みんなは知っているだろうか。
それはとある戦争だった。同じチョコなのに形は違う、それだけのことなんだ。その種類は二種類、名前は「しいたけの里」と「ヤシの浜」だ。
名前から見てダサいとしか言い様がないが、味は素晴らしいとのことだ。俺はしいたけの里を推しているのだが、たえはヤシの浜がいいと言っている。
「たえ、何故しいたけの里にしない?」
「いくらハクでも譲れないよ。私は断然ヤシの浜を選ぶね!」
この小さな戦争は有咲の蔵で勃発していた。有咲は飽きれ、香澄は楽しそうに、沙綾は微笑んで見守っているという謎の風景になっていた。一方のりみはというと……。
――寝ていた。「チョココロネ……」と寝言を言いながら。
「お前ら、何やってんだよ」
「見てわからない有咲?これは私達にとって重要なことなんだよ?」
「有咲、お前はどうなんだ?何派だ?」
とりあえず仲間を増やそう。一人だけでも増えてくれれば全然違う。さぁ有咲は何派だ、選べ!
「私はそうだな……。どっちかというとヤシの浜だな」
「やった!」
「なん……だと……!?何故だ有咲、何故ヤシの浜なんだ!?」
「味もそうだけど、盆栽に混ぜても違和感ないなぁと思ったからだな。私はそれが好きでヤシの浜にしたな」
盆栽に混ぜる?ちょっと待て、その理屈はおかしい。そんな発想、誰も考えないぞ?いや、有咲なら有り得るか。
じゃあ香澄だ。香澄ならしいたけの里にするはずだ!とにかく仲間を増やそう。沙綾だとどっちでもいいかななんて言うに違いない。沙綾なら絶対に言うに決まってる!
▼▼▼▼
残念だったねハク。私は有咲がヤシの浜を選ぶって信じてたよ。香澄ならどうだろう?何が好きなのかは私も気になっていたけど、聞いてみるしかないよね。
「聞くよ香澄、香澄は何派なの?ヤシの浜を選ぶよね?そうだよね?」
「え!?わ、私はそうだね……。やっぱり私は王道を往くしいたけの里かな」
え?しいたけの里?なんで、なんでなの香澄!?香澄だけは信じていたのに、酷いよ!
ハクが残念だったなという想いを込めて私を見つめた。そんな目で見るなんて、厭らしいよハク。
「残念だなたえ、これで2対2だ。残るは沙綾とりみだけだ。どうする?」
「ま、まだだよ!私は負けなんて認めないよ!」
「ほほう、じゃあ沙綾に聞いてみようか。どっちがいいのかをなぁ」
今の私は天然マイペースを装うことを忘れていた。オッちゃんは連れて来たけど、エターくんの所にくっついていた。私もハクにくっつきたいけど、今はそれどころかじゃない。
「おたえ、ハク。やめようよ、こんな争い私は嫌だよ~」
「私も香澄に同感。てかどっちでもいいんじゃねえか?」
有咲、それは失言だよ。どっちでもいいなんて、この戦争にはどっちでもいいなんていう意見はないんだよ?
「有咲これだけは言っておく。この戦争は重要なんだ。どっちでもいいなんてないんだぞ?」
「そうだよ有咲、香澄。ハクの言う通りだよ」
「そんなぁ……」
「マジかよ、こんな戦争早く終わってくれよ。私の蔵で戦争起こすなよぉ」
香澄は涙目になり、有咲は疲れ気味に言った。まだ終わらないよ。この戦争は数で決まる、だから私とハクは引き分けになってもいいから勝負する、そう決めたからね。
「私はどっちも美味しいからいいかな?」
「沙綾言ったはずだよ?どっちでもいいは無いって」
「えぇ……」
沙綾はどうするかな?私とハクは沙綾を見守りながら
答えを待った。しかし、この時まで私とハクは気づかなかった。
――予想外の意見が出るということを想定していなかったのだ。
▼▼▼▼
「その点チョココロネって滅茶美味しいよね~。最後までチョコたっぷりなんよ」
それはまさかの第三勢力だった。ピンクのベーシストであり、関西弁を放つ少女、そしてチョココロネにとてつもない愛を持つといわれるあの少女だった。
――その第三勢力とは牛込りみだった。
「りみりん!?」
「チョ、チョココロネ!?何故だ!?」
「りみりん、聞いてないよ!チョココロネってそんなのアリなの!?」
ていうかりみ、お前いつから起きてたんだよ。まさか沙綾が助けを求めたのか?いや、そんなことはないか。
「チョココロネはチョコたっぷりやでぇ!ヤシの浜もしいたけの里もどっちもええけど、私はチョココロネ一筋や!」
りみは半ギレ気味に関西弁で言った。ああ、語り始めたよこの子。りみはこうなったら止まらなくなる。いや、止めることが出来ないんだ。沙綾でさえも投げ出すレベルだ。
「誰か止めろよ!おいハクおたえ、お前らのせいだからな!」
「なんで俺とたえなんだよ!おかしいだろ!」
「そうだよ!こうなったのは香澄がヤシの浜を選ばなかったからだよ!」
「何で私!?」
「もういいや、もうどうにでもなれだよ……」
もう滅茶苦茶だ。 戦争どころか三つ巴になってしまった。チョココロネとかアリかよ!そんなの誰も聞いてないぞ。というか沙綾、お前も止めろよ。何投げ出してんだよ。
▼▼▼▼
それから戦争は収束した。あの後投げ出していた沙綾だったけど、なんとか纏めてくれた。
「私がチョココロネに回るから引き分けでいいでしょ!」と言ったのだ。その結果、最終的に私とハクはそれで納得した。理由は切りがないからだ。
「なんか決着つかなかったな」
「そうだね……。なんかごめんねハク」
「いいよ、こればっかりは俺も悪い。やり過ぎたって思ってるから」
あれ以上戦争が続いていたら切りがなかっただろう。よく考えると他の人は何派かな?聞いて勢力増やそうかな?いや、この戦争はポピパだけにしておこう。
「こんな戦争こころなら大規模になりそうだよね」
「言われてみるとそうだな。なんだろう、弦巻さんなら納得できるっていうのが怖い。というかやりかねないよな」
それはこころだからやりかねないだろう。鶴巻家って本当に不思議だ。どうやったらあんな派手なことを出来るんだろう。黒服の皆さん、お疲れ様です。
次の日、こころがヤシの木しいたけ戦争を大規模にやろうとしたが、美咲によってそれは防がれた。美咲もお疲れ様だよ。
頭空っぽにして書きましたが、つまらなかったかもです
しかもバカップル成分なしという