プレイヤーっていうやばい奴がいるんだよ   作:ビリオン

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《今回のあらすじ》

――老山龍(ラオシャンロン)(にプレイヤーが)、襲来(した)!




老山龍(ラオシャンロン)っていうやばい奴がいるんだよ

 ……よぉ、兄弟。今日はお互い疲れたな。

 そうだな、兄弟の言う通りだ。誰が思うんだって話だよ。

 兄弟は考えたことあったか? 

 自分がまさか――古龍狩りに参加するだなんて。

 

 ――老山龍(ラオシャンロン)。恐ろしく巨大な、天災か何かのようなやつだった。

 俺は一眼見て、思ったね。

 

『……俺は今日、死ぬんだ』ってな。

 

 理解(わか)るだろう!? 終わった今でも生きた心地がしねえよ。

 ……本当に俺たち生きてんのか?

 老山龍(あのデッカいモンスター)にプチっと潰された先の天国だったりしないよな?

 

 本当に今、宴なんぞしていていいのか?

 いや、酒はうめえよ! 今まで呑んだ物よりずっと高級ないい酒だ。

 

 ……だが、本当に信じられねえ。あんな巨大な奴に勝てるだなんて。

 奴が足を進める地響きだけでも、恐ろしかった。奴と対峙して(ランス)を突き出すだなんて事、もうやりたくもねえ。

 大砲撃っているだけでも、逃げたくなったんだ。

 最後に、奴が倒れた時は――本当に現実なのかと自分の頬を(つね)ったね。

 

 理解(わか)ってくれるだろう? 共感(わか)ってくれるよな? 

 

 なあ、兄弟。

 

 ここにいるのは、あの天災を生き残った戦友達なんだよな……。

 

 ……戦友。これだけ見れば、心躍(こころおど)る言葉なんだがなぁ。

 

 あん? 相変わらずビビリだって?

 そうだよ! 悪いか!?

 そんな事俺は知っている! そうだよ、俺が一番、よく知っている……。

 だから俺はランスを使っているんだ。何かあった時、一番自分を守れるのはそれだからな。

 やれ一番槍だの、やれ勇敢だの言うが――俺がランスを使うのは、一番堅いからだ。

 

 例えば大剣なんかじゃ、防御と攻撃を同時にできない。

 ガンナー? あれこそ気が知れねえ! あんな薄っぺらい装備で、どうやって自分の命を守るんだよ!?

 何故、ガンランスじゃないかって? あれは高いだろう、火薬なんかが。それに、俺がハンターになった時にはガンランスなんて無かったからな。

 

『じゃあ、今日の【K】を見てどう思ったか』だって?

 ……正気じゃねえって言うのが、正直なところだ。まるで恐怖なんか感じてねえみたいだった。

【K】は本当に人間か?

 ……本当に俺たちと同じ人間か?

 

 しかも今日は弓を使っていやがった。最初、大剣だったよな?

 たまに【K】は武器変えているが、それでよく戦えるよな……。同じ武器種だって、武器を変えれば重量や重心が変わるんだ。慣れるまでに時間だってかかる。

 それなのに、全く違う武器だと……! それだけ見ても正気を疑うほどだ。

 

 だが、【K】は今日で一番の働きをした! 

 時に弓を番え、時に大砲を撃ち、時にバリスタを放ち、時に背に爆弾を仕掛けた。

 あの老山龍(ラオシャンロン)を恐れないその姿は、俺には真似できねえ。

 

 俺は思ったね。あいつこそ、この街一番のハンター。

 天災(モンスター)を超える、英雄(ハンター)だってな!

 

 お、噂をすれば影だ。この宴の時に、あいつは忙しなく走ってどこ行くのかね?

 

 なあ、兄弟。賭けをしないか? 

【K】が何処に何しに行くのか。宴には良い余興だろ?

 

 俺は恋人にでも逢いに行くと思うね!

 こんな生きるか死ぬかの戦いを越えたんだ。【K】の奴も、人恋しくなるんだろうさ!

 

 兄弟はどう思う? 

 ……あん? 『モンスターを狩りに行った』?

 馬鹿言うなよ! こんな戦いの後だ。誰だって、ワイワイ騒ぎたいに決まっている!

 こんな宴ほっぽって狩りをしたいと誰が思うんだよ!?

 

 ……あん? なんの騒ぎだ?

 どいつもこいつも酔いが覚めたかのように慌てふためいて。

 

 おい、受付の姉さん! これはなんの騒ぎだ?

 

 

 ――は? 二体目の天災(ラオシャンロン)

 


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