コードギアス 魔王の騎士は忠臣だけど、変態というなの紳士でした 作:八神刹那24
日本人とのハーフであるカレンとは違い生粋のブリタニアである俺を黒の騎士団のメンバーが受け入れてくれるか心配だった。しかしゼロとカレンの推薦、河口湖やこの間の事件で俺の力を知っていたので、思っていたよりすんなり受け入れられた。
今晩、俺が黒の騎士団としての初めての活動だ。リフレインの大きな取引が行われる情報を手に入れたので、取引現場を強襲しさらなる蔓延を阻止することになった。
〝リフレイン〟それはゲットーを中心に蔓延する『幸福だった過去にトリップできる』薬物なのだという。今の日本人には、なんともぴったりな逃避手段ではある。しかしこれで誰かが救われることは無い。むしろ逆だ。
薬を使って今の辛い現実から逃げている人達のことを弱い奴らだと非難することは俺には出来なかった。もし俺が出会ったのがミレイさんではなく、薬の売人だったら俺はこの誘惑に勝てていたのか自信が無かったからだ。
とある租界の倉庫街にて、リフレインの取引が行われる倉庫の外で警備をしているものたちがいた。非合法な薬を取引しているというのに、警備のものたちは欠伸をするものがいるほど、ゆるんでいた。とある理由によりここが襲われることなどないと思っていたからだ。
万が一襲われたとしても、ここの倉庫は特別製でナイトメアの銃器でも突破できない素材でできている。シャッターを開けるのは班長がもつカードキーと毎日変わる暗証番号を入力する必要がある。暗証番号も勿論班長のみが教えられる。
大きな欠伸とともに体をのばすと横でなにやら物音がした気がした。横をみると共に警備をしていた男があり得ない角度に首を曲げて倒れていた。
男が叫ぶより早く、何者かに背後から襲われ口を押さえられ、拘束されてしまった。
「騒ぐな。暴れたらお前も殺すぞ」
耳元で聞こえる声に男は恐怖した。決して脅しでは無い。その声にはいっさいの感情が感じられなかった。なんのためらいも無く自分も目の前で死んでいる男のように殺されるだろう。
恐怖で体が震えていると目の前に仮面を付けた人間が現れた。ゼロだ。今世間で話題のゼロが目の前に現れた。
「お前のもっているカードキーと本日の暗証番号を教えて貰おうか」
倉庫内で十数人の男達が作業しているとシャッターが開き始めた。運搬のトラックが来る時間にしては早すぎる。疑問に思いつつ、ここが襲われることなどないと思っている男達は特に慌てていなかった。
シャッターが十分開いたとき、二機の無頼が突入してきてマシンガンを撃つ。ナイトメア相手に人間が撃つマシンガンで歯が立つはずも無く、大混乱になる。すぐに他の黒の騎士団も突入し、すぐに鎮圧された。
奥へ突入したカレンの無頼が動きを止める。その周囲に人影が見えた。どうやらその部屋に人達は、リフレインで幻覚状態にある中毒者のようだった。
ふらふらとカレンの無頼の前に女性が立つ。カレンはその女性に注意を奪われているようだった。女性が倒れそうになると、カレンが慌てて手を伸ばし女性を受け止める。
「カレン、どうかしたのか?」
「・・・お母さんなの」
「お前の母親か。・・・っ!カレン!どけ!」
突然クレイはカレンの無頼を押しのけ、マシンガンを撃つ。その先には腕を撃たれ煙を上げている一体のナイトメアがいた。警察仕様機のナイトポリスだった。
売人達の油断はこれが理由だった。売人達と警察は手を結んでいたのだった。
クレイに撃たれたナイトポリスは奥に逃げていき、クレイが後を追う。逃げた先にもう一機待ち構えていた。しかし戦場にでたこともなく、素人のテロリストぐらいしか相手にしたことが無い警察ではクレイの相手になるわけでも無くすぐに二機とも大破させられた。
「クレイ!もう一機こちらにいた。カレンが危ない、すぐに来てくれ!」
ゼロからの無線で無頼を走らせるとカレンが乗る無頼に敵がナイフを突き立てようとしていた。
銃器により敵を爆破させてしまうと、無頼に乗っているカレンは大丈夫だが、そばにいる彼女の母親が危ない。クレイはマシンガンでナイフをピンポイントで打ち落とす。敵がクレイに注意を向けるが動きが遅い。敵に接近し抱え込みその場から離れてから、投げ飛ばしコックピットを破壊する。
「俺の惚れた女に何しやがる」
クレイのこの日一番の怒りがこもった言葉だった。
扇達がゼロをおいてカレンの元に駆けつけようとしたとき、もう一機別のナイトポリスが扇達に照準を合わせていることにクレイは気がついた。クレイはその時にやりと笑った。
扇達が敵の存在に気がついたときはもう遅かった。照準は自分たちに向けられて死を覚悟した。敵のマシンガンが発射されたその瞬間。
「扇さん!危ない!」
クレイの乗る無頼が扇達の間に割り込み、銃弾をあびながら撃ち返す。ただ撃つ相手と違いクレイの照準は的確で、相手の方が先に爆破した。しかしクレイの無頼も損傷が酷くまともに動く状態では無かった。壊れた無頼からクレイが這い出てくる。
「扇さん、皆さん。ご無事でしたか?」
「ああ。君のおかげで命拾いした」
扇をはじめ、皆がクレイに感謝の言葉をかける。
「俺達のせいでお前の無頼を駄目にしてすまなかったな」
「何を言っているんですか、玉城さん。無頼の換えはそのうち見つかりますけど貴方たちは死んだらかえはききません。皆さんの命を救えるのなら自分の機体なんておしくないです」
押収したリフレインを全て焼き払い、撤収作業をしているなか、クレイは人気の無い暗がりでとある人物会っていた。
「誰かに見られていると思ったらあんただったか、C.C」
「ほう、私の気配に気がつくとは流石だな」
「気配を消す、察知するは方法、重要性は父親に教わっていたからね。そっちこそ一流の暗殺者なみだったぞ。どこで身につけたんだ?」
「なに昔お節介な男が無理矢理教えてきただけだ。それより随分上手くやったじゃないか。感心したぞ」
「・・・なんのことかな?」
「とぼけるなよ。お前なら扇達のことも余裕をもって助けられたはずだ。わざとああしたな」
「人間ってやつは知らないうちに助けられるより、命の危機を感じだときに助けられた方が相手に対する感謝が上がるもんだ。無頼なんておもちゃで団員の信頼が買えるなら安いもんだ。ゼロが顔を出せない謎の人物だから、俺があいつらの信頼を得ていた方がいいからな」
「悪い顔だ。とても仲間の信頼を得るって顔じゃないぞ」
いったい何が起きたんだ!?何故か急に伸びたと思ったらランキング29位いた!?
見てくれる人が多いと嬉しいです!
これからも頑張って書いていきます。