個性『Lobotomy Corporation』 作:Lobo
少し拡大解釈ありです。
50の兵士に囲まれたヴィラン達、しかしその余裕の笑みを崩す事は無い。
何故か?
答えは単純
既に脳無の一体は奴らに向かわせた。じゃあ卵共やプロヒーローは?
更に最優先事項のオールマイト親子の対策は?
だからこそのヴィラン黒霧。だからこその3体の脳無なのだ。
「さて・・私は私の仕事をしますかねえ?」
そう言うと、倉持と相澤先生、そして残っている脳無二体以外の足元を大きなワープゲートで囲む。
「うわぁ!何だぁ!?」
恐怖と困惑が混合しパニック状態になってるヒーローの卵達にこの攻撃を防ぐ手段は無く、また
「ぐっ・・・我らも飲み込まれる!?・・坊ちゃんご無事でっ・・・!!」
50の軍隊も脳無相手には気を取られるのかそのままワープゲートに飲み込まれていった。
♢♦︎
「さてと、邪魔な奴らも居なくなってスッキリしたなぁ。」
そう告げる、ヴィランのトップだと思われる人物。
「さて、イレイザーヘッドには脳無一体を放り込むとして・・足りねぇな。」
そう感じた彼はとある命令を下す。
「脳無、隣のをやれ。」
その瞬間、脳無と呼ばれた生命体は・・
別の脳無を真っ二つに切断した。
と同時にその切断面から分けられるようにして脳無が
「なっ・・!?分裂の『個性』!?」
「これはあいつ用にわざわざ作った特注品の脳無だ。って訳でこれで対等だなぁ・・じゃあお前らはあっちのガキな。」
2体の脳無はその指示を聞くとゆっくりと倉持の元へと歩き出す。
もう1体は相澤先生へ、そして黒霧は13号の元へとワープ。それぞれ行動を開始する。
「・・すまないが、俺は手助けできそうに無い。」
「・・僕もですね。」
「生き延びろよ。」
「了解です・・っ!!」
ここに各々の戦いが幕を開けた。
♢♦︎
迫り来る2体の脳無。
それに対策を練ろうとする倉持。
分裂ができる以上、手段は限られる。
一瞬で粉々にするか、何処か全く違う場所に放り込むかだ。
ならば『強欲の王』か?嫌、彼女の食事は確かに即死級だがあの化け物が肉片からまた新たな化け物を生み出されたら追いつかなくなる可能性がある。
ならば。
「来て!『憎しみの女王』!!」
最大火力で塵に還せる彼女がこの場で最も最適だ。
「おっけー!あっちの1体は私に任せて!もう1体は頼むわよ!!」
「うん!」
自身は『白夜』の装備『失楽園』に武器は体力回復が出来る『何もない』の『ミミック』を以てあの化け物と対峙する。
片や彼女はいつも持っているステッキ1本。彼女にとってはそれだけで充分なのだ。
先ず最初に仕掛けたのは脳無。
大振りながらも一撃でも当たればこの装備であっても気絶は免れなさそうな程の衝撃を最小限に下へしゃがむ事で躱し『ミミック』で縦一線に斬りつける。
それと同時に彼女を抜かして別の脳無が彼に向かって殴りかかるが。
「手ぇ出させる訳・・ないじゃない!!」
女王の魔力弾が顔面にヒット。脳無の顔面を抉り仰け反らせる。
しかし。
「・・うっそ。再生してるわよアレ。」
そう、脳無の顔面の傷は痛ましい音と共に再生していく。
そして斬りつけられた脳無もまた再生が完了する。
まるで最初からそんな攻撃は無かったかの様に。
再生している間をついて再び集まる2人。
「本当だ・・女王ちゃん・・撃てる?」
「いけるけど・・アレ時間かかるわよ?管理、同時に相手できるの?」
「大丈夫。スピードもパワーもあるけど師匠の方が上だよ。時間稼ぎは任せて。」
「アイツと比べるのはちょっと違うと思うけど・・
「大丈夫。まだ余裕はあるよ。」
「おっけー!じゃあ詠唱に入るわ!任せたわよ管理!」
「了解!!」
そう言い彼は2体の脳無に突貫する。
"正義よりも碧き者よ、愛よりも紅き者よ!"
"運命の飲み込まれし その名の下に"
彼女の杖に強大な魔力が集まり始める。
脳無の拳を『ミミック』で受け流し、別の脳無にぶつける。
が、その攻撃でひるむ事は無い。その体制のまま蹴りを繰り出してくる。
「ちっ!仕方ないか!!」
その足を回避した後にその足を切断。これにより『ミミック』の効果で失った体力が回復する。
だが。
「まぁ・・増えるよね。」
その足から更なる脳無が出現。これで現状は3体1。圧倒的にこちらが不利となる。
"我、ここで光に誓う!"
"我が眼前に立ちはだかる 憎悪すべき存在達に"
魔力はハートの形へと変わり更に巨大になっていく。
3体に増えた脳無はすかさず攻撃を開始。
どうやら、先程の行動から戦法を変えてきたらしい。
先ずは右ストレート、これは拳から腕にかけて刃を通す事で避けていく。
次に別の脳無の腕払い。これは『ミミック』を盾にして衝撃に合わせて跳躍、
攻撃を無効化する。
だが、そこには隙が生じる。
その隙を見逃さず、更なる脳無が突進。倉持を吹き飛ばす。
「こんのっ!!」
しかしそこでやられる彼では無い。
吹き飛ばされる瞬間に『ミミック』から『星の音』に即座に変換、射出。
全ての脳無の頭部を吹き飛ばした。
駄目押しにもう一度突撃、今度は『笑顔』で3体纏めて吹っ飛ばし1纏めにする。
「今だよっ!!」
"我とそなたの力をもって、 偉大な愛の力をみせしめん事を!"
「待たせたわね!管理!避けなさいよ!?」
"アルカナスレイブ!!"
ハートの形をした巨大な閃光が彼女の杖から発射され、倉持諸共その閃光は
その巨大なる魔力を以て飲み込まんとする。
「『3月27日のシェルター』!!」
彼がそう叫んだ瞬間、彼の周りを
同時にアルカナスレイブがその部屋と脳無達を飲み込んでいく。
そして、閃光が晴れた先には彼を護る『シェルター』しか残っていなかった。
♢♦︎
「ぐはっ・・」
一方その頃、また別の脳無と戦っていた相澤先生は満身創痍になっていた。
「おいおいおい!!あの脳無どもを消し飛ばすとかどんな化け物だよ!!?」
「はっ・・どうやら目論見が外れたようだな。ほら・・見てみろ。」
「あぁ・・・?」
「「先生!!」」
そこに居たのは、ウサギチームによって保護されていき、再びここに戻ってきた1−Aの生徒達。
どうやらもう1体の脳無はあのウサギ共によって殺されたらしい。
「
ここでは13号を相手していた黒霧が戻ってくる。
「あぁ、黒霧か・・13号はやったんだろうな?」
「はい、確かに13号は再起不能しましたが・・生徒1人に逃げられました。」
「・・は?・・はーーはぁ。」
「黒霧、お前、お前がワープゲートじゃ無かったら今ここで粉々にしたよ・・。」
首元を掻き毟り、どんどん怒りが込み上げている様子を見せる死柄木。
逃げた生徒はそのまま他のプロヒーローに救援を要請し、間も無く駆けつけてくるだろう。
脳無も既に1体だけ、現状こちらに交戦手段は存在しない。
故に、ゲームオーバーだと彼はそう言う。
「帰ろっか。」
ーーーいいや、未だ早いよ。死柄木君。
「え・・・?」
♢♦︎
「後ろよっ!!管理っ!!」
・・・シェルターを解除した矢先、声が後ろから聞こえる。
その声に振り向けば。
『やぁ、初めまして。君が倉持管理くん・・で良いのかな?』
・・巨悪が降臨した。
そこに立っていたのは1人の男。
顔は髑髏のよう機械で覆われており、その姿からは異常な程の強烈なプレッシャーを放っている。
他の全てがその威圧感により動きを停止し、恐怖する。
そんな中彼は直感する。
それでも彼は精一杯の虚勢を以てこう尋ねる。
「・・貴方は誰ですか?」
『あぁ、自己紹介が遅れたね。・・僕はオール・フォー・ワン。君が居た研究所の・・・』
やめて、それ以上言うのは。やめて、やめろ。やめろ!!
『建設者だ。』
♢♦︎
「あ、あぁあ?」
『ふむ、やはり未だ青いねぇ。今日は君の力を見ておこうと思って来てみたんたんだが・・しょうがない。古今から壊れているモノを治すのはいつだって物理だ。僕もその例に倣うとしよう。』
彼の右腕が変形する。
右腕は本人の半身を超えるほどに肥大化し、何本もの腕であろう筋肉が見て取れる。発条化と槍骨によって、螺旋を描いた槍の様な骨がいくつも露わになっており、対象に当たるであろう拳表面部分には、重点的に金属の鋲が生成されていく。
『『筋骨発条化』+『瞬発力×4』+『膂力増強×3』+『増殖』+『肥大化』+『鋲』+『エアウォーク』+『槍骨』・・オールマイト用にとっておいたコレだが何、脳無の全力の攻撃を軽く防ぎきれる君なら耐えられるだろう? 』
「っ!?"アルカナビート!!!"」
「っ!?撃てぇ!!」
咄嗟に女王が放ったそれもウサギチームの銃弾ですら、その右腕によって防がれてしまう。
『正直、君達のその力も気になるところだが・・今はこちらだ。』
「やめなさい・・・やめてぇ!!」
『さて、目が醒める時間だよ!!』
右腕が彼に向かっていき・・・
即座に表れた巨大な剣と柱によって止められた。
「・・・おい。うちの愛弟子に何してやがる。ええ??」
「・・私の前でやるとは良い度胸だな。当然死ぬ覚悟はあるんだろうな?」
そこに居たのは、『赤』と『黒』。
倉持にとっては師匠である大きな存在。
『赤い霧』と『調律者』がそこに立っていた。
『・・・へえ?・・そうか。君達か。』
「・・一応聞いておいてやる。貴様、何をしようとしていた?」
『見て分からないかい?勿論殴ろうとしたに決まっているだろう。』
「そうか・・」
「では、私からも。彼を苦しめていた研究所を作ったのは君か?」
『そうだが?』
「ふむ・・成る程。」
「殺す、殺してやる。貴様だけは生かして返さん。骨を砕き、肉を裂き二度とこの世に居られないまでに粉々にしてやる。」
「ならば、君には地獄の番人がやってくるだろうさ。誰かって?・・私達に決まっているだろう?」
余りにも重い紅の憎悪と何処までも深い黒の殺意がこの場に広がる。
それに生徒達は耐えきれず、嘔吐する者もいた。
ヴィラン側も気絶し失禁する者、呼吸さえ困難になる者。
そして・・
「・・嘘だろ?・・先生が・・本気だ。」
それに相対するオール・フォー・ワンが更なる威圧感を放っている事に気付く者。
『・・ククッ。素晴らしいな。気が変わったよ。彼の前に君達の力を確かめるとしよう!』
「「死ね。」」
・・・『最強』と『最悪』が激突した。
アブノーマリティ講座。
『憎しみの女王』
ゲーム内における、お助け役兼厄介枠兼最も運営に愛されているアブノーマリティ。『魔法少女』の1人。
重大な収容違反が発生した際に自発的に鎮圧作業に向かってくれる。職員のアイドル。
が、職員が20%殺されると絶望し脅威の殺戮生物と化す。
必殺技はアルカナスレイブ。
これは公式より竜破斬のオマージュと明言されている。
その威力は少し前なら『規制済み』すら何発か撃てば倒せる威力。
本作では脳無を塵も残さず吹き飛ばすぐらいの威力として設定している。
さて、本作はこの『憎しみの女王』に限らず『魔法少女』には総じて『表』と『裏』がある事を明記しておこう。
『表』は極力、彼に対する愛は浅めである。憎しみの女王において精々が『いっつも気になる大好きな男の子。』という程度。
理由は『表』の時は負の感情が発言しにくいという事情があるから。これは3人が彼に迷惑をかけないように話し合って頑張って切り分けた。
しかし、『裏』、つまり暴走形態の殺意生物とかした場合。彼女の彼に対する印象は『飲み込んで、永遠に自分の中で生きていて欲しいと渇望する世界で最も愛する男性。』となる。
こうなると彼以外の言葉を一切解さない。
彼の周りを全て排除して自分のものにする。
・・・彼女は彼が死んだ後、彼を飲み込んで彼を彼女だけの永遠とするだろう。
女王はいつだって愛と正義の名の下に。
感想批判意見絶賛受付中です。
ではまた次回。