D=カブトは自分に向かって砲台形態のカタチを取っている第5使徒を見て、驚愕する。
(『クロック・アップ』に対応しただと!?バカな!)
D=カブトの驚きを無視し、第5使徒は加粒子砲を放つ。
「ちいっ!」
D=カブトはそれを回避し、すぐに残りタイマーを見る。
D=カブトとのシンクロのおかげか、クロックアップの影響下にあっても動いているが残り時間は
『2:00』
(減りすぎだ!)
すぐさまD=カブトの操る初号機は辺りを見回し、要塞都市のマニュアルに乗っていた地下に繋がるブロックを破壊して、飛び降りた。
地面に着地と同時に
『CLOCK OVER』
元の『時間(せかい)』に戻り、
ヒュン…
画面が真っ暗になった。
「ふぅ…ギリギリだったぜ」
『ちょ、ちょっとシンジ君どうやってそんな所に来たのよ』
「まぁ、色々だ。ところで作戦会議を開いてくれ。近距離戦はあの使徒には無理だ」
某国・某所での出来事。
「おや?君かい」
男は自分の執務室に入ってきた『彼』に柔らかい笑顔で迎える。
そこは男の専用の執務室。近代的な造りになっており、どこかの社長室のような部屋だ。
部屋には応接セットから仮眠室にキッチンまであり、この部屋で生活もできる。
男は彼が昔協力した『組織』の一端から届いた『計画』の報告書を読んでいたところだ。
「君なら大歓迎だよ。どうだい、いい豆を『持ってきた』んだ」
男は『彼』を最上級の応接椅子を薦める。男は自ら立ち上がり、最高性能の珈琲メーカーを操作して、珈琲を造り、自分の分と『彼』の分をいれる。
そして応接テーブルの上に置いた。
男はまず一口飲むと
「…ふぅ。やはり『愛理さん』と『マスター』の足元にも及ばない。熟練した技術を機械に設定するのは難しいものだ」
『彼』も珈琲を飲み、『充分美味しいですよ』と男にいった。
そして『彼』は男に今日の用件をいった。
「ああ、『アレ』に不完全な『クロックアップ』を付けた理由かい?なぁに、『ディケイド』がズルをしないようにだよ。ほら、第4使徒を『アクセル』で倒しちゃったからね。そうしないとつまらないから」
男は本当に楽しそうにいう。
『彼』は何故完全な『クロックアップ』を付けないのか、と男に問う。
「別に僕は『使徒の味方』じゃない。僕の目的は完全な…」
『彼』はそれを聞き、表情を変える。
「おや、君が表情を変えるなんて珍しい。まあ、今回の最優先はあの無駄な感情を持ちすぎた『人形のリセット』だからね。狙いはそっちさ。その為の能力も与えている。たぶん『排除』する時にあの使徒はディケイドに殺されるよ。だから『ディケイド』がもし目論見が外れて負けたらその時はその時。でも…ちゃんと勝ったら」
男は爽やかだが…どこか獰猛に笑って、
「早過ぎるかもしれないけど、君にも表舞台に立ってもらうよ。それが…無理矢理君を引き摺りだした『僕の計画』なんだから」
シンジはモニターに映っている第5使徒の映像を見ている。
ドリルのようなもので地面を掘りながら、迎撃をしていた。
初号機のバルーンから戦闘機までバリエーションは様々だ。
それら全てを撃ち落している。
加粒子砲を撃つ時、コアが丸見えなのだが、それに攻撃できないのが現実だ。
しかし…
「おかしいな」
「なにが…おかしいの?」
「うぉ!?」
周囲を薙ぎ払うように目標を撃ち落す第5使徒を見ていた時に声をかけられ、シンジは驚く。
声の主は…
「綾波」
「使徒の何処がおかしいの?」
「あ、ああ。なんで使徒は『クロックアップ』しないんだろうって」
「クロック…アップ?」
「あっ、『クロックアップ』っていうのは僕がさっき変身した『カブト』の反則的な能力でね、自分のタキオン粒子って奴を操作して時間の流れを操作するして、物凄い超高速で動く事ができるんだ」
レイはそれを黙って聞く。
「普通は対応できない。でもね、あの使徒は『クロックアップ』に対応したんだ」
(必要ないからか…)
それは初号機の精巧なバルーンがあがった時だ。
(もし第5使徒に防衛本能とか学習能力があれば、初号機を見た瞬間『クロックアップ』をして対応する)
が、それもしていない。
(見破れるだけの知性があるのか…それとも…)
「試してみるか」
「え?」
シンジはディケイドライバーを取り出し、
「変身」
《KAMEN RIDE『DECADE』!》
カードをセットし、ディケイドに変身する。
素早くカードを2枚取り出し、次の『実験』の開始音を聞き、カードを1枚セットする。
次は最新型の戦闘機を2台出すらしい。
オートパイロットなのでスペック限界速度だそうだ。
《KAMEN RIDE『KABUTO』!》
『HEN-SIN』
ディケイドの姿が変わり、銀色の装甲に覆われた姿となり、
『CAST OFF』
装甲が全身から浮かび、飛び散り、別次元へと消え、顔面に一本の角が装着され、
『CHANGE BEETLE』
D=カブトとなる。
それを綾波は集中してみていた。
そして
《ATTACK RIDE『CLOCK UP』!》
D=カブトは『クロックアップ』をする。
そして暫くしてから
『CLOCK OVER』
『クロックアップ』を解除。
暫くすると映像が流れてきた。
流れてきた映像は…
「どうして…?」
レイは映像を見て疑問を浮かべる。
第5使徒は何もしていないのに、戦闘機は急に爆発したからだ。
「なるほど。だいたい分かったよ」
シンジは変身を解く。
「え?」
「あいつ…自分の力では『クロックアップ』できないんだ」
そう第5使徒は『クロックアップ』に『対応』できるだけ。
誰かが『クロックアップ』すれば、自分も反応して『クロックアップ』をする。
(じゃあ、『アクセル』で…いや、それにも対応されていたらかなりやばい。リスクが高すぎる)
そしてもう一つシンジは疑問を持っていた。
(…何故あの使徒は『クロックアップ』に対応できるんだ?)
クロックアップは『別の世界』のチカラ…それに対応するのは…
(まさか…)
シンジは最初に戦った2体の『グロンギ』と『ミラーモンスター』のゼール軍団を思い出す。
(…『神』って奴の仕業か?そいつが別の世界の『奴ら』と『チカラ』をこの世界に…でも、どうして使徒にちゃんとした『クロックアップ』能力を装備させないんだ?その方が確実なはず?)
プシュー…
ドアが開き、ミサトが入ってきた。
「作戦が決まったわ」
「目標のレンジ外超長距離からの直接射撃?」
シンジが半ば呆れた様に声に出す。
「そう。目標のATフィールドを中和せず、高エネルギー収束帯による一転突破による殲滅…って作戦よん。名づけて!八島作戦!」
「具体的にはどうすんだ?前に見るだけ見たうちのポジトロンじゃあ無理だろ」
シンジは書類に書かれていたポジトロンライフルのスペックを思い出す。
「実はね、戦略自衛隊の研究部で自走陽電子砲の開発が進められてるものがあるのよ。プロトタイプなだけに高出力の実験も出来るように設計されているの」
「それならあのフィールドを貫くこともできるってわけだ」
「で、弾はどれぐらいかかるんだ?」
「最低1億8千万キロワット」
「…なんだそりゃ?現実的な数字見ろよ。充電だけで数日…」
「大丈夫。日本中から持ってくるから♪」
「は?」
「まずネルフの権限を使い日本中の電力を徴収して陽電子砲の充電をする。それと同時に使徒に対し反対方向から煙幕弾を搭載した無人機をオトリにするの。使徒の荷粒子砲の威力から、連続しての使用は難しいってリツコからの太鼓判をもらっているわ。使徒が無人機に攻撃をした瞬間、反対方向からの陽電子砲でズドン!…よん」
「暴動が起きそうだな。作戦自体は無茶だが理にかなってる…が、大丈夫なのか?」
「成功確立8.7%」
「ふざけるな…といいたいが、一番高いのがそれ、なんだろ」
「理解力のある子は大好きよ」
「今すぐ馬鹿になりたい。でもよく通ったな、そんな作戦。親父と副指令は反対しなかったのか」
「あなたが決めてよ」
「俺?」
シンジは疑問を浮かべる。
「あなたの変身…『クウガ』の『ペガサス』。あれなら成功確立が跳ね上がるから」
「なるほど…でもな、それでも危ないぜ。『クウガ』の『ペガサスフォーム』には物凄い弱点があるからな」
「ふぇ?」
ミサトが固まる。
「実はな…『クウガ』の『ペガサス』にはタイムリミットがある。50秒くらいがリミットだ」
「どうして!?」
「どうしてって…考えても見ろよ。視力と聴力を人間の数千倍にあげて『紫外線』から『赤外線』も可視領域にし、超音波すらも聞く事が出来る状態…中の人間が耐えられると?」
「…も、もし超えちゃったら?」
「約2時間は俺が使い物にならない」
ゴクッ、とミサトは喉をならす。
「もちろん外すつもりはないが…俺だって万能じゃない。覚悟はしておけ」
「おっ、いたいた。なんだもう着替えたのか?ほれ、オロ○ミン○とU○Cオリ○ナル。どっちがいい」
「…私に?」
「他に誰がいる?誰もいないぞ」
レイはオロ○ミン○を受け取った。
シンジはすぐにU○Cオリ○ナルのプルトップを開けて、飲み始める。
レイも栓を抜いて飲み始めた。
「…シュワシュワ」
「元気出るだろ。ハツラツに」
シンジがニッコリ笑うとレイの胸が何故か痛み出した。
レイはそれを押さえ、
「今日の作戦は結構難しいな。まあ、お互い頑張ろうぜ」
「………」
「ん?なんだ不安なのか?大丈夫俺が一発で…」
「…あなたは…死なないわ」
「え?」
そう、この先例え何があっても
「私が守るから」
今日の作戦でのレイの役割は『盾』だ。もしも使徒がシンジを攻撃した場合、自分が盾となり、シンジを守る。
僅か十数秒しか持たない盾で…
「あなたは…死なない」
「そうか…じゃあ、安心しろ」
シンジはニッコリ笑って
「お前は死なないぜ」
「え?」
「俺が守っちゃうからな」
「こんなもん役に立つのか?」
ディケイドの言葉にミサトはビクッとなる。
現在エヴァ初号機が持っているものは二子山に設置された陽電子砲だった。
その姿は精密機械の部分が露出していて有り合わせなのが一目でわかる一品だ。
「突貫工事って結構失敗多いんだよな。そこんとこどうだアカギン」
『大丈夫。自信あるわ』
リツコはキッパリといった。
「じゃあ信じんぜ。俺はあの使徒を撃ち抜けばいいんだな」
『そう。いいシンジ君。陽電子は地球の自転、磁場、重力に影響を受け直進しないわ。その誤差を修正するのを忘れないでね。正確にコア一点のみを貫くのよ」
「ほう、具体的には」
『真ん中のマークが揃ったらスイッチを押せば、あとは機械がやってくれるわ。そこに『クウガ/ペガサス』の超感覚を付け加えれば完璧よ。あなたの言葉を信じるなら『太古と現在の合作』よ』
「ふ~ん」
ディケイドは自分の前方で待機している零号機を見る。
「まあ、念の為…な」
ディケイドはD=クウガに変身してペガサスの準備をした後、2枚のカードをライドブッカーから取り出す。
取り出したのはブレイドと『スペードの10』…
「さてと…じゃあ」
『23:59:52』
「作戦」
『23:59:57』
「開始といきますか!」
『23:59:58/23:59:59/00:00:00』
『作戦スタートです!!』
第5使徒は探していた。自分の帰るべき場所を…それがここより深い場所にある事に気づき、そこに進んでいた。
『………』
突如、何かを感じる。
第5使徒はそれを探してしまう。
探して探して探して…もっと遠く、今よりも遠くまで探して…
時間をかけてやっと見つけた。
『なんでか殺さなきゃならないモノ』を…
「第一次接続開始!」
「第1から第803間区まで送電開始」
「電圧上昇中。加圧域へ」
「全冷却システム、出力最大へ」
「温度安定。問題なし」
「陽電子流入、順調なり」
発令所はあらかじめ決められた手順をふみ、陽電子砲に電力を供給する。
「第一次接続開始!!」
「第1から第803間区まで送電開始」
「電圧上昇中。加圧域へ」
「全冷却システム、出力最大へ」
「温度安定。問題なし」
「陽電子流入、順調なり」
発令所はあらかじめ決められた手順をふみ、陽電子砲に電力を供給する。
モニターには二子山に続く道路にケーブルが這い、電圧機が頂上の陽電子砲に電力を供給しているのが映っている。
「第二次接続!!」
「全加速器運転開始」
「強制収束器作動」
オペレーター達の報告が悲鳴のようにやり取りされるなか、作戦の第二段階である無人機が発進した。
それと同時にミサトの激がとぶ
「無人機到達時刻は!?」
「あと五分!!」
「了解、シンジ君!日本中の電力、あなたに預けるわ!!」
『無駄遣いにしないように気をつけるよ』
D=クウガはカードをセットし、
『超変身!』
《FORM RIDE『KUUGA PEGASUS』!》
「よし…シンジ君。ガンバ…」
『やばい!』
D=クウガがカードを出し、
《KAMEN RIDE『BLADE』!》
いきなりD=クウガがD=ブレイドに変身した。
「え?」
第5使徒の姿が映ったディスプレイで第5使徒が変わり始めた。
「目標に高エネルギー反応!!」
『間に合え!』
「なんですって!?」
《ATTACK RIDE『BLAYROUZER』!》
「そんなバカな!?」
《ATTACK RIDE『SPADE 10 TIME SCARAB』!》
「予想攻撃地点…!え!そんな!?」
D=ブレイドはブレイラウザーに現れたカードをセット。
「使徒の攻撃目標は零号機です!」
「なっ!?」
第5使徒は加粒子砲を放つ。
初号機が零号機に向けて走り出した。
『TIME』
突然、初号機と零号機が消え、零号機がいた場所を加粒子砲が薙ぎ払った。
その時、切り札であった陽電子砲も残骸となってしまった。