個性『Lobotomy Corporation』   作:Lobo

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雄英体育祭編開幕です。
先ずは前日から。


制限、そして会議。

某ヒーローのお騒がせ事件から少しして。

倉持が目を覚まし、ある程度の事後処理が終わった翌日の朝。

1–Aの扉が相澤先生によりいつも通りに開かれ今日という日が始まる・・

のだが、今日は少し違っていた。

相澤先生は事務連絡を済ませると少しだけ間を開け。

 

「ーー雄英体育祭が迫っている!!」

 

学生にとって最も重要といっても過言ではないイベントの予告をした。

 

「「クソ学校っぽいのきたぁーーーー!!!」」

 

歓喜に沸く生徒一同。それもそのはずだ。

ヒーローとして初の救助訓練では巨悪が襲来し、2回目は象徴が全力のお節介をかました。

要するに、生徒達は学校っぽい事に飢えていたのである。

 

クラス内のボルテージが上がるなか説明は続く。

曰く、(ヴィラン)ごときに中止にしていいものでは無く、寧ろ逆に開催することで雄英の危機管理体制が盤石だと示す事で更にヒーロー全体を盛り上げると。

警備は例年の5倍に強化し、ゲブラーもまた参加するそうである。

ゲブラーの強さを知っている生徒は固まりつく。倉持は首を傾げる。

また、雄英体育祭は『個性』の発生により形骸化したオリンピックに取って代わる祭事。

多くの人や全国のプロヒーロー達が卵たる君達を見に来る、つまりはこの雄英体育祭がプロに注目される絶好の機会であると。

 

通常卒業後は資格を修得し、

プロの事務所のヒーローのサイドキック(相棒)入りが常識とされる昨今。

 

当然名のあるヒーロー事務所に入った方が経験値も話題性も高くなり知名度も上がる。

無論簡単では無い。

だがプロに見込まれれば、その場で将来の華が開く事が確定する。

 

年に1回・・・つまり計3回だけのチャンスであり、ヒーロー・・いやプロヒーローを目指すには正に棚からぼた餅であり千載一遇の機会なのである。

 

雄英体育祭は基本的にラストチャンスに懸ける熱と経験値から成る戦略等。あるいは応用性から例年のメインたるは3年生のステージ。

しかし今年は敵の襲撃、しかも『オール・フォー・ワン』を退けたとされる1-Aこそが注目の的だ。

ニュースや新聞にも取り上げられ、前年を遙かに超えた盛り上がりが確定しているのである。

 

それを聞き、盛り上がりから一転。

闘志を燃やすA組。

敵はクラスメイトだけでは無く、他クラスも同様。

だが。

 

最大の壁たるはこの男。

 

(成る程・・つまりここで実力を示せば良いのか。がんばろ。)

 

多くの化け物を従え。制圧、殲滅、救助行為はお手の物。

雄英史上最も危険で有能な生徒(ヒーローの卵)と教師からの呼び声も高い『倉持管理』である。

 

各々が策を巡らし、対策を練る一方。

 

「あ、そうだ。倉持。もうHR(ホームルーム)も終わるから。今から職員室に来い。」

 

「はい。わかりました。」

 

ある取り決めが作られようとしていた。

 

 

♢♦︎

 

 

「アブノーマリティの制限?」

 

「あぁ。」

 

「・・何故です?この祭事は『個性』込みでプロが我々を自らの手足たるかを裁定する場なのでしょう?」

 

「言い方に含みはあるが確かにその通りだ。正直お前の『個性』がそれだけならばこんな事は言わん。」

 

「だが、雄英の内部ではお前のアブノーマリティ達の暴走を懸念する声があるのも事実だ。何しろ、情報源がアイツだけだからな。」

 

「・・そうですか。では『彼ら』から力を借りるのは・・。」

 

「1種目1人だ。それ以上は交渉出来なかった。」

 

「・・わかりました。では他は?」

 

「・・ウサギチームは禁止だ。後は自由にして構わないそうだ。」

 

「・・まぁ、そうでしょうね。わかりました。」

 

(えー!!私のキャロットケーキがぁあ!!!?)

 

(今度作るから・・ね?)

 

(いえす!さっすが管理はウサギの躾がわかってるねー!)

 

「ああ・・これで連絡は以上だ。授業は遅れるだろうが予め連絡はつけてある。焦らずにむかえ。」

 

「わざわざありがとうございます。では失礼します。」

 

「・・言い忘れてたが、選手宣誓はお前だからな?」

 

 

「・・・・・・え?」

 

 

 

 

 

「成る程、まぁあれしか渡していないですからこれは妥当な選択でしょう。」

 

 

「さて・・と、先ずはビデオカメラの買い替えと、TBのメモリーと・・あ、席も取っておかなきゃね。私だけの特等席を・・ね?」

 

 

 

「・・なんで、私がこんな事をしなきゃならないのだ?」

 

「仕方ないでしょう?臨時教師という立場に身を置いたのは貴女ですよ?ゲブラー。大人しく防衛に徹していなさい?」

 

「・・くそ。後で映像見せろよ?」

 

「ふっ、無様だな。」

 

「・・ふん。」

 

「後、アンジェラ。仕事に戻れ。」

 

「・・はいはい。」

 

 

 

♢♦︎

 

『Lobotomy Corporation』内部会議室にて。

 

現在、深夜。

現実の身体は眠りにつき、精神は今アンジェラとある会議をしようとしていた。

 

 

「えっと、これから体育祭での懸念事項についてのお話なんだけど。」

 

「はい。」

 

「んと、アンジェラに聞きたいのは2つあるんだけど・・先ずは選手宣誓からだね。」

 

「『全員纏めてかかって来い。』・・ですかね?」

 

「・・なんか、恥ずかしい。というかもっと簡単なのは無いの?」

 

「・・そうですね。では、こういうのはどうでしょう?」

 

 

ーー宣誓。

私はクラスの差別なくまた見くびる事なく闘い、そして全ての敵を打ち倒し一位の栄光を受け取る事をここに宣誓します。

 

 

「・・良いね、これにしようかな。」

 

「ええ、楽しみにしてますね。」

 

 

(んーーー!!!?これは我が社の財力を総結集させて最高画質の物を用意しましょう!ええ、抜かりは無いわ。そして視聴室の大画面で楽しむのよアンジェラ!!)

 

 

「じゃあ・・というかこれが本題かな?」

 

「んん!はい。アブノーマリティの制限・・ですね?」

 

「うん。僕としては心苦しいけど・・多分これは自分の限界を知る良い機会だと思うんだ。」

 

「という事は・・。」

 

「うん、もしかしたら使うかも。」

 

「そう・・ですか。でしたら私が言える事は1つだけ。どうか、無茶だけはしないように。貴方の命は私達の全てです。それだけはどうか忘れないで下さいね?」

 

「・・ふふ。僕はしあわせものだねぇ・・。うん、頑張るよ!」

 

「ええ。私も客席から応援していますね。」

 

「ほんと!!?うん!応援してね!」

 

 

(あっ。良い!良いですよこれ!!このふにゃっとした顔!間違いなく今年のベストセラー入りですよ!!)

 

 

「うみゅ?」

 

「・・おや。もうあちらは朝の様です。今日も学校でしょう?管理。」

 

「うん!いってきます!!」

 

そう言って、彼の体が透けていく。

そして、彼は目覚めるべくその姿を消した。

 

 

 

「・・いってらっしゃい。」

 

 

 

朝が来る。

来たる祭事に向け、生徒達の特訓が始まる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




後1話。
特訓編を挟めたら雄英体育祭の開幕にします。

感想批判意見等大募集です。

ではまた次回。
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