詰まりに詰まって、結局、前編と後編に分けることになりました。
申し訳ございませんm(_ _)m。
今回は、会話ばかりで戦闘は思ったほど書けませんでした、ご了承ください。
その代わり、ウルトラマンイグニスの戦いはなんとか書き上げましたので(といっても自信は無いですが)。
それと、倭猛のAIを出しましたが、不快に思われた方がおられたら申し訳ございません。
1/1pixivの方でイグニスのイラストを二枚ほど描いてくださった方がおりますので、イグニスの容姿はそちらの方々のイラストでイメージしてください。
橙色と言ってますが、某銀魂の銀さんの銀髪みたいなもので、戦闘時は熱気を纏ってるので赤色に見えても大丈夫です。
イグニス「ズィアッ!」
銀色と橙色の巨人ウルトラマンイグニスは攻撃の構えをとる。
海蛇型「ギキィィイイイイ!!」
海蛇型の怪獣はイグニスへと突撃しそのまま絡みついた。
悠真「あっ!巨人が!」
海蛇型「ギキキッ!」
もう一匹の海蛇型もイグニスに絡みついて締め付ける。
十三「どうするんや豹馬!あの巨人やられてしまうで!」
豹馬「いや!よく見ろ!」
海蛇型(×2)『キギィアアア!!?』
巨人に絡みついていた海蛇型Gモンスター(以下GM)が突然体に火がつき燃えだしたのだ。
イグニス「ズォオオオアア……!」
体内の温度を急上昇させて体外へと解放しそのエネルギーで体にまとわりつく物体を燃やすイグニスの能力『ヒートボディ』だ。
海蛇型(×2)『ギシャァアアア………!』
二匹は完全に燃え尽きて骨も残らずに灰と化した。
悠真「す…凄い…!一気に二匹も倒すなんて…」
鮫型「ジャワァアア!」
鮫型はイグニスに向かって体当たりを仕掛ける。
イグニス「ズォアッ!」
しかし、鮫型の体当たりはイグニスの左手で受け止められた。
一同『!!?』
鮫型「ジャワァッ!」
鮫型は巨大な口でイグニスの右手に食らいつき鋸のように鋭利な歯で右手を食いちぎろうとした。
イグニス(……かかったな!)
イグニス「ズィァアア!」
鮫型「ジャウィッ!!?」
鮫型の体が赤く輝く。
鮫型は突如イグニスの右手から口を離した。
アキト「何があったんだ?」
悠真「どうやら内側から溶かされかけたそうですね」
アキト「はっ!?何を言って…」
悠真「あのGMの歯を観てください、明らかに先ほどと形状が違いますから」
アキト「歯?………なっ!?」
アキトは驚愕していた。
なぜなら、イグニスを食いちぎろうとした歯が蝋燭のように溶けていたのだ。
鮫型「ジャジィィイ!」
触れた物を体内の超高熱を放出して溶かすイグニスの能力『ヒートソニック』である。
イグニス「ズォオオアッ!」
鮫型「シャジィッ!?」
イグニスの右手から放たれた炎が蛇のような形状をとり鮫型を拘束する。
イグニス「ズォォォオオオオオ……」
炎の巨人は両手を┫に構えて両手にエネルギーを集中させる。
ルリ『皆さん、巨人から発せられるエネルギーが急上昇してきます、その場から退避してください』
ワッ太「しまった!朝倉ぁ!早くその巨人から離れるんだぁ!」
ワッ太の声は悠真に聞こえていたが悠真は放心状態で身動きがとれなかった。
イグニス(安心しろ、その場にいれば吹き飛ばされはしない)
イグニスの声が悠真の頭の中に伝わる。
悠真(!!?今、巨人の声が頭の中に!?)
イグニス「ズォオオアアアア、ズィア!」
イグニスの必殺光線『バニシウムシュート』が鮫型めがけて放たれる。
鮫型「ジジャァァアアアアアア!?」
鮫型はバニシウムシュートの直撃を受けて爆散する。
イグニス「……………」
豹馬「あの化け者共を一人で倒しやがった……」
悠真「……あ、ああ」
悠真に倭の目の前に立つイグニスの姿を見て言葉を失う。
イグニス「……」
イグニスは黙って倭の姿を確認する。
そして……
イグニス「ズィアッ!」
倭「うわっ!」
イグニスは赤い光を放ち、自分の体を光で包む。
アキト「今度は一体なんだよ!」
アキト達は武器を構えたが、イグニスの放った光は自然と消えてそこにイグニスの姿は無かった。
ガイ「なっ!?あの巨人何処に行きやがった!?」
ちずる「ルリちゃん巨人は!?」
ルリ『巨人の反応消失しました』
豹馬「はぁ!?一体何処行っちまったんだよ!」
巨人の反応消失でパニックになった一同を一人の男の大声が落ち着かせた。
ホムラ「おい貴様ら!敵はいなくなったんだ、とっとと帰艦しろ!」
倭のコックピットに乗っているホムラだ。
ワッ太「ホムラさん無事だったんですか!」
ホムラ「ああ、なんとかな、ガッツウイングが動けなくなったところを近くにいた朝倉に拾われてな、とりあえず貴様らはナデシコへと戻れ、俺はこいつに用があるんだ」
ワッ太「了解、皆戻るぞ」
ワッ太が豹馬達を先導してナデシコへと戻っていった。
そしてホムラは彼らの機体がナデシコへと帰艦するのを確認して通信回線を切り、倭をゆっくりとナデシコへと向かわせる、
ホムラ「……さあ、今のうちに説明してもらおうか、この機体がGMに突っ込んでいったわけを」
悠真「そ、それはなんと説明していいやら……」
???『それは俺が説明してやるよ!』
ホムラ「!?」
倭の機内に第三者の声が響きわたった。
数分後、倭も機体の一部を損傷したガッツウイングと共に無事帰艦した。
それぞれの機体から降りてきた二人はいきなりプロスペクターに詰め寄った。
ホムラ「おいプロスペクターさん、なんなんだあの機体は、あんなのが搭載されてるなんて聞いてないぞ!」
プロスペクター「おや、そういえば説明をしてませんでしたね」
悠真「『おや』じゃないですよ!こっちは危うく死にそうになったのに!」
ガイ「おいおい、どうしちまったんだお前ら?」
小介「今この機体に何か搭載されている言いましたね、もしや先ほどの倭の動きと関連が?」
悠真「そうなんだ!まったくあいつのせいで機体が自由に動かせなかったんだ!」
アキト「あいつ?お前の機体は一人乗りの筈だろ、ホムラさん以外に人なんて乗って…」
プロスペクター「そこからは私から説明いたしましょう」
ホムラ「やっと言う気になったか」
プロスペクター「まさか、あのような事になるとは思いませんでしたからね、ではまず、倭猛零式について話す前に『超鋼装機計画』について話しましょう」
パイロット達『超鋼装機計画?』
プロスペクター「はい、超鋼装機計画とは、対異星人や戦争などの様々な戦場での戦いに特化した機体を生み出す計画です、倭を合わせて五体の機体が存在してたのですが……」
ホムラ「してた?まさか倭以外の機体はもう存在しないのか?」
プロスペクター「いえいえ、そんな事はありません、ただ、倭以外の機体はパイロットの方々と共に行方不明で…」
悠真「行方不明!?どういうことですか!?」
プロスペクター「私もあまり詳しくは知らされてないのですが、超鋼装機のパイロット達の部隊のうち隊長一名と隊員二名が任務中に突如の失踪、それを追って残された隊員二名も彼らの行方を追ったのですが、彼らも消失したのですよ、そして朝倉さんより前の倭のパイロットの方も不完全な倭を残して別の機体で彼らを追って、彼までもが行方知れずになりました、そして、倭も彼らを追って単独で彼らを捜索しに……」
ワッ太「ちょっとまってくれよ!単独って、そん時にこいつに乗ってたパイロットはどうなったんだよ!?悠真が見つけたときも誰もいなかったってさっき聴いたぞ!」
悠真「…いや、そもそもこいつには人が乗ってなかったんだ、こいつ自体が単独で行動してたんだ」
ナデシコクルー『?』
この場にいるほとんどのクルー達は悠真の言っていることを理解していなかったが、ホムラとウリバタケと小介、そしてプロスペクターは気づいているようだった。
そしてホムラは、倭の方を向いて大声を発した?
ホムラ「ったく、いい加減に貴様から喋ったらどうだヤマト!」
ナデシコクルー『ヤマト!?』
ナデシコクルーは困惑していた。
なぜなら『ヤマト』という人間はクルーの中にはいなかったはずだからだ。
アキト「おい!ヤマトって誰だよ!このロボットに誰か乗ってるのか!?」
そんなアキトの問に対して、ホムラは気難しそうに答える。
ホムラ「あぁ…なんと言えばいいんだろうな…乗ってるというより積んで…」
???『あああああ!もう長ったらしいな!解ったよ話しゃあいいんだろ!』
ナデシコクルー『!!!?』
ナデシコクルーは突如として倭のスピーカーから聞こえてくる声に驚く。
ホムラ「うるさいぞ、ポンコツAI!静に喋れないのか!」
???『誰がポンコツだ!俺が助けてやらなけりゃ宇宙空間に残されてたくせに!』
ナデシコクルー『…………………』
凄くシュールな光景だった。スピーカーから聞こえる声とホムラの口喧嘩はとても不思議な光景だった。
ふと、ワッ太はホムラの発言であることに気が付いた。
ワッ太「あんた今、AIって言わなかったか?じゃあ今喋ってるのって……」
ホムラ「そうだ、倭に積んである自称『超高性能AIヤマト』だ、凄く五月蝿くて耳に触る」
ヤマト『自称じゃないって言っただろ!そんなことより!そうさ!この俺こそがヤマトの機能を支えるハイパーアルティメットAIヤマト様だ!どうだ驚いたか!」
一同『………………………………………』
全員無反応だった。
そして納得した、確かにこんな馬鹿AIならGモンスターに突っ込んでもおかしくないからだ。
ホムラ「こいつはパイロットのサポートと機体の制御などの様々な役割があるんだが、肝心の中身がこれだから、消息不明の仲間を自分だけで探しに出たら、エネルギー切れで洞窟に身を隠すことになり、パイロットから操縦権を奪い、明らかに勝ち目のない敵に突っ込んだりする馬鹿だからな、まったく情けないな」
ヤマト『………すいませんでした』
ヤマトが倭を動かして土下座した。
一同『何だこの光景は…』
ホムラ「とりあえずこの話はこれで終わりだ、とっとと火星へと向かわないとまたGモンスターみたいな連中に襲われるぞ」
そう言ってホムラが格納庫を後にしようとしたときだった。
悠真「ちょっと待ってくださいよ!こいつの事もだけど、それよりもさっきの巨人については何も話さないのですか!」
悠真のその言葉で、一同は先ほどの巨人について思い出す。
小介「そうですね、倭についてはある程度の事は解りましたが、あの巨人については味方なのかも解りませんでしたからね…」
ホムラ「あの巨人なら大丈夫だ、俺達に危害を及ぼすことは無いだろう」
ホムラはめんどくさそうに答えた。
アキト「は!?何言ってんだあんた!?そんな簡単に解るわけねえだろ!真面目に考えろよ!」
ホムラ「じゃあ聞くが、貴様はあの巨人がどう見えた?俺達を殺そうとする悪魔にでも見えたのか?」
アキト「!……悪魔なわけないだろ!だってあの巨人は朝倉を助け「じゃあそれでいいだろ」え?」
ホムラ「貴様らがどう思うにしろ、巨人が朝倉を助けたことには変わりない、俺は巨人を信じる」
一同『………………』
そう言ってホムラは、格納庫から出ていった。
一同はそんなホムラに声をかけれなかったが、轟良と霊季はホムラの方を睨みつけて、何かを考えていることだった。
その後、ナデシコの艦長ユリカは地上にいる父『御統 コウイチロウ(ミスマル・コウイチロウ)』司令と連絡を取るも、どうやら、世界中に出現したGモンスターを討伐の指揮を執るため自ら前線に出ているらしく、コウイチロウが残したメッセージから、ナデシコに三人の補給パイロットが来ること聞き、月の機動近くへとナデシコは留まっていた。
ホムラは自分の部屋で、思い悩んでいた。
ホムラ(いつになったら火星へ行けるんだ、火星には奴らの手がかりがあるというのに、もし、火星の人間があれと関わると生きては帰れないだろうからな、くそ!俺の身体が完全だったら独りで奴らを潰しに火星へ!)
その時、部屋の扉が開き、轟良が入ってき。
ホムラを睨みつけながら言った。
轟良「……おい、話があるんだが、俺達の部屋へ来てくれないか」
ホムラ「こんな時間に話か………今俺はそんな気分じゃ…「ウルトラマン」!?今なんと言った!」
轟良「…その反応からしてやっぱりお前がさっきのウルトラマンか、霊季の言った通りお前がGモンスターを倒したウルトラマンなんだな」
ホムラ「…どうせ、貴様達にはすぐに感づかれると思ったが、なぜウルトラマンの名を知ってる……?」
霊季「それは、私が私を生み出した異星人から教えられたからよ」
轟良「霊季!」
いきなり現れた霊季の姿に轟良は驚く。
ホムラ「俺の了承無しに人の部屋に入ってくるとは、いい度胸だな…」
霊季「轟良一人じゃ、あなたを連れ出せないでしょうから、私直々に来たのよ、それで、あなたは本当にウルトラマンなのよね?」
ホムラ「?貴様は俺がウルトラマンだと気が付いているのではないのか?」
霊季「なんか私が教えられたウルトラマンの情報じゃ、怪獣を基本的に敵視しているってきいたからよ、私の予想じゃ、私達の正体が解ったらすぐに殺してもおかしくないと思ったからよ」
ホムラは霊季の発言を聞いて、何かを思い出す。
ホムラ「それは違う世界の宇宙のウルトラマンだな」
二人『はい?』
二人はホムラの言っていることがよく理解できなかった、そりゃそうだ、別世界の宇宙なんてわけがわからないことを言ってるのだから。
ホムラ「簡単に説明すると、貴様が言っているウルトラマンは、別世界、まあ異世界でもなんでもいい、ようするに我々が知る宇宙とは全く違う別世界の宇宙で宇宙の平和を守っている連中のことだ、俺の種族はそういうウルトラマン達とは違い、自分達の宇宙だけを守っていたからな…」
霊季「そういえば、私を地球へと連れてきた異星人は、『この地球ならば我らの物になるだろう』とか言ってたけど、私がいた宇宙はウルトラマンのいた宇宙だったのかしら…?」
ホムラ「さあ、俺に聞かれても困る、それよりも、他に用が無いならとっとと部屋から出て行ってもらおうか」
轟良「いや、まだ肝心なことを聞いてない、お前は、なんで地球に来たんだ?…自分達の宇宙だけ守っていたという言い方からして、お前のいた宇宙は…「出ていけ!」…なっ!?」
ホムラ「今すぐこの部屋から出ていけ!お前らに話すことはない!地球人だろうが、怪獣だろうが関係ない!早く出ていけ!」
ホムラから放たれる殺気に二人は、一目散に部屋を出た。
轟良「急にどうしたんだあいつ!?大声で怒鳴りやがって!」
霊季「部屋に戻りましょう轟良、彼には話せない……話したくない事情があるのよ」
轟良「……………」
たとえどんな事でも話せないことがあるのは轟良にも解る。
轟良はホムラからは殺気と共に彼の瞳から悲しみを感じていた、だから、彼は何も言わずに霊季と共に部屋へと戻っていった。
そして、ホムラはというと、右手に銀色のペンダントを持ち、ペンダントの中を開いた。
ホムラ「…父さん…母さん……フレイア…俺は馬鹿だよな、すぐに感情的になって怒鳴ったりして……」
ペンダントの中から、ライターのように炎が出現し、そこにはホムラの亡き家族である両親と妹のフレイアが映し出されていた。
ホムラ「…今度こそ二人の仇を取って、フレイアを取り戻してやるからな……!」
アキト「……………」
偶然、ホムラの部屋の前に来ていたアキトは彼の言葉を聞き、彼が亡き家族のために戦っていることにその覚悟の大きさを感じた。
アキトも、火星で両親を亡くしている、だから、家族を失う気持ちは解るのだ。
アキト(そうだ、俺達は行かなければならない火星へ!そのためにも!俺は自分ができることはやるんだ!)
それから、半日が過ぎ、補給パイロットの三人もナデシコに乗艦し、ナデシコはやっと火星へ向けて発進した。
それから、二日が過ぎた。
悠真の駆る倭は、荒れ果てた大地に立ち、目の前の蜥蜴型GMに背部にある二門の光粒子機関砲の照準を向けていた。
悠真「ヤマト機関砲を使う!目の前の敵に向かって撃つぞ!」
ヤマト『おらぁ!任せろ!全部もってけぇえええええ!!』
二つの機関砲から、ありったけの光弾がGモンスターへと放たれる。
GM「ギシャァアアアアア!?」
大量の光弾を喰らったGMは爆散する。
ヤマト『よっしゃあ!俺に任せれ「馬鹿野郎!なにやってんだ!」へっ?』
悠真「敵はまだいるんだぞ!それなのに貴重な弾を全部消費する奴があるか!」
今の攻撃で、倭が機体内で生成できる光弾の残数はほとんど無くなっていた。
ヤマト『ゲッ!?どうすりゃあいいんだよ!』
悠真「お前のせいだろ!どうしてくれるんだよまったく!」
ヤマト『こうなったらやけだ!あんな連中俺だけでぶっ倒してやるぜ!』
ヤマトは強引に悠真から操縦権を奪い、両手に刀を持ち、敵に特攻する。
悠真「おい!馬鹿!やめろ!ってうわぁぁああああああ!!?」
ホムラ『ストップ!ここまでだ!』
トレーニングルームにいるホムラの声が聞こえたとともに目の前の敵が突如消え、悠真の乗るシュミレーターの画面は真っ暗になる。
悠真「はあ……疲れた」
ホムラ「だてにパイロット目指してないな貴様は、判断力は良いぞ」
悠真はシュミレーターから出て、ホムラからタオルとスポーツドリンクを受け取る。
二人『問題は……』
ヤマト『おいホムラ!何で止めたんだよ!もう少しで倒せたのによ!』
トレーニングルームの巨大スピーカーからヤマトは怒鳴り散らかす。
ホムラ「黙れ、貴様はあの時の特攻からなにも学んでないらしいな、貴様一機が自爆するならいい、だがな、こいつが乗っていることを忘れるなよ、そのままで戦場に出たら敵のいい的だ、試しに俺のガッツウイングと戦ってみるか?貴様一機倒すぐらい、一分もいらん」
ヤマト『なんだと!俺があんたに負けるわけないだろ!』
やたら騒ぐAIだと二人は思っていた。
???「あーあ、またかよ、いつも五月蠅いな」
トレーニングルームに入ってきた三人の女性のうちの一人がヤマトの様子を見て呆れる。
ホムラ「ようお前ら、シュミレーターならちょうど空いたぞ、朝倉がこの馬鹿AIのせいでひどい戦いをするから俺が止めたんだ」
ヤマトはさらにギャアギャア騒いでいるが、五人はそれを無視する。
リョーコ「パイロットの方は安心なんだがな、倭は、それと比べてAIの方は」
ナテシコの補給要員である、三人編成のエステバリス隊の隊長でパーソナルカラーは赤の『昴 リョーコ(スバル・リョーコ)』は呆れ顔でヤマトを見る。
ヒカル「うんうん、悠真君は頑張ってるよ本当に、それはいいけどヤマト君は」
エステバリス隊の一人でパーソナルカラーはオレンジの『天野 ヒカル(アマノ・ヒカル)』はぎこちない笑顔でヤマトの方を見る。
イズミ「パイロットをサポートするはずのAIが、足を引っ張ってる……笑えない」
エステバリスの最後の一人でパーソナルカラーが水色の『真木 イズミ(マキ・イズミ)は、冷たい目でヤマトを見る。
ヤマト『ちくしょお!どいつもこいつも俺のことを馬鹿にしやがって!』
五人『だって、本当の事だから』
ヤマト『うわぁああああああ!!』
ヤマトは、泣きながら(?)スピーカーの電源を切り、倭の中へと戻っていった。
悠真「実際に、ケーブルさえ繋がっていれば、様々な機器へと移動できたりする普通ではあり得ない性能なのに、そのAIがもう少し、頭を使ってくれたら…」
リョーコ「お前の機体って、パイロットとAIのシンクロ率で引き出せる能力が変わるんだったっけ?じゃあ、下手したら今のまま戦場に出ても…」
ホムラ「初心者のパイロットが操縦する、旧式の機体にすら勝てないかもしれん、だが、シンクロ率さえ高ければ、コンバトラーなどに続く性能を発揮できるらしいから、俺達は、朝倉とヤマトが火星に行くまでの間に、一人前になれるように指導するしかない」
倭猛は、パイロットとAIのシンクロ率で発揮できる性能の高さが変わり、低ければ旧式以下、高ければスーパーロボット並みととても極端な差がある。
リョーコ「頑張ってるなホムラの兄貴は」
リョーコは、彼のパイロットとしての技量に憧れていて、敬意を表して兄貴と呼んでるらしいが、本人はあまり嬉しくないようだ。
ヒカル「そういえば、さっきウリピーが倭の武装があらかた完成したって言ってたなぁ」
悠真「やっと、できたんですか!さすがに機関砲と太刀だけじゃ、この先生き残れませんからね、安心しましたよ」
ホムラ「これで、残された問題はヤマトだけだな、それにしても、火星は今頃どうなっているんだか……」
火星の情報は、ほとんど入ってこないために、万が一のためにもこれだけの戦力がナデシコに集められたのは、この場の人間も知っていることだ。
ホムラ「火星に着いても問題ないように、今日は俺が貴様らの練習相手になってやろう、手加減無しでいくつもりだから、全力でこい!」
リョーコ「よっしゃあ!今日こそ兄貴に一泡ふかしてやるぜ!」
その後、四人はシュミレーターで一対一でホムラに挑むも、ホムラの駆るガッツウィングに惨敗した。
実は、火星に向かっているのはナデシコだけではなかった。
海賊船を模した巨大な宇宙船は『キングレパルド』は火星ナデシコと同じように火星へと向かっていた。
????「諸君、地球制の新造戦艦ナデシコも火星へ向かっているらしいが」
KL(キングレパルドの略)のブリッジにて艦長なして、宇宙海賊『ブラックレパルド』のキャプテンである謎の男『キャプテン・レパルド(K・レパルドと表記』はクルー達に、ナデシコが火星へ向かっていることを伝えた。
K・レパルド「火星には木製トカゲだけではなく、奴らもいる、火星には木製トカゲだけではなく、奴らがいる、我々がやることは解るな…?」
クルー一同『ナデシコに手を出す前に叩き潰す!』
K・レパルド『いい返事だ!では進め火星へ!我が同志達よ!」
クルー一同『了解!』
ナデシコの面々は知る由もなかった。
火星に現れたのは木製トカゲだけではないことを……。
次回あたり、かなりカオスになる予定ですのでご注意を。
次回予告は前回のもののまんまなんで貼っとくのをやめときます。
次回予告のせいで変な混乱を招きたくないので、ご了承ください。