コードギアス 魔王の騎士は忠臣だけど、変態というなの紳士でした   作:八神刹那24

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第二十五話 騎士と姫

 カレンと二人で昼飯を食べに食堂に行くと、相変わらず混ではいたのだが、いつもと雰囲気が違っていた。こちらをちらちら見たり、ひそひそと話すのが若干目障りだった。

 

 俺だけではなくカレンも対象のようだ。俺とカレンが二人で行動することは最近増えてきているので、急にこんな感じになったのが不可解だ。

 

 仮面告白大会の後は騒がれたが、今回はあれとはまた違う感じがする。

 

 「よぉ~う、お二人さーん」

 

 にやついた顔のリヴァルが声をかけてくる。何だその顔は?こいつがこんな顔をしているときはろくでもない。

 

 「ちょっと、お二人さんって……。そういうのはやめてって前にも……」

 「なにをおっしゃる、お二人さん。すでにちゃ~んと、しっかり耳に入ってますよぉ!」

 「何のことかしら?」

 「ほら、こないだのシンジュクゲットーでのテロ騒ぎ。黒の騎士団も現れたってアレだよ」

 「あ……」

 「不良に追われゲットーに迷い込んだカレンお嬢様!

そして危険を顧みず勇敢に助けにはせ参じた騎士のクレイ!

そこへ現れるイレヴンのテロ組織!

鎮圧に出動したブリタニア軍との戦闘に巻き込まれ絶体絶命の二人!

男は女の守るために身体を張った!

『カレンは俺が守る!』

二人は炎の中を駆け抜けたぁっ!」

 

 大袈裟に身振り手振りで熱く語る、リヴァル。俺とカレンはもちろん、周囲の人間まで黙ってというか、半分呆れながらリヴァルの話を聞いている。

 

 「……って、そういう話になっているけど?実際はどうなのよ?」

 

 なるほど。あの時のことを誰かに見られていたのか。リヴァル話からすれば正確のことは見ていないが、想像を加えて噂が広がっているようだ。

 

 「大袈裟ね……。噂話は尾ひれが付くものよ」

 「でもさぁ、助けたのは事実なんだろ?カレンのような、か弱い女の子が無事に逃げ出せたのがその証拠だし」

 「それは……そう、だけど……」

 

 カレンが困った顔でこちらを見てくる。さて、ここはどうした方がいいものか。実際はただ逃げただけではなく、KMFにのって相手を撃破している。しかしその相手がテロリストではなく、ブリタニア軍なんだよな。非常事態とはいえ、問題になるのも嫌だな。

 

 「学園内、この話でもちきりなんだぜ。カレンお嬢様と、その素敵なナイト様ってね!」

 「またもう……。そんな話で喜んで……」

 「カレンを狙っていた男子も結構多いんだぜ。でも、愛しのナイト様の登場でガッカリさん、しょんぼり君続出だよ」

 「もう……やめてよ……」

 「で、本当の所はどうなのよ?どうやって戦闘の中をくぐり抜けることができたわけ?」

 

 リヴァルの矛先がこちらに向いた。ここはどういうのが正解か……。

 

 「なぁ、教えてくれよ。よっぽど機転を利かせたのか、火事場で思わぬ力が出たとか、あるでしょ?そりゃもう、報道クラブあたりが飛びつきそうな美味しいネタが?!」

 

 リヴァルは完全に面白がっているな。

 

「もういいじゃない。確かに私は彼に助けて貰ったわ。その事実だけで充分じゃない?」

「ありゃ、ご機嫌ななめ?」

「興味本位で騒がれるのは好きじゃないし、周りで人が殺されたのよ。楽しんで良いことじゃないわ」

「え~、まぁ……、う~ん……。それはそうなんだけど。知りたいんだよなぁ……」

「もういい。その噂はおおむねあっている。実際はカレンの手をとって逃げただけだ。たいしたことはしていない。銃撃戦やKMFの戦闘が行われている中じゃ、なにもできないさ」

「確かにそうだよなぁ……。いや、KMFまで出てきている銃撃戦でちゃんと動けたのは凄いと思うよ」

 

 目立つこと自体は問題ないが、あくまで一般の学生の範囲内で納めておいた方がいい。何かの間違いでよけいな問題が起きる可能性がある。

 

 俺が外部から注目されたら、最悪ルルーシュとナナリーの側にいられなくなる可能性だってある。

 

 「これだけカレンのナイト様ポジションを確立させているけど、まだ付き合っていないんだろう?カレンをかけて決闘とか申し込まれるかもしれないな」

 「くるなら丁重に相手してやるだけさ」

 「おお、流石に余裕な反応だな。軽くあしらってやるってか」

 「何を言っているんだ。リヴァル。一人目は徹底的に俺に挑んだことを後悔させてやるさ。第二、第三の挑戦者が現れないようにみせしめだ」

 

 獅子はうさぎを狩るのにも全力を尽くす。

 

唯の学生が俺に勝とうなんて、二度と思えないようにしてやるだけだ。リヴァルの表情が引きつっていたが問題ないだろう。

 

 

 

 

 

 

 この間のシンジュクゲットーでの報告のためにカレンがゼロの元にやってきていた。

 

 「シンジュクゲットーでの一件は聞いている。無事で何よりだった」

 「はい。実はそのことで報告が」

 「聞こう」

 「あのときKMFを操縦していたのは私ではなく、クレイ・ロペスです」

 「ほう。流石というべきか。たしか故障した無頼で性能が上のサザーランドを三機撃破したらしいな」

 「はい。彼の操縦技術はもちろん、突発的におきた戦闘にも冷静に対処するところは、素晴らしかったです」

 「確かに君の言う通りだ。……それで?」

 「はい。彼を味方にすることが出来れば、有力な戦力になることは間違いありません」

 「それは間違いないだろう。しかし彼はブリタニア人だ。我々のことは唯のテロリストだとしか思っていないのではないか?ブリタニアに敵対するか?」

 「そこは問題ないと思います。彼は日本人をイレヴンと差別していません。現ブリタニア政権にはあまり良い印象を持っていないようです」

 「君と彼は確か同じクラスだったか?君が誘えば彼は誘いに乗ってくると?ただの友達以上の関係のかね?たとえば恋人とか」

 「こ、恋人!?待ってください!私達はそんな関係ではありません!……た、確かにあいつの思いは充分伝わってくるし、大事にされているのもわかります。で、でも……恋人っていうのは恥ずかしかったり……」

 

 もしカレンがクレイの一途な思いを利用しようとしているのなら、なんらかの対処をする必要があるとルルーシュは思った。しかし顔を真っ赤にして慌てるカレンに判断が付かなかった。

 

 恋に敏感な女性陣が今のルルーシュを見れば盛大なため息をつき、白い目で見ていただろう。しかし仕方が無い。ルルーシュは色恋沙汰には壊滅的に残念だった。

 

ミスター朴念仁は伊達ではない。古今東西、もてる主人公はこんなものだ。

 

 

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