コードギアス 魔王の騎士は忠臣だけど、変態というなの紳士でした   作:八神刹那24

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ロスカラのヴィッレタとのランチをほぼそのまま使わせてもらいました。

あのゲームでヴィレッタが好きになった人は自分だけではないはず!?



第四話 ヴィレッタとランチ

 クロヴィス殿下の暗殺から数日が経過した。ようやく俺の心も落ち着いてきた。

 

ジェレミア卿は名誉ブリタニア人の枢木スザクを実行犯だと発表した。確かに凶器という決定的な証拠に、日本の最後の総理大臣の嫡子という動機もある。犯人だとしてもおかしくはない。

 

だがそんなに単純でいいのか?ずっと機会をうかがう忍耐力があれば凶器を処分する程度の頭はあるはずだ。殺したことで満足したのか?なら逃げるのはおかしいだろう。仇討ちに満足したのなら、日本人なら切腹とやらをして自害したほうがまだ納得できる。

 

俺としては俺が取り逃した例の指揮官だと思っている。だが何の手がかりも無い上に、俺の責任問題になる可能性だってある。完全な他人である奴のためにリスクを負う気はない。俺の目的の為にはリスク覚悟で奴を弁護する必要は無い。

 

第一俺のような若造が訴えても意味が無いだろう。もうシナリオは完成されている。

 

クロヴィス殿下が亡くなったことにより、新宿での真相は分からずじまい。裏でなにか面倒なことがきていて、そのせいで亡くなった気がしてならない。もちろん俺に確かめる気など無い。俺が忠誠を誓うのはルルーシュ様とナナリー様のお二人だけだ。それ以外の皇族がどうなろうが知ったことじゃない。この点はジェレミア卿とは考えが違うところだな。彼もかつては父と同じくマリアンヌ様を敬愛していたが、彼女が死んでからは皇族全体への忠義に変わった。

 

俺の父もかつては皇帝陛下直属の最強部隊『ナイトオブラウンズ』に選考されるほどの実力者だったが、マリアンヌ様を敬愛し、彼女だけの騎士になることを選んだ変わり者だった。

 

 

「すまない、遅くなった」

 

公園のベンチに座り考え込んでいると俺を公園に呼んだ張本人、ヴィレッタさんが現れた。手には大きめのバスケット持っていて、走ったのか顔が若干赤くなっていた。

 

「全然平気ですよ。たいして待っていません。女性を待たせるわけにはいかないので早めに来ていただけです。それに仮に待たされたとしても、あなたのような美人のためならいくらでも待ちますよ」

 「まったく、お前はすぐにそうやって馬鹿なことを言う。この間まで泣きそうな奴の台詞とは思えんな」

 「いじめないでくださいよ。あの時のことは本当に感謝しています。会ったばかりの自分のそばにずっとついて励ましてくれました。落ち着けたのはあなたのおかげです」

 「震えて泣きそうになっている子供を放っておけなかっただけだ。……ところで昼食はまだだよな?ちょうど昼時だし……ランチを用意してみたのだが……」

 「え!?俺のためにつくってくれたんですか?」

 「あ、ああ。……ついでにな。一人分も二人分もかわらないからな」

 

 ランチを手際よく広げるヴィレッタさん。どの料理も昼時とは思えないような本格的なものがならぶ。いい匂いに腹が空腹を訴える。

 

 「いやこれはすごいな。ヴィレッタさんは料理が得意なんですね。じゃあ、これをもらいますね」

 

「味はどうだ…………!?」

「これすごく美味しいですよ!こんな本格的な料理作れたんですね」

 

仕事一筋の生真面目軍人だと思っていたので驚いた。

 

「そ、そうか。それはよかった。こっちも食べてみてくれないか?」

 

ヴィレッタさんがすすめる料理を食べてみたが、これもやはり美味しい。

 

「こんなに料理が上手いなんて。どこで勉強したんですか?」

「プライベートではよく、自分で食事を作るのでな」

「こんな美味しい手料理を毎日食べられるなんて、結婚したら旦那さんが幸せですね」

「バ、バカなことを!結婚なんて考えたこともない!」

「そうなんですか?それはもったいない。ヴィレッタさんほどの美人なら、男が放っておくはずがないはずなのに」

「バカなこと言っていないで、さっさと食べてしまえ!」

 

顔を真っ赤にして怒るヴィレッタさんに思わず笑ってしまう。

 

 

 

 「ごちそうさまです。本当に美味しかったですよ」

 「また機会があればランチを作ってくるよ。……では失礼する」

 

 ぱぱっと片付けてヴィレッタさんは逃げるように帰ろうとする。

 

 「ヴィレッタさん。今日はありがとうございました。俺を励まそうとランチをごちそうしてくれたんですよね。おかげで元気になりました。父がよく言っていました。女に甘えるのは男の特権。ただし甘えた分はきっちり強くなれって。あなたが甘えさせてくれた分、俺は必ず強くなります」

 

ヴィレッタさんは俺の言葉に振り返り頷くと走っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

ヴィッレタ・ヌゥは熱い顔と高鳴る鼓動に戸惑っていた。

クレイ・ロペス。奴は不思議な男だ。

初めて会ったときは生意気なガキだった。

単機で突入していったときは飢えた獣だった。

敵を打ち損じたときは怯える子供だった。

私の料理を美味しそうに食べるときは無邪気な子供だった。

甘えた分強くなると宣言したときは……。

 

出会ってまだ一週間足らずの男にヴィレッタの心は乱されつつあった。

 

 


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