ウォーキングデッドin Japan   作:GZL

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どうも、バイオハザードでお馴染みのGZLです。
活動報告でもあったように、新作です。
今回はウォーキングデッドを始めとした色々なゾンビものの話(Zネーションズや学園黙示録など)を詰め込んだ小説です。
ただ、バイオハザードと違って、投稿は不定期になりそうです。ご了承を。
それと、題名通り『in Japan』なので、原作のキャラはほとんど出ません(バイオと同じ)。

では、記念すべき第一話をどうぞ。



First Season
第1話


冬木冬馬side

怠い学校の授業も終わり、日も傾き始めた。

しかし、俺はまだ家には帰らない。自分の意志で決めて、親の反対も乗り切って入った野球部に全力を注ぐ時間だ。因みに現在時刻4時11分。真冬の寒さが身に染みたが、十分もすれば身体も自然と暖まってくることだろう。

 

「よう、相変わらず来るのが早いな」

 

後ろから聞き馴染みのある声を耳から入れ、俺は後ろを振り返った。そこには野球部の癖に髪を丸坊主にしていない梶浩二が立っていた。そう言ったが、実は俺も髪は丸坊主にしていないだけどな…。

 

「そら…ヤル気がなかったら早く来るわけないだろ?」

「ははっ!そりゃあそうだ」

「それより…早く練習しないと、うるさい俺たちのマネージャーが……」

 

 

「こらっ!」

 

 

噂をすれば…だ。今度は後ろではなくて、前から怒声が聞こえた。

腰に手を置き、俺たちを睨む小さな女…名前は成瀬瑞穂。身長164cmで女子としてはそれなりに背が高い奴。因みにこんなちびでうるさい奴だが、実は小学校から高校二年生の今に至るまでずっと同じクラス。

これが幼馴染ってやつか?

 

「いつまで喋ってるの!?早く練習しなさい!来週には他校と練習試合でしょ?」

「へいへい、やりますよ。なんでお前はそんなに俺と浩二の二人にしかグチグチ言わないんだよ…。気でも引きたいのか?」

 

そう冗談めいて言うと、瑞穂の顔が赤くなっていった。

 

「……?まさか…成瀬、本当なのかな?」

「ふぇっ!?」

 

浩二が茶化すように言うと、瑞穂は変な声を漏らした。

はぁ……付き合ってられねえぜ…。

 

「浩二、外周するぞ。何周する?」

「そうだな…。成瀬、何周がいいかな?」

「俺はお前に……!」

「25周‼」

 

俺は溜め息を吐きながら、瑞穂の持つホイッスルが空高く響いた瞬間、俺と浩二は足を踏み出すのだった。

 

 

ー八日後ー

俺はユニフォームに着替え、エナメルバッグを掴んだ俺は菓子パンを口に咥えて出かけようとする。

すると、あまりいい顔をしない両親と顔を合わせた。

 

「……行ってくる」

「…………」

「…………」

 

両親は何も言わなかった。俺は唇を噛んで、玄関を飛び出していく。

今にも泣きそうな喪失感に俺は耐えながら、集合場所に歩いていく。両親は元々俺をあの高校に入れたのは、勉学のためだけだった。でも俺はそんなガリ勉教育一筋の両親に反発して、野球部に入った。ユニフォームも野球道具一式…全て自分の小遣いで買った。アルバイトを内緒でして買ったが、バレているだろう。そのせいか…最近、両親とはかなり仲は悪い方…かな?俺が避けているだけかもしれない。どうしたら…両親と不仲を無くせるかは……現在模索中の身だ。

 

「おはよう!」

 

ポンと背中を突然叩かれ、俺は一気に現実に戻された。この声は……。

 

「なんだ。瑞穂か…」

「……目尻、涙溜まっているよ?」

「!」

 

俺は急いでその涙を拭った。親と不仲だから泣いていました……なんて、嫌でも知られたくない。

 

「もしかして……夜遅くまでゲームをしてたんでしょ!?」

 

……瑞穂が馬鹿で助かった。

 

「いくら不真面目な俺でもな……流石に練習試合の前日に夜更かしする馬鹿がいるかよ、バーカ」

「わ…私のこと…馬鹿って…。冬馬よりは馬鹿じゃないわよ!」

「そうか?」

「そうよ!私は冬馬よりもテストの成績はいいし……」

「どうでもいいからさっさと行こうぜ」

「ちょ……!待ってよ~!」

 

こんなバカにいつまで構っていても仕方ない。早く学校に行かねえとな…。

瑞穂が隣に歩いて、相変わらず口うるさく聞いてくる。

 

「は、話変えるけど、じゃあ…何で泣いてたの?」

「……あくび」

「本当?練習試合が怖くて怯えていたとか?」

「それはないから」

「そっ……。………ね、ねえあのさあ…」

「何だよ…今度は……」

 

少しの間を置いて、瑞穂は言った。

 

「もう少しで……バレンタインだよね?」

「……は?」

「は?じゃなくて!そうでしょ!?」

「そうだな……。で、瑞穂は誰かにあげるわけ?うえぇ……マズそうだな…」

「な!酷い!もういい!絶対あげないから、冬馬にな………あ…」

 

……え?今のは聞き違いか?瑞穂……俺にって…。

 

「瑞穂?今、俺に……って」

 

瑞穂は俯いたままで、こちらを全く見ようとしない。無理矢理聞くのもなんか悪いし…。

 

「…………そ……それは………わ、わた……し………が……」

「………」

 

俺の心臓もドキドキ激しく鼓動している。試合の時よりも激しい気がする。

 

「と…ぅ……ま……の、こと……」

 

 

「おーーーーーい!冬馬!成瀬!」

「「‼」」

 

不意に奥から浩二の声が聞こえてきて、俺たちは瞬時に固まった。

浩二は俺たちを見ていると、少し焦ったような表情をして、俺の方を見た。

 

「俺……お邪魔だったか?」

 

こいつ……試合終わったらぶち殺してやる…。

そう思った時には、瑞穂は恥ずかしくなったのか、そそくさと先に学校に向かって走って行ってしまった。

俺には、止めることすら出来なかった。

 

 

 

それから俺はこのモヤモヤが晴れないまま、他校との練習試合に臨むことになった。

瑞穂は全くこちらを見ようとはしない。けどそれはこちらにとっても有難かった。試合に集中できるからだ。

俺は早速バットを握り、バッターボックスに向かおうとしたが、不意に瑞穂の視線を感じた。

そこで俺は先に瑞穂の近くに寄り、耳元で小さく囁いた。

 

「さっきの話…この試合で勝ったら聞かせろよな…」

「え?」

 

俺はそう言って、二ッと笑った。瑞穂も少し驚いたような顔でいたが、すぐに笑顔に戻り、大声で叫んだ。

 

「冬馬ーーーー‼頑張れーーーー‼」

 

そのかけ声を聞いた他の部員も瑞穂に倣って、俺にかけ声をかけ始める。それが嬉しくて…俺も俄然ヤル気が増してくる。ギュッとバットの柄を握り、構える。

相手ピッチャーも腕を大きく振りかぶり、ボールを投げる。

しかし……ここで俺は気付いた。ボールはキャッチャーの方向に飛ばず、俺の顔に向かってくる。

相手ピッチャーも「しまった!」と言いたそうな表情を作っている。

俺は避ける暇もなく、その投球をヘルメット越しでも容赦なく受けてしまう。

 

「っ!」

 

俺は凄まじい衝撃と痛みを左側頭部に受け、地面に倒れて伏してしまう。

すぐに耳鳴りしたままの俺の耳に皆の焦った声とそのピッチャーに対する怒声が飛び交った。

 

「………ま!」

 

最後に俺を呼んだその声は………

 

俺には分からなかった…。

 

 

成瀬瑞穂side

起きたのは一瞬のことだった…。

初球の球がキャッチャーのミットに収まるだろうと思っていたのだが、それは冬馬のヘルメットに直撃して、彼は地面に倒れたのだ。

その瞬間…私の世界は止まった。すぐに先生や他の部員が彼の元に駆け寄ったが、冬馬のヘルメットは粉々…とまではいかないが、直撃した部分は隕石のクレーターのようにめり込んでいた。

私は必死に叫んだ。頭から血が流れ出る彼に私も駆け寄って…揺すって…胸にすがって泣き叫んだ。

それから……何がどうなってこうなったかは分からないが…私は梶くんに支えられて、病院にいる。

涙はもう枯れてしまったが、いつまた溢れ出すは分からない。

 

「冬馬!」

 

そこに…冬馬のご両親がやって来た。おばさんは顔面蒼白で、お父さんは現実を受け入れられない感じがした。

後ろではまだ小さい弟さんと妹さんがシクシク泣いていた。

私もつられてまた泣きそうになった時、手術中の赤い看板が消えた。

 

「!」

 

私は思わずベンチから立ち上がってしまう。手術室からは担当医と人工呼吸器や色んな器具を繋がれた痛々しい冬馬が出てきて、奥の部屋へと行ってしまう。

 

「息子は……冬馬は大丈夫ですか!?」

「ご心配なく。命に別状はありません」

 

それを聞き、私を含めその場にいた全員が安堵の溜め息を漏らした。

だけど…次の発言を聞いて、私は絶望した。

 

「ただ…脳にショックは残っている可能性があり、目を覚ますのは……難しいかと…。それに目を覚ましても…日常生活に支障を来すことも…」

「そんな……」

 

おばさんは絶句する。

私も絶句……というより、ショックが大きすぎて…何も言えなかった。

そして…再び涙が溢れ、声を上げて大泣きするのだった。

 

 

 

ー三日後ー

私はあれからどこか…失ってしまったのか…何のヤル気も失ってしまった。喪失した毎日を送り続ける日々に明け暮れた。でも…一つだけ欠かさずにやっていることがある。それは…冬馬のお見舞い。

彼は三日経った今もなお、目を覚ますことはなかった。

今日はいつもの花に…一つ…追加して持ってきたものがある。

 

「あの日…話したよね?私がチョコレート…あげるって…。今日が、その日なんだ…」

 

私はシングルベッドの近くの台に置き、その暖かな手を握った。

 

「もう……行かなきゃいけないから…」

 

私は眠る彼にそう言って部屋を出た。

しかし、出てすぐのところに私のよく知っている人…梶くんが壁に背を預けて立っていた。

 

「梶くん…」

「…邪魔しちゃ…悪いって思ってな…」

「………ありがとう」

「やっぱり、成瀬、彼のこと……」

 

梶くんが『好き』と言う前に突然、病院内に警報が響いた。

私と梶くんは驚いて辺りを見回す。放送も入り、私たちは戸惑う。

 

『ただいま、この病院内で暴力事件が発生しました。病院内にいるお客様は従業員の指示に従って………バタン!え?』

 

突然、放送で職員の焦ったような声が聞こえてきた。

 

『な、なんだ!?や、やめろ‼来るな!来るなぁ‼くそ……助けてくれ‼あっ、アアアアアァァァァ‼‼』

 

放送から聞こえてくる悲痛な叫び…。私と梶くんは顔を見合わせて、どう考えてもやばいとしか感じられなかった。恐怖が身体の芯にまで、やって来てすぐに逃げようと梶くんに言おうとした時、奥から更なる悲鳴が聞こえてきた。

私はやって来た人たちを見て……本当の恐怖を初めて味わうことになった…。




不定期とは言いましたが、なるべく期間を開け過ぎないようにしたいです。
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