コードギアス 魔王の騎士は忠臣だけど、変態というなの紳士でした   作:八神刹那24

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第十一話 再会

 クレイはミレイに手を引かれ、アッシュフォード学園にやってきた。はたから見れば年頃の男女が手を繋いで歩いていれば恋人のようにみるものだが、意気消沈した男を半ば強引に引っ張っている様はむしろ姉と弟といった感じだっただろう。

 

 アッシュフォード学園の生徒会専用のクラブハウスにつれられ、一室にてクレイは待たされていた。ミレイは少し用事があるからと出て行ってしまっていた。

 

 軍学校とは違い華やかなアッシュフォード学園にクレイは驚いていた。クレイが通っていた軍学校は機能性重視というか飾りっ気のない場所だった。クレイ自身、己のスキルを高めることしか考えていなかったので、青春とは無縁でもあった。

 

 自分が住んでいる世界とはまるで違う世界のようだった。運命が違っていれば自分もルルーシュとこのような平和な学園生活を送れていたのかもしれないと思い、失笑してしまう。もし、なんてことは考えるだけ無駄なことであり、空しくなるだけだと何度も経験していることだった。

 

 部屋に待たされ十分ほどしたとき、扉が開かる。中には入って来たのは一人の男だった。男を見て、クレイは自分がみている光景を信じられなかった。

 

 子供の頃とは違う成長した姿。しかし面影は確かにあった。自分が思い続けてきた少年が成長し、目の前にいる。

 

 声が出ない。本人かどうか確認しなければならないのに、何度繰り返そうが、のどに張り付き一言も発せられなかった。

 

 「…………ル、ルルーシュ様……ですか?」

 

 ようやく震える声でかすかに声が出た。

 

 「ああ、そうだ。俺がルルーシュ・ヴィ・ブリタニアだ。会いたかったよ、クレイ」

 

 クレイはその場に泣き崩れた。涙があふれ出す。次から次へとあふれ出す。言葉にならない叫びを上げながら泣き続けた。いったいどれ程この瞬間を待ち望んでいたことだろう。

 

 「ル、ルルーシュ様!申し訳ありません!遅くなりました!あなた方をお守りすると誓ったのにお側でお仕えすることもできませんでした」

 

額を床につけ泣き叫ぶように謝罪する。何度も何度も謝り続ける。

 

 「心のどこかで、もう死んでいるのではないかと、もう会うことなどできない、と何度も諦めかけてしまいました。私は……私は」

 「もういい、クレイ。分かっている。分かっているよ。お前のことは俺が誰よりも分かっている。あの状況ならそう思って当たり前だ。だがお前は決して諦めなかった。

その涙が、叫びが……全てを物語っている。だからもう泣くのは辞めてくれ」

 「……ルルーシュ様。ナナリー様は?」

 「無事だよ。ここで一緒に暮らしている」

 「っ!ナナリー様。良かった、良かった……」

 

ナナリーが生きていることを知ると、一度は止まった涙が再びあふれ出した。

 

「お前には本当に苦労をかけてしまったようだな。すまなかった」

「私の苦労などお二人に比べれば取るに足らないことです」

「これからは俺とナナリーの側で一緒に暮らそう。そして俺たちのことを守ってくれ」

「イエス、ユア・マジェスティ」

 

 

クレイは涙を拭き、改めて忠誠の誓いをたてた。

 

 

 

 

 

 ナナリーは首をかしげた。最近忙しいらしく、疲れたり怖かったりしていた兄が、夕方に戻ってくると、まるで別人のように明るかった。こんなにも機嫌が良い兄は日本に来てから感じたことはなかった。まるで子供の頃に戻ったようだった。

 

「今日は俺から……プレゼントがあるんだ」

 

兄の声が若干震えているように感じられた。すぐに知らない足音が聞こえた。足音からして兄より体格が良さそうだ。男の人?

 

「ナ、ナナリー様……ナナリー様」

 

泣きながら自分の名前を呼ぶ声は、知らない男性の声だった。聞いたことがないはずなのに昔から知っているような不思議な感じがした。どこまでも優しく、暖かく包み込んでくれるぬくもりが感じられた。

 

おぼつかない足取りで自分の元に来て、手を重ねてくる。暖かく大きな手だった。男は手をにぎり泣きじゃくる。

 

「ナナリー様。良かった。良かった。お会いしたかったです」

「もしかしてクレイさんですか?」

「はい……はい。クレイです。遅くなってしまい申し訳ありません」

 

 ナナリーの目から涙が流れる。

 

 幼いとき、自分と兄のそばにいつもいてくれた。いつも自分たちのことを守ってくれた少年が再び目の前に現れた。ナナリーはクレイの手を握り返した。

 

 

 

 

 

 

 

 二人がようやく落ちつくとルルーシュがあることを提案した。

 

 「ナナリー。お前も知っての通りクレイは真面目だからな。俺達に臣下として仕える気でいる。だけど俺としては昔みたいに友達でいたいんだ。お前はどうしてほしい?」

 

 ナナリーは兄の素敵な提案に迷うことなく、賛成する。

 

 「そういうことだ、クレイ。これからはお前とは主従ではなく友達として接してくれ」

 「私からもお願いします、クレイさん」

 「……わかりま、分かったよ。お前達がそう望むなら。これからよろしく頼むよ。ルルーシュ、ナナリー」

 

 

 ルルーシュ、ナナリー、クレイは子供の頃に戻ったように数年ぶりに心の底から笑った。

 

 

 

 

 

 日本に来たばかりのころ、ルルーシュがナナリーを背負い、長い階段を上った話をすると、クレイがまた泣き始め、ナナリーが慰める。クレイの涙もろさは子供の頃から変わらないなとルルーシュは思いながら、お茶のおかわりを用意しにキッチンに向かった。キッチンにはC.Cが待ち構えていた。

 

 「ずいぶんと簡単にあいつのことを信じるんだな。本当に大丈夫なのか?かつて二度もお前のことを捕らえようとした男だぞ」

 「二度とも俺とは知らずにやったことだ。それも俺達のことを思ってのことだ」

 「子供のように泣いたから信じると?」

 「覗き見していたのか、悪趣味な魔女め。お前にはあれが演技に見えたのか?俺には分かる。あいつは大丈夫だ。……親友なんだ」

 

 

 

 

 

 「……泣き虫なところは昔と変わらないな」

 

ルルーシュが二人の所に戻るとC.Cはそっとつぶやいた。

 




クレイとルルーシュ、ナナリーがついに再開できました。

これからは学園編もやっていきたいです。
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