『仮面ライダークウガ 第41話/抑制 五代雄介』
「超・変身!」
《KAMEN RIDE 『KUUGA』!》
ディケイドライバーの電子音と共にディケイドの姿が変わっていく。最初は胴、次に腕、足…そして最後に仮面が変わる。
その姿は太古の力を受け継いだ戦士の姿。何かを殴る為に拳を握る事も大嫌いなのに、人を護る力を手に入れた為、戦い続けた戦士の姿。
シンジが出会った二人目のHERO…『仮面ライダークウガ』の姿だった。
D(ディケイド)=クウガは一枚のカードを取り出し、ディケイドライバーにセットする。
《ATTACK RIDE 『GOURAM』!》
それに合わせて、D=クウガは初号機を操縦し、第3使徒の光のパイルを叩き折り、自分から離れた所で蹴り飛ばした。
少女はビルの隙間で恐怖に震えていた。誰かに助けを求めたくても誰もいない。いつも自分を助けてくれる兄もいない。
(誰か、助けて…助けてよぉ…お兄ちゃん…)
そこで何か大きいものが倒れる音が響く。
「ひぃっ!」
少女はこれから来るであろう何かに身を屈めた…が、何も起こらなかった。
少女にもわかる。自分に何かが襲うはずだった。突然の大きな音共に大きな車も吹き飛んでいる。
自分なんか簡単に死んでしまうことぐらいわかる。それでも、自分には何も起こらなかった。
少女は恐る恐る目を開ける。
「えっ…」
少女の目の前にいたのは…
「クワガタ…さん?」
『………』
少女を護るように自分よりも大きな鋼鉄のクワガタが存在した。
「クワガタさんが…守ってくれたの?」
鋼鉄のクワガタは何も答えない。鋼鉄のクワガタは自分の体を地面に付ける。
「乗るの?」
少女は答えない鋼鉄のクワガタの背中を見る。
「…ありがとう、クワガタさん!」
少女は鋼鉄のクワガタの背にしがみつく。少女が背中に乗ると同時に、鋼鉄のクワガタの眼が輝く。自分の周りに光の保護壁を張り、そのまま空に飛んでいった。
古代人・リントが創りあげた意思を持つ『馬の鎧・ゴウラム』。与えられた使命は太古の昔より唯一つ…その使命をゴウラムは守り続ける。
例えそれが主以外の命でも、別の世界でも…それはその使命を違える理由にはならない。
人を護り抜く…それが『真なる主』と己の誓いと誇り…そして『やりたい事』なのだから…
「ディ、ディケイドが…」
「さらに変身した!?」
ミサトとリツコはその変身に驚愕する。
変身する事自体デタラメなのに、さらに変身したのだから。
「マヤ!初号機への影響は!?」
まず第一に確認する事はそれだ。もし初号機になんらかしらの影響があれば一大事になるかもしれない。
「初号機に異常事態の反応はありません!ただ…」
「ただ!?」
「初号機の能力値が先程と微妙に変わっているんです!」
「バカな!それはいつ観測したの!?」
「ディケイドが変身した直後の戦闘です!」
先程とは違い、遠慮なく第3使徒を痛めつけている初号機…
そして戦闘の素人でもわかる。初号機の戦い方が先程とは一変していた。
「さてと、せっかく
実はシンジはディケイドには何度か変身した事があるが、カメンライドをしたのは初めてだった。
いつか来るかもしれない『運命』の為に、シンジはディケイドになって訓練をしたが、カメンライドはしなかった。それはただの感傷だったのかもしれない。
ディケイドになった時も思っていた。そう易々と彼らの力を使っていいのかと思っていた。
でも、今は違う。全力で彼らの…HERO達の力を使う。人を救う…それは、HERO達と自分の最初にして最大の目的なのだから!
「まずは…これだ!」
D=クウガはカードをディケイドライバーに再びセットする。
《FORM RIDE『KUUGA DRAGON』!》
『邪悪なるものあればその技を無に帰し、流水のごとく邪悪をなぎ払う戦士あり』
突如、D=クウガの頭の中にその言葉が浮かび上がる。D=クウガが青く変化していく。
D=クウガは『なぎ払うモノ』をイメージする。すると初号機の手にある第3使徒から叩き追ったパイルが、長い棒状の武器・『ドラゴンロッド』に変化する。
「ハァァァァァァァッ!」
初号機はドラゴンロッドを回転させ、そのまま第3使徒を滅多打ちにする。
第3使徒は反撃に眼から光線を発射する。
「ハッ!」
初号機は大きくジャンプする。そのジャンプは初号機の能力値を遥かに超えたものだった。
「次いくぞ!」
再びカードをセット!
《FORM RIDE『KUUGA PEGASUS』!》
『邪悪なるものあらばその姿を彼方より知りて、疾風のごとく邪悪を射ぬく戦士あり』
D=クウガが緑色の形態に変化する。
初号機は着地すると先程の放り投げたパレットガンを拾う。D=クウガはすぐに『射抜くモノ』をイメージする。。
するとパレットガンの形状が変わり、『ペガサスボウガン』に変化。
初号機はペガサスボウガンの引き金を数回引く。ペガサスボウガンの光の矢が第3使徒に向かう。
第3使徒はATフィールドを張り、防御するが
ガスッ!
光の矢はATフィールドを貫き、正確に両手両足全ての間接部分を狙い、第3使徒の動きを封じる。
「くっ…」
D=クウガは少し頭を振る。
「くそ、このフォームは疲れる。『超感覚』はデフォルトか!よし次はこれだ」
《FORM RIDE『KUUGA TITAN』!》
『邪悪なるものあらば鋼の鎧を身につけ、地割れのごとく邪悪を切り裂く戦士あり』
D=クウガの体が変化する。今度は今までとは違い重厚な鎧を纏った紫の戦士。
初号機はナイフを拾う。D=クウガは『切り裂くモノ』をイメージするとそのナイフは大きな剣・『タイタンソード』に変わる。
初号機はタイタンソードを持って第3使徒に走る。
第3使徒はペガサスボウガンの矢で間接を捕らえられている為に動けないが、何度も光線を発射する。
しかし、初号機は光線をものともせずに第3使徒に向かってゆく。
そして、動けない第3使徒を、野球のバットのようにタイタンソードを振り抜き
ドガシャッ!
斬り裂くと同時に、吹き飛ばした。
D=クウガが初号機で戦っている時、司令部は慌しかった。
「何が起こっているのリツコ」
「初号機の能力が変化していっている。これがあの子の力だというの!?」
赤木リツコは戦慄していた。
ディケイドが変身したのも驚いたが、あの変身した姿をベースとした変身もまた驚くべきものだった。
その変身に合わせて初号機の身体能力がガラリと変化しているのだ。シンクロとATフィールドによる影響だろうか?しかし初号機にあんな能力はない。
それに…あんなに頻繁に変身されると、正確なデータが取れない。
「ディケイド…いえ、碇シンジ。彼はいったい…」
そして碇ゲンドウは独り言を呟く。
「…まさか…『あの男』が言っていた…死海文書に記述されている『破壊の使者』…」
「まだ生きているなんて凄いな。いい加減決めさせてもらうぜ」
《FORM RIDE『KUUGA MIGHTY』!》
『邪悪なる者あらば希望の霊石を身に付け、炎の如く邪悪を打ち倒す戦士あり』
D=クウガは元の赤い戦士に戻る。
「これで最後だ」
D=クウガは光り輝く『クウガの紋章』が描かれたカードを手に取り、ディケイドライバーにセットする。
《FINAL ATTACK RIDE KU・KU・KU・KUUGA》
初号機の右足が赤く輝く。
「ハァッ!」
初号機は走り、勢いよくジャンプする。そしてそのまま空中回転を加え、
ガズンッ!
第3使徒のコアに必殺技・マイティキックを叩き込む。
第3使徒は派手に吹き飛ぶ。第3使徒は地面に苦しみのた打ち回る。見るとコアの上にクウガの紋章が浮かび上がっている。
ドパァア…
第3使徒は苦しみながら、全身から血を撒き散らし、十字架状の光を上げて第3使徒は消滅した。
「ふう…」
D=クウガはディケイドに戻る。
「これで仕事終わりって、ところか…」
ディケイドは一枚のカードを見る。そのカードに描かれているのは仮面ライダークウガ。
「『僕』は『僕』の試練を超える…あなたのように…」
(そう…あなたが本当の『伝説』を…超えたように…)
シンジは拳を握り、親指を立てて、空に…遥か遠くの世界にいる『究極の闇』を『優しい光』に変えた、あの人に誓った。
一人の男が初号機を見ている。
全身を黒いレザーコートとレザーパンツと全身を黒い服と銀細工で統一した着ていている美麗な男…
「『破壊神』が動き始めたか…」
男は笑みを浮かべる。その笑みは怪しく、美しく、そしてとても『無邪気』だった。
「僕も進めてきた『計画』を行うとしよう」
男は初号機に背を向ける。
「…君がこの『世界』をどう『破壊』するのか本当に楽しみだ…」
男は本当に楽しそうな笑みを浮かべ歩き出した。
カコーン…カコーン…
そして、突如現れたオーロラの中へ消えていった。<< 前の話 次の話 >> 目次
仮面ライダークウガ=五代雄介。
凄まじき戦士の伝説を超えた仮面ライダー。