牙王side
彼女が変身したその姿は以前ほどではないが確かな迫力があった。
全身炎に包まれていて、その炎の中から覗かせるその目は私を焼き尽くさんとばかりに睨みを利かせている。
面白い。まるで血に飢えた獣だ。
「...............」
そして何も喋らないし、動きも見せない。覇気と気迫だけを感じる。
「...どうした、動かないのならこちらから行くぞ!」
私は彼女に接近し、右手に持つ愛刀で彼女の首目掛けて斬りかかる。何の動きも見せていない彼女がこれを防ぐのはまず不可能。
ザシュ!!!
心地いい音と共に彼女の首が勢いよく跳ねた。彼女はおそらく
すると突然彼女の体が赤黒く光り出し、跳ね飛ばした首が炎となって燃え上がり私と彼女の周りが赤黒い炎で囲まれた。
「...いつか見た光景だな。」
「............」
未だに赤黒く光る彼女の体はどんどん人の形を失っていく。
「...グォォォォォォアアアアアアアア!!!!!」
人の形を失いつつある彼女が吠える。獣のように。
「......フッフッフッ、まさか
わたしもまだ覚醒していないと言うのに、全く羨ましい限りだ。
「グォォオオオオアアアアアアアアアアアア!!!!」
炎を纏った怪物は、その鋭利な炎爪と熱線で無差別に周囲を破壊していく。
どうやら制御は出来ていないらしい。ならまだまだ余裕があるな。今のうちに倒すしかないな
「【豪剣・牙】!!!」
彼女の肩らしき所へ向け刃を放つ。
「グゥゥゥゥ...ク、クラウカ...!!!」
「!!!」
私が放った一撃は彼女の燃え上がる腕に受け止められる。
…もう適応しかけているのか
「フゥゥゥゥ...ヤラレタブンハ、ヤリカエス!!!」
いつの間にか受け止めた腕から炎が燃え上がり私の紙装甲まで燃え上がっていた。
だが無駄だ。私の装甲は能力者の力を最小限にまで軽減する。いくら燃やそうと私には影響しない。
「ガァァァァァァァァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!」
「...フッフッフッ...まるで獣だな。切り刻んでやらなければ。」
私は紙装甲に燃え上がる炎を全て紙に変化させる。
「ナ...!!」
「ちょっと手荒だが行かせて貰おう。」
君が私にそこまで能力を見せてくれたんだ。私も能力で倒してやろう。
変化させた紙を無数のナイフに変化させ、彼女目掛けて放つ
「
紙で生成された無数のナイフが彼女の体を何度も貫く。
「グ、ガァァァァァアアアア!!!」
最後の抵抗なのか、彼女の体に纏わり付いていた全ての炎が彼女を中心として燃え上がった。
「ぬ、ぐぉぉぉおおおお!!!」
火力は凄まじく私の紙装甲ですら若干焦げているだろうと思うくらいの熱が伝わってきた。まずい、燃える!!!
命の危機を感じた私は、【豪剣・嵐】で空気の層を作り、何とか回避した。
彼女から数メートル離れた私は、山火事のように燃え上がる彼女の方を見る。
「...凄まじい能力だ」
改めて実感する。彼女は化ける。そう思えるほどの威圧感だ。
「ァァァァァァァァアアアアアアアアアアアア!!!!」
叫び声と共にだんだん彼女の体から炎が消えていく。おそらく限界を超えたのだろう。
そうして全ての炎が体から消えた彼女は
「...!!!」
そうか、白ひげの所の鳥のように再生能力まであるのか。火力もある上に再生までするとは、ぶっ壊れ能力だな。
「さあ、立て、まだ始まったばかりだろう、戦いは!!」
そう問いかけるも彼女から返事は無い。
「もうよせ、ルインの負けだ。」
「・・・【孤独の狩人】か・・・ずいぶん彼女に肩入れしているな。」
「ああ、そいつは俺の弟子であり、
「...友達?...フフッ、そうか
「...すんなり引くんだな。昔のお前から想像出来ないが。」
昔の頃とは
「ハッハッハ...もっと強くなって貰いたいからね。その子には。」
さて、私は帰るとしよう。次合う時はもっと
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ロキside
奴の姿が見えなくなった時、俺は慌ててルインの元へ駆け寄った。
外傷は能力で全て回復しているが、疲労感や修行で溜まった疲れが体に来ているのは間違いない。
「...よくがんばったな、ルイン。」
本当にルインはよくやった。俺の厳しい修行を文句一つ言わずにやっていたし、今回のことは流石に何か言ってくるだろうと思っていたが、何も言わずやって来た。
一回俺の宿に帰って、力の沸く料理でも振舞ってやろう。
【無限ナイフ】
生成した紙を小型のナイフに変形させ、四方八方から相手を切り裂き貫く技
【モード:イフリート】デメリット
使用するとその間理性が飛ぶ(今現在)
纏っている全ての炎を使用するとしばらく炎を使えなくなる。