個性『Lobotomy Corporation』 作:Lobo
これからどんどんアブノーマリティを出して行くのでよろしくお願いします。
さて、時は流れついに雄英高校の入学試験が訪れる日になった。
この日オールマイトが
「HAHAHA!大丈夫!倉持少年ならきっと合格できるさ!・・え?私かい?・・少し野暮用があるので失礼するよ!」
なんて言っていたことを彼は正に雄英高校の試験会場で思い出していた。
時間は筆記試験開始の30分前。まだまだ時間に余裕はあるが復習の時間に回したいという彼の強い要望により現在絶賛確認作業中なのである。
「んー。これぐらいならまぁいけるか。」
実際、彼はティファレトと買い物に行った際雄英高校の過去問を買っていたりするのだが、そこはマルクトを始めとする頭脳派の教育、不本意ながらある事情により与えられた脳の異常な発達。
そして『宇宙の欠片』が与えた『知識』。
これらの要素が揃った彼にとって過去問も小学生の試験と同等。
意外と余裕を持って優雅にその時を待っていた。
・・因みに万が一分からないものがあってもアンジェラを始めとする頭脳派達は一切の助言は無しという約束をしている。
あくまでも筆記は自分の実力で勝ち取りたいのだ。
そうこうしているうちに試験15分前のチャイムが鳴り、会場の空気が変わる。
彼もまた集中力を高めていた。
(目標は満点!僕は色々な所で遅れているから頑張らないと!)
そして・・・
「では試験を始めてください。」
開始の号令がなった。
♢♦︎
『ハロー!エブリワァン!!俺のライブにようこそー!!』
うって変わって実技試験、なんともテンションがお高い先生がこの試験について説明をしている。
(えっと・・確かあれはプレゼント・マイク?だっけ?ヒーローはオールマイトしかわからないからなぁ・・)
そんな事を考えている間にも説明は続き先生のテンションが上がる。
しかし、その勢いについていく人は勿論居ない。緊張などでそれどころでは無いからだ。
それでもテンションを維持し続けている先生は最早一種のエンターテイナーでは無いのだろうか?
『俺からは以上だ!最後にリスナーへ我が校『校訓』をプレゼントしよう。かの英雄ナポレオン・ボナパルトは言った!「真の英雄とは人生の不幸を乗り越えていく者」と!“Plus Ultra”!それでは皆、良い受難を!』
そんなこんなで先生の説明は終わったようだ。
早速彼は『彼女達』を呼び出す。
しんと静まり返っているビル群が佇む試験会場に
・・狼の吠える音が響いた。
♢♦︎
「・・おい、管理。私をよりにもよってこいつと一緒に呼び出すとかどう言う神経してんだ?」
「・・でも、この会場と試験の内容から推測して一番頼りになるのが『赤ずきんの傭兵』さんと『大きくて悪いオオカミ』さんだと思ったんだもん。」
「・・・はぁ。ほんとお前はこういうところがあるというかなんというか。」
『ゲラゲラ!ん?オレが嫌ならさっさと帰ってまた眺めてればイインジャネェカ!?赤ずきんさんよぉ?』
「殺すぞ、クソオオカミが。」
『やってみろや、小娘が。』
「あー!今ここで争わないでよ!闘うなら帰ってからにして!」
「・・・わかったよ。で?今日の依頼はなんでしょうか?管理サマ?」
「ん!」
『はいはい・・オレ様はどうすればいいんですかね?主人サマ?』
「オオカミさんは僕と一緒ね。赤ずきんさんは別行動。それと・・赤ずきんさんちょっと耳貸して?」
「ん?」
(赤ずきんさんは怪我人の救助をお願い。僕も出来るだけするけど・・僕も得点を取りに行かなきゃだから。)
(・・了解。報酬は?)
(パンケーキ・・とか駄目かな?)
(オーケー。じゃ、今回の契約はそれで。)
(うん!)
「おい。」
『んあ?』
「・・・ふっ。」
『は?テメェ後で戻ったら殺し合いな。今日こそテメェに引導渡してやる。』
「・・はいはい、負け犬乙。」
『まぁ、オレはこれからコイツと一緒に行動するんだがな!この大きくて悪くてカッコイイオオカミ様がな!ザマァ!』
「死ね。」
「はいはいそこまでね!」
♢♦︎
『・・・ヘーイ、そこのボーイ。話は終わったかい?』
「・・・あ、すみません。大丈夫です。はい。」
そう、まだは試験が始まっていないのに彼は悠々と作戦会議をしていた。
当然、会場内の生徒とプレゼントマイクは唖然とする。
だって
彼女達が彼の個性である事はわかるし、それが召喚系統である事もわかる。
しかし、発動したタイミングが分からない。
通常、召喚系や転移系は何かしらの合図があるもの。
だが、彼にはその前例が一切通じない。
生徒はその不気味さと『赤ずきん』と『オオカミ』の凄惨な見た目から恐怖を覚え。
プレゼントマイクは
(コイツはシビィー奴がはいってくるかもしれねぇなぁ。)
と1人考えていたのだった。
♢♦︎
『じゃ、ボーイの話も終わった事だし!はい、スタート!』
(じゃあ、作戦開始!行くよ2人とも!)
(了解!)
(じゃあ、管理はオレの背中に乗りなぁ!いくゼェ!)
合図がなった瞬間、彼らは即座に行動を開始。
先程の事もあり、まだ気が抜けていた他の生徒達は再び呆気に取られる。
『どうしたぁ!?実戦じゃカウントなんざねえんだよ!走れ走れぇ!賽は投げられているぞ!』
という一言により生徒一同は再起動し、我先と走り出す。
残ったのはモジャモジャとした緑髪の少年1人だけだった。
♢♦︎
『オラァ!』
『コロっ!?』
「ふっ!」
『ケペッ!?』
『ゲラゲラ!やるじゃねぇか狩人サンよ!』
「ありがとう。ほら次に行くよ。」
『おうともさ!』
オレ様が爪や牙でガラクタをすぐさま破壊すれば上の主人サマが『射手』から貰った銃で運良くオレ様の攻撃から逃れたのをブッ殺していく。
アァ・・楽しい。
さてと・・今で大体50はいったかぁ?うちの主人もおんなじぐらいだから
・・ワカンネ。
まぁオレ様は主人サマとこうやって何かしてるだけで嬉しくて仕方ねぇんだが。
クックク・・赤ずきんはザマァねぇなぁ?
今はオレ様だけが主人サマを見ている。映像ごしじゃなくてな。
それがたまらなくオレ様を満たしていく。
・・さぁ、残り5分だ。次は何処に仕留めに行く?オレは何処にでも付いて行こう。
『俺』が唯一食べたく無いと思わせたお方よ。
♢♦︎
・・・ふぅ、これで60体目かしら。
『ギギ・・ギ』
全く、雑魚のくせにうっとおしいのよ。
・・あぁ。早く彼のパンケーキが食べたい。私だけの報酬。誰にだって渡すつもりはない。
別にパンケーキじゃなくても彼が与えてくれるものは何一つとして手放すつもりはないのだけど。
彼は私にとって『日常』だ。あのクソ狼から全てを奪われて斧を磨き続けて傭兵になってからもう得ることも無いと思っていたものだ。
『唯の赤ずきん』だった頃の私を・・この『醜い顔』をあの子の前だけでは晒す事が出来る。
だからあの子の命令は絶対だ。
私にとっての全ては今はあの子だけの物だ。
あの子が殺せと言えば殺す。殺すなと言われれば殺さない。
今の『私』はきっとそれが正解だ。
「誰か!誰かいませんか!助けて下さい!」
はぁ・・これも確か依頼だったわね。
「退きなさい。」
「え・・?」
銃で彼女が埋められていた瓦礫を吹っ飛ばす。後は安全な場所とやらに運べばいいのね。
・・あぁ、成る程この試験はその『意図』もあるわけ。
流石、管理だわ。
「あ、ありがとう・・赤ずきんさん?」
「気にしなくていいわ。彼の依頼が無ければ貴女も無視していたから。」
「そ、そうですか・・」
「そうよ」
「じゃあ・・彼には感謝しないとですね。」
「そうよ、しておきなさい死ぬ程ね。」
「ふふ・・はーい。」
「ほら、ここで休んでおきなさい。私は他の怪我人も探すわ。」
「はーい。」
「じゃあね、もう会う事もないでしょうが。」
・・面倒ね。まぁもうあと5分ぐらいだし私は自分の依頼をこなすだけよ。
そういえば、あのでっかいのは誰が壊すのかしら。
♢♦︎
『終了〜!!』
その言葉に全ロボットが停止する。
生徒の中には安堵する者、絶望する者、極一部キレている者と・・反応は多種多様だった。
「ふぅ、終わったね。」
『だなぁ、おい赤ずきん。テメェ何匹壊したよ?』
「65」
『チッ・・オレ様もだよ。』
「僕もだね。」
「まぁ?私は?他の人間も救助してそれだから?」
『ウゼェ・・』
「じゃあまたね、2人とも。」
「ええ、いつでも呼びなさい。但し次はコイツとペアはゴメンよ。」
『違いネェ。じゃあな!オレ様の背中に乗りたい時はいつでも呼びな!』
(報酬は・・夜お願いするわ。)
(うん。じゃあまた後で。)
(ええ、また後で。)
「よし!帰ろっと!」
♢♦︎
「これが今回の入学試験の映像だが・・・」
「・・凄まじいな、オールマイトの養子は。」
「個性の名前は・・・『Lobotomy Corporation』?また変わった名前だな。」
「ええ。ですが倉持少年に個性について聞いた際にこの名前を。」
「・・・倉持管理。小学生の時にヴィランに誘拐され、その時に両親を亡くし、彼自身は脳の実験によって親の記憶を無くしていると・・」
「彼の事情はそこまでにして、これはAクラス首席は決まりですな。」
「個性もさる事ながら筆記も全て満点・・更にこの試験のもう一つの『意図』に気付いていた。うむ。ヒーローとしての将来が楽しみですな!」
「・・確かに、彼は呼び出した個性に合った仕事をふり、最小限の行動で合理的に試験を行っていますが・・彼の個性の底が見えません。テストの後彼にはその事を詳しく聞く必要がありますね。」
「うむ!では次のこの子だが・・・」
「ふぅん、管理の事はそんなに知らない・・と。好都合ね。私としても行動がしやすいわ。・・彼が安心して学校に通えるように裏からサポートしないと・・」
♢♦︎
さて、自宅に戻った
「ふぅ・・美味しいわ。報酬としては充分ね。」
「そっか!良かったよ!」
「おかわりー!ちびにも下さいな!」
「・・僕も。」
「うん!分かったよー!」
(せっかくの2人っきりだったのに・・!)
(ふふ・・赤ずきんばかりに独り占めにはさせないわ!)
(彼は・・皆の。)
宅配でーす!
「あ、はーい!」
「もしかして学校?ってとこかしら!」
「・・まぁそうでしょうね。合格は確実でしょうけど。」
「・・当然。」
「さて、届いたのはこの封筒なんだけど・・」
「開いて見ましょ!あ、ちびが開いてもいいかしら?」
「うん。どうぞ?」
「やった!ほら、『銀河の子』も一緒に開きましょう?」
「・・うん!」
せーの!
『私が投影された!』
「きゃあ!?おっきい人がいきなり出てきたわ!?」
「落ち着きなさい『レティシア』。ほら、オールマイトとかいう管理の養子縁組の父よ。」
「・・ビックリした。」
「うん?なんで
『HAHAHA!驚いている事だろう倉持少年!実を言うと朝はちょっとばかし焦ってたのはこれが理由さ!』
「あ、そう言う事。
『そう!私は今年から雄英高校の教師となるのだ!にしても君の個性には驚いたよ!私にもそんなに教えてくれないもんなー!君は!クール!』
「あはは・・ごめんなさい。」
『んん!では倉持少年君は・・・』
「ごくり・・」
「ねぇ、この謎のドラムロールどうにかならないかしら?」
「・・赤ずきん。しー。」
『文句無しの合格だ!しかも一位!おめでとう!』
『筆記は首席だし!敵ポイントは彼女達の分も合わせて195点!そして・・君はもう一つの『ポイント』も分かっていたようだね!』
『救急ポイントは55点!合計250点!もう一度、今度は君を預かる養父として言わせてもらおう!』
『おめでとう!息子よ!来いよ!雄英に!』
「・・首席ですって。ま、管理なら当然よ。」
「ふふん!さっすがちびの管理ね!」
「・・おめでとう。」
「うん、ありがとう皆。じゃあ明日から準備しなくちゃだね。」
「そうね、おやすみなさい管理!」
「・・おやすみ。」
「そういえば。」
「何?」
「管理、あんたどうしてあれが分かったの?」
「?ヒーローって仲間も助けるでしょ?」
「・・・ふふ。そうね。あんたはそう言う人だったわ。」
おやすみ、私達の主人。良い夢を。
アブノーマリティ講座。
『赤ずきんの傭兵』
原作のゲームにおけるお助けキャラ。高い報酬の代わりに厄介なアブノーマリティをデストロイしてくれる。
但し、後述で紹介する『大きくて悪いオオカミ』が脱走している場合
依頼も何もかもほっぽいてぶっ殺しに行く。
通称オオカミ絶対殺すウーマン。
さて、そんな彼女が何故そんな憎むべき怨敵を前にして殺し合いを始めなかったのか。
簡単な答えだ、彼女が彼に『日常』を感じているから。
過去の情景。彼女にとって二度と手に入りはしないそれを彼は与えてくれた。
だから、従う。
彼の敵は死刑。味方なら例え怨敵であろうとも彼の前では殺しはしない。
それが彼女が彼に伝えられるたった一つの『愛』だから。
因みにオオカミとの殺し合いの戦歴は赤ずきんが一勝分多いそうな。
(赤ずきんによる供述)
『大きくて悪いオオカミ』
収容時と脱走時で最も姿が変わるアブノーマリティだと作者が考えているアブノーマリティ。
元ネタは童話『赤ずきん』からきているらしいがこのオオカミは赤ずきん前にまた別の童話に居たらしいオオカミというイフ。
赤ずきんが頭巾を被り続けているのはコイツのつけた傷の所為。
赤ずきんとは殺し殺されの間柄。
この小説においてオオカミは大きく、悪く、そしてカッコいいオオカミだと自負している。
何故ならば彼が自身をカッコいいと言ってくれて自分の事情を知られ、その事で彼を拒絶しても尚オレを愛してくれたから。
オレ様は恩は必ず返す。主人が『俺』をカッコいいと言ってくれる限り、愛してくれる限りこの身を尽くす。背中もいくらでも預けるし乗せる。
それがオレ様の精一杯の愛の返し方だから。
因みに赤ずきんとの殺し合いの戦歴はオオカミが一勝分多いそうな。
(オオカミによる供述)
・・この後滅茶苦茶殺しあった。
感想批判意見お待ちしています。