個性『Lobotomy Corporation』   作:Lobo

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忙しくなり、投稿が遅れました。

では、続きをどうぞ。


決勝戦、その2。

第一回戦が終了し、続いて第ニ回戦。

 

先ず第一試合に臨むのはオールマイトの後継者たる緑谷出久。

そして個性婚が生んだ最強のハイブリッドたる轟焦凍。

 

互いに言葉は無く、されどその目には確かな闘志が宿っていた。

 

 

『さぁ!試合だぁ!!』

 

その言葉と同時に先ずは緑谷が攻める。

 

「はぁああ!!」

 

だが、その攻撃は轟の真正面。

 

「ふっ!!」

 

即座に右足で直線上を凍結。緑谷を凍らさんとかかる。

 

「そこだ!SMAAASH!!」

 

だが、緑谷は即座に急停止。

右手を丸めデコピンの構えを取り『個性』の風圧によってその氷を全て吹き飛ばす。

 

「っ!」

 

轟もまた咄嗟に前方と後方に氷の壁を展開、その風圧を壁を以って逸らしていく。

 

その風圧は寒さを帯び観客へと吹き荒ぶ。

 

「やっぱ、そう来るよな。」

 

(自損覚悟の打ち消しからの吹き飛ばし!)

 

そう、緑谷の最初の作戦は轟の迎撃を逆に利用。

 

視界が塞がるチャンスを逃さず自身の右中指を犠牲にして速攻勝負に出たのだ。

 

しかし、現実はそう甘くは無い。

轟の個性発動の速さはヒーロー界においても屈指の速さ、見てからの防御は実に容易いのだ。

 

「ずぅうう……!」

 

そしてその代償は決して安くは無い。

元々個性の制御が不十分であり、なおかつ轟の攻撃は生半可では防げない。

故に。

 

その中指は赤黒く腫れ、恐らく複雑骨折は免れない。

 

それに最初に気づくのは師であるオールマイト。

 

(そうだよな、轟少年の攻撃を破るには100%のぶっ放ししか今の緑谷少年が防ぐ方法は無い。だが……)

 

 

「……。」

 

続いて轟からの第二波。

 

再びの氷の波が緑谷を飲み込まんと迫る。

 

「はぁあ!!」

 

対する緑谷もまた右人差し指を犠牲にその攻撃を吹き飛ばす。

 

その二回の中で緑谷は思考をフル回転させていた。

 

(轟くんはいつも一瞬で勝負がついてるから情報は少ない!!ましてや演習の時も倉持くんのあの檻に囲まれてて見えなかった…やっぱり指で正解だった。100%の腕SMASHでも防がれる可能性は高かった!そして、あの後方の氷壁は風圧に吹き飛ばされないようにする為!見極めろ……見つけるんだ!後6回(・・)の間に…!!)

 

 

「……お前は。」

 

第三波。

 

右薬指での破壊。

 

これにより残り後5回。

 

だが、緑谷にはある作戦があった。

 

それは。

 

「……耐久戦か。直ぐに終わらせてやる…!!」

 

第四波。

 

次は右小指で。

 

これでもう右手は親指を残すのみとなる。

 

 

それを目視で確認した轟はここで勝負に出る。

 

第五波は前方に氷で坂道を作成。そのまま駆け上がっていく。

 

緑谷もまた左中指を犠牲にその坂道を破壊。

 

だが、それこそが轟の狙い。

 

落下する速度を利用し緑谷へ急接近、右手を地面へと叩く。

 

「くっ!!」

 

避ける緑谷、しかしその氷はどんどん伸びていき……緑谷の左足へと到達する。

 

(駄目だ!思った以上に氷のスピードが速い!!)

 

ここで緑谷は左薬指では無く左腕での全力の個性発動を咄嗟に選択。

 

全力で轟をその驚異的な風圧を以って吹き飛ばす。

 

「がぁぁぁああ!!!!」

 

その代償は左腕は誰が見ても痛々しい程に変色。

再使用は恐らく不可能となるのだろう。

 

しかし。

 

「……さっきより、随分と高威力だな。……近づくなってな。」

 

吹き飛ばされはしたものの最初の位置への帰還程の損害に抑えた轟がそこにはいた。

 

(個性だけじゃない!咄嗟の判断力、応用力も桁違いだ……!!)

 

その考察は正しく、プロの中にも今の轟の判断に面食らったものもいる程。

これで今の轟でも充分な程プロで通用する事が証明された。

 

だが、緑谷は見つけた。……見つけてしまった。

 

「なんだよ。守ったばかりなのにボロボロじゃねぇか。」

 

そういう轟の右腕は小さく痙攣し、僅かではあるが霜がついた場所も見受けられる。

 

(そうか……そういう事か!!ちくしょう!!)

 

「……ありがとな緑谷。お陰で糞親父の顔が少し曇った。後は……あいつに勝てば。」

 

そういう轟の視点は父であるエンデヴァー、そして観客席で死んだ目で見つめる倉持にあった。

 

そう、轟は最初から緑谷を意識してなどいない。父であるエンデヴァー、そして目下最大の壁である倉持を見ていたのだ。

 

「その両腕じゃもう戦えねぇだろ。……終わりにしよう。」

 

そして、留めを刺さんと轟は先程よりも大きく氷結を伸ばし決着をつけようとしたその時。

 

……ぷつんと緑谷の中でナニカが切れた。

 

 

 

(……どこ見てんだ!!!)

 

 

♢♦︎

 

 

…突風が走る。氷を突き破り、轟を飲み込んでその暴風は暴れ狂う。

 

轟はステージギリギリまで押されながらもなんとか停止。

 

緑谷を見て驚愕する。

 

 

「テメェ……。」

 

その先には赤を通り越して紫へと変色した緑谷の右人差し指。

最早粉砕骨折は避けられないだろう。

 

(既に壊れた指を使って……どうしてそこまで。)

 

「震えてるよ……轟くん。」

 

「……そりゃそうだよね、個性だって身体能力なんだ。君自身冷気に耐えられる限度があるんだろっ……!けど、それって左側を使えば解決できる問題じゃないのか…!!」

 

「っ!」

 

「半分だけの力だって?……皆全力なんだ、勝って!目標に到達する為に!1番になる為に!」

 

「まだ僕は君に傷一つつけられちゃ居ないぞ!!」

 

吠える。目の前の舐められている敵に自分がいる事を証明する為に。

 

 

 

全力で掛かってこい!!!

 

 

「全力だと……糞親父に金でも握らされたか!?イラつくなぁ!!」

 

 

怒りと共に突撃する轟。

 

しかし、その動きは先程より格段に鈍足になっていた。

 

それを見て轟の弱点を看破したのは緑谷、爆豪、倉持の3人。

 

特に緑谷は眼前で見ているからか、動きに完全に対応する。

 

轟が右足を上げた瞬間懐に潜り込み。

 

「電子レンジの……ように!!」

 

「なっ…!!」

 

 

右脇腹にその拳が刺さる。

 

 

「がっ……!!」

 

だが、決定打は至らない。

 

即座に復帰し、氷を展開。

だが、先程よりは格段に弱く、遅い。

 

回避し、再び拳が入る。

 

「くそっ……!!なんで、そこまで!!」

 

轟の悲痛な叫びが響く。

それは自分が持っていたナニカを見つけたのか否か。

いずれにせよ、緑谷はその答えにこう返す。

 

「期待に……答えたいからだ!!」

 

瞬間、轟の脳裏に過去の記憶がフラッシュバックする。

 

それは母との記憶。

 

愛してくれた母が、時間が経つにつれ父に似る自分を恐れ。

 

ある時、精神に限界が訪れまだ幼子だった轟に沸騰したお湯をかけ。

 

それでもなお、愛す事をやめる事が出来なかった母のある言葉を。

 

 

『なりたい自分になっていいんだよ。』

 

……その目に、その腕に炎が灯る。

 

♢♦︎

 

 

轟の左から大きな炎が吹き出す、今までの気持ちを焼き尽くすように。

 

なりたい自分になる為に。

 

 

「……俺だって!!ヒーローになりたい!!」

 

 

霜が溶け、体の震えは止まる。

先程の動きはもうあり得ることは無い。

 

それでも、緑谷の顔には笑みが浮かんでいた。

 

 

「この状況で敵に塩を送るなんて……イカレてんのはどっちだよ!」

 

 

 

轟の右足に凍てつく氷が左腕には焼け落ちるような炎が噴出する。

 

緑谷もまた、足に個性を込めて最後の一撃を繰り出そうとしていた。

 

 

その状況をみたセメントスとミッドナイトは緑谷の限界を判断止めようとするが。

 

 

それより先に今までで最高の氷が緑谷に迫る。

 

それを飛び越えて、最後の力を振り絞り全力を振り出す。

 

同時に炎を前に突き出し。

 

 

……阻まれたコンクリートと共に大爆発を起こした。

 

 

 

……晴れた先に立っていたのは。

 

 

 

勝者。轟焦凍。

 

 

 

 

♢♦︎

 

第二試合は飯田対塩崎。

 

戦闘開始の瞬間荊を前方へと突き出す塩崎。

 

しかし、飯田の個性技である『レジプロバースト』によって背後に回られ

そのまま場外へ。

 

 

勝負は一瞬で決着した。

 

 

勝者。飯田天哉。

 

 

 

♢♦︎

 

第三試合。

 

倉持対常闇。

 

「……勝つよ。」

 

「こちらも負けるつもりは無い……!!」

 

『試合開始ぃいい!!』

 

黒影(ダークシャドウ)!!」

 

開始直後に影を出し勝負に出る常闇。

 

それをただ黙して待つ倉持。

 

『ゲェヒャハハァ!!』

 

「3……2……1…0。」

 

黒影が迫った瞬間。

 

倉持が一瞬機械のようになったかと思えばその姿がブレて消失する。

 

 

「なっ……消えた!!?」

 

 

一瞬で倉持を見失った常闇は周囲を警戒する。

 

 

「ふっ!!」

 

だが、既に背後へと回り込んだ倉持の廻し蹴りが背中へと炸裂。

 

「がっ……!!」

 

背中への激しい衝撃を感じる暇も無く常闇は痛みによって気絶し吹っ飛ばされる。

 

 

そして倉持は彼の正面へとワープし彼を捕まえる。

 

 

「……終わりました。」

 

 

勝者。

 

倉持管理。

 

 

♢♦︎

 

 

第四試合。

 

爆豪対切島。

 

こちらは初めは切島が攻め、爆豪が防戦していたが。

 

「そこだオラァ!!」

 

爆豪が切島の弱点の解析が終了した瞬間にカウンターを繰り出す。

 

 

「てめぇ、全身ガチガチに気張り続けたんだろ!!そんな状態で速攻かけてたらどっか綻びが出るわぁ!!」

 

その言葉を裏付けるように切島の体にダメージが蓄積し始める。

 

そしてその隙をつくように猛攻が始まる。

 

 

「オラオラオラオラオラオラ!!!」

 

 

爆豪が爆破し続けるのをひたすら切島が耐える。

 

どちらかの体力が尽きるまでのインファイト。

 

だが。

 

 

「トドメェだぁ!!死ねぇええ!!」

 

 

最後の大爆破に切島は耐えることが出来ずに気絶。

 

 

勝者。

 

爆豪勝己。

 

そしていよいよベスト4が出揃い、本当の闘いの幕が今下される。

 

準決勝、ここに開幕。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




次回から倉持の本領発揮です。


では、また次回。
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