個性『Lobotomy Corporation』   作:Lobo

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この章は割とスムーズに進行していきたいです。


謀略。

「もしもし、あぁ私だ。やはりバレたぞ。」

 

「……そうか。ならば私が出る幕は無さそうだ。」

 

「やはり、お前は敵に回すと面倒だな。」

 

「ではな、そちらも精々収穫祭にならない事を祈っておくとも。」

 

 

 

♢♦︎

 

 

「さて、聞かせてもらおうか。」

 

目を細めるエンデヴァー。

その目からは一言の欺瞞を許すまいとする意思が伝わってくる。

 

「……そうですね。エンデヴァー。貴方は僕の過去を知っているでしょうか。」

 

「……あぁ、一通りはな。貴様の生誕地(・・・)には俺も足を運んでいる。」

 

「僕の個性の情報の穴は恐らくそれが原因かと。」

 

「何?」

 

「……もしかしたら、まだ生き残っている可能性がある。という事です。」

 

「……ふむ、続けろ。」

 

「僕は全ての情報を相澤先生に伝えました。それは間違いありません。ですが、その事を良く思わない人も確かに存在するのです。」

 

「……それが。」

 

「はい。」

 

「………成る程、嘘はついていないな。(・・・・・・・・・)時間を取らせた。話は終了だ、次は俺と組手だ。ついてこい。」

 

「わかりました。」

 

そして、彼等は訓練室へと向かっていく。

 

 

倉持がほんの一瞬、耳に触れた。

 

 

 

 

♢♦︎

 

それは何処かの社長室。

 

中央に座るのは、水色の髪を靡かせる女性。

彼女の耳には小型の機械がついており、そこからは倉持とエンデヴァーの会話が流れてくる。

 

そう、先程の話はアンジェラが倉持に話させるように指示した全くの嘘。

既に彼がいた研究所の生き残りは彼女らが子孫にあたるまで皆殺しにしたし

情報を改竄したのはそもそもアンジェラだ。

 

なのに、何故エンデヴァーはその嘘を見抜けなかったのか。

 

「……さて、これで後はウイルスが流れていくのを待つだけかしら。」

 

……さて、皆様は電脳ウイルスというのをご存知だろうか?

 

この個性が世の中を覆い尽くした現代において、インターネットというのもまたヴィランが個性を使いあらゆるデータベースに侵入するという行為は

少なくない。

 

同時にそれに特化したヒーローも知られていないだけで確かに存在するのだろう。

 

しかし、こと超上級AIであり情報の隠蔽、偽装ならばこの世界に敵はいないのがこのアンジェラ。

そんな彼女が倉持という自身の最も愛する者の情報をおざなりにする筈も無い。

……アンジェラがそのデータに仕込んだのは、彼の声に反応してあらゆる事が疑えなくなる(・・・・・・・・・・・)感染型のウィルス。

 

言ってしまえばXに行なっていた記憶処理の応用の様なモノ。

 

これの質が悪い所は感染した事に気付けない事。更にデータを見た者は対象を問わずに感染する事だ。

 

人は勿論、動物、鳥、そして機械ですらデータを『見た』のなら感染する。

 

結果として、その情報を見たエンデヴァーは見事に感染。

倉持の嘘に全く疑問を持つ事は無かった。

 

「まぁ、管理の事でしょうからここから先は問題ないわね……これが成長、という奴なのかしら……かっこよかったわ。」

 

彼女は体育祭の彼を思い出し顔を赤める。

 

だが、直ぐに顔色を戻し目の前でソファに座っている存在に話しかける。

 

「……それで、何の用かしら?」

 

 

ーーオール・フォー・ワン。

 

 

 

「いや何、君と少し話がしたくてね。」

 

 

 

♢♦︎

 

 

「ふん!!」

 

右腕が豪炎が吹き上がり、倉持は最小限の動きで回避する。

 

だが、右腕は回避行動を起こさせる為のフェイク。

 

「赫灼熱拳ジェットバーン!!」

 

本命の左腕が彼の腹へと熱拳が迫る。

倉持は敢えて、右腕で受け逆に左腕で彼の腕を掴んで放り投げる。

失楽園のお陰でダメージこそ無いので安心して受けられるのだ。

 

「ぐぬぅ!!」

 

投げられたエンデヴァーはその場で一回転。

地面との摩擦を起こしながらも無事に着地する。

 

「……ふむ。やはりか。」

 

「……どうしたんですか?」

 

エンデヴァーはこの一連の流れからある事を観ていた。

 

「貴様、自分の身のダメージを度外視しているな。」

 

「……はい。」

 

「確かに貴様の個性で作られたコスチュームは驚異的だ。同時に体育祭で見せてもらったあの弾丸も個性社会では革命となり得るだろう。だが、それ故に貴様はダメージを度外視している。俺ならば再生も耐性も攻略出来る。

何故ならば、俺は酸素濃度を支配できるからだ。この調子なら俺の他にも攻略する者も現れるだろうな。例えば再生する前に耐性以上の一撃を喰らわせられる奴とかな。」

 

「……ですが、僕には。」

 

「そうだ、お前にはあの奴らがいる。だが、そいつらを出す前にそれを喰らえば?」

 

「……気絶、無いしは死亡の可能性。」

 

「良し、流石は首席の事はある。頭の回転は速いようだな。ならばこれから俺が言わんとする事もわかるか?」

 

「はい。」

 

「良し、では個性を解除しろ。これから生身の状態で俺の攻撃を避け続けてもらう。安心しろ、本気は出さんからな。」

 

個性を解除し、再び構えを取る。

 

「宜しく御願いします。」

 

同時にエンデヴァーも豪炎を吐き出させ、高速で接近する。

 

「いくぞ!!」

 

だが、その直後電話が鳴り出す。

 

「む?……少し待て。」

 

「あぁ、何?分かった。」

 

「今から向かう、ではな。」

 

電話を切ると同時にエンデヴァーは炎を解除する。

 

「援護要請が入った、訓練は後は自由にしておけ。明日に響かせることは許さんぞ。」

 

そうして、エンデヴァーは急いで訓練室から退室していく。

 

取り残された倉持は。

 

(…………。)

 

何かを思い悩んだ、様子を見せるがそれも一瞬。

 

個性でいつもの彼女らを呼び出し、再び訓練を再開していったのであった。

 

 

……邂逅まで後2日。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




倉持アーマーの弱点。

毒やら酸素変動などの特殊系は物理系に比べて対応出来ない。
プラスしてオールマイトのスマッシュやオーバーホールの個性破壊弾などには
流石に弱い。

……その為の私たちですけどね。


では、また次回。
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