コードギアス 魔王の騎士は忠臣だけど、変態というなの紳士でした   作:八神刹那24

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第三十話 紅蓮

 リフレインの件以降、黒の騎士団の人気はさらに増すことになった。日本人が求めていたのは唯のテロリストでは無く、正義の味方だった。

 

 民衆からの支持も得て騎士団への入隊希望者が増えて情報提供も急増している。

 

 『正義の味方』というキーワードに引かれるのは日本人だけではない。ブリタニアによって制圧された他の国は勿論、現政権に不満を持つ者にも影響を与えている。

 

 日本解放戦線をはじめ日本のレジスタンスを複数支援しているキョウトという組織がついにナイトメアをまわしてくれることにもなった。

 

 メインのナイトメアは無頼というグラスゴーを日本独自に改良した機体。元がグラスゴーだけあってサザーランドにも性能で負けるおもちゃだが、贅沢は言っていられない。無いよりはましだ。

 

 無頼が納品される日に合わせて新隊員が加わった。新人達は無頼を前に興奮し、中には自分たちはエリートだと明らかに調子に乗るものまでいた。

 

 その様子を見て思わずため息が出る。だが軍の経験があるものはほとんど日本解放戦線に入っているので素人ばかりなのはしかがない。今はポーンを集めるときだ。ルークやビショップは今後に期待するしか無い。ポーンとてなくてはならない駒だし、成長もする。

 

 玉城はともかく井上達古参のメンバーまでが浮かれているのも心配だった。ゆくゆくは実力主義の組織を構成したいがもとが仲良しメンバーの集まりだ。どうしても古参のメンバーに上の役職を与えなくては不満が出るだろう。そこは俺がなんとか強化していくしかない。

 

 得意げに先輩風を吹かせている玉城達にため息をつき、横にいるカレンを見る。うん。カレンは今日も可愛い。俺の唯一の癒やしだ。

 

 「・・・なに?どうかしたの?」

 

 「カレンは今日も可愛いなと思っていたところだ」

 

 「なっ、何を急に。あんたはいつも突然なのよ!」

 

 照れて顔を赤くするのも可愛い。カレンの肩を掴む。

 

 「え?ちょ、ちょっと!?」

 

 ここは流れで行くしかない!俺はカレンにキスしようと顔を近づける。

 

 「玉城はともかく、井上達まで浮かれ気分か」

 

 ・・・・・・。

 

 おい。タイミングを考えろ。空気を読め。だからお前はルルーシュなんだ。

 

 「ん?どうかしたか?」

 

 「・・・いいや。なんでも無い。気にするな」

 

 若干の非難をしつつカレンから離れる。

 

 「ちょっと、ゼロに失礼でしょ」

 

 「構わないさ、カレン。私と彼は対等な契約を結んでいる。彼の実力と成果は皆が認めるとこだ」

 

 ゼロの言葉でカレンは一応納得した。俺の立ち位置もこれから難しくなっていくか。俺がしっかり成果を出し、上の地位にいくことで黒の騎士団は実力で上に行けることを証明しなくてはならない。人間関係も含めて面倒な仕事が増えるな。

 

 ゼロ、俺、カレンは今回のキョウトからの支援の中で唯一眼を引かれるもの、完全な日本製のナイトメア『紅蓮弐式』。スペックを見たときは驚いた。まさかこれ程のものをつくれる技術と設備が日本にあるとは。

 

 ゼロがカレンに紅蓮のキーを投げ渡す。

 

 「紅蓮弐式はカレン、君のものだ」

 

 「私が!?でも今は人も増えたし、それに紅蓮の防御力ならあなたこそが」

 

 「君がエースパイロットだ。私は指揮官。無頼は使うが戦闘の主力は君だ」

 

 「でもそれならクレイの方が。あなただってこれ程の機体、ほしくないわけないでしょ?」

 

 「確かにこれ程の機体は喉から手が出るほど欲しいが、武装もカラーも俺好みじゃ無い。紅蓮はカレンが一番似合っている。赤ってのもまさにカレンにお似合いだ。俺は今後黒の騎士団の評価をもっと上げて、俺の好みの専用機体をつくってもらうさ」

 

 ゼロと俺に説得され、カレンは紅蓮の機動キーを握り頷く。

 

 その後扇さんから入団希望のブリタニア人から面白い情報が提供された。

 

 

 

 「週末はハイキングだな」

 


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