といってもまたダイジェストになりますけど。
おたえと白兎がギターに没頭するようになります。
今回から白兎の一人称が変わってきます。
ではどうぞ。
それから時は過ぎ、俺とたえは中学生になった。たえはここ最近、中学生になってから楽器店に行くようになった。その理由がギターを好きになったからだという。
たえは小学生の時、ピアノ教室に通っていて、そこで偶然ギターの音を聴いた。本人曰く「痺れたていうか、凄く衝撃を受けた」と言って、そこでギターを大好きになったという。
「ねえねえハクー」
「どうしたたえ?」
「ギターっていいよねー」
「そうか?俺はお母さんのギターやお父さんのピアノくらいしか聴いたことないからまあわからなくはないけど……」
「ないけど?」
「ギター持ってなくね?」
――そう。俺とたえはギターを持っていないんだ。
「でも楽器店にあるギターはお願い!私を弾いて!っていってるんだよ」
「そう言われても……」
俺もお母さんから「楽器には魂が宿っている、弾いていれば楽器の気持ちがわかる」なんて言ってた記憶がある。今の俺にはまだわからないが、いつかやってみようかなって思うようになっているのはたえには言ってないし、内緒にしている。
「それにしてもたえ?」
「どうしたの、ハク?」
「なんかお前のところの兎増えてないか?」
「え?数えて22匹だけど……」
「22!?ちょっと待て、残り2匹はどこから来た。まさかお前……」
「ハクとハクの飼ってるエターくんかな」
はあ、本当にこいつは……。
「たえ、お前まだ俺を白ウサギと思い込んでいるか?」
「え?違うの?」
「違うよ!いいか?俺は人間!エターはわかるけど、俺は違うから!」
とまあ、最初は5匹くらいだったんだけど、気づいたら20匹になってて知ったときはびっくりした。たえ、お前の家は餌代とか大丈夫なのか?
「なんかごめんね?」
「疑問系で謝られても困るよ。てか泣きたくなってきた」
たえは中学生になってもこういうところは変わらない。でも、急に背が伸びたから今にも抜かれそうなくらいだ。俺もまあたえと同じくらいだけど……。
まあ俺も自然と兎を好きになっていた。たえのおかげかもな。因みに俺も一匹兎を飼っている。名前は「エター」っていう名前を付けた。
名前の由来はたえを逆さにしただけ。なんで友達の名前にしちまったのか、俺もよくわからなかった。
ただ、中学生になった俺はたえの気持ちがわかるようになってきた。まだなんとなくとしかわからないけど。最近たえは俺に甘えるようにもなってきたし、本当にたえは変わってしまった。こんなに甘えてるってことは...。
――もしかしてたえは俺に好意を抱いているのか?
いや、まさかな。わからないけど、なんとなくそんな感じがしてきている。たえが甘えてくると、俺もなんか力が抜けてくるというか、心が暖まるというか...よくわからないけどそんな感じがした。
その時、後ろから声が聞こえた。
「あらあら、相変わらずお熱いわねー」
「あ、お母さん」
「ああ、おばさん。お邪魔してます」
「どうも。いいのよ、ハク君。もしよければたえを嫁にもらってもいいのよ?」
え?ちょっと待て、今なんて言ったんだ?
「ちょっと待って下さい。今……なんと?」
「たえを嫁にもらってもいいって言ったのよ?」
――たえを……嫁に!?
その言葉を聞いた瞬間、俺の顔は真っ赤になってしまった。待って、あなた自分の娘の前でなんてこと言うんだ!?
「お、お母さん!?そ、そんなハクのお嫁さんだなんて……」
「た、たえ!?なんでお前まで顔真っ赤にしてんだよ!?」
「だ、だって、ハクのお、お嫁さんなんだよ?こんなに嬉しいことってないよ」
「おい、待て。何告白染みたこと言ってんだよ。もしかしてたえ、まさか俺のこと……」
「い、言わないでー!」
駄目だ、もう俺の知ってるたえじゃない。まさか俺のことを好きだなんて、でも本当に有り得るのか?おばさんにあんなこと言われてここまで焦るたえは初めてだ。
――やっぱり、たえの想いはわからないけど、この日から俺はたえの好意をなんとなくだけど感じとれるようになった気がした。
▼▼▼▼
私は中学に入ってから楽器店に通うようになった。ハクも一緒に来てくれて、「たえは放っておけない」なんて言ってくれた。やっぱりハクは優しいな、って思ってしまう。話を戻すけど、何故私は楽器店に通うようになったのか。その理由は……。
――ギターが大好きだからだ。
私が小学生の頃にピアノ教室に通っていたとき、偶然ギターの音を聴いたからだ。なんかこう、ビリビリって痺れるような音を体に感じて私の中に衝撃を与えたのだ。誰が弾いていたのかはわからないけど。一体誰が弾いてたんだろう?
「ねえねえハクー」
「どうしたたえ?」
「ギターっていいよねー」
私には一つ決めたことがある。それは、ハクにギターの良さをわからせるためだ。ハクはウサギを飼うようになったって最近知った。
それはつまり、ウサギの可愛さをわかってくれたってことだ。本当にハクにウサギの可愛さをわかってもらえて私は凄く嬉しかった。
「そうか?俺はお母さんのギターやお父さんのピアノくらいしか聴いたことないからまあわからなくはないけど...」
「ないけど?」
「ギター持ってなくね?」
そう。ハクのお母さんとお父さんは元バンドマンだ。お母さん名前は
霙さんはギターを担当していて康史さんはキーボードを担当していた。康史さんは元はピアニストで作曲家だったんだけど、霙さんに誘われてバンドに入ったそうだ。
霙さんはギタリストでボーカルもやっていた。今は作詞家で康史さんも作曲家として、二人で曲を作っている。
「でも楽器店にあるギターはお願い!私を弾いて!っていってるんだよ」
「そう言われてもなあ……」
ハクにはやっぱりわからないかな?確かに私にはそう聞こえんだけど……。気のせいという感じでもなかったし……。
――ギター上手くなったら最初にハクに聞かせてあげよう。
私はそう決意をした。最初にハクに聞かせて感動させよう!
「それにしても、たえ?」
「どうしたの、ハク?」
「なんかお前のところの兎増えてないか?」
兎はもう20匹になるからね。そうだ!ちょっとハクをからかおうかな。
「え?数えて22匹だけど……」
「22!?ちょっと待て、残り2匹はどこから来た。まさかお前……」
決まってるじゃん。
「ハクとハクの飼ってるエターくんかな」
「たえ、お前まだ俺を白ウサギと思い込んでいるのか?」
なんか面白くなってきた。でもしょうがないよハク。今見ても白ウサギにしか見えないもん。
「え?違うの?」
「違うよ!いいか?俺は人間!エターはわかるけど、俺は違うから!」
言うと思った。なんかからかいすぎたかな?
「なんかごめんね?」
「疑問系で謝られても困るよ。てか泣きたくなってきた」
いいよ!ハク!私が抱き締めてあげるから甘えてもいいんだよ!
そう言っても甘えてるのは私の方だけどね。あまりこんなことは言えないや。ハクは小学の頃から見ても凄く変わった。背も私と同じくらいになったし、もしかして抜かれるかな?
なんだかんだ言って私はハクに前より甘えるようになっていた。動物に例えたら懐いてるって感じかな?でも最近になってこんなことを思ってしまう。
――ハクは私の想いに気づいてるかな?
どうしてもこんなことを思ってしまう。けど不安に感じてしまう。でもハクに甘えているととても気持ちが良いし、包まれている感じがする。まるでお母さんみたいだ。
――ハクって実は私のお母さんだったのかな?
そんなことないよね。私の好きな人がそういうわけない。側にいてくれるだけでも私は安心するしとても落ち着くから。
ハクと色々話をしていると後ろから声が聞こえた。
「あらあら、相変わらずお熱いわねー」
「あ、お母さん」
「ああ、おばさん。お邪魔してます」
「どうも。いいのよ、ハク君。もしよければたえを嫁にもらってもいいのよ?」
え?私がハクのお嫁さん?
「お、お母さん!?そ、そんなハクの嫁だなんて...」
「た、たえ!?なんでお前まで顔真っ赤にしてんだよ!?」
そんなこと言われても、ハクのお嫁さんだなんて恥ずかしいどころか嬉しいよ!
「だ...だって、ハクのお、お嫁さんなんだよ?こんなに嬉しいことってないよ」
「おい、待て。何告白染みたこと言ってんだよ。もしかしてたえ、まさか俺のこと……」
待って、今は言わないで、本当に言わないで!恥ずかしいから!!
「い、言わないでー!」
私はそう言って自分の部屋へ逃げ込んでベッドの枕に顔を埋めて悶えてしまった。ハクのことは好きだけど、告白してもし関係が崩れたりしたら...、私はまた一人になってしまう。でも今はまだ……。
――今はまだこの関係を続けていたいかな。
まだ告白するには早い。返事はせめてハクが私の想いに気づくまで留めておこう。ハクが誰かと結ばれないように私がハクのことを好きだとアピールしよう。バレないように気をつけてやらないと。
▼▼▼▼
俺はあることを決意した。俺もギター弾いてみようって決めたんだ。
「お母さん、話があるんだけど」
「白兎?どうしたの?」
「俺にギターを教えてほしいんだ」
「どうしてだい?理由を聞くよ」
やっぱりお母さんを前にすると言えないな。この人は見ている世界も違うし、音楽についてはバンド時代でもよくお父さんとも言い合いになることが多かったって聞いたことがある。
「理由なんだけど、声が聞こえたんだ」
「声?何の声だい」
「楽器の声がね。弾いてくれ!魂を込めてくれって聞こえたんだ」
俺としても凄く恥ずかしい。たえにも言えないし、本当は言いたくなかった。でも今ならわかる。お母さんが言ってたように、本当に聞こえたんだ。
「ハハハハハ!そうかい、そうかい!聞こえたんだね!白兎にも。いやーよかった、よかった」
「やっぱり言いたくなかったな。絶対笑われるって思ったから」
「そんなことないよ!それは誰にも言えなくても誇りに思っていいことだよ」
「そうかな?」
「そうさ!康史だって言ってたよ。あいつはピアノを弾いてる時に声が聞こえるって言ってたから」
そうか。お父さんもそうだったのか。やっぱりお母さんの言ってたことは間違っていなかった。
「まあ、正直に言うと上手くなったら最初にたえに聞かせたいって思ったからさ」
「たえちゃんに?そっか、あんたはたえちゃんの側にいるって決めたよね」
俺がたえの側にいることはお母さんにしか言ってない。まあ相談した時に言ってしまったけど。
「上手くなってたえに弾き語りで聞かせたいんだ」
「てことはアコギになるね」
「アコギ?」
「アコースティックギターだよ。あれなら弾き語りにすごくいいからさ。よかったらアタシのスペアを貸してあげるよ」
いいのか?そんな高価なもの……。
「いいの?お母さん」
「いいよ。アタシはそれでいい。息子が女の子のために弾き語りを聞かせたいっていうんだ。力になるよ白兎」
「お母さん、ありがとう!あ、このことはたえに言わないでね」
「もちろんさ!たえちゃんには秘密にするよ」
この日、俺は決めた。たえに弾き語りを聞かせるためにギターを始めることを決意した。
2期7話でのレイヤとおたえが回想で弾き語りしていましたが、この作品ではオリジナル設定でお送りします。
後半蛇足になっちゃったかもですが、お許しを。
中学編はこれにて終了、次から高校編、本格的にストーリーが進んできます。
では次をお楽しみに。
というかおたえのコレジャナイ感が出てる気がする。