コードギアス 魔王の騎士は忠臣だけど、変態というなの紳士でした   作:八神刹那24

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第十話 選択

ルルーシュは悩んでいた。ブリタニアを相手にするには致命的に人がいない。スザク奪還時に自分を追い詰めた、ブリタニアの軍人はチンピラテロリストと表現した。確かに奴の言う通りだ。

 

 ルルーシュが接触をしているレジスタンスのグループはお世辞にも強いとは言えない。リーダーの扇という男は無能ではないが、多少使えると言ったところだ。彼の良さは個人の能力ではなく、場の調和だと言える。組織のまとめ役としては及第点といえなくもない。 

 

 パイロットとしては紅月カレンが優秀だ。彼女はいまだ未熟だが、センスはかなり高いだろう。彼女はこれから必ずエースとして活躍してくれるだろう。

 

 しかしその他は平凡としか言い様がない。現時点であのグループに固執する理由はない。扇とカレンは自分をある程度信用しているが、他のメンバーは自分を疑っている。

 

 やはり必要なものは人材か。せめて一人は自分が本当の意味で信頼、全てを任せられる存在が必要だ。

 

 ルルーシュの携帯が鳴る。電話の相手はミレイだった。買い出しをすっぽかしたことを責められるのか、と出るのを迷ったが、出なかったら直接会ったときの文句が増えるだけだと思い出ることにした。

 

 「もしもし、会長ですか?どうしたんですか?」

 「よかった!出た!私さっきね、たちの悪いのに絡まれてね。困っていたらあんたと同い年の男の子に助けられたのよ!」

 「それは大変でしたね。それでそれはナンパされたことの自慢ですか?それとも助けた男がイケメンだったとかの話ですか?」

 「違うわよ!確かに結構格好良いけど。……って違う!」

 

 会長は普段からテンションが高い目だが、今の会長はいつにもまして高い。興奮というか焦りのような気もする。何があったんだと疑問に思った。

 

 「ねぇ、あんたクレイ・ロペスって子知っている?」

 

 予想だにしない一言に言葉が出なかった。何故会長の口からクレイの名前が出てくんだ?

 

 「…………なぜ、会長がその名前を知っているんですか?」

 「私を助けてくれた子が自分のことをそう言ったのよ。なんでもあんたとナナリーのことをずっと探していたんですって!」

 「っ!?……一応確認しますけど、年は俺と同い年。金髪に蒼い目ですか?」

 「そうよ!最初なかなか話してくれなかったんだけど、根気強く聞いたら話してくれてね。名前こそ言わなかったけど、どう考えてもあんた達のことだと思ってね。電話したの!」

 「そう……ですか。まだそばにいるんですか?」

 「勿論いるわよ。ねぇ、どうしたらいい?彼、あんた達のこと話し始めたら泣いちゃって、放っておけないのよ。疲れ切っちゃて、今にも消えちゃいそうで!ねぇ!どうしたら良い?私どうしたら良いの!?」

 「落ち着いてください。いきなりのことで俺も戸惑っています。……分かりました。こっちに連れてきてください」

 「いいの?もしあんた達の、追手だったりしたら」

 「会長はそこにいる『クレイ』が演技をしているように見えるんですか?」

 「まさか!あの辛そうな表情は演技なんかでできやしないわ」

 「だったらそれが答えですよ。連れてきてください。あとはこちらで対処します」

 「分かったわ。三十分ぐらいで着くと思う。生徒会専用のクラブハウスに連れて行くわね」

 

 

 ミレイとの電話を終えた後も、ルルーシュは信じられなかった。クレイ・ロペス。幼い頃の唯一無二の親友。彼が今もなお、自分たちのことを探していた……。勿論、ルルーシュは彼の性格をよく理解していた。だから彼がかつての約束を守るため、自分たちのことを探していると信じていた。いつか自分たちの元にやってくると。だがこれは自分の願望のようなものだった。

 

 「クレイ・ロペスと名乗る男に本気で会うつもりか?」

 「……C.Cか。お前には関係ないことだ」

 「関係あるさ。お前には私との契約を果たしてもらうため、死んでもらっては困る。もし偽物でお前の命を狙うものだったらどうするつもりだ?」

 「会長の人を見る目は確かだ。本物の可能性は高い」

 「仮に本物だったとしても、お前の知っている奴ではなくなっているかもしれないぞ」

 「あの男はかわらないさ。誰よりも忠義にあつい男。それが奴だ」

 「ふん。ずいぶん奴のことを信頼しているようだな。しかし本人の意思とは関係なく変わってしまうこともある。お前はそれをよく知っているはずだ」

 「何?……ギアスか。俺以外にもギアスを使える奴を知っているのか?」

 「……逆に絶対にいないとお前は断言できるのか?」

 

 確かにC.Cの言うことはもっともだ。自分と同種の能力者がいれば、相手の性格を変えることなく操ることも可能だろう。だがそれではきりがない。

 

 クレイが自分とナナリーのことを追って日本まで来てくれたことを知ったときは、純粋に嬉しかった。疑うのは簡単だが、あいつのことだけは疑いたくなかった。

 

「どうしたんだC.C。やけに俺とクレイが会うのを拒むじゃないか」

「私は危険性の話をしているだけだ」

「……もしかしてお前がクレイと会いたくないのか?」

「なにを馬鹿なことを。向こうは私のこと知りもしないんだぞ」

 

C.Cは顔をしかめ、去って行った。

 

万が一、クレイが俺の敵になるときは……。

 

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