ダンボール戦機-Zero-   作:赤倉翔

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第7話 山野淳一郎の行方

 

「火力が違いすぎる!?」

 

この格納庫に安全な場所などなく、仮にあれど大型のクローアームによって吹き飛ばされる。

 オートマチックガンをドリルアームに撃ち込むも、重機にダメージを受けている様子はなかった。

 

 

「やっぱりアキレスを狙ってるよな、プラチナカプセルの件もあるし…」

 

「プラチナカプセルは父さんに託されたんだ。イノベーターには絶対に渡さない!」

 

「そんなこと分かってるわ!さっさとあんなデカブツぶっ潰して……ってうぉぉおおおお!!?」

 

 

 その瞬間、重機のカメラアイから緑色に発光したレーザーが放たれた。咄嗟に回避したものの、背後を見ると焼き切られたコンテナが視界に入る。

 

 

「そんなのってありなの!?」

 

「レーザーが出る重機ってなんだよ!?」

 

 

 スタングレネードを使ってドリルアームとクローアームをスタンさせるも効いている様子はなく、乱射されるレーザーのせいで迂闊に近づけない状況である。

 

 

「あぁくそ!バン、カズ、アミ、俺が囮になるから頼む!!」

 

「ユウ!一体どうすんだよ!?」

 

「決まってんだろ、今から重機のアームをぶっ潰しに行くんだよ!!」

 

 

 サラマンダーMk-Ⅱは煽るように銃弾を重機に撃ち込む。

 重機それに気が付いたのか、ドリルアームをサラマンダーMk-Ⅱ目掛けて振りかざした。だがドリルアームが当たったのはサラマンダーMk-Ⅱではなく、地面に置いてある装置のようなものだった。

 

 

「おい見ろよ!あいつ、腕が痺れてるみたいだぜ!そうか!あの装置の中には電流が流れてるんだ!」

 

「あぁ、チャンスだ!今みたいに腕が痺れてる時なら、攻撃が通用するかもしれないぞ!」

 

「そうか!だったら…必殺ファンクション!!」

 

 

《Attack Function!ハイパーエネルギー弾!》

 

 

 装置から電流が流れ、ドリルアームの動きが止まった。瞬時にドリルアームの装甲の薄い所を狙って、オートマチックガンから圧縮されたエネルギー弾を放つ。

 ハイパーエネルギー弾に直撃したドリルアームは爆発、そのまま動かなくなる。

 

 

「カズ!この調子で俺がクローアームの動きを止めるから、タイミングに合わせて必殺ファンクション頼む!!」

 

「おう!了解だユウ!!」

 

 

 地面に置いてある装置にクローアームが当たるよう誘導し、重機がクローアームを振りかざしたタイミングと同時に回避する。装置に直撃したクローアームは一時的に動きが止まった。

 

 

「今しかないだろ!必殺ファンクション!!」

 

 

《Attack Function!ホークアイドライブ!》

 

 

 ライフルの銃口からエネルギーがチャージ、駆動部に狙いを定める。そして一気に威力の高い弾丸を3発狙撃、狙撃されたクローアームの機能は停止した。

 サラマンダーMk-Ⅱはメインカメラの所に向かうべく、機能停止したクローアームの方に飛び移る。

 

 

「ユウ!どうするの!?」

 

「クローアームを伝って、一番上まで行くんだよ!俺はあの重機のメインカメラをぶっ壊す!」

 

「なるほどな!どんなに大きくても周りが見えてなきゃ、身動き取れねぇか!」

 

「ここは任せろ、ユウ!」

 

「あぁ、俺とバンとアミで、このデカブツの気を引いてやるぜ!」

 

 

 3人に感謝しつつ、クローアームを伝ってメインカメラに向かう。だがそこに待ち受けいたのは、先程倒した警備LBXと同じタイプ3機だった。

 

 

「ユウ!新手の登場だ、気をつけろ!結構、数が多い!」

 

「きっと上に行くのを邪魔するつもりね。ユウ、こっちに来た敵は私たちでなんとかするわ!そっちも無理はしないで!」

 

「くっ…やっぱ銃弾は効かねぇか…!!」

 

 

 オートマチックガンは使えないと判断し、再び迅雷棍を装備した。

 警備LBXはサラマンダーMk-Ⅱに対し、鋭いカギ爪を勢いよく振り下ろす。しかし勢いよく振り下ろされたカギ爪を受け流した。

 

 

「ヒート…グレネードっ!!」

 

 

 サラマンダーMK–Ⅱの片腕を犠牲にして、警備LBXにヒートグレネードを放つ。オーバーヒートした警備LBXの隙を狙ってセンサーを破壊、クローアームから突き落とした。

 

 

「ヤバい、サラマンダーMk-Ⅱのバランス感覚が崩れてんじゃねぇか!」

 

 

 フラつくサラマンダーMk-Ⅱに気づいたのか、残りの警備LBX2機が迫って来る。もうダメかと思ったその時、アキレスがサラマンダーMk-Ⅱに向かってバスターソードを投げた。

 瞬時に気づいたサラマンダーMk-Ⅱは迅雷棍手放し、バスターソードを手にする。

 

 

「ナイスだバン!必殺ファンクション!!」

 

 

《Attack Function!ソードサイクロン!》

 

 

 サラマンダーMK–Ⅱはその場で高速回転、竜巻を引き起こす。近くにいた警備LBX2機を共に切り刻み、跡形もなく吹き飛ばした。

 

 

「…っと、バン!バスターソードありがとな!!」

 

「あぁ!無事で良かったよ!」

 

「悪いユウ、何体か逃しちまった!」

 

「ユウ、もう少しでメインカメラに到着よ!無茶しないで!」

 

「今度はデクーかい!?」

 

 

 複数のデクーを相手にするのは不利だ。そのためガードリキッドMとアタックリキッドMを使って攻撃力と防御力を上げる。

 バスターソードを構えて戦闘するが、地味に多いから正直に言えばキツい。

 

 

「オラァァアアアアア!!これでも食らいやがれぇぇぇええええ!!!」

 

 

《Attack Function!ストームソード!》

 

 

 デクーがサラマンダーMk-Ⅱに近づくと同時に、ソードサイクロンの強化版にあたるストームソードを発動、強化な竜巻が複数のデクーを切り刻んだ。

 デクーが粉々になったのを確認すると、重機のメインカメラに向かう。

 

 

「レーザーのせいでカメラまで近づけねぇじゃねぇか…!?」

 

 

 メインカメラに着いたのはいいもののレーザー発射口の射角範囲の中にいるため、迂闊に近づけばレーザーによってサラマンダーMk-Ⅱが焼き切られてしまうのは確実だ。

 

 

「ユウ、大丈夫か!?」

 

「バン、大丈夫…だと思う!だけどレーザーのせいで近づけれねぇ!!」

 

「手はあるわ!レーザーのエネルギーにも限りがあるはずよ!きっと、連射はできないわ…ユウ!敵の動きに注意しながら近づいて!絶対に隙があるはずだから!」

 

「あぁ!そういうアドバイスを欲しかった!ありがとう、アミ!!」

 

「え…えぇ!」

 

 

 バスターソードじゃあ迂闊に近づけばお陀仏だってことは分かった。ならばここはバスターソードを手放してオートマチックガンに持ち替えたほうが良さそうだ。

 

 

「やっぱりアミの言う通りだな!数秒ほどだが、レーザーに隙がある!撹乱しつつ相手にレーザーを使わせて、その後隙を突いてぶっ潰してやる!!」

 

 

 重機はサラマンダーMk-Ⅱ相手に集中してはいるが、少しずつだがキレが甘くなってきていた。

 

 

「おらァ!チャージショットをくらいやがれ!!」

 

 

 オートマチックガンのチャージショットがレーザーに当たって爆発、周囲が黒煙に包まれた。幸いにも黒煙のおかげで、重機はサラマンダーMk-Ⅱの姿を視認出来ていないようだ。

 

その隙を見逃すわけにはいかない、一気にサラマンダーMk-Ⅱを加速させてメインカメラに突撃する。

 

 

「トドメのォ!!槍投げだアアアアアアアッ!!!」

 

 

 サラマンダーMk-Ⅱは加速に身を任せ、メインカメラ狙いを定めて迅雷棍を投げ飛ばした。投げ飛ばした迅雷棍は、黒煙が消えた時には重機のメインカメラに突き刺さっており、大爆発が起こった。

 

 

「ユウ!危ない!!」

 

「なッ…!?」

 

 

メインカメラを破壊したのもつかの間、再び動き出した重機に慌てた俺はサラマンダーMk-Ⅱを操作するが、蓄積されたダメージのせいで動くことすら出来なかった。

 

 

「ユウ!今助けに行くぞ!!」

 

 

 ハンターが助けに行こうとするも既に遅く、サラマンダーMk-Ⅱの脚にレーザーが直撃した。腕と脚を破壊された今、サラマンダーMK–Ⅱは逃げることは不可能となった。

 

 

「このままじゃあ……っ!?」

 

 

 重機がサラマンダーMK–Ⅱの目の前まで迫ってきたその時、突如現れたLBXがボロボロのサラマンダーMk-Ⅱを救い出した。

 そのLBXは純白の装甲に包まれ、ストライダーフレームでありながらどこか力強さを感じる不思議な機体だった。

 

 

「LBX…?」

 

「真っ白なLBX…もしかしてお前がユウを助けたのか…?」

 

「見たことのないLBX…それに、クノイチ以上のスピードだわ」

 

「こいつ…味方なのか…?」

 

「油断するなユウ、そうとは限らないぜ!」

 

 

 バンとカズが警戒する中で、白いLBXはサラマンダーMk-Ⅱの元に歩み寄る。その凛々しい姿につい俺は目を追ってしまう。そして白いLBXはサラマンダーMk-Ⅱを担ぎ上げた。

 

 

「…ん?ん!?」

 

 

 サラマンダーMk-Ⅱは突然白いLBXに担ぎ上げられ、勢いよく投げ飛ばされた。俺は困惑したまま、サラマンダーMk-Ⅱは重機の頭上にあるコンテナに着地した。

 

 

「なんで投げ飛ばされた…!?」

 

「くそッ!あのLBX、やっぱり敵か!ユウ、気をつけろ!!」

 

「CCMからメッセージが…!?えっと…『資材を落とせ Pandora 』…?」

 

 

 どうやらあの白いLBXの名はパンドラのようだ。

 パンドラメッセージを送るや否や、駆け抜けて重機の注意を逸らし始める。

 

 

「わかった!クレーンのロックを破壊すれば、資材を重機の上に落とせるのね!」

 

「あんなデカいのが直撃すりゃあさすがの化け物もおとなしくなんだろ!」

 

「でもユウのLBXはもう動くことすら出来ないじゃないか!?」

 

 

 バンの言う通りだ。サラマンダーMk-Ⅱの片腕はもう機能しない。それにさっきの大爆発で機体に大きなヒビが入っている。

 このままCCMで動かしてしまえばサラマンダーMk-Ⅱはブレイクオーバーするのは間違いないだろう。

 だからこそ、俺は最終手段を考えた。

 

 

「サラマンダーMk-Ⅱを爆発させるッ…!」

 

 

 サラマンダーMk-Ⅱの片腕片脚が使えない今、自ら爆発させてクレーンのロックを破壊しなければならない。だけど愛用機であるサラマンダーMk-Ⅱを自爆させるという行為に俺は躊躇ってしまう。

 

 だがバンの親子さんを救う為に、LBXを自分の手で爆発させることを決意した。

 

 

「ありがとな、サラマンダーMk-Ⅱ……」

 

 

 サラマンダーMk-Ⅱは自ら迅雷棍を突き刺し、爆発する。

 その爆発の勢いでクレーンのロックが解除、コンテナを吊るしていたアームをは破壊され、落下したコンテナは重機のエンジン部に直撃して沈黙した。

 

 だがサラマンダーMk-Ⅱの自爆が原因か、自ら手にしてたCCMも爆発した。

 

 

「ぐッ…止まった…ようだな…ッ」

 

「そ大丈夫かユウ!?」

 

「大丈夫…じゃねぇわ、右手…火傷しちまった……ッ」

「大変じゃねぇか!?」

 

「そうよ!あまり無茶しないで…ッ!」

 

 

 もう少し判断を考えるべきだった。

 危機的状況を救ってくれたパンドラには感謝しなければいけないと思って周囲を見回すが、パンドラの姿は見当たらなかった。

 すると突然、格納庫からアナウンスが響き渡った。

 

《山野バン》

 

「誰だ!?」

 

《ここにはもう、山野博士はいない。博士を返してほしければ、次のアングラビシダスにして出場し、優勝せよ》

 

「アングラビシダス?」

 

「噂で聞いたことある、LBXバトルの地下大会のことだ…」

 

 

 アングラビシダス、それはルール無用&情け無用のLBXバトルだ。過去に何度も参加し、優勝をもぎ取っているので良く知っていた。

 そんなことを思っていると、最深部の隠し通路から蓮さんが現れる。

 

 

「おーい、お前たち!」

 

「「「檜山さん!?」」」

 

「無茶しやがって、こっちだ!脱出するぞ!」

 

 

 蓮さんの案内のもと、無事に帰れた俺たちは宇崎さんの運転する車の中で様々な話を聞いた。

 神谷重工とイノベーターの繋がり、万全な作戦を立てて救出しようとしていた事、俺たちが大切で危険に晒してほしくなかった事などを話してくれた。

 宇崎さんらが話し合っている中、俺は残骸と成り果てたサラマンダーMk-ⅡとCCMを握りしめた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次の日、俺はトキオシティにあるトキオシアデパートに訪れていた。

昨日のエンジェルスターの件もあり、サラマンダーMk-ⅡとCCMはもうこの手にはなかった。

 

 

「…CCM売り場はここか」

 

 

LBXはキタジマ模型屋で買えばいいものの、あそこはCCMは売っていない。そのためトキオシティにあるトキオシアデパートでCCMを買いにきた。

 

 

「CCM…CCM……高いな」

 

 安くても数万クレジット、いやそれ以上もする代物だ。それに今売ってるCCMより前に使っていたCCMの方が高性能なCPUが搭載されていた為、俺の求めてるCCMは無かった。

 

 

「トキオシアデパートの近くって…ゲーセンあったのか……」

 

 

 仕方なく帰ろうとしたが、ふと最近オープンしたばかりのトキオシアゲームセンターに訪れた。

 LBXダンジョン”にLBXカードバトル、話題沸騰のLBXファイターなど種類は豊富のようだ。

 

 

「LBXファイター、面白そうだな…!」

 

 

 LBXファイターを始めるとさっそく選択肢が出てきた。とりあえず近くの人と対戦モードを選択し出てきたLBXカードをセットしてゲームは開始した。

 今回使用するLBXカードはサラマンダーだ。

 

 

「対戦相手…ユーザー名は…『HERO』か」

 

 

 どうやらHEROというプレイヤーはLBXファイターをやり込んでいるようだ。勝利数はなんと三桁、強敵すぎる。

 

 

《ROUND1…GO‼︎》

 

 

「…ハァ!?」

 

 

 スタートと同時に相手のグラディエーターの圧倒的なスピードによって、10秒も経たないうちにK.O.されてしまった。何が起こったのか分からず、呆然としてしまう。

 

 

「…なんだよ…面白いじゃねぇか!!」

 

 

 何が起こったのか分からなかったものの、まだラウンド2が残っている。相手はLBXファイターをやり込んでいる強者、なんとしてでも勝利をもぎ取らなければならない。

 

 

《ROUND2…GO‼︎》

 

 

「……ッ!!」

 

 

 10秒も経たないうちにやられた前回とは違い、今回は動きが遅く見える。しかし時間が経つにつれ、相手のスピードもこちらに合わせてどんどん加速していった。

 気持ちが昂るように戦闘がどんどん激しくなる。ギリギリの攻防、ミリ単位の世界である。

 しかし均衡と言うものは崩れるものだ。

 

 

「これで…トドメだぁぁぁあああ!!!」

 

 

 相手の一瞬の隙を突いて、一撃必殺を放った。相手が使用していたグラディエーターをなんとか倒し、サラマンダーが勝利した。

 

 

「すごいですね!でも僕も負けてられませんよ!」

 

「…っ!あぁ、次も俺が勝つ!!」

 

 

 今の声はどうやら対戦相手のようだ。その対戦相手の姿は、厚めのメガネかけ、地味な焦緑色の服装をしているなど、いかにもオタクという恰好をしていた。

 

ファイナルラウンドに突入しようとするも、俺は既に目眩や吐き気などといった症状が出ていた。だがここで負けるわけにはいかない。

 

 

《FINAl ROUND…GO‼︎》

 

 

「「………!!!!」」

 

 

 ファイナルラウンド開始の合図に、カブトハンマーに切り替えていたグラディエーターが上からハンマーを振り降ろす。

 咄嗟にサラマンダーはシールドで受け止めるが、ハンマーの威力はバカにならず、シールドにヒビが入った。

 

 

「これなら…どうだっ!!」

 

 

 グラディエーターが着地する瞬間、サラマンダーのインペリアルブレードでカブトハンマーを溶断する。だがグラディエーターは溶断されたカブトハンマーを手放し、剣であるグラディウスを装備した。

 攻撃を繰り返しているうちに互いの体力ゲージは削れ、残りわずかとなった。

 

 

「これで…決める…っ!」

 

 

《必殺ファンクション…発動!》

 

 

 互いの声が重なり、お互いが技を繰り出す。

 互いに微かな勝利を信じ、一撃必殺を発動させる。そしてファイナルラウンドを制したは────────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おゔえぇぇえええええ…」

 

「だ…大丈夫ですか…?」

 

 

────────対戦相手の方だった。

 必殺技を発動させるタイミングが0.6秒遅れ、先に倒れたのはサラマンダーの方だった。

そして俺は外に出るなりトイレに駆け込んだ。無論吐いた。

 現在は俺は対戦相手の人に背中をさすってもらっている。

 

 

「すまないHERO、背中をさすってくれて…」

 

「良いですよ!それより僕はヒーローくんじゃありません、大空ヒロです!」

 

「そうなのか、マジでありがとう……ヒロ」

 

 

 話を聞く限り、どうやらヒロは12歳の小学6年生のようだ。小学生でそのゲームセンスは凄まじいと思ったが、驚愕のはヒロの驚異な集中力と反射神経だ。

 ヒロの持ち前の集中力と抜群のゲームセンスが掛け合わさってLBXファイター勝利数三桁、驚くばかりである。

 

 

「ところでヒロ、お前が持ってるその箱ってなんだ?」

 

「あぁこれですか!!これは10個限定の宇宙英雄センシマンのフィギュアです!!」

 

「お…おう、そうかいな…」

 

 

 宇宙英雄センシマン、6年前に放送された特撮ヒーロー番組のことだ。どうやらヒロはセンシマンの特別な感情を抱いているみたいだ。

 

 

「でもまぁ…LBXバトル以外のことを楽しんだのは久しぶりだわ、ありがとな」

 

「いえいえとんでもないです!僕もあんな熱いバトルは久々でした!!」

 

「んじゃあそろそろ俺行くわ」

 

「はい!ありがとうございました!!」

 

「ヒロ、またな!」

 

 

 そう言ってゲームセンターを後にし、自宅へ帰ることにした。

 CCMを買いにトキオシアデパートに訪れたハズだったが、いつの間にかゲームセンターで思う存分遊んだ。LBX以外でここまでハメを外したのは久しぶりだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 グレースヒルズの一角にそびえ立つ海道邸の一室で、老人と少年が同じ席に居合わせていた。

 

 

「明日からだったな、新しい学校は不安かな?」

 

「心配ありませんよおじいさま、計画は必ずやり遂げて見せます」

 

 

 この老人は海道財閥の会長であり、政治家としてLBXを管轄する先進開発省大臣を務める国会議員の海道義光だ。

 一方の少年は、世界に影響力を持つ海道財閥の御曹司であり、秒殺の皇帝という異名を持つLBXプレイヤー、海道義光の孫の海道ジンだ。

 

 

「そうか…」

 

 

 それを聞いた老人は微笑み、執事がティーカップに注いだ紅茶を飲む。

 海道義光は表では善良な意図を持つ国会議員だが、その正体は裏でLBXによる世界征服を目論む秘密結社イノベーターの首領であった。

 

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