よぉ……、兄弟。
……あ? 「元気がないようだが、どうした?」って? そんなにわかりやすいか、俺は。
そうだよ。兄弟の言う通りさ。今の俺はまるで元気がねえ。
いつものように酒を呑もうとするが、まるで進まねえ。
理由?
……自分でもバカだって、思うんだがよぉ。
聞いてくれるかい? 兄弟。
あいつが――【K】がドスジャギィを倒して今日で一週間ほど経つ。
……なんで【K】の名前が出てくるかって? 関係あるからだよ。
なあ、兄弟。今朝、【K】の奴を見たか?
そうか……見たか。なら、気づいただろう?
何が? 何がって言ったのか兄弟!?
決まっているだろう!?
――あいつ、全身イャンクック装備だったんだよ!
イャンクックだぞ? あのイャンクック!
調子に乗ったハンター達を数多地獄へ叩き落としたイャンクックだ!
あの怪鳥に挑んだハンターがどれだけ命を落としたことか……。
いや、今重要なのはそこじゃない。……率直に言ってしまおう。
――なんであいつ、もうイャンクック狩っているの?
おかしいよな? 絶対におかしいよな?
いや、不正だとか言う気はねえよ。だがよ……。だが――。
どう考えても釈然としない……!
俺がイャンクック狩れたのいつだと思っているんだ!?
一年後だ! ハンター始めて一年後だよ!
その前だって火に強いって聞いたモンスターを狩って、準備万端で挑んだんだ!
あの時だって、村中大騒ぎだ! 揃いも揃って、俺が負けて帰ってくるって思っていやがったからなぁ!
……すまん、興奮しすぎた。
だが、【K】の奴はおかしい。最近はモドリ玉があるからいいが……。
【K】は自分の命がまるで無限であるかのように行動しやがる。死なないとでも言うような確信があるかのようだ。
クエストから帰ってきて、即座に次のクエスト受けるだなんて日常茶飯事になってきやがる。
もう既に、初心者どころかこの村のハンター全員を超えてるように思えるんだ。
でさ、【K】の奴がどんどん先へ進むのを見て、俺は焦るんだ。怖くもなる。そのうち、憎たらしいくらいに思ってくるんだ。
思い出したよ。
これは、嫉妬ってやつだ。
俺に出来ないような事を簡単にやってのける【K】に、嫉妬しているんだ。
最近まるで感じることのない感情だったが、【K】が思い出させてくれた。
なあ、兄弟。久しぶりにクエストに行こう。
後ろから、凄いスピードの後輩がいるんだ。
先輩として、それに負けないぐらい進まなきゃな!
久しくクエストを受注してないからな、勘を取り戻すところからだ。
付き合ってくれるか? 兄弟。
そうか。なら、行くぞ!
ボヤボヤしてると、【K】に追い越されてしまう!
【K】の奴、来週にはボルボロスの一体も狩っていそうだからな!
受付の姉さん、クエスト見せてくれ。
あと、【K】の奴はどうだ? 今日は、なんのクエストを受けて行ったんだ?
――え?
――次回。
――老山龍、襲来!!