コードギアス 魔王の騎士は忠臣だけど、変態というなの紳士でした   作:八神刹那24

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第二十三話 C.Cがシャワールームに入って来た

鍛錬のあと、シャワーを浴びようと自室に戻ると、なぜか俺のベッドの上でピザを食べているC.Cがいた。俺が帰ってきたのをみてもC.Cは軽い挨拶をすませたあと、もくもくとピザを食べ続けた。

 

 「別に良いけど何でいるの?」

 「簡単なことだ。ルルーシュに部屋から追い出された。落ち着いて食べられる場所がここしかなかった。それだけだ」

 「……あ、そう。どうでもいいけどせめてテーブルで食べてくれ。ベッドは汚すなよ」

 「子供じゃないんだ、こぼしたりしないさ」

 「大人はそもそもベッドでピザなんて食べないよ。よくもまぁ、そんな毎日毎日ピザばっかり食べて飽きないね」

 「ピザが飽きるなんてあるはずないだろう。ピザさえあれば他に何もいらないだろ?」

 「それはあんただけだよ。身体作りはバランスの良い食事からだ」

 「そんなことばかり言う奴にはピザはやらんぞ。どうしてもと頭を下げるのなら、一枚ぐらいやっても良いと思ったものを」

 「もらったら後で何頼まれるか分かったもんじゃないからいらないよ。俺はシャワー浴びてくる」

 

あの人のピザ好きは相当なものだな。どんなに好きなものでも毎日食べたら嫌になると思うが。だいたいあんなにピザを買われてルルーシュの財布は大丈夫なのだろうか?

 

手早く衣服を脱ぎ、シャワーへ向かう。そして勢いよくノブをひねり、冷たい水を浴びる。そして手早く身体を洗っていると、不意に声をかけられた。

 

「おい、話がある」

 

何の迷いもなくC.Cがシャワールームに入って来た。え、何?痴女?

 

「……もう少しまってくれてもいいんじゃなか?男のシャワーなんてすぐに終わる」

「……随分たんぱくな対応だな。面白くない」

「慌てるところを想像していたのなら残念だったな。俺は見られて恥ずかしい身体作りなどしていない」

「だからってそんな堂々とするのはどうなんだ?前ぐらい隠せ。お前の粗末なものなど興味ない」

「乱入してきたのはそっちだろうに。すぐに終わるから待っていてくれ」

「私はもう食べ終えた」

「自己中すぎるだろ!……それで、何のようだ?」

「知りたいか?……そうだな、お前に恋い焦がれてやってきた、と言えば信じるか?」

「悪いな俺にはもう心に決めた人がいる。お前の気持ちに応えられない俺を許してくれ」

「なんで私がふられたみたいになるんだ。ひっぱたたくぞ。……まったく、親子そろって同じことをいいよって」

 

なんか途中から声が小さくなって聞こえなかったが、理不尽なことを言われたようだ。

 

C.Cはあからさまに侮蔑の表情で俺を見ている。黙っていればかなりの美人なので、そんな眼でみられたら俺のなかの何かが目覚めそうでかんべんしてほしい。

 

「だいたい私がそのつもりで来ていたのなら、服を着ているはずがないだろう。服など、邪魔なだけだからな」

「脱ぐところを見られて興奮する、という特別な性癖をお持ちなのかと」

「よしわかった。やっぱりひっぱたく」

「辞めてくれ。お前みたいな美人に裸のときに叩かれたら何かに目覚めてしまう」

 

C.Cの俺を見る目がさらに冷たいものになってしまった。正直悪くない。ご褒美です!

 

「はぁ、どうしてこんな風になってしまったんだ。昔はこんなのじゃなかったのに。……そう言えばあいつはこんな感じだったな。変な所まで父親に似てしまったか」

 

またしても何か呟いているが、よく聞こえなかった。

 

ため息をつきながらC.Cはシャワールームから出て行った。何しにきたのあいつ?

 

服を着てから部屋に戻るとC.Cがベッドに寝ながら待っていた。ルルーシュの部屋といい、他人の部屋でかってにしすぎるだろう。

 

「遅いぞ。お前と違って私は暇ではない。さっさと本題に入るぞ」

 

またしても理不尽なことを言われた。もう慣れたけど。

 

「お前はこれからどうするつもりなんだ?」

「ずいぶんと漠然とした質問だな。どうするとは?」

「このまま楽しい学園生活を楽しむだけか?そのあとはどうするつもりだ?ブリタニアから隠れながら生きていくつもりか?」

「……それはこの間の続きか?黒の騎士団に入ってブリタニアを倒せと」

「選択肢の一つに入れるだけの価値はあると思うが。その気がまるで無いわけではないのだろう?」

 

確かに選択肢の一つにはある。ブリタニアを、現皇帝を倒せばルルーシュとナナリーの安全は保証される。少なくとも今よりは確実に。

 

コーネリアにでも王位についてもらえば、ユーフェミア関係でルルーシュ達の安全は確立される可能性が高い。

 

しかしブリタニア人の俺が黒の騎士団に入れるか、入ったとしても信用されるかは分からない。ゼロは優秀だ。だからこそいいように利用されて終わるか、捨て駒にされる恐れもある。軽はずみな行動はできない。

 

第一黒の騎士団に参加したら学園での生活にも支障ができる。ナナリーの相手もできなくなるし、ただでさえ会う機会が減ったルルーシュと会える時間もさらに減ってしまう。

 

ルルーシュとナナリーに引き合わせてくれた大恩人のミレイさんの手伝いもできなくなってしまう。

 

俺はそこそこ優秀だと自負しているが、万能ではない。自分が守れる範囲の人しか守ってやることはできない。

 

カレンが黒の騎士団に入っているのはほぼ確定だ。カレンをそばで守ってあげたい気持ちも当然ある。

 

しかし俺の身体は一つだ。同時に別々の場所にいるものを守ってやることなど不可能だ。

 

俺の考えをC.Cに言うと、C.Cは悲しそうな顔をする。

 

「やはりお前はそういう奴なんだな。お前のその性格はいずれお前を押しつぶすかもしれないぞ。あまり抱え込むな。お前はなまじ何でもできてしまうから、余計なものまで背負ってしまうんだ。もっと自分をいたわれ。お前は自分が思っている以上に、周りに必要とされる存在だ」

 

C.Cはそのまま部屋を出て行ってしまった。

 


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