだ?俺の周りでなにが起きてるんだ?胸騒ぎがするな。悪いことじゃなきゃいいんだけど......。
放課後になったが、たえと帰ることはなかった。家に着いたが、たえの姿はない。あいつ、本当になにがあったんだ?
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私は最近ハクを避けている。何故かというと、ハクが私の想いに気づいてくれないからだ。
ハクを看病し、寝ている間に唇を奪った。なんであんなことをしたんだろう。後になって考えると、ハクには酷いことをしたなと思う。
香澄達にハクの想いを打ち明けようか迷っている。そんなことをすれば私がハクと二人きりのときに甘えん坊になっていることがバレてしまう。でも、そんなことを言ってる場合じゃなかった。
何かいい方法はないかな?やっぱり、香澄達に相談しよう。今度、練習の時に相談してみよう。
「おたえちゃん、なにかあったの?」
「あ、りみ。なんでもないよ」
顔に出てたかな。多分、今の私は暗い顔をしているかもしれない。周りからは珍しいね、と言われた。香澄や有咲にも言われた。確かに最近の私はおかしい。練習にも集中できないし、オッちゃんに餌をあげるのも忘れる。重症だ。
「おたえちゃん、それは嘘だよね?」
「そんなことないよ。私は至って元気だよ!」
私は元気だ、と笑顔で言った。違う、本当は元気なんかじゃない。
りみはたまに鋭い時がある。そりゃそうだ、私が落ち込むなんてことはまず無いし、落ちんでるってことはなにかあるに違いないって思われるに決まってる。私はそのくらいのことはわかっている。
「おたえちゃん」
りみは私に近づき、耳元で囁いた。
――あんまり無理はしないでね。
「りみ......。ごめんね」
「謝らなくてもいいよ、おたえちゃん。香澄ちゃん達も心配してたよ?」
「そう......なんだ」
香澄達にまで心配を掛けてた。情けない、本当に情けない。私のせいなのに、ポピパに迷惑を掛けるなんて。ポピパだけじゃない、ハクにも迷惑を掛けてる。
「おたえちゃん、ハク君もなにかあったのかもしれないよ」
「え、ハクになにかあったの!?」
「なにかあったというかね、落ち込んでた......かな」
ハクも落ち込んでた。やっぱり迷惑を掛けてた。どうしたらいいかな?ハクと仲直りしたいけど、どうすればいいかわからない。やっぱり、香澄達に相談した方がいい。
チャイムが鳴った。次の授業が始まる。ハクとは隣だけど、頑張ろう!
「おたえちゃん、気をつけてね!」
「わかった。りみありがとう!」
ここはハクと手紙で話合おう!それしかないんだ。話ができないのなら、手紙でやるしかない!
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たえから手紙が来た。隣の席のたえを見たが、授業を受けているふりをしつつ、俺を見ていた。早く読めってことか。
――ハク、後で話があるんだけど、いいかな?
話?なんのことだ?もしかして、避けていることの件か?だが、その原因がわからない。俺は手紙を書いて先生にバレないようにたえの机に投げた。因みに、俺が書いた内容は......。
――わかった。後で話を聞くけど、家の中でいいか?二人きりで話をしたい。
しばらくして手紙が帰ってきた。俺は紙を開いて書かれた文を呼んだ。
――いいよ。
それだけだった。たえにしては珍しく短い文だった。たえの方を見ると、たえは俺の方を向いて微笑んだ。とても辛そうに微笑んでいた。こんな表情を見ていると、心臓が掴まれそうになった。きっと、俺が原因なのかもしれない。こんなに辛い想いをさせたたえに、俺は罪悪感を感じた。
そもそも原因はなんだ?なんでたえはあんなに辛そうにしている?これまでのことを振り返ってみるか?
弾き語りは最近していない。そう、花見以来やっていないんだ。じゃあなんだ?たえに耳掻きをしてあげていなかったからか?
振り返ってみたが、駄目だった。原因がわからなかった。たえの気持ちは多少はわかる。あと、"好意は少しならわかる"。
それから授業が終わり、昼休みになった。いつも通り中庭で昼食を済ませ、いつもより早く中庭から離れた。今の状態でたえと一緒にいると、たえは余計辛く感じてしまうかもしれない。それなら俺はいない方がいいと思った。
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「ハクの奴、どうしたんだ?」
「今日は珍しいね、ハク君が早く教室に戻るなんて......」
有咲とりみりんは心配そうに言った。多分、ハクは私に気を遣ったんだ。一緒にいると、気まずくなると。それで私から離れたのかもしれない。
「ねえ、おたえ」
「なに、香澄?」
「......ハクとなにかあったの?」
香澄からも心配された。やっぱり、ここで言った方がいい。私がハクのことを好きだっていうこと、今私が何を感じているのかを全部話そう。
私は香澄達に全てを話した。その時のみんなの反応はというと......。
「ハクの奴、罪深い男だなぁ」
全員が口を揃えて言った。私は顔を真っ赤にし、手で顔を覆った。これは気づかないハクが悪いよ!ていうか香澄達、みんな顔赤いし!
「思ったんだけど、香澄達は気づいてたの?」
「いや、最初から気づいてたよ」
「そうだよ。いつになったら付き合うんだって思ってた」
「さすがの私も気づいてたかなぁ......」
「おたえちゃん、元からバレバレだよ」
実はみんな気づいていた。あの香澄でさえもだ。おかしい、私はハクに甘えてはいる、だけどバレているなんて思ってもいなかった。もしかして、私が実は甘えん坊だってこともバレてるの?
「まあ、話は変わるけど。おたえ、これからどうするんだ?」
「それは......。わからない」
「わからないって!?お前はハクのこと好きなんだろ!なんで告白しないんだよ!」
有咲に怒られた。有咲が私のために怒っていることはわかるけど、まだわからないんだ。ハクが私のことをどう思っているのかを。
「告白はできないよ。ハクの想いがわからないから、告白しようにもできないんだ」
「おたえはさ、ハクが一緒にいるって言った時から好きになったんでしょ?」
「そうだよ」
そう、私はハクに一緒にいるって言われてから好きになったんだ。それから、私はハクと一緒にいるようになり、一緒にギターを弾いたり、甘えるようにもなった。
「ねえ、私思ったんだけど......」
「どうしたの?香澄ちゃん」
「それならさ、音楽で想いを伝えるって言うのはどうかな?」
音楽で想いを伝える。その手もあるかもしれない。でも、それでハクはわかってくれるのか、それが不安でしょうがない。
「音楽で?」
「うん、音楽で。ハクはおたえの気持ちがわかるんでしょ?音楽ならきっとわかってくれると思うよ!」
「音楽か......。ありがとう香澄!」
よし、決めた!ハクにギターを聞いてもらって、それから告白しよう!私とハクを繋いでくれたのはギターやウサギがある。他にも色々あるけど、やっぱりギターとウサギが一番だ。
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俺は教室の窓からたえ達を見ていた。なにかやってるな。気になるけど、行かない方がいい。
香澄に相談しようか迷っていたが、やめることにした。この問題は自分でなんとかしよう。俺に原因があるんだ。
たえが香澄達と話をしていた時、俺は聞いてしまった。たえが、俺のことが好きだということを聞いてしまったんだ。なんでたえは俺のことを好きなんだ?どうしてなんだ?俺のような変人のどこがいいんだ?
――今はやめよう。このことは帰ってからだ。帰ってから考えよう。
白兎がおたえの想いを知った回です
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