ダンジョンに不死身な妹がいるのは間違っているだろうか   作:滂沱

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えっと?意味わかんないんですけど?

ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか?

 

そんなことを考えながら必死に逃げていた僕は、ミノタウロスの蹄に足場を巻き込まれて倒れ込んでしまった。転んだ衝撃で倒れそうになった時───目の前に女の子がいた。

 

オリガ記念病院の中で殺戮を行い、銀河最強ニートまで倒した私は意気揚々とオリガ記念病院から出ていこうとしていた。その瞬間突然私は目眩がして倒れ込んだ。誰か生き残った悪魔憑きに攻撃されてる?でもD棟の悪魔憑きなんて全員私が殺したし…!?

 

そんなことを考えながら、私は気を失ってしまった。

 

短い間、気を失って私が起きると、そこは迷宮でした。

いや、某小説の序文みたいな始まりしてるけど私も意味がわかんない。なんでこんなとこにいんの?

 

「は?意味わかんないんだけど?」

「うわわわわ!?に、逃げてくださいっ!?」

「えっ?何?」 グチャ。

 

私の身体は、踏み潰されてグチャグチャになっていた。

 

僕の目の前で女の子が踏み殺されてしまった。彼女は物言わぬ屍になってしまい、もう彼女が話すことはないだろう。そんなことをぼんやりと思いながら、僕はミノタウロスに追い詰められていた。

 

(あぁ、死んでしまった…)

情けない僕は、死ぬ前に見るもの…つまりは走馬灯なんかを見ながら目の前のミノタウロスに殺されそうになっていると、突然ミノタウロスに線が走った。

 

ミノタウロスの全身がバラバラにされていく。細切れになっていくミノタウロスを眺めながら、僕は助かったという気持ちでいっぱいだった。

ミノタウロスの血のシャワーを浴びながら、呆然としていると。

「……大丈夫ですか?」

 

そこには【ロキ・ファミリア】の第一級冒険者【剣姫】アイズ・ヴァレンシュタインさんがいた。

 

「あの…本当に、ごめんなさい…」

「へ?」

「貴方の仲間を…死なせてしまった、から」

「はぁー…起きていきなり死ぬとか意味わかんないんだけど?ちょっと誰か説明してくれない?」

 

「「…えっ???」」

 

僕はとりあえず彼女を引き連れて逃げることにした。腐っても冒険者。彼女を持ち上げてお姫様抱っこ、なるものをしてダッシュで逃げた。何故だろう、此処で捕まると厄介なことになる気がしたのだ。アイズ・ヴァレンシュタインさんは僕と彼女が仲間だって勘違いしていたようだし。

 

ダッシュで距離を離し、とりあえずどうしようかと考える。このままアイズ・ヴァレンシュタインさんの話をエイナさんに聞きに行きたい気分ではあったけど、流石に彼女を引き連れたまま、というのも体面が悪い気がする。

 

「ねぇ、血塗れの人?」

「はいっ?何ですか?」

「何でこんな逃げてんの?」

 

……答えられるだろうか。

 

ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか?

 

結論。僕は間違えてなかったけど間違えてしまった。


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