ウォーキングデッドin Japan   作:GZL

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お久しぶりです。
マジで、スランプでした。


第33話

圭太side

俺は成瀬を縛り上げると、ロープを余分に余らせて、自らの腕に巻き付けた。

これは彼女がすぐに逃げられないようにするためだ。

そして、広場に集めた生存者のもとへと向かった。その途中で成瀬は目を覚ましたが、縛られた状態では暴れることも出来ないからか、俺に向かって声を荒げた。

 

「何するの⁈こんなことして…ただで済むと思ってるの⁈」

「その強気な態度も今のうちだ」

 

俺は軽く抵抗する彼女をいなしながら、広場に入った。

全員の視線は俺と縛れらている成瀬に集中したが、誤解が生まれないうちに、口を開いた。

 

「みんな!これは誤解しないでほしい!この女は…俺たちを見殺しにして、向かいのビルの生存者グループに入ろうと計画してたんだ!」

 

そうは言っても、突然そんなことを簡単に信じる者はいないだろう。それも想定済みだ。

そこで俺は指をパチンと鳴らした。

すると、広場の左側のカーテンが外れる。

そこには、俺が長い期間かけて集めたウォーカーをフェンス越しに見せれるようにしておいたのだ。因みにだが、このウォーカーの元はここの生存者だ。

 

「こいつはな…この女が生存者を殺して集めたウォーカーだ。これで俺たちを殺して、寝返るつもりだったんだ!」

「そんなのウソよ!信じて!」

 

成瀬は叫ぶが、全員怪しい目付きを見せ始めていた。

 

「その証拠に…最近、俺たちはあっちの集団の攻撃を散々に受けていた。なのに、この女はそれを止めようとしなかった。そうだろう?」

「そんな報告は受けてないわ!圭太…あんた、まさか…!」

「嘘をつくな!ここにいる全員は奴らの攻撃を受けた被害者だ!そうだよな⁈」

 

俺の強い言葉に全員が「そうだ!」と反応した。

ここまで来れば…もうこっちのものだ。

 

「満場一致だな?じゃあ…この女はどうする?」

 

この発言に成瀬の表情が一気に変わった。

俺が大好きな恐怖に満ちた表情だ。

暫く隣同士で話している彼らだったが、1人が唐突にこう言った。

 

「あのウォーカーの塊に入れてしまえ‼」

「……そいつは良い考えだ」

 

俺は薄ら笑いを浮かべたまま、成瀬を縛るロープを引っ張った。

 

「ちょっ…!離して‼やめて‼」

 

成瀬は必死に抵抗するが、意味はない。

俺は着実に彼女をフェンスの方へ無理矢理連れていき、閉じている鎖にも手をかけた。

 

「さあ…死んで償え!」

 

フェンスを開け、この女を中に放り込もうとしたとき、男の叫び声が響いた。

 

「やめろ‼瑞穂を放せ‼」

 

俺は一旦動きを止めて、声のした方向を向く。

そこにいたのは…俺が椅子に繋ぎ止めていたはずの、捕虜の男だった。

 

 

 

冬木冬馬side

俺は今にもウォーカーの塊の中へと放り込まれようとしている瑞穂を助けるために、自然と身体が動いてしまっていた。そのせいで、隠れて瑞穂を助けようとした作戦が御釈迦になってしまったが…仕方ない。

 

「冬馬?…どうして…」

「訳は後で話す。それより、テメエ…早く瑞穂を解放しろ。頭に風穴空けられたいか?」

 

俺は躊躇することなく、和也という奴から返してもらった拳銃を向けた。

途端に広場にいる生存者たちは悲鳴や恐怖の声を上げて、どこかへと逃げていく。この際、俺にとってはその方が楽だ。

 

「お前…どうやって外に出た?」

「さあな…。ご想像にお任せするよ」

「ちっ…。テメエにはこの女が死ぬまで大人しくしてほしかったがな…。仕方ない、テメエの前でこの女が無残に喰われる瞬間を見せてやる」

 

圭太…という名前だったかな?

こいつが動きそうになったので、俺は1発だけ脅しを含めた発砲を奴のすぐ足元に撃った。

流石の奴も本当に撃つとは思っていなかったのか、冷や汗を流しているのが分かった。

 

「動くなと言っただろ?」

「別に良いんだぞ?俺は、この女が死んでもな!」

 

圭太は最後の切り札とでも言いたいのか、瑞穂の首にナイフの刃を当てて、人質に取った。

想定外ではあったが、こうなっては俺もどうにも出来ない。

 

「やはりな…。お前ら、親しい…いや、それ以上の関係だろ?」

「………」

「冬馬…」

「それなら良いこと教えてやるぜ?こいつはアバズレだぜ?何故なら、この女は和也と寝ていたんだからな‼」

 

それを口走った瞬間、俺の中で動揺と不信感が広がっていく。

瑞穂も知られたくない事実を言われてしまったからか、顔を青くさせていく。

 

「そんな女をまだ愛するのか?テメエは。俺なら捨てるし、殺したくもなるな。そこでだ。俺と一緒に来ないか?」

 

唐突な圭太の催促に俺は黙って聞く。

 

「テメエみたいな素晴らしい人材がいれば…この世界でも十分楽しく生きていける。どうだ?」

「…返答を聞かないと分からないのか?」

 

俺は拳銃を下ろし、すう…と大きく息を吸った。

 

「だったら言わせてもらうぜ?俺はお前みてえなな…最低のクズ野郎が一番嫌いなんだよ‼‼仲間を…人の命をゴミみたいにしか考えていない奴にはなおさらな‼だから俺は…貴様を絶対に殺す!」

 

それを聞いた圭太は暫く黙っていたが、急に馬鹿みたいに笑い出した。恐怖のあまり、頭がイカれたのかと俺は思ったが、それは間違いだった。奴に気を取られているうちに、不意に膝の裏を蹴られて、態勢を崩されてしまう。後ろを急いで振り向くと、そこには別の男たちがニヤついて立っていた。

 

「!」

「冬馬!」

「くくく……あーはっはっはっは‼テメエがそんなこと言うのはお見通しだ!今までの会話は単なる時間稼ぎだ!さて、これでお前は何も出来なくなってしまったなぁ」

 

圭太の言う通り、俺は拳銃を奪われて、地面に身体を抑えつけられている。

 

(くそ…。まだ、まだなのか⁈)

 

「さて、そろそろ…フィナーレと行こうか…」

 

圭太は瑞穂の縄を解き、腕で彼女の首を抑えつけて拘束する。

 

「くっ…!」

 

既にフェンスにはウォーカーが肉を喰らいたいと腕を伸ばしており、瑞穂にはその恐怖心が伝わってきた。

俺はもう『彼ら』が来るのを諦めて、今俺の上に乗っている奴らを退かして、瑞穂を助けに行こうと思った時。

窓の辺りから、キラリと何か光ったのが分かった。思わず、俺は顔を下げて、笑いを溢してしまった。

 

「…?何がおかしい?」

「別に…。確信出来ただけさ、お前らが死ぬってな!」

 

そう言った途端、銃声が何発と鳴り響き、俺の上に乗っていた男と取り巻き共が苦痛の声を漏らした。

 

「ぐああっ!」

 

肩や腹から血が噴き出した男たちは地面に倒れて暴れるか、動かなくなった。

それに動揺した圭太であったが、せめて瑞穂だけでも殺してやると思い至ったのか、フェンスを開けて、彼女を中に放り込んだ。

 

「冬馬…!助けて!」

 

その声は明らかに死の恐怖に震えている瑞穂の声であった。

俺は再び立ち上がって、フェンスへと走っていく。だが、圭太は行かせまいと前に立ち塞がった。俺は拳を作り、それを奴の顔面にめり込ませた。

 

「退けぇッ‼」

「ぶふっ!」

 

フェンスの中に入ろうとしたが、入る前に何か棒状の物が飛んでくる。

それは金槌で、遠くからやって来ている小室が投げたものだとすぐに分かった。

 

「借りるぞ!」

 

瑞穂はウォーカーに捕まりそうになりながらも、必死に逃げ回っていた。

そこに俺が割って入り、ウォーカーの頭を砕いた。血がブシャッと飛び散り、溶けた脳の一部や目玉が飛び出る。

そして…俺は瑞穂を抱きすくめて、決して離そうとしなかった。

 

「と、冬馬…」

「走れるか?さっさとここから出るぞ」

 

瑞穂は小さく頷き、俺は彼女を支えながら元の入口へと駆けていく。

道中で前に立つウォーカーの頭を砕きながら…。

そして、外に出た瞬間、瑞穂は力が抜けたのか、倒れて、俺にこう言った。

 

「冬馬…私、ごめんなさい…。私が…間違ってた」




次の話でThird Seasonは終了です。
次回、何が起きたのか、全てが分かります。
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