コードギアス 魔王の騎士は忠臣だけど、変態というなの紳士でした   作:八神刹那24

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第三話 邪魔者

敵の指揮官を追い詰め次の一撃で仕留められると確信し、右腕のスタントンファを叩き込もうとしたとき、視界の端に民間人の親子が入ってきた。

 

 幼い娘を抱いている母親。

 

 どうする!?今攻撃すれば巻き込んで殺してしまうだろう。だがもう攻撃のモーションに入ってしまった。止めるには反対の方角に倒れ込むしかない。だがそうしたら取り逃がしてしまう。

ここまでの被害を出した敵の指揮官を単機で仕留めたという手柄がなくなってしまう。下手をすれば命令無視の単独行動により処罰されるかもしれない。最悪出世の道が閉ざされる可能性だってある。

 

迷うな!俺はどんなことをしてでも、ルルーシュとナナリーのそばに行かなくてはならないんだ!それが、それだけが俺が生きる希望だ。

 

腕を振り抜く瞬間、強烈な衝撃と共に機体が吹き飛ばされる。何が起きたのか分からなかった。状況を確認しようとあたりをみると、見たことがない白いKMFが俺を抱えるように倒れていた。最初状況が理解できなかったが、すぐにこの白いのが邪魔をしたのがわかった。

 

「貴様!なんのつもりだ。人の手柄を邪魔しやがって!!」

「あのまま攻撃していたらあの親子を巻き込んでいた!!」

 

怒りで怒鳴る俺に負けないぐらいの大声で相手が返してくる。

またしても何言っているのか分からなかった。ブリタニアの騎士が、たかがイレブンの親子のために味方の功績を妨害し、敵を逃がすだと?

 

くそっ!手柄を取り損ねた。この場合はどうなる?こいつが邪魔しなければ確実にとれていたんだ。責任はこいつに負わすしかない。だがどう見ても新型だ。こいつの上にはお偉いさんがついているはず。このことを無かったとこにして、敵に逃げられた全責任を俺に押しつけてくる場合がある。そうなったらお仕舞いだ。

 

今の衝撃で機体は完全に壊れた。もう一度追うことも、残った雑魚を潰しにいくこともできない。完全なお手上げだ。

 

どうする?どうする?どうする?

 

「大丈夫ですか?怪我はありませんか」

 

 俺の焦りもお構いなく、イレブンの親子の無事を確認する相手にきれた。

 

「ふざけるな!!こっちはお前のせいで全てが終わるかもしれないんだ!殺されたくなかったらさっさと消えろ!」

 

少し静止したあと、白いKMFはこの場を離れていった。

 

俺はコックピットの中でうなだれた。どうするってどうしようもないだろう。

 

 

 

しばらくすると今度はクロヴィス殿下の名で終戦命令がでた。しかも負傷者はイレブンもブリタニア人同様に手当てしろだと?皆殺しにしろといったその口で、すぐに助けろとはどういうことだ。やはり今回のことは何かおかしい。

 

その後助けに来てくれたヴィレッタさんに救助され、ジェレミアさんの待つ純血派に連れて行ってもらった。もちろんヴィレッタさんには厳しいおしかりを受けた。美人に怒られる。本当ならご褒美なのだが、残念ながら今はそれどころではなかった。

 

事情をきいたジェレミアさんができる限り手をうってくれるそうだが、どうなるかわからない。ジェレミアさんより発言力のある人がでてきたらどうしようもないだろう。

 

俺の不安は最悪のケースになってしまった。本部よりクロヴィス殿下が何者かに暗殺されたとの連絡が来たのだ。

 

マリアンヌ様と父が殺された事件が脳内を駆け抜け、体が震えだした。

 

「俺が、俺があいつを取り逃がしたせいでクロヴィス殿下が。……俺があそこで迷わなければ、もっとうまくやっていれば」

「違うぞ、絶対に違うからな。お前だけがあいつの居場所をみつけ、追い詰められたんだ。お前のせいなんかじゃない」

 

震える俺をヴィレッタさんは強く抱きしめれてくれた。俺の頭を何度も優しく撫でながら大丈夫だと言ってくれた。

 

 

 

 

 

 ジェレミア・ゴットバルドは怒りに燃えていた。クロヴィス殿下の命を奪った犯人に、何故かそばを離れた側近達に、そしてなによりまたしても何もできなかった自分自身に。

 

 敬愛していたマリアンヌ、最も尊敬していた男を殺された時何もできなかった。そして今度も自身が近くにいたのに、またしても皇族を殺され、尊敬していた男の息子に不名誉な傷を付けてしまうかもしれない。

 

 どこもかしこも大混乱だった。クロヴィスが殺されたことはもちろんだが、この間の戦いでおった被害。戦死者の確認、壊されたKMFの補充、新宿での大量虐殺の隠蔽。やらなければならないことが多すぎる。

 

 エリア11始まって以来の大敗北だ。

 

自分がやらなければならいことは、暗殺者の逮捕だ。クロヴィスの側近達は話にならない。誰に聞いても覚えていないと言う。責任を逃れるために口裏を合わせているとしか思えない。ただ一つ気になるは純血派の同士である、キューエル卿が自身のKMFを敵に奪われたことを覚えていないと証言していることだ。

 

殺害現場の近くから拳銃が発見され、線条痕を調べた結果クロヴィスの殺害に使われたものと判明した。指紋も検出され、名誉ブリタニア人の枢木スザクだとわかった。彼は日本最後の総理大臣の嫡子。動機も十分あった。

 

……彼で間違いないだろう。

 

犯人を公開処刑し、純血派により治安を維持する。それが自分の役目だ。

 

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