コードギアス 魔王の騎士は忠臣だけど、変態というなの紳士でした   作:八神刹那24

5 / 30
第五話 オレンジ

 エリア11はジェレミア卿が代理執政官として掌握していた。あの混乱のなかよくまとめたと感心するが、不安もある。彼は確かに優秀な騎士だ。

 

KMFの操縦技術はラウンズの候補にもなるほどであり、人を引きつけるカリスマもある。しかしそれは騎士としてのはなしだ。一国を運営していくだけの力量はないだろう。

 

純血派による軍部の掌握はいいが、その力で内政府まで手を出すのはやりすぎのようなきがする。軍が力で支配する国にろくなのはないだろう。

 

現在、枢木スザクは軍事法廷に移送されている。声を上げることを封じる首輪を付け、顔がよく見えるようにと、さらされている。護衛はジェレミア卿、キューエル卿、ヴィレッタさん、俺の四人が対象を囲む形で配置につき、上空にも四機待機している。

 

ここら辺も趣味が合わないところだ。罪人をさらすことは昔からある手だが、個人的には嫌いだ。どうせ殺すのならさっさと殺して終わらすべきだ。

 

マリアンヌ様を守れず殺された父を無駄死にだと、役目も果たせない愚か者だとあざ笑う連中を思い出し、怒りがこみ上げてくる。

 

枢木スザクを英雄視し、奪還を企てるものがくる可能性が高い。日本解放戦線がくるとの想定だが個人的には例の指揮官がくると思っている。

 

枢木はほぼ間違いなくやっていないだろう。ああいうタイプは暗殺なんて卑怯なことはしない、と言うだろう。俺も暗殺は好みでは無いが、必要ならやる。枢木スザク奴とは意見が合う気がしないな。

 

皇族殺害は反乱分子にとって絶大な人気を得るチャンスだろう。英雄として崇められ、力をかすものが集う。こんな魅力的な広告を手放すてはない。必ず名乗り出るだろう。今度は逃がさん。逆に皇族殺しを捕まえた功績を手に入れさせてもらうよ。

 

だが当然向こうも無策ではこない。何かやってくるはずだ。もし相手にルルーシュ様級の知略があれば勝てる気がしない。

 

かつてチェスであのかたに勝てたことがない。こちらが勝てると思ったとしても、いつも最後は負けた。仮想シュナイゼル様として何度やらされたか。ぎりぎりの勝負だからこそ楽しいとはよく言ってくれていたが、俺をその気にさせるリップサービスだろう。

 

 沿道に人だかりができている場所にきた。ジェレミア卿のしこみで愛国的ブリタニア人が集められている。こういった演出が好きな人だからな。

 

 枢木スザクに容赦の無い罵声が浴びせられていく。口だけの連中。こういった奴らは反吐がでる。こいつらみたいなのが俺の父を侮辱しやがったんだ。

 

 大勢の民衆がいるもっとも注目される場所。仕掛けるのなら間違いなくここだ。注目されるから困難であり、やり遂げたときのインパクトも上がる。もっともそれをやってのける策略があるのが前提だが。ただ民衆を人質にしただけでは野蛮ですまされる。その後に可能性はない。

 

 前方からクロヴィス殿下専用車がやってきた。こちらの前で止まると炎が上がり壁が燃えきえると中から黒の仮面つけた奴が現れた。

 

「……私はゼロ」

 

 仮面のものは自らをゼロと名乗った。声からして男か?いや、仮面なら変声機をつけられる。すぐにジェレミア卿の合図で上空に待機していたサザーランドが降下し、取り囲む。ここからどうするつもりだ?気になるのは奴の乗ってきた車。後ろに何か積んでいるのか?

 

ゼロが右腕を高く上げ指を鳴らすと後ろの壁が壊れ、中から半球状の装置が出てきた。手袋しているのになんであんないい音出たんだ?ってそんなことよりあの装置はまずい。あれは新宿で問題になった、毒ガスが入っているやつだ。

 

なるほどただ銃を構えるより効果的だ。当事者以外にはなんの装置か分からない。こちらとしても、あれがどれほどの被害を出すかわからない。面倒なものをもってきたな。

 

 ゼロは毒ガスと枢木スザクを交換するように取引を持ちかけてきたが、皇族殺しの容疑者を簡単に解放できるわけがない。当然ジェレミア卿は拒否した。

 

 「違うな、間違っているぞ。ジェレミア。犯人はそいつじゃない。クロヴィスを殺したのは……この私だ!」

 

 自らがクロヴィスを殺害したものだと宣言したことにより、民衆がざわめく。

 

やはり名乗り出たか。しかしこれからどうする?毒ガスは確かに驚異だがそれだけでは交渉材料としては弱い。皇族殺しを自ら名乗るものと容疑者。威力が不確定なもののために逃がすことを良しとするほどブリタニアは甘くないぞ。第一それが本物かどうかもわからない。

 

ジェレミア卿の合図で取り囲むサザーランドが銃口をゼロに向ける。

 

「いいのか?公表するぞ、オレンジを」

 

ゼロの発言に全員が困惑を示す。『オレンジ』……何かの機密情報か?ジェレミア卿の反応から言われた本人にも心当たりは無いように見える。ブラフか?だがあまりにも堂々としすぎている。必ず通用すると確信している。

 

「私達を全力で見逃せ、そっちの男もだ」

「ふん、わかった。その男をくれてやれ」

「ジェレミア卿!今なんと!?」

「その男をくれてやれ!誰も手を出すな」

「どういうつもりだ!?そんな計画は」

「キューエル卿。これは命令だ」

 

ジェレミア卿の豹変に思考が追いつかない。ここで皇族殺しを名乗るものと容疑者を逃がすというのか?そんなことをすれば、どんな処罰がまっているか分からない。

 

枢木スザクの拘束が解かれ、ゼロのもとに歩いて行く。

 

どうする。ジェレミア卿は正気を失われたのか?このまま黙っていていいのか?ジェレミア卿に全ての責任を負ってもらうか?それだけで済むのか?

 

俺が迷っている間にゼロと枢木スザクはまんまと逃げおおせた。ジェレミア卿は全力をあげて奴らを見逃せとの命令をだした。

 

明らかにおかしい。皇族に絶対の忠誠を誓うあの男が、例え自身が破滅するような弱みを握られたとしても、このようなことはしないはずだ。

……催眠術の類いか?強い催眠術にかかると操られているときの記憶がない、とか以前テレビでやっていたが。……ばかばかしい。今はくだらん妄想をしているときでは無い。

 

 ……ゼロこのまま逃げ切れると思うなよ。

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。