それと今回の話で実在する山口県の岩国市が出てきますがそちらに住んでおられる方がおられましたら申し上げございません。
宇宙戦歴43年4月12日 日本 山口県
日本の山口県にあるとある町、かつては多くの人々が住んでいたこの町は、昔の面影はなく、破壊の爪痕しか残されていない。そんな町の中を歩く男がいた。
男「……ったく、食料を探しに来たら、人っ子一人いやしねえじゃねえか」
この男の風貌は変わっている。ボロボロのカウボーイ・ハットを頭にかぶり、全身を覆い隠すほどの茶色のコートを身に纏っている。そして、一番目を引くのは、男が背中に背負っている大型の銃であろう。銃身は長く、銃口も子どもの拳程度ある。こんな銃を扱える人間はまずいないが、この銃を持つこの男はいったい何者なのか?
場所は変わって………。
砂浜を歩く一人の青年がいた。青年は黒いジャケットを身に纏い、青いジーンズを履いてい て、背中に大きなリュックサックを背負っている。額には赤い布が巻かれており、歩くたびに肩まで伸びた緑がかった黒髪が尾の様に揺れている。
青年「ここはいったいどこなんだ?」
青年は自分のいる場所が分からず、気が付いたら、この砂浜に倒れていた。
青年「しょうがない、人を探すか」
青年は二十分程砂浜を歩くと川を見つけ、上流へと向かい、そこで水を確保した。
それから一時間程歩くと、滅茶苦茶に破壊された町を見つけた。青年は町の中に入り、進んでいく。
青年「いったい、何があったんだ?……………ん?」
ふと青年は、道の真ん中に変な格好をした男が倒れているのに気が付いた。
青年「おーい!大丈夫ですか!」
青年は、慌てて男に駆け寄る。
青年「変な格好だけど、死んでるのかな?」
男は茶色のカウボーイ・ハットとコートを身につけていて、背中には大型の銃を背負っている。
男「おい坊主、勝手に殺すな」
青年「うわっ!」
男が急に目を開けて、青年は驚いた。そりゃあそうだ、死んでる様に見える、変な男が急に目を覚ましたんだから。
男「驚くことはねえだろ、それより坊主、水を持ってないか?」
青年はこの男が倒れていた原因は、単なる水不足だとすぐに気が付き、先ほど、川で確保した水の入った、2リットルのペッドボトルを男に渡す。
男「おっ、すまねえな」
男はすごい勢いで水を飲み干した。
青年「相当喉が渇いていたんですね」
男「いやあ、一日近く飲んだり、食ったりしてないからな」
青年「はあ…、そうですか、そういえばここは
どこだか分かりますか?」
男は不思議そうな顔をする。青年は何か変なことを言ったのだろうかと思った。
男「おいおい、ここは日本の山口県だろ、日本人なのにそんなことが分からないのか?」
青年「えっ?」
一瞬、青年の思考が停止した。なぜなら、青年の知っている日本の山口県には、こんなゴーストタウンはないのだから。その様子を見ていた男は、青年が困惑している原因に気が付いた。
男「はあ~、そうかお前、別世界の日本から来たんだな」
青年「!?」
青年は、男が言うことが理解できなかった。
男「まあ最近多くてな、突然、空や海に穴が開いたと思ったら、そこから見たこともない人型兵器や化け物が現れたって話がさ」
青年「じゃあ僕はそこから、来たのですか!?」
男「本人に分からないことが俺に分かるわけねえだろ」
青年「………すいません」
男「とりあえず名前を教えてくれよ、俺の名は『グラド』、見ての通りの銃使いさ、そしてこのでかい銃の名は『レッドスピア』だ、何で銃なのに赤い槍って名前なのかは、突っ込まないでくれ」
青年「僕の名前は、…………………………」
青年は、暗い顔で自分の名前を言おうとしない。
グラド「どうしたんだ坊主、自分の名前が分からないのか?」
すると、青年はグラドの目を見て言った。
青年「………僕、名前が無いんです」
グラド「ハッ!?名前が無い!?お前、どうやって生きてきたんだ!?」
青年「僕は小さいとき、父さんからずっと、お前とか坊主とかしか呼ばれてないし、父さんが死んだ後は、ずっと独りだったんで……」
グラド「……………なんかすまねえな、そんな事聞いて」
父親を亡くしてから、ずっと独りだったという青年の話を聞いたグラドは、その話をさせたことに対して謝った。
青年「でも、名前が無いって結構大変ですよね」
青年は、今まで気にならなかった自分の名前に関して、急に気になりだした。
グラド「まあ、そんな暗い顔すんなよ、俺がなんとかするからさ、とりあえず、生きた人間を探しに行こうぜ」
青年「そうですね」
共に行動する事になった二人は、横浜へ向かうため、旧米国軍基地を目指した。
旧米国軍基地のある岩国市は、徒歩で二時間ぐらいで着くため、その道中は、グラドがこの世界について知っていることを、青年に教えた。
この世界は、過去に多くの戦いがあった。五十年近く前、日本に『ゴジラ』、米国に『キングコング』が出現し、人類は多大な被害を被った。特にゴジラは、一度倒された後も、他の個体が出現し、『モスラ』や『ラドン』などの新たなる怪獣が出現し、人類の損失は多かった。そんな中、怪獣の棲む地球を滅ぼし、宇宙へ逃れようとする人間達と地球を守ろうとする者達との間での戦争が始まった。その戦争の中で、『MS(モビルスーツ)』などの人型兵器が開発されて、戦争は激化したが、月に突如として出現した『BETA』や突如として現れた『恐竜帝国』・『百鬼帝国』との戦争に突入した。恐竜帝国・百鬼帝国は、早乙女博士が生み出した『ゲッターロボ』によって倒され、世界中の軍は、ゲッターロボを量産しようとしたが、早乙女研究所で起きた事故で、早乙女研究所にいた人間が突如として消え、この時、唯一残っていたのは、ゲッターロボのパイロット二人だけで、パイロットの一人『流竜馬』のその後は不明だが、もう一人のパイロット神隼人は、ゲッターロボの動力源であるゲッター線に関する資料を封印し、ゲッター線を使用しない新たなロボットの開発を始めたらしい。その後、宇宙から現れた謎の敵『ガイゾック』が現れ、新たなスーパーロボット『ザンボット3』との戦いに突入する。だが、多くの人々は、ザンボット3を持っている神ファミリーがガイゾックを地球へ呼び寄せたのではないかと非難した。そんな中、ザンボット3とガイゾックの最後の戦いが始まり、神ファミリーは、ザンボット3のパイロット『神勝平』を残して全員が死亡した。幾多の戦いで多くのMSが失われ、BETAにより、世界中が蹂躙されて、世界中の軍は、MSより低コストで生産できる戦術機を開発した。近年に地球へと飛来した謎の生命体『ラダム』や新たな敵勢力として、人類に宣戦布告をした『Dr.ヘル』と『プロフェッサーランドウ』の『機械獣』・『メタルビースト』軍団などの出現で、地球の総人口は、八億六千万人にまで減少した。だが、人類もやられてばかりではなかった。兜十蔵が生み出した、スーパーロボット『マジンガーZ』を中心としたスーパーロボット軍団が生まれた。今の時代での脅威は、怪獣とBETAであろう。巨大怪獣は、BETAの『光線級』が集中攻撃しても、あまりダメージを負う事は少なく、人類でまともな相手ができるのは、マジンガーZか、MS最強クラスの武装である『サテライトキャノン』、米国の生み出した兵器『G弾』ぐらいである。だが、サテライトキャノンは、月面大戦中に、月の衛星軌道上に設置されたサテライトシステムの反射衛星が破壊されたため、月が出ている時にしか使用できない。月面の戦力は、宇宙総軍の基地にいる数千名しか残されていないらしい。地球の連合軍は、人類よりも優れた身体能力を持つ『ミュータント』で構成された部隊を発足した。そして現在、世界中で多くの者が、母国のため、仲間や家族のために戦っている。
青年「本当に僕の知っている世界とは違いますね……」
グラドから、この世界について説明を受けた青年は、そう呟いた。
グラド「そのようだな、そういえば、怪獣やMSとかの話をしたとき、知っている様だったが、お前の世界でも怪獣が暴れたり、MSで戦争をしたりしてたのか?」
青年「はい、ただ僕のいた世界には、この世界の半分にも満たないぐらいしか怪獣はいませんよ、ただMSの場合は、何度も戦争で使われていましたので、この世界よりも多くのMSが開発されたと思います」
グラド「へえ、そうかい」
グラドと青年は、それから一時間ほど歩き、目的地の米国軍基地へと到着した。
青年「………それにしても、ひどい有様でしたね」
青年が言っているのは、途中に通った岩国市の変わり果てた姿のことだ。
グラド「日本はまだいいさ、BETAに一度蹂躙されたが、その半分近くが、後に怪獣共にやられて西日本を取り戻せたんだからよ」
三年前までこの日本には、BETAの前線基地である『ハイヴ』が二つ存在したが、その内の一つである『横浜ハイヴ』アメリカの新兵器G弾により消滅し、その後、西日本に怪獣王ゴジラが出現し、BETAがゴジラに集中している間に数少ないMS部隊と日本最強のスーパーロボット『三式機龍』を西日本に送り込み、守護者の怪獣『モスラ』・『アンギラス』の助けもあり、西日本のBETAの七割を殲滅し、ユーラシア大陸へと追いやった。だが、BETAを殺し尽くしても暴れ続けるゴジラを倒すために戦った機龍は、ゴジラと共に日本海へと沈み、西日本を取り戻しても、BETAに破壊し尽くされた西日本に帰ってくる者はいなかった。たとえ帰りたくても、またBETAが上陸する可能性が高く、政府は西日本へ行くことすらも禁止にした……。
青年「それにしても、この基地はよく無事でしたね」
米国軍基地はほとんどBETAに破壊されていなかった。単に海側にあったからという理由かもしれないが。
青年「でもこの基地に何をしに来たんですか?」
グラド「いやあ、俺の機体をさ、この基地に隠していてよ、それを取りにな」
青年「あれグラドさん?あなたは戦術機かMSでも持っているんですか?」
青年は正直驚いていた。なぜなら、このグラドはロボットに乗れないからこんな馬鹿でかい銃で戦っていんじゃと思ったからだ。
グラド「お前の言いたいことは分かる、確かにこんな俺がロボットに乗るのは変かもしれないが、BETAなんて万単位で攻めてくるのが普通なんだぜ、自分専用のロボットぐらい持っていないと生きていけねえよ」
青年「…は、はあ」
それから二人は基地の中に入っていく。二人は格納庫の前まで来た。
青年「この中にグラドさんの機体が………」
グラド「ちょっと待ってろよ、半月ぐらい動かしてないから、メンテナンスしてくるからよ。」
青年「そうですか、じゃあ僕は海でも見て来ます」
青年は、グラドに自分のリュックサックを預ける。
グラド「基地の中からは出るなよ、もしもの時は、お前に渡した通信機を使え」
青年「分かりました」
グラドは、格納庫の中に入っていき、青年は基地の滑走路まで行き、そこから海を眺めた。
青年「そういえば僕、この世界に来たとき、砂浜で倒れていたんだよな、その時は海なんか見る余裕は無かったけど、こうして見ると、僕の世界の海と変わっていることはないんだよな」
それから数分くらい経過し、充分海を眺めた青年は格納庫の所まで戻ろうとした時だった。
???『ギィアアアアアアアアアアアアアア!!』
青年「!?」
突如、青年の耳に何かの声が聞こえた。
青年「今のはいったい!……………………!あれは!」
青年は海の方を見ると、小さな人影らしきもののが、四匹の鳥のような巨大生物に追われていて、こちらに向かっているのだ。
青年「あれは『ラドン』!?いや違う、別の怪獣だ!」
青年はとっさに通信機で、グラドに連絡を取る。
青年「グラドさん!怪獣がこの基地へ向かってきます!メンテナンスは終わりましたか!」
グラド『なんだと!怪獣がこの基地へ!?おい小僧!早くこっちへ戻ってこい!」
青年「ですが、怪獣に追われていてる人がいるんです!」
グラド『駄目だ!早くしないとお前が死ぬぞ!』
青年「…で、ですが…、うわああああ!」
グラド『おい!どうした!すす…!………』
青年は、怪獣の翼が引き起こした突風で吹っ飛ばされ、近くのコンテナに叩きつけられた。
青年「くそ、周りを見てなかったからか、そういえば通信機は!?」
通信機は壊れていた。青年は体を起こす。
青年(そういえばグラドさん、さっき、僕のことを小僧と呼ばなくて、なんか言ってたな、すすまで覚えているけど、通信機が壊れたから最後まで聞こえなかったな、…………ってそんなことを気にしている隙はない!怪獣は、追われていた人はどうなったんだ!)
青年は滑走路を見る、そこにいたのは………。
怪獣「ギャアアアアアアアア!」
先ほどの怪獣達だ。一匹の怪獣が吠えると、他の三匹も吠える。怪獣は鳥の様にも見えるが、羽毛などはなく、翼は蝙蝠の方が近いかもしれない。平らな頭で平らな突起物が二つ後ろを向いていて、眼は赤一色だ。
???「う、うう……」
青年のすぐ近くに、人影が見えた。だが、それは人型なのだが変わった姿をしていた。全身が鎧のようなものを纏っていて、一部が桃色なのと、その体格で女性だと思われるが、あんな怪獣達から逃げてきたにしては、背中にはブースターが装備しているわけでもないのだ。パワードスーツのようにも見えるが、明らかに地球上の技術ではないと青年は直感的に気づいた。
青年「大丈夫ですか?」
青年は怪獣に気づかれないように、そっと謎の女性に近寄り、声をかけた。
謎の女性「…あ、……貴方は?」
青年「僕はただの旅人です、早くこの場から逃げましょう、僕と一緒に来た人が近くの格納庫にいますから」
青年はそう言って、彼女の手を掴み、この場から離れようとしたときだった。
怪獣「ギャッ!ギャアアアアアアア!」
怪獣の中の一匹に見つかってしまった。
青年「まずい!早く逃げよう!」
謎の女性「私を置いて逃げてください!私は化け物みたいな人間でそうすぐには死にませんが、貴方は普通の人間ですよ!すぐに死んでしまいますよ!」
青年「嫌です、目の前で死にそうな人を助けられない方が死ぬより辛いですから」
女性は、自分のせいでこの青年を危険な目に遭わせたのに、この青年は、そんな自分を助けようとするのに涙がこぼれそうになった。
謎の女性「ちょっと離れててください」
青年「まさか、この体で戦うつもりですか!?」
謎の女性「大丈夫です、私は『テッカマン』、テッカマンレイピアです、そう簡単には倒されませんよ」
女性は、どこからか出したか分からない剣を構えて、怪獣達へと突っ込んでいった。
青年「レイピアさん!」
レイピア「いっけええ!」
テッカマンレイピアは、自分の武器である剣テックソードで空から急降下し、怪獣の右翼を切り裂く。
怪獣「ギャルアアアアアアアアア!?」
右翼を切り裂かれた怪獣が悲鳴を上げる。
レイピア「よし!この勢いでいけば…。」
怪獣「ギャワアアアア!」
レイピア「きゃああああああ!?」
テッカマンレイピアは、後ろから怪獣に翼で地面に叩き落とされた。
怪獣「ギャアアアア!」
青年「レイピアさん危ない!」
怪獣がレイピアを食らおうとしたその時だった!
グラド『これでも食らいな蝙蝠野郎!』
グラドの声が聞こえ、グラドのいた格納庫の方から黄色い光の砲撃が放たれて、レイピアを食らおうとした怪獣を消滅させたのだ。
青年「今の声はグラドさん!」
すると、壊れて画面が真っ黒だった通信機の画面が明るくなり、グラドの通信が入った。
グラド『おい『進(すすむ)』!大丈夫か!今の攻撃で死んでないよな!?』
青年「大丈夫ですよグラドさん!というか進って誰ですか!?」
グラド『俺が考えたお前の名前だよ、『道切進(みちきり すすむ)』、名前がないと不便だろ?』
進「………ありがとうグラドさん、会ったばかりで見ず知らずの僕に名前をくれて」
グラド『なあに、いいってことよ、そんなことより、おまえが助けようとした奴を連れて早くその場から離れろ、その怪獣『ギャオス』はしつこく狙ってくるぞ!』
進「分かりました!」
道切進という名を得た青年は、倒れていたレイピアを背中に乗せて、その場から離れようとする。
ギャオス「ギィアア!」
進「危ない!」
ギャオスは、進達に攻撃を仕掛けようとした、それを察知した進は近くの格納庫の陰にレイピアを下ろすも、進はギャオスの超音波メスを真っ正面から食らってしまう。
進「うおおおおおお!」
だが!彼はその攻撃を両手で受け止めたのだ!
レイピア「まさか、あの攻撃を受けめた!?」
レイピアは、自分でも耐えきれなかった超音波メスに生身で耐えた進を見て、驚愕する。
レイピア「貴方はいったい……?」
そう言ったレイピアに対し、超音波メスを耐えきった進は少し笑みを浮かべて言う。
進「僕も化け物ですよ、あなたとは違いますがね、まあそれ以前に僕は本当は人間じゃない」
レイピア「…えっ?」
進「僕は人間が生み出した破壊の使者、怪獣王の息子」
進がそう言うと、彼の身体は蒼い光に包まれる。
ギャオス(三匹)『ギィア!?』
ギャオスはその光を見て怯えていた。そして光は50mぐらいの大きさになり、光は消える。
だが、そこに進の姿はなかった。そのかわりに全身が黒い巨大な生物がそこにいた。
レイピア「あ、ああ…」
レイピアはその姿に見覚えがあった。自分が知る破壊の王と呼ばれた怪獣とそっくりなのだ。
そう、その名は……………。
レイピア「……ゴジラ」
ゴジラ「グルオオオオオオオオオオオオ!!」
怪獣王『ゴジラ』の咆哮が米国軍基地に響き渡った。
主人公はあともう少しで出す予定です、と言ってもこの小説は複数の主人公がいるようなものと思われても構いません。
それとゴジラは複数出す予定です。また、今回の話の最後に出てきたゴジラですが、FINAL WARSのゴジラじゃなくて、違うゴジラです、たぶんすぐに気づくと思います、彼が人間になった原因も次回説明します。
怪獣王と呼ばれた父と同じ力を持つ新たなゴジラ、そして目覚める因果の青年。
次回 『黒き力と白き因果』