新世紀エヴァンゲリオン -破壊の継承者-   作:歌音

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第拾伍話/双命の堕天使 ~『右手』に誓った想い~

 

 

 

 

 

 

D=響鬼は息を呑み、神経を更に引き締める。

 

それと同時に初号機が『烈火』を強く握り締める。

 

「まさか分裂するなんてな。しかもご丁寧に色違いってだけで魔化魍の能力まで一緒か」

 

しかも…

 

ぐにゃ…ぐにゃぉん

 

「どんどん、魔化魍の力を引き出してるな」

 

第7使徒の互いの右手がバケガニの鋏になる。

 

他にも胴体に四本ずつ生えたツチグモの足。

 

体を覆うバケガニの甲羅。

 

背中にあるヌリカベの貝。

 

恐ろしくぶっといヤマビコの足。

 

「使徒っていうより、『キメラ』だな。しかし…」

 

第7使徒の動きが鈍い…というより、苦しんでいるように見えた。

 

「どうやら、無茶な合成で体の方がついていかないようだな。馴染む前に…叩く!」

 

初号機が『烈火』を交差させる。

 

「アスカ!一匹任せる!」

 

「う、うるさい!?命令しないで!」

 

ズガンッ!

 

初号機が第7使徒に一気に詰め寄り、2体の胴体を『烈火』で『同時』に殴る。

 

その攻撃により第7使徒の体がへこむ。

 

よろけた瞬間に一体の第7使徒を蹴飛ばし、自分の相手とする(以後第7使徒(甲))。

 

ガンガンガンガンガンッ!

 

初号機はそのまま反撃できないくらいの勢いで第7使徒(甲)に『烈火』を撃ち込みまくる。

 

しかし…

 

(おかしい…)

 

確かに自分が押しているほど、攻撃している。

 

が、何故か『手ごたえ』がない。

 

(まるで回復し続けてるような…『烈火』で殴っているはずだからダメージはあるはず)

 

『な、なによこいつ!全然攻撃が効かない!』

 

「なに!?」

 

初号機はジャンプし、第7使徒(甲)の頭に右足を乗せ、

 

ズガンッ!

 

一気に飛び上がり、第7使徒(乙)の上空まで飛び、

 

ドガンッ!

 

そのまま『烈火』を頭に叩くこんだ。第7使徒(乙)は地面に沈む、が…

 

むくり

 

何事もなかったように立ち上がる。

 

「くそ。まさかと思ったが…『効いて』ねぇ」

 

『烈火』で叩いているのに、第7使徒達はダメージを受けてなかった。

 

『烈火』で叩けば『魔化魍』にはダメージが与えられる。しかし…

 

(まさか、この使徒本体の能力…ん?)

 

D=響鬼はある箇所を発見する。

 

それは、一番最初に『同時』に攻撃したところだ。

 

(あそこだけ、治りが遅い…まさか!?)

 

D=響鬼は第7使徒の『攻略』に気づいたと同時に、今現在では絶対に第7使徒を倒せない事に気づいた。

 

「ミサトさん!リツコさん!出来るだけ強い火力をほぼ同時に与えて、この使徒を暫く封じる方法はないか!」

 

『し、使徒をほぼ同時に強力な火力を与える!?』

 

『どういう事!?』

 

「こいつらは『ふたつ』で『ひとつ』なんだ!リツコさんなら『意味』がわかるな!」

 

『…はっ!?わかったわ!?最悪の事態を考えて用意した『モノ』があるの!4人とも使徒の動きを止めて!』

 

「了解!」

 

『えっ?どういうこと?』

 

『どういうことよシンジ!?』

 

「いいから今回はいう事聞いてくれ!後で説明して納得させてやるから!」

 

『わ、わかったわよ』

 

「レイ!マリ!今日好きなもん作ってやるからいう事聞いてくれ!」

 

『やりぃ!唐揚げ!』

 

『しゃきしゃきの野菜炒め』

 

『ちょっと!とんかつよ!とんかつ!』

 

四体のエヴァが後方に下がってゆく。

 

第7使徒達は追いかけこようとするが、

 

『えい!鬼石弾!』

 

5号機の肩のガトリングガンのマガジンが変更され、放たれる。

 

第7使徒達にあたると、第7使徒達の動きが止まる。

 

「おいおい、なんでそんな弾丸持ってんだよ」

 

『ボス特製だにゃ』

 

「お前のボスとはいつか会いたいよ」

 

「はい!これみんなの分!」

 

初号機・零号機・弐号機に一丁ずつパレットライフルを放り渡される。

 

「一斉射撃!」

 

『ファイヤー!』

 

四体のエヴァの一斉射撃に第7使徒はその場から動けない。

 

しばらくすると、輸送機やってくる。

 

「よっしゃ来たか!」

 

初号機はパレットライフルから『烈火』に持ち替え、

 

「はぁぁぁぁぁっ!はぁぁっ!」

 

『烈火』に気を送り込み、火炎を生み出して、第7使徒達に放つ。

 

気の炎は燃え上がり、第7使徒達は動きを止められる。

 

「全員!全力で後ろに向かって前進!」

 

エヴァ全機が第7使徒達から離れる。

 

そして、用意していたモノ…N2が落とされ、第7使徒達を中心に、その場が滅びの光に包まれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ネルフ本部の一室…5人のチルドレンは座って第7使徒との戦闘記録をスライドで見ていた。

 

暗くした室内の白いスクリーンにホームシアターのように映写機の光が第7使徒の写真を映し出している。

 

「おいおい、なんでこんなレトロなもん引っ張り出すんだよ。もしかしてあれか?副司令はパソコン駄目な人なのか?」

 

「しっ!ワンコくん駄目だよ。老人の繊細な部分ついちゃ。それに、こいうのって『悪の組織』みたいでいいじゃん」

 

「それなら副司令には黒いマントを着てほしいね」

 

「被り物…」

 

「ディテールがしょぼいのが似合いそうね」

 

5人の毒舌が走る。

 

「あなた達お願い。黙って」

 

泣きそうな顔のミサトを見て、初めて5人の会話が止まった。

 

「本日、午前10時05分、ネルフは使徒にたいし攻撃を開始」

 

マヤが映像の内容を報告し始めると同時に、エヴァの戦闘シーンがスライドで映された。

 

「しかし有効な効果が認められず午前10時25分、待機していた国連第二方面軍にN2の使用を要請」

 

「同10時30分、N2爆雷により目標を攻撃」

 

「あの弾丸はなんなの?他の支部から送られたものだけど、見たこともない弾丸だったわ。それに…あの炎凄いわね」

 

「企業秘密にゃ~」

 

「『響鬼』の力です」

 

冬月がN2でえぐれた海岸線の映像を見ながらつぶやいた。

 

「構成物質の28%の焼却を成功」

 

「まあ…こんなもんでしょう」

 

マヤの報告を一通り聞いたリツコがつぶやいた。

 

「やったの!?」

 

「足止めにすぎん!再度侵攻は時間の問題だ!」

 

冬月が多少いらついた声で答える。

 

「おいおい落ち着けよ副司令さん。いっとくが今出来る事のベストを俺達はやったんだぜ」

 

「これから方々に頭を下げる事になる我々の苦労も考えてほしいものだな」

 

「また戦わなきゃいけない俺達の苦労も考えてほしいね」

 

「…すまん…」

 

冬月はシンジの言葉に素直に引き下がった。

 

「パイロット5名…」

 

無言だが全員立ち上がって背後のゲンドウに向き直った。

 

「君達の仕事は何か解るか?」

 

「エヴァの操縦です」

 

「泣く人を増やさため、人を護る事」

 

「碇君を護ること」

 

「9 RIDERS CARDを集めること」

 

「見守ることかな」

 

「使徒を倒す事だ」

 

ゲンドウは強調していった。

 

「まっ、現状それだろうな。さてと、次の作戦であの使徒を倒さなきゃな。と、言うわけで碇司令殿と冬月副司令殿は責任者らしく責任とってください」

 

シンジは悪びれる事無くいう。

 

(ちょっ、ちょっとシンジ。言い過ぎじゃあ…)

 

「いいんだよ。ぐちぐち愚痴言われるのはいやだからな。さってと、リツコさん」

 

シンジはリツコに振り向く。

 

「戦闘中にもいったんだけど、多分あの使徒、分裂していても『ふたつ』で『ひとつ』なんだ」

 

「ええ、それならまったくダメージを受けないのも納得いくわ。コピーでありオリジナル。片方に不備があった場合にもう片方が自分の情報を相手に送りそれをもとに復元する」

 

その言葉を聴いてシンジとリツコ、カヲルを除いた者達が驚く。

 

「し、シンジ。どうしてそんなことわかったの?」

 

「ん?最初に2人同時に『烈火』で叩いた所…そこ、ほとんど偶然に同じ所を攻撃したんだ。それでかな、アスカのところに行った時も回復していなかったんだ」

 

「両方の情報が欠損していれば、確かに直るのには時間はかかるわね」

 

「そういう事だ。つまり2体同時にほぼ同じ所を攻撃すれば、ダメージを受ける」

 

「や、やっかいね」

 

「まだまだ、厄介な事が一つある」

 

「え?」

 

「実はな、あの使徒の急激なキメラ部分…あれは『魔化魍』だ」

 

「マカモウ?」

 

「何それ?」

 

「魔化魍。妖怪の原型となった存在達の事だ。マリと話したんだけど少なくとも4体の魔化魍を確認している」

 

「バケガニ、ツチグモ、ヌリカベ、ヤマビコだにゃ~」

 

「こいつらは、僕の変身する『響鬼』でしか倒せない」

 

「なっ!?」

 

それを聞いてミサトとリツコが驚愕する。

 

「あいつらは『清めの音』で浄化しないと死なないからな。だから弱点であるコアに同時に攻撃し、オリジナルとコピーを同時に弱らせ、俺が『強烈』なのを叩き込むしかないな」

 

「つまり同時攻撃で弱らせて、あなたの必殺をお見舞いするって事ね」

 

「これを元に有効な作戦を立てられるか?」

 

「もちろんよ!!期待しててねん!」

 

 

 

 

 

 

「今回の作戦…よかったら、これを使ってくれ」

 

加持は男から一枚のディスクを受け取る。

 

「まさか最初の雇い主である『あなた』が現れるなんて思いませんでしたよ。でもまたなんで」

 

「今の君のボスに用があるだけだ。それに…」

 

 

 

 

 

『どくんだ。その男は大ショッカーの大首領だ。今この場でケリをつける』

 

自分の『レーザーアーム』を向けられても首を横に振る少年。

 

『何故だ。何故そんな男を庇う』

 

『…お兄ちゃんが…『仮面ライダー』だから…』

 

『なに?』

 

『…お兄ちゃんは僕を助けてくれた!僕に色んな世界を見せてくれた!僕に…僕にここにいてもいいって!生きていてもいいって言ってくれた!』

 

自分を盾にして『ヤツ』を庇う少年…

 

『士お兄ちゃんは!僕の…僕の『仮面ライダー』なんだ!』

 

 

 

 

 

「彼には教えられたからね」

 

そういって男は加持から去っていった。

 

加持もすぐに本部に戻る。

 

男が暫く歩いていると

 

「ん?」

 

『次元のオーロラ』が現れ、様々な異形の怪物が現れる。

 

「やれやれ。嗅ぎつけたか…」

 

男の右腕が緑色に光る。

 

「たった一人でも、自分を信じているモノがいれば…」

 

男はどこからか『ヘルメット』と『マガジン』を取り出し、

 

「命ある限り、戦う事ができる」

 

男は『ヘルメット』を被り、『右手』にマガジンをセットする。

 

「それが…」

 

右手が変化し、その先端から光が漏れる。

 

「『仮面ライダー』…だ」

 

その言葉と共に、『仮面ライダー』の右手から、強力なレーザーが放たれた。

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