個性『Lobotomy Corporation』 作:Lobo
・・いつからだろう?僕はいつものように夢を見るんだ。
夢ではいっつも水色の髪の女の人が挨拶をしてくれるんだ。
『こんにちは、管理。今日も逢いに来てくれたのね。嬉しいわ。』
って言ってくれるんだ。僕はそれがとっても嬉しいんだ。
・・だって、起きたら僕はひとりぼっちだから。
他にも、緑の人、青の人、赤の人、茶色の人、紫の人におじいちゃんにテファによくわからない言葉を使う人!
皆、僕を見てくれるんだ。
後は真正面には扉が沢山あって、そこには『みんな』が待っているんだ!
『女王様』に『王様』や『射手』さんや あ!レティも!
皆が友達さ!
でも、夢から覚めればまた怖い人達が待っているんだ。
・・怖いよ。ねえ。皆。
・・僕を一人にしないで。
♢♦︎
・・また彼が来てくれた。
そう、また!毎度の事だけれどもこの瞬間が一番好きな時間。
私が彼に挨拶すれば、彼はいつも笑ってくれる。
・・アァ、堪らない。
彼らや、『アブノーマリティ』達も。
・・当然だ。私を含めた全員が彼を取り巻く環境を知っている。
・・憎たらしい。今すぐにでも『外』に出て彼を護ってあげたい。
だが、そんな理由で私たちが彼に友好的になっているわけでは無いのだ。
理由?『私達』全員が彼を愛しているからに決まってるじゃない。
あの子以外に私たちが欲しいものなんてない。あの子傷つける全てを引きずり、引き裂き、細胞一つ残さず消してしまいたい。
けど、私たちが出るにはまだ『鍵』が無い。
・・・あぁ、早く『私』を呼んで?スグニダッテヤツラヲコロスカラ。
♢♦︎
「・・・おい、起きろ。実験の時間だ。」
「・・・」
「・・狸寝入りなのは分かっている!」
「ひぅ・・やめて!」
「いい加減しないか!俺はな!『無個性』のお前に『個性』をくれてやるんだ!有り難く思って受けるのが当然ってもんだろうが!!あぁ!?」
「たすけて!誰か!助けて!」
「はぁ・・ったく・・前までは大人しいガキだったってのに・・」
「助けて!たすけてよぉ!!」
「うるせぇ!」
「たすけてぇ!!」
♢♦︎
・・彼が『鍵』を手にした!漸く!
さぁいきましょう!彼を救いに!
♢♦︎
・・彼の後ろから突然扉が現れた。
現れた『彼女達』は瞬く間に研究所の職員全員を一人を除いて皆殺しにし、その場所を完膚なきまでに破壊した。
・・これが生き残っていた職員から聞けた唯一の情報だ。
彼はその後狂ったように頭をコンクリートに打ち付けて自殺した。
・・聞けば聞くほど訳の分からない話だ。
話に聞く彼は今現在保護されているし、その周辺に彼女なんていなかった。
だが、あんな小さな子どもを実験動物にしていたなんて・・とても許されない事だ。
・・いや、No.1ヒーローといわれているのにも関わらず少年に襲った不幸、そして『オール・フォー・ワン』が作ったこの研究所に気付く事ができなかった私にも責任がある。
倉持少年・・だったか。彼が立派に成長するまで私が後見人となって彼を護ってみせよう!
「へぇ・・貴方は彼等とは違うようですね。」
っ!?
なんだ・・今の声は後ろから聞こえた気がしたが・・いや、気のせいだろう。
♢♦︎
・・あぁ、忌々しい。
けど、今はアイツに彼を護ってもらうのが最善手ね。
でも・・もう『鍵』は開かれた。
いつだって彼に会える!
・・さてと、私は彼に会えるって分かった『アブノーマリティ』達を宥めなきゃだわ・・はぁ。
彼はその日、『鍵』を開き、『個性』とかけがえの無い人達を手に入れた。
彼女達が住むその個性の名は・・・
『Lobotomy Corporation』
これが後に大きな事件の中心となる彼の『オリジン』である。