ダンボール戦機-Zero-   作:赤倉翔

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第10話 挑め、アングラビシダス

 アミの説教を小一時聞いた頃にはすっかり暗くなっており、街灯がうつろに自宅を照らしていた。そして暗闇の中、鍵を挿し込むのに苦労しながらも、ロックされた玄関の扉を開けた。

 

 

「(………?誰かいるのか?)」

 

 

 帰宅するとガサガサと誰かが物を漁るが音がリビングの方から聞こえてきた。もしかしたら空き巣かもと思い、玄関に置いてあったバットを手にし、恐る恐るドアノブに手をかけてリビングの扉を開いた。

 

 

「おいユウ!!なんだこのゴミの山は!?ちゃんと生活出来ているのか!!?」

 

「あっ…スゥー……なんだ、蓮さんだったか」

 

 

 リビングにいたのはゴミ袋を片手に廃棄物を処理している蓮さんだった。家が近所ということもあり、月に何回かは自宅に来てもらっている。

 

 

「なんだじゃない…ったく、事前に来るとあれほど言ったハズだが」

 

「いや、ホントすみません……」

 

 

 蓮さんの説教に何も言えなかった。LBXに夢中になりすぎて他を疎かにしてしまう俺の悪い癖だった。

 そんな何も言えなかった俺の様子を見兼ねたのか、蓮さんはポケットからある物を取り出した。

 

 

「ユウ、こいつを受け取れ」

 

「蓮さんのCCM…?でもなんでコレを…」

 

「CCMが無きゃ不便だろう?俺からのささやかなプレゼントだ、受け取ってくれ」

 

「蓮さん、ありがとう…!」

 

 

 蓮さん曰くこのCCMはスペアらしく、あと2~3台持っているようだ。多すぎるにも程がある。

 しかしこのCCM、前に愛用していたCCMより高性能CPUが搭載されており、操作可能距離は半径400mと高機能であった。蓮さんには感謝だ。

 

 

「蓮さん、今日は久しぶりにチャーハン作るんだ!!良かったら食っていきなよ!!」

 

「チャーハンか……………お前の飯を食うのも、随分と久しぶりだな……───────」

 

「任せろ!!パラっパラのチャーハン、楽しみにしててくれ蓮さん!!」

 

 

 明日はいよいよアングラビシダス、LBXが無いので参加する事は出来ないがバンたちの応援の為、頑張らなければいけない。それに蓮さんの主催者姿を見れることもあり、内心ウキウキしていた。

 

 ちなみにチャーハンについては自分で言うのもアレだったが、パラパラしていてとても美味だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「カズ、随分と緊張してるわね」

 

「そりゃそうだぜ…こんなにもたくさんの人がいたら、緊張の一つや二つはするさ…」

 

「俺だってこんなにもたくさんの人がアングラビシダスに来るなんて正直思ってみなかったよ」

 

 

 次の日、俺たちはアングラビシダスの会場であるブルーキャッツの地下に訪れていた。アングラビシダスの会場には多くの出場者や観客が溢れており、皆今日という日を楽しみにしていた。

 そんな騒がしい会場であったがある男の登場によって会場は静寂に包まれた。

 

 

「あれは…誰?」

 

『諸君、アングラビシダスへようこそ。俺はレックス、この大会を俺の名の下に開くことを…光栄に思え』

 

「レックス!伝説的な強さを持つ、LBXプレイヤー!!」

 

 

 スポットライトに照らされた男はレックスと名乗った。

 レックスは文字通り伝説的な強さを持っているLBXプレイヤーながらも、その正体は謎に包まれている人物である。そのはレックスの正体は─────

 

 

「あの人は…!」

 

「檜山さん?」

 

「伝説のLBXプレイヤーって…檜山さんだったのか…!?」

 

「檜山さんの時と雰囲気が違うわね…」

 

 

─────檜山蓮、其の人だ。

 普段表ではブルーキャッツのマスターとして働いている蓮さんだが、その裏では伝説のLBXプレイヤーレックスという顔も持っており、ブルーキャッツの地下で開催される大会アングラビシダスの主催者でもあった。

 

 

『アングラビシダスは破壊の祭典、ルールが無いのがルール、バトルはアンリミテッドレギレーションのみで行われる。なおかつ…今回は特別にここで優勝した者に、LBX世界大会アルテミスの出場権を与えてやる!!』

 

 

 蓮さんが高々に宣言すると瞬く間に何百もの熱狂的な観客のボルテージは最高潮の盛り上がりを見せる。

 

 

『最強のLBXプレイヤーを目指し、存分に腕を振るい、ぶっ壊してやれ!!』

 

「場の空気に呑まれちゃダメだ!きっとどこかに…イノベーターの刺客がいるはずだ…!」

 

「あ…あぁ!」

 

「でも…みんな怪しく見えちゃうわね…」

 

 

アングラビシダスだけであって、ほとんどの観客や参加者の格好は奇抜なものである。そのため誰がイノベーターの刺客なのか見分けもつかなかった。

 

 

「アミちゃん!出るんだよね?頑張ってくれよ!!」

 

「ひゃ…っ!?誰…ってなんだ…リュウか…」

 

「今日はアミちゃんだけを応援しに来たぜ!バンとカズとユウは適当にやってていいから」

 

 

 ユウは怒った。必ずかの邪知暴虐のリュウをアイアンクローで沈めなければならぬと決意した。リュウを沈めるユウ、悶絶するリュウ、その様子を見て若干引き気味のアミとその2人であった。

 

 

「郷田さんは、出ないの?つまんない…」

 

「ちょ…いつの間に…!?」

 

「ミカはここ初めて?」

 

「郷田さんがいる日はいる」

 

 

 郷田愛が凄いミカ、いつの間にか郷田の隣のポジションもしっかり確保している。郷田のファンを名乗るだけあって抜かりない。

 そんなことをを思っているとトーナメントの発表が始まる。

 

 

『では発表する…運命の対戦カードは、これだ!!』

 

「俺の…対戦相手は…?」

 

「お前かぁ?山野バン…ってのはよぉ?」

 

 

 バンは声を掛けられた方へ向くと、巨体でオレンジのモヒカン、そして特徴的な格好の男がいた。バンの一回戦の対戦相手は相手のヘッドパーツを切り落として勝利するパフォーマンスで有名な首狩りガトーだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 バンたちは郷田から得たタブレットを頼りに、首狩りガトーのありとあらゆる情報を調べ上げる。

 

「首狩りガトーか…」

 

「あぁ…アイツはバトルの最後に、戦ったLBXの首を切り落とす派手なパフォーマンスで、アングラビシダスじゃ有名だそうだ」

 

「郷田からの情報だと、使うLBXはブルド改、アックスやバズーカで戦うようね」

 

 

 カズとアミは念入りにガトーについて調べていたが一方のバンは、自分の戦い方に不安を抱いていた。そんな不安そうにしているバンをユウは見兼ねた。

 

 

「バン、とりあえず今は肩の力を抜いてリラックスしてた方がいいぞ!」

 

「あぁ…ありがとなユウ…」

 

「カズとアミ、決勝に進出するためにも打倒海道だ!頑張れよ2人共!!」

「おう!絶対優勝してやるよ!!」

「私だって!」

 

 

 ユウの励ましに3人の気持ちが奮い立った。そして4人はガトー対策として、スクウェアガード、ブロードソード、レッドバズーカー、オートマチックガン、アキレスランス、アキレスシールドを取り出した。

 

 

「それで…どうカスタマイズするんだ?」

 

「ランチャー系にすればどうかな?アキレスにはシグマDX9が搭載されてるから、相手の攻撃は十分に避けられるわ。破壊力のあるランチャー系が良いんじゃない?」

 

「でも、ランチャー系の武器だと両手が使えなくなって防御が甘くなる…」

「そうなんだよなぁ…。それにバンの一回戦のフィールドは、まさかの地中海遺跡フィールドだ」

 

 地中海遺跡フィールドは夕日に照らされて大理石が赤く染まる地中海風のジオラマ、現代都市やジャングルとは違って隠れられる場所がそれほど多くはない。

 そのため両手を使うランチャー系の遠距離武器は、地中海遺跡フィールドとの相性が悪かった。

 

 

「武器は片手で使えるものとして、ちゃんと守りを固めないと…」

 

「やけに慎重じゃない…」

 

「昨日の仙道とのバトルを気にしてんのか?」

 

「バン、戦闘スタイルを中途半端に変えて勝てるほど、アングラビシダスは甘くねぇぞ」

 

「…あぁ!」

 

 しかし4人はこれといった作戦は思いつかず、アキレスの装備をどうするかを考える。まずガトーがよく扱うランチャー系の武器の対策として、アキレスシールドではないスクウェアガードを選んだ。

 

 

「銃弾に強いスクウェアガードか!良いんじゃねぇか?」

 

「あぁ…それで攻撃はブルド改の装甲を考えたら、片手銃のオートマチックガンだとマガジン交換が必要になって、攻撃の隙を与えることになる…」

 

「だったらブロードソードってのはどうだ?シグマDX9が搭載されてるアキレスなら、ブロードソードとの相性は抜群だろ!」

 

「確かにそれなら…!!」

 

 

 槍系武器であるアキレスランスはブルド改の装甲にはダメージを与えにくいが、他のソード系と比べて重量が軽いブロードソードを使えば、シグマDX9の速度が有効に使える。

 ガトー対策としてカスタマイズを考えるバンたちだったが、突然観衆たちが大いに盛り上がった。いよいよアングラビシダス第一回戦Aグループが始まるのだ。

 

 

『ただいまから、第一回戦Aグループを開始いたします』

 

「始まるわ…」

 

「頑張れよ!」

 

「応援してるぜ!!」

 

「あぁ!」

 

 各AグループのLBXプレイヤーは大会MCの指示に従い、それぞれ指定されたジオラマに着く。無論バンも指定されたジオラマまで移動する。

 ジオラマは地中海遺跡、以前ハカイオーと戦ったのと同じフィールドだった。

 

 

「初戦からヤバそうなヤツが相手だなぁ…」

 

「大丈夫さ、バンならやれる!バン!!首狩りガトーなんか、コテンパンにやっつけてやれ〜!!」

 

「「「あ゛ぁ゛ん!!?」」」

 

「し…失礼しました…」

 

 

 観衆は誰一人としてバンを応援する者はおらず、首狩りガトーの勝利を信じて疑わなかった。そんな状況の中、いよいよ一回戦各Aブロックが開始される。

 

 

「さぁ〜来い小僧、アングラビシダスの恐ろしさを教えてやるぜ!」

 

『Ready…─────』

 

「いっけぇ!アキレス!!」

 

「ブルド改!投下!!」

 

『─────…GO!!』

 

 

《 バトル スタート 》

 

 

 

 互いのLBXは地中海遺跡フィールドに降り立ち、バトルは開始される。

 アキレスの装備はスクウェアガードとブロードソードに対し、ガトーが操るブルド改の武器はマシンランチャーとブルドアックスだ。

 

 

「ぶっ飛ばしてやるぜ!!!」

 

「危ないッ!!」

 

「避けろ、アキレス!!」

 

 

 ブルド改は右手に握っているのブルドアックスを地面に突き立て、マシンランチャーに持ち変えて先制攻撃を仕掛ける。アキレスはマシンランチャーから放たれる弾を咄嗟に見極め、回避する。

 

 

「オラオラオラオラオラァ!!!」

 

『良いぞー!!』

 

『ぶっ潰せガトー!!』

 

 

 ブルド改は追いかけながらマシンランチャーでアキレスを追跡、一方のアキレスは加速しながら弾を避けていく。そのためアキレスは回避行動をし続け、テンションゲージがどんどん削れていく。

 

 

「すげぇ…あのブルド改…俺のブルド改と全然スペック違うじゃねぇか…」

 

「多分モーターにマスラO-50を搭載してんだろうなぁ…」

 

 

 マシンランチャーによるガトーの攻撃は止むことなく、ロケット弾の雨がアキレスに襲いかかった。

 

 

「ちっ…外したか…」

 

「(なんて破壊力だ!こんなの…いくらなんでもスクウェアガードだけじゃ耐えきれない!)」

 

「バン!逃げてるだけじゃ勝てねぇぞ!」

 

「そうよ!バンの戦い方は、相手の攻撃を恐れずに攻めるのでしょ!?」

 

「相手の動きをよく見ろ!今のお前ならガトーに充分通じるぞ!!」

 

 

 3人の応援にハッとしたバンは、アキレスはブルド改に向けて走り出す。ブルド改は接近してくるアキレスに向かってロケット弾を放つも、アキレスは左右に動くことでロケット弾を避けながら距離を詰める。

 

 

「よし!良いぞバン!!」

 

「やっとバンらしい動きになったわね!」

 

 

 アキレスはブルド改とのすれ違う瞬間、咄嗟に腰にブロードソードを当て、ダメージを与える。

 ダメージを受けたブルド改はさらにバズーカでアキレスを狙うものの、勢いがついたアキレスの攻撃は止まることなく加速し続ける。

 

 

「こうなったらァ…っ!!」

 

 

 ダメージを与え続けるアキレスだったがブルド改がアキレスに向けて何かを投げつけ、爆発する。するとブルド改が投げた爆発物によってアキレスは動かなくなった。

 

 

「アキレス!」

 

「アキレスの動きが止まっちゃったわ!?」

 

「よりによってスタングレネードか…ッ!」

 

 

 ブルド改が投げた爆発物の正体は相手のLBXに投げつけるとスタン状態になるスタングレネードだった。本来ならばスタングレネードなどは禁止されているバトルアイテムだが、ルール無用の破壊の祭典であるアングラビシダスでは許される行為なのだ。

 

 

「よくも舐めた真似しやがったなァ!!俺を怒らせたらどうなるか…教えてやるぜェ!!!」

 

 

 ブルド改は装備していたマシンランチャーを投げ捨て、ブルドアックスに持ち変えた。しかしアキレスが手にしているスクウェアガードは、ブルドアックス程度なら防ぐことができる。

 ところが不敵な笑みを浮かべるガトーに、バンは違和感を感じた。

 

 

「(ブルドアックスなら、俺のスクウェアガードで充分対処出来る…スタン解除まで耐えられるか···?)」

 

「さぁ〜てと…タップリとお返ししてやるぜ、えぇ?クソガキィ!」

 

「動けアキレス!防御してくれ!」

 

 

 スタン状態は一定時間、アキレスは防御に徹してスタン解除を待つ。しかしブルドアックスがスクウェアガードに当たった瞬間、爆発が起こった。

 アキレスは吹き飛ばされ、地中海遺跡フィールドの柱に叩きつけられてしまう。ブルド改はブルドアックスに火薬を仕込んでおり、仕込んだ火薬によってスクウェアガードごとアキレスを吹き飛ばしたのだ。

 

 

「どうなってるの!?」

 

「あいつ…武器に火薬を仕込んでいやがった!?反則にもほどがある!」

 

「アングラビシダスだからなぁ…火薬仕込むのもOKなんだろうな……」

 

 

 ブルド改はアキレスに詰め寄り、ブルドアックスをアキレスの右腕の関節に何度も叩き込む。アキレスはスクウェアガードを構えて防ごうとするも、スタン状態で動くことすらままならなかった。

 

 

「オラァ!ここはァ!テメェみたいなァ!!ガキがァ!!来るところじゃねぇんだよ!!!」

 

「くッ…スタン状態で逃げられない…!」

 

 

 必死にアキレスはブルド改の攻撃に耐え、30秒間のスタン状態がついに解除された。しかしそれと同時にアキレスが右腕をもがれてしまう。

 

 

「どうだ!!もぎ取ったぞぉぉおおおおお!!!」

 

 

 ブルド改はもぎ取ったアキレスの右腕を掲げると、場内の興奮は最高潮に達した。そして次にブルド改はアキレスの脚を狙ってブルドアックスを振りかざした。

 しかしスタン状態が解除されたアキレスはブルド改の攻撃を軽々と回避、大きく後退する。ブルド改はブルドアックスを手放し、先程投げ捨てたマシンランチャーを拾い上げ、アキレスに向かってロケット弾を放つ。

 

 

「(こうなったら一か八か…アレしかない!)」

 

「自分から突っ込んできやがったか!!」

 

 

 距離を縮めてくるアキレスにブルド改はロケットを発射するも、アキレスはスクウェアガードでブルド改のロケット弾を防いでいく。そしてロケット弾が発射される寸前、アキレスが即座にスクウェアガードで銃口を塞ぎ、マシンランチャーが暴発した。

 ブルド改はマシンランチャーの暴発によって大きくダメージを受け、ブルド改のLPは残り4分の1となった。

 

 

《ソードサイクロンが使用可能です》

 

 

「ソード…サイクロン?」

 

「バン、ファイナルブレイクだ!!郷田と戦った時のこと、覚えているよな!?」

 

「…っ!あぁ!!」

 

 

 ブルド改はブルドアックスを構え、アキレスに向かって距離を詰める。一方のアキレスはスクウェアガードを手放し、ブロードソードを構えてブルド改を迎え撃つ準備をする。

 

 

「テメェの首を寄越せぇぇええええ!!!」

 

「今だ!ファイナル…ブレイク!!」

 

 

《Attack Function!ソードサイクロン!》

 

 

 アキレスは高速回転しながらブロードソードで自ら接近したブルド改を切りつけ続ける。その剣撃はブルドアックスを腕ごと切り落とすだけでなく、ボディにも届いていた。

 そして竜巻を引き起こし、ブルド改はブレイクオーバーの証である青白い光が放たれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『Bジオラマ、バトル終了。勝者、山野バン』

 

「よっしゃ!」

 

「バンが勝ったわ!」

 

「ふぅ…見ててヒヤヒヤしたぜ…」

 

 バンが首狩りガトーに勝利したのと同時に各Aグループ一回戦は終了した。こうしてバンは一回戦を突破して二回戦進出だったが、二回戦の相手は一回戦で同時破壊となった為、不戦勝でバンは三回戦進となった。

 

 

「やったな、バン!」

 

「あぁ…」

 

「そうか…アキレスの右腕…」

 

「アキレスの腕、一体どうするの···?」

 

 

 ガトーに勝てたから良いものの、アキレスの右腕はガトーのブルド改によって切り落とされた。LBXを変えるというルールは無く、アキレスは右腕がない状態でバトルをしなければならない。

 その上代わりのLBXの右腕は残念ながら持っておらず、崖っぷちであった。

 

そう思っていたその時、郷田と郷田三人衆が颯爽と現れた。

 

 

「ハカイオーの腕を使え」

 

「郷田…!」

 

「パーツを交換しろ、腕全体を交換するんだ」

 

「え?でも…どうして?」

 

「決まってんだろ、パーツ交換はLBXの醍醐味じゃねぇか!」

 

 

郷田は、ハカイオーの右腕交換バンに提案した。

 しかし汎用性に優れたバランス型であるナイトフレームのアキレスに対してハカイオーは高出力&重量級なパワー型のブロウラーフレーム、汎用性ってところは似ているけど重さがまず違う。

 その為ハカイオーの右腕だけとなるとバランスが悪くなるのは目に見えていたが、バンは郷田の提案を承諾した。

 

 

「ありがとう、使わせてもらうよ!」

 

「おいコラ、分かってんだろうね?リーダーのパーツを使って負けたら、承知しないよ!」

 

「おい行くぞ、リコ」

 

「え?わっ…待ってよリーダー!リーダ〜!!」

 

 

 郷田らが観客席に戻るのを確認すると、早速アキレスの腕の交換作業に取り掛かる。電動ドリルを使ってアキレスの右腕を取り外し、ハカイオーの右腕を取り付けてコアスケルトンごとパーツ交換する。

 最後に動作チェックを行い、問題無いことを確認した。

 

 

「とりあえずコアスケルトンごとパーツ交換はしたけど、とりあえず今から急ピッチでアキレスの腕の修理するわ」

 

「ありがとな、ユウ」

 

「良いってことよ!それで、次は各Bグループによる一回戦だな。頑張れよ、2人共!」

 

「えぇ!」

 

「それじゃあユウ、行ってくる!」

 

 

そう言ってカズとアミは、指定されたジオラマへと向かう。

 しかし数十分後、アミとカズは対戦相手に勝利したにも関わらず、不機嫌な顔をして帰ってきた。何故だ。




LP:ライフポイント。0になるとブレイクオーバーとなる。
ライフガーダー(補助パーツ)にて上昇させることが可能。

コアスケルトン:LBXの素体。胸のコアボックスには、CPU,コアメモリ、モーター、バッテリーなどが入る。素材は特殊合金と硬質樹脂。高度な技術を使用しているため、高価で子供のお小遣いで容易に買えるものではない。
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