コードギアス 魔王の騎士は忠臣だけど、変態というなの紳士でした 作:八神刹那24
俺は今ナナリーと折り紙で鶴を折っている。折り紙というものをいままでやったことが無かった俺はナナリーに教わりながらやっている。
日本では鶴が千羽集まれば、願いが叶うという考えがあるらしい。みんながナナリーの目と足が良くなるようにと送ってくれたそうだ。
その気持ちが嬉しくて折り紙が大好きになり、咲世子に色々教わっているそうだ。
願掛けを無意味なことだと馬鹿にする者もいるが、俺は良いと思う。何かに頼るのは決して愚かではない。もちろん願いを叶えるための努力をおろそかにしてはならないが。
「それじゃ、俺も鶴を千羽折って、ナナリーにプレゼントするよ」
「私にですか?」
「ああ。ナナリーとルルーシュがずっと二人で幸せに暮らせますようにって」
「ありがとうございます。ですが、それでは不十分です。私とお兄様、そして……クレイさん。三人で一緒に幸せに暮らしましょう」
「……ナナリーは本当に良い子だね。お前の何気ない一言がいつも俺を泣かしてくれる」
「ふふ。クレイさんはいつも大袈裟なんですよ」
優しく微笑むナナリーは、マジ天使!
俺のやる気の炎は燃え上がり三日で完成させた。自分で言うのなんだが、マジ頑張った俺!学校の授業はもちろん生徒会の仕事も多かったが、睡眠時間を削りながらやってやった。
ナナリーは喜んでくれたが、同時に怒られてしまった。無理するなと。体をいたわれと。
ちなみにルルーシュには『相変わらず何でもできるな。だが才能の無駄遣いだ』と若干呆れられた。
褒めているの!?けなしているの!?
それからネットでいろいろな折り方を調べた。目が見えないナナリーの為に見た目が細かい細工より、さわって分かりやすい形のものを覚えた。
いくつもの折り方の中でナナリーが一番気に入ったのは『桜』だった。
「……あの、クレイさん。こんな感じで……どうしょう?」
「上手だよ。ナナリーは飲み込みが早いね」
「それはきっと、先生がいいからです。……うふふ」
「急に笑ってどうしたんだい?」
「……あ。すみません。その、楽しくて、嬉しくて……」
「なるほど。折り紙を折るのが楽しいのか。色々覚えたかいがあったよ」
「ちょっと違います。クレイさんと一緒に折り紙をするのが楽しいんです」
ナナリーはほおを染めながら、それでも一生懸命折り紙を折り続けた。
本当にかんべんしてほしい。どうしてそうやってまた俺を泣かすことを言うんだろうか。
「ナナリー様。俺なんかでよろしければ、いつでもお側にいます」
「ありがとうございます。ですが私達はお友達ですよ」
「ああ、そうだったね。ごめん。思わず」
その後も俺とナナリーは一緒に折り紙を折った。今度桜の合作をすることにした。その方が二人で、一緒に折り紙をしている気分になる。
二人でつくる一つの花。それは特別な感じがする。
ルルーシュに見せれば、さぞ悔しそうな顔をするだろう。その時はもっと妹のそばにいてやれと言ってやるさ。
今日はナナリーと咲世子さんに中庭でピクニックに誘われた。足の不自由なナナリーを遠くに連れて行くわけにはいけないからだ。
折り紙のお礼らしい。中庭にシートを敷いて三人で座る。
「クレイさん、不思議です。いつも来ているはずの場所なのに、新鮮な気がします」
「ピクニックだからだろうね」
「それだけでは無いと思います。……クレイさんが一緒だから……」
「そうだったら俺も嬉しいな」
俺は並べられた弁当箱から、ミートボールにフォークをのばした。
「このミートボールは、すごく美味しいな」
「それは咲世子さんの自信作です。咲世子さん、お料理が上手なんです」
その言葉に感謝の意を表すように、咲世子さんはそっと頭をさげた。家事全般をそつなくこなし、目と脚が悪いナナリーの面倒も見る。
咲世子さんはメイドの鑑のようだ。
あと気になるのが、咲世子さんってただの一般人って感じじゃないんだよな。動作の節々に達人のように感じられる時がある。なんらかの体術を納めていると思われる。日本風にいえば忍者のような印象だ。
ルルーシュ達の護衛も兼ねているのだろうか?それなら良いのだが、もし監視者だとしたら面倒な相手だ。やぶ蛇をつつくわけにもいかないので、今は何もしないほうがいいだろう。敵意のようなものは感じたことはないし。
「お嬢様も、お食べになりますか?」
「もちろん、いただきます」
「せっかくですから、私がお嬢様に食べさせてさしあげますね」
咲世子さんは小さめのミートボールをフォークに差すと、僕に向かってフォークの柄を差し出した。
俺に食べさせろってことか!? ナイスパスだ!咲世子さん。 ここで怖じ気づくなんて男が廃る! クレイ、いきます!
咲世子さんに招かれ、ナナリーのそばに近づく。
「お嬢様、お口をお開けください」
「はい、あ~ん」
まるで子供のように、ワクワクしながら口を開けるナナリー。か、可愛すぎる!
俺はそっとミートボールを食べさせた。
「……あ、美味しいです」
「ありがとうございます」
咲世子さんはわざと遠くから声をかけた。いつの間にあんなところに!やはりただ者ではないようだ。
「……え?あれ?」
状況を理解しようと、ナナリーが小首を傾ける。 うん、可愛い。
そして次の瞬間、ナナリーの顔が赤く染まった。 うん、可愛い。
「クレイさん、ど、どうして……?!あーんだなんて、はずかしい……」
赤くなったほを隠すように、ナナリーは両手で顔を隠した。 ナナリー、マジ天使!
こうして、ピクニックの楽しい時間は、あっという間に過ぎていった。
俺はナナリーを抱きかかえていた。いわゆるお姫様だっこってやつだ。
俺とナナリーは学園の中で最も高い場所に来ていた。普段は車いすのナナリーは危険だからと、立ち入りを禁止されている場所だ。
咲世子さんに手伝ってもらって誰も気付かれなかった。
「どうだ、ナナリー。風が気持ち良いだろう」
「はい。気持ち良いです。それに空気が違うのも分かります」
「俺がもっと、もっと、お前に今までと違う場所に連れて行ってやる。経験をさせてやる。お前とルルーシュは俺が命に代えても守ってやる。だからお前は目を治すことを諦めるんじゃないぞ。目が治ったらいろんなものをみせてやるからな。
折り紙の桜なんかに満足するなよ。本物の、満開の桜をルルーシュと一緒にみよう」
「はい。私はお兄様とクレイさんのことを信じています。ですから先程の言葉少し訂正してください」
「訂正?」
「命に代えてもなんて言わないでください。ずっと、ずっと私達のそばにいてください」
「……そうだな。俺もお前達とずっと一緒にいたい。それにお前が気に入った男をルルーシュと二人で勝負しなければならないしな。『ナナリーが欲しければ俺達を倒していけ!』って」
「もう、何を言っているんですか!?お兄様とクレイさんに適う人なんていないですよ」
「それぐらいの気概がなければナナリーを任せられないということさ」