コードギアス 魔王の騎士は忠臣だけど、変態というなの紳士でした 作:八神刹那24
久しぶりに俺はルルーシュとナナリーの三人で集まっていた。テーブルの上には折り紙でおった様々な作品が並んでいた。
自分でいうのも何だが俺は手先が結構器用なほうだ。俺はネットでナナリーの為に調べた折り紙をつくるが、目の見えないナナリーの為にあまり複雑では無く、さわって形が分かりやすいものを選んだ。
ナナリーの手を取りながら教えている。ナナリーも目が見えないわりに器用で、今では鶴も一人で折れるようになっていた。
しかしテーブルの上には不格好なものもあった。俺でもナナリーのでもないとなる当然選択肢は一人だ。そうルルーシュだ。
身体能力以外は割とそつなくこなす男だが、以外と折り紙は苦手なようだった。ルルーシュが自分でつくったものを俺やナナリーとの比べて難しい顔をしている。
俺はルルーシュの肩をそっと叩き、優しく笑いかける。その時のルルーシュのなんとも得ない顔は最高だった。写真に撮ってミレイさんにでもみせれば大爆笑していただろう。
ふと気がつくとルルーシュとナナリーがこちらを見つめていた。
「あのぅ・・・リヴァルさんとお兄様のこと何か聞いていませんか?」
「なんの話だい?」
「カレンさんから聞いたのですが・・・。何故かリヴァルさんが、お兄様のズボンを持って走っていたそうなんです。でも、お兄様は教えてくれないし、リヴァルさんはいないし。リヴァルさんは何をしたかったんでしょうか?」
・・・何それ面白そう。俺も是非見たかった。
俺はリヴァルがルルーシュのズボンを持って走っていた理由を想像することにした。
「・・・それはだな」
ルルーシュが『何も言うな』とばかりににらむが、俺はナナリーの希望を優先させる。当然だよな。可愛い女の子の要望に応えるのが紳士のたしなみだ。
「ただのいたずらだろう」
「リヴァルさんに、ですか?」
「もちろん実行したのはリヴァルだ。しかし裏で操っていた者がいたと思われる」
「操っていたもの、ですか?」
「そうだ。ほぼ間違いなくミレイさんだろう。彼女から直接指示された、もしくはミレイさんの気をひこうと自分で買ってでたかもしれない。・・・どうだ?ルルーシュ」
「流石にたいした推理力だ。その通りだ。なんでも俺に体操服で授業を受けさせるためだったらしい。まったく、会長の悪ふざけには、いつも振り回されっぱなしだよ」
「でもどうして体操服なんですか?意味がよく分からないのですが・・・」
「俺もだよ。たぶん、体操服デーの実施とか考えているんじゃないか」
「それはありそうですね。ミレイさんはそういう遊びが好きですから」
・・・流石がはミレイさんだ。さすミレだ。学生時代にしか出来ない悪ふざけ、これは俺も乗るしか無い。ミレイさんには何かとお世話になっているし、こういったところで恩を返していかないと。そう、恩を返すためだ。決してミレイさんに振り回されて困っているルルーシュを笑いたい・・・、いやみたいわけではない。断じてな。
「なるほど、よく分かった。俺の方からもミレイさんに一言言っておこう」
「・・・まて。何を言うつもりだ?」
「・・・質問の意味が分からないな」
「とぼけるな。お前のことだ。どうせ面白そうだと思って、会長に協力を志願するつもりだろう」
「ところでナナリー。ミレイさんの考えた面白企画をもっと教えてくれないか?」
「おい、話を変えるな。まだ終わっていないぞ」
こうして俺はルルーシュとナナリーからミレイさんの武勇伝を色々と聞かせてもらった。ミレイさんの企画力と行動力はただただ感心する。本当にあの人は面白い人だ。
二人が楽しそうに話をする姿をみて、こちらも嬉しくなってくる。
「どうした?クレイ。やけに楽しそうだな」
「いや、・・・お前達が幸せそうで本当に良かったと思ってな。同時にその時間を共有できなかったのが寂しくもある」
「これからはクレイさんもずっと一緒です。一緒に楽しい思い出をつくっていきましょうね」
俺の手を優しく握りながら、ナナリーが微笑んでくれる。ルルーシュも笑いながら頷く。
俺は目頭が熱くなる。
「そうだな。・・・その通りだ。そうとなればミレイさんに体育祭デー実施の提案をしなくては!あと噂の男女逆転祭りも面白そうだ!」
「待て!クレイ!落ち着け!」
俺は三人で過ごすこの幸せな時間をかみしめる。