ダンボール戦機-Zero-   作:赤倉翔

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第6話 侵入、エンジェルスター

 

「イノベーターか………」

 

 寝室のベットで転がりながら宇崎さんの話を思い出した。

 飛行機事故で亡くなっていたバンの親父は実は生きていたのだ。それもとある組織に誘拐されていたらしい。

 

 その組織の名はイノベーター、闇の世界で勢力を拡大し続ける謎のテロ組織。総理の暗殺を計画したのもヤツらイノベーターだった。

 

 

「それに永久機関、エターナルサイクラー…」

 

 

 イノベーターの目的、それは永久機関であるエターナルサイクラーの開発だ。第1種永久機関の可能性はエネルギー保存則によって否定されたが、この保存則に反しない永久機関がつくられれば、大気のような無尽蔵の熱源から無限のエネルギーが得られることになる。

 

 しかし永久機関であるエターナルサイクラーは、使い道を誤れば世界を滅ぼす兵器になるようだ。

 

 

「絶対そんなことは、させねぇ…」

 

 

 イノベーターはエターナルサイクラーの技術を利用して、世界を心中に収めようとしているのだろう。

 それに気づいたバンの親父さんはデータを外部に持ち出そうと、データが詰まったプラチナカプセルをAX–00のコアスケルトンに隠し、助手に託した。

 

 

「あのデクーも、エジプトも、全てイノベーターだったのか」

 

 

 蓮さんによればプラチナカプセルにはデスロックシステムとやらが搭載されているらしく、強引に取り外そうものなら毒の矢によって即死のようだ。

 もしもあの時触れるタイミングを誤っていたら、俺は死んでいたのだろう。

 

 

「さ…寒気がしてきた…。今日はもう寝よう……」

 

 

 今日はゆっくり寝ようとしたその時、窓に何かがいることに気づいた。窓を開けるとアミ愛機であるクノイチがいた。

 ふと不思議に思い、咄嗟にクノイチを手に取った。

 

 

《いいのか?あんなことを言って》

 

「これって…蓮さんの声……なのか?」

 

《あそこへの突入は、命がけになるからな。首相の暗殺阻止の為に彼らは予想以上の働きを見せてくれた。彼らの力が必要になる時が、きっと来る》

 

 

 蓮さんと宇崎さんの会話を聞く限り、どうやらアミは2人の会話を盗聴していたようだ。

 

 

《やはり、博士はあの場所に?》

 

 

《解析した情報からして、間違いない。博士は天使の星にいる》

 

 

《やはりカミヤが絡んでいたか…ッ》

 

 

 天使の星にカミヤ、2人の会話から聞き覚えのあるワードが飛び交う。どうやらそこにバンの親父さんは監禁されているみたいだ。その情報を知れただけでもありがたい。

 

 

「とにかくまぁ、ありがとなアミ」

 

 

 窓を開け、クノイチを外に出す。そして動き出したクノイチが外に出たことを確認すると窓を閉めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「天使の星…っと、1万件!?うわ、いっぱいある!え〜っとなになに?占いの館・天使の星、喫茶・天使の星、店長さんのブログ、300万人が泣いた、話題の恋愛小説『天使の星』、待望の新作登場」

 

「………お前らやってんだよ」

 

 

 バンたちが天使の星とやらを調べてる分かったが、端から見ると只々怪しい連中にしか見えなかった。

 

 

「天使の星だけ調べても意味ねぇだろ?そもそも天使の星とカミヤ…って神谷重工とエンジェルスターのことじゃないか?」

 

「「…え?」」

 

「ね…ねぇ!もっと詳しく教えてくれない!?」

 

「確信はないけど、とりあえず簡単に説明するわ。さっき言った神谷重工ってのは国内最大手の工業メーカーで、エンジェルスターってのはそこの重工業機械のブランドのことだ」

 

 

 例えば学校のグラウンドの端にあるアームロボットはエンジェルスター・マックスといって、エンジンは最新のカミヤDDを搭載、ダイレクトHST駆動での定格出力は従来の2.8倍もある国内最大のアームロボットだ。

 そんな代物を造る神谷重工は、地下で兵器を造っている噂があるのかないのかという噂もあった。

 

 

「というかエンジェルスターの情報を知ったところでまさかとは思うが、今から行くつもりなのか?」

 

「決まってる、エンジェルスターの地下には父さんがいるんだ。助けに行く!」

 

「………本当に行くつもりなのか?」

 

「あぁ!!!」

 

 

 バンの親父を助けに行きたいっていう気持ちはわかる、だが何故によって今日なのだ。エンジェルスター無計画で行けるような場所ではなかった。

 

 できれば諦めて欲しかった、けれども親父さんを助け出すというバンの強い意志を感じた。止めても無駄なのだろうと俺は悟った。

 

 

「ハァ〜……分かったわ、心配だから俺も行くわ……」

 

「いいのか、ユウ?」

 

「今のままで行くのはどうかとは思う、だから3人は先にエンジェルスターに向かってくれ」

 

「ユウはどうするの?」

 

「後から俺も行くから。色々準備しなきゃいけないし…“色々”なぁ……」

 

「「「うわぁ…」」」

 

 

 後日3人から聞いた話によると、悪巧みを考えるの俺の表情はまるで極悪人のような顔だったらしい。自覚はしている。

 しかし俺たちが今から向かう場所はエンジェルスターという名の要塞、それもバンの親父さんの救出が目的だ。

 

 神谷重工がイノベーターと裏で手を組んでいるかどうかも分からない、地下で兵器を造っているという噂だってある。だからこそ色々な方法を模索しなければならない。

 

 

「さてと…磁場爆弾、フリーズグレネード、ヒートグレネード、、スモークグレネード、スタングレネードを大量に用意しなきゃいけないな」

 

 

 もう用意する品々が既にまともではないが、必ず必要にはなる。それに侵入するのだから、わざわざ正々堂々する必要はない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「でけぇ…」

「ここがエンジェルスター……」

「どうする?正門からは入れそうにないけど」

 

 午後18時、バン達は目的地であるエンジェルスターに訪れていた。だが厳重な警備のため、正面から入ることはまず不可能だった。

 そのためバン達は別の入り口を探しに迂回するルートに入る。

 

 

「あそこから入れるんじゃないかな?」

 

「えっ?マジで言ってんのかバン、いつも警備が厳重なエンジェルスターだぜ?」

 

「とりあえず行ってみましょ!」

 

 

 厳重な警備なのは正面だけではなく、通行口前には警備ロボットが配置されていた。

 だがユウは総理暗殺の件で警備ロボットのことは事前に知っており、持ってきたスモークグレネードを咄嗟に投げて警備ロボットの視界を眩ませる。

 

 そしてしばらく通路を進んでいくと、通行口前の入り口にたどり着いた。

 

 

「どうだバン、開きそうか?」

 

「開かない」

 

「くっ……ダメか!」

 

「だったらダクトはどうだ?LBXが通れるサイズだ」

 

 

 LBXをダクトに入れて内側から鍵を開けるというユウの提案に3人は賛成した。そしてそれぞれLBXを手にし、ダクトの内部へと侵入する。

 

 

「ダクトを抜けるだけだし、楽勝楽勝!」

 

「中がどうなってるのかわからないんだから、注意して進みましょう」

 

「ダクト内部、思った以上に広いじゃん…」

 

 

 バン達がダクトを辺りを見回すのもつかの間、3機の警備のLBXが行く手を阻んだ。

 ユウとバンは3機のLBXに見覚えがあった。その姿は、バンの家で襲ってきたデクーに類似していたのだ。

 

 

「LBX…!?」

 

「きっと警備用LBXよ!気をつけて……!」

 

「グズグズしていられないな。片っ端から倒して、突っ切るぞ!」

 

 

 敵だと分かると、デクー3機は一斉に動き始めた。それと同時にサラマンダーMK–Ⅱは迅雷棍を手放し、アサルトAR3を装備する。

 そしてタイミングを見計らい、ユウは必殺ファンクションを発動させる。

 

「必殺ファンクション!!」

 

 

《Attack Function!スプレッドショット!》

 

 

 サラマンダーMK–Ⅱは正面に散らばるデクー3機に向かって必殺ファンクションを放ったものの、デクー三機はそれを読んでいたかのようにして回避した。

 だがそれこそがユウの狙いだった。

 

 

「カズ!今だ!!」

 

「了解だぜユウ!必殺ファンクション!!」

 

 

《Attack Function!スティンガーミサイル!》

 

 

 ハンター専用の必殺ファンクションが発動、ハンターの背中に内蔵したミサイルが一斉発射された。

 予想外の必殺ファンクションに、デクー3機は回避行動を取れぬまま爆散する。

 

 それを確認したサラマンダーMk-Ⅱはダクトからエンジェルスター内部に侵入し、LBXを使って扉のロックを解除した。

 

 

「警備用LBXもここまでは追ってこないみたい。ひとまず第1段階は、成功ね」

 

「警備していたLBX、家で襲ってきたLBXと同じ系統だった……」

 

「頭部パーツとカラーリングは違えどボディのアーマーフレームは確実に同じだ」

 

「……てことは」

 

「ここが、イノベーターの基地!?」

 

 

 アミとカズは、ここがイノベーターの基地であることに驚愕する。しかしここがイノベーターの基地である以上、どこかにきっと山野博士がいるのだとバンは確信した。

 

 

「間違いない、父さんはここにいるんだ!」

 

「だろうな!さっさとバンの親父さん助け出して、こんな場所はおさらばだ」

 

 

 そう言ってユウは監視カメラを睨み、バンたちと共にこの先にある扉へと向かう。しかし扉も先程と同様にロックがかかっており、向こうに通じているだろうダクトを発見する。

 

 バンたちはLBXをダクト内部に侵入させ、探索を開始する。

 しばらく探索していると、ダクト内部にいた警備用LBXに行く手を阻まれてしまう。そしてダクト内部にいたのは警備用のデクーではなく、また別のLBXだった。

 

 

「なんだ、あいつら?」

 

「見たことのないLBXだ」

 

「謎の強敵感が出てるんだけどあのLBX」

 

「そんなこと言ってる場合じゃないでしょ!?来るわよ、気をつけて!」

 

 

 謎の警備LBXは侵入者の姿を確認すると、両腕から何発もの弾を同時に放った。それに気づいたアキレスは弾を避けて攻撃を仕掛けるも、警備LBXは一つも傷が付いていなかった。

 

 

「こいつら、ただの警備LBXじゃない…!?」

 

「えぇ、逃してくれる気はなさそうね。全部倒してから進むしかないわ!」

 

 

 アキレスたちは懸命に警備LBXに対して攻撃を仕掛ける。しかしアキレスの攻撃も、警備LBXはビクともしていなかった。

 そして警備LBXは腕は武器腕であるため、鋭いカギ爪と仕込み銃がアキレスたちを苦しめる。

 

 

《Attack Function!パワーナックル!》

 

 

「ぐっ…!?」

 

 

 警備LBXの拳にエネルギーが集中し、パンチから火球を放ち、アキレスに向かって撃った。当然アキレスは必殺ファンクションをモロに食らってしまい、LPが大幅に削れてしまう。

 

 

「このままだとマズいなぁ…ッ!バン!アミ!カズ!一旦避難するぞ!!」

 

 アキレス、クノイチ、ハンター、サラマンダーMK–Ⅱはその場から離れ、警備LBXから見えない位置に避難する。そしてそれぞれ片手銃を手にし、警備LBXに警戒する。

 

 

「………来ねぇし」

 

「………来ないな」

 

「………来ないね」

 

「………来ねぇな」

 

 

 ユウ、バン、アミ、カズの順でそう呟いた。いくら待っても警備LBXが来る気配は無かった。

 ユウはふと不思議に思い、隠れながら警備LBXを観察する。そしてユウは、警備LBXがバン達を探すどころか起動停止していることに気づいた。

 

 もしかしたらと思い、サラマンダーMK–Ⅱはオートマチックガンを警備LBXに投げる。すると警備LBXは再び起動、オートマチックガンを粉々に破壊した。

 

 

「もしかしたらあの警備LBX、自立行動型LBXかもしれねぇぞ」

 

「なんだって!?」

 

「それって本当なの!?」

 

「多分あの警備LBX、持ち場を離れないのもAIが単純な動きに制限されているかもしれん」

 

 

 警備LBXの正体が自立行動型LBXだった確信すると、バンたちの行動は早かった。

 まずアキレス、クノイチ、サラマンダーMK–Ⅱが警備LBXの注意をそらす。そしてハンターは警備LBXに付いてあるセンサーに狙いを定めた。

 

 

「カズ!銃弾をセンサーにぶち込め!!」

 

 

 ユウの叫びを合図に、警備LBXのセンサーに向かってハンターのライフルから計6発もの銃弾が発射される。銃弾はブレることなくセンサーに着弾する

 センサーを失った警備LBXたちは侵入者を見失った。

 

 

「よっしゃ!命中したぜ!!」

 

「さっさと行くぞ!警備LBXはセンサーがぶっ壊れてるから、俺らの姿は見えちゃいねぇ!!」

 

「ユウの言う通りだわ!早く行きましょう!」

 

 

 辺りを見回す警備LBXを無視し、アキレスたちはダクトの奥へと向かった。そしてダクトから抜け出し、LBXを使って扉のロックを解除した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 LBXを回収した俺たちは一階の搬入エリアを通って、下層の製造エリアAに続くエレベーターに乗り込み、製造エリアAへと向かった。

 

「うぉぉ…また扉とダクトがあるし…ロックがかかってるし……」

 

「扉の向こうから話し声が聞こえるな…」

 

「ねぇユウ。サラマンダーMK–Ⅱをダクト内部に侵入して盗聴しましょう!」

 

「いいけどさぁ…アミの口から盗聴って言葉が出るとは思わなかったわ」

 

 

 何故かアミに足を踏まれつつ、再びサラマンダーMK–Ⅱをダクト内部に侵入させた。そしてCCMを覗くと、サラマンダーMK–Ⅱのカメラに1人の中年が写っていた。

 

《全自動で稼働する生産ラインで人間様がすべきこと…ふぅ…何もしないってことだな》

 

「な〜んか、冴えないオッサンがいるぜ?」

 

「しっ!誰か来るわよ!」

 

《霧島さん、ご苦労様です》

 

《神谷さん!?……いえ神谷会長、それに八神さんまで、どうして?》

 

 どうやらあれは神谷グループの会長の神谷藤五郎らしい。やっぱり神谷重工とイノベーターは繋がっていたのだろうか?

 

 

《会長はやめてください、霧島さん。強化ダンボールの開発者として私は貴方を尊敬しているのですから》

 

「強化ダンボールを!?」

 

「あのオッサンが作ったって!?」

 

「どうして、そんな人がここに……」

 

 

 アスカ工業の社長、強化ダンボール発明者の霧島 平治。しかしアスカ工業はタイニーオービット社に吸収された為、今の彼はアスカ工業元社長である。

 

 

《辛い気持ちは分かりますよ。優秀の技術者であった貴方が開発したもの、開発の場……全て奪われたのですから》

 

《神谷会長…》

 

《思い出しますなぁ…貴方が強化ダンボールを開発するまで、LBXは危険な玩具だったことを……あの頃は、毎日、子供たちが怪我をしたニュースで持ちきりでしたね。あれでは、LBXが販売中止になるのも時間の問題だった……》

 

 

 それは8年前に遡る。2042年、当時タイニーオービットの研究者だったバンの親父さんがLBXを開発し、日本で発売される。

 しかし3年後、もともと高かったLBXの性能故に事故が多発、LBXが危険視されたため販売中止となった─────

 

 

《だが、貴方が強化ダンボールという舞台を生み出したおかげでLBXは安全な玩具として蘇ったのです》

 

《ですが、強化ダンボールはもう私のものではありません》

 

《そう…許せないのは、貴方から強化ダンボールの権利を奪った宇崎悠介。タイニーオービット社のLBXは出荷数が過去最高のようですね。貴方が開発した強化ダンボール、全てはそのおかげだというのに……》

 

 

 話を聞く限り、タイニーオービット社に強化ダンボールの権利をすべて買収された後にアスカ工業は倒産した。そして元社長の霧島平治は神谷重工に拾われたということか。

 

 

《路頭に迷ったところを拾っていただいた恩、決して忘れてはいません》

 

《……ところで、八神君》

 

《はい》

 

《山野博士は、今もエンジェルスターの最深部に?》

 

《えぇ》

 

 

 どうやらバンの親父さんはエンジェルスターの最深部に幽閉されているみたいだ。やはり宇崎さんと蓮さんの情報は正しかった。

 しかしあまりにもわざとらしい、まるで聞かれていることを分かっているかのような。

 

 

《では霧島さん、貴方にお願いしたいことがあります。貴方にとっても、悪くない話だと思いますよ。アスカ工業再建のためにも…ね》

 

《……どういう意味ですか?》

 

《そうですね……場所を変えましょう、こちらへ………》

 

 

 神谷藤五郎たちが立ち去ったのを確認した俺はサラマンダーMK–Ⅱを使い、内側からのロックを解除して制御室に入った。

 

 

「ねぇバン!これって……」

 

「おい!兵器だぜ?こりゃ…」

 

「神谷重工が兵器開発をしてるって噂は本当だったんだ!」

 

「バンの親父さん幽閉に兵器開発、真っ黒じゃねぇか神谷重工…」

 

 

 自動で兵器が組み立てられていく様子に、これは現実なんだと認めざるおえなかった。

 しかし兵器密造の現場に構っている暇はない。早くバンの親父さんを救出して、バンとお師匠を心配した分だけぶん殴らないといけないと心の中で決意した。

 

 

「バン!お父さんのところへ行きましょ!」

 

「さっさとオヤジさん救出して、こんな施設とはおさらばしようぜ!」

 

「あぁ!」

 

 

 俺たちはすぐさま制御室を出て、製造エリアBのルートを通ってエレベーターに乗り込む。

 バンの親父さんはエンジェルスター最深部にいるがイノベーターが何もしないハズがない、きっとバンの親父さん救出を知ってなんらかの対策を練ってくるだろう。

 

 

「おい、ここから中に入れそうだぜ?」

 

「え?それって本当かカズ?」

 

「ここに父さんが……」

 

「バン、いよいよね……」

 

「よし、行こう!」

 

 

 ついにエンジェルスター最深部にたどり着いた。俺たちは互いに決意し、隔壁の向こう側へと突入した。

 辺りを見回すとあまりにも広く、ここは何かの格納庫ではないか推測した。だがその時、突然隔壁が閉まり、俺たちは閉じ込められてしまう。

 

 

「なんだ…?」

 

「なにか聞こえるわね…?」

 

「なんというか…エンジン音みたいな…?」

 

「これって……もしかしてやべぇパターンじゃねぇの…!?」

 

 

 格納庫の奥から大きなエンジン駆動音が鳴り響く。その音はどんどん大きくなり、こちらの方に近づいて来ることが分かる。

 その直後、格納庫の隔壁を力づくで突き破る大型の重機らしきマシンが姿を現した。

 

 

「何?」

 

「こいつは!!」

 

「なんなんだ…」

 

 

 その姿はミソラニ中の校庭で見たエンジェルスターマックスをも遥かに超える巨体、クローアームとドリルアームも比にならない程大型化されていた。

 

 

「こうなったらやるしかない!」

 

「やるしかないのか…!?」

 

「あぁもう!やるしかないでしょ!?」

 

「だよなぁー…!?」

 

 

 アキレス、ハンター、クノイチ、サラマンダーMK–Ⅱはそれぞれ戦闘態勢に入る。しかしあまりにも巨体な兵器相手にLBXでどう立ち向かえばいいのか、俺たちは分からずにいた。

 

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