『ルイン』   作:shoon K

19 / 31
次話で、あるゲームのキャラを追加しようと思います。


隼の気持ち 

――アラバスタの夜は寒い。かの極寒の地『未来国バルジモア』に劣らない寒さを誇る。

 

「...さ、寒いです。」

「そうか?私は平気だが。」

「...あなたは炎ですからね...。」

 

 

宮殿に行くのは夜にした。理由としては私が()()を使うのを町の人たちに見られたくないから。王には見られるかもしれないが。

...それにしても、夜のアラバスタはこんなにも雰囲気が変わるんだな。まるで枯れ果てた土地のようだ。

 

「まぁ、私が竜になれば大丈夫だ。私の体から発する炎で寒さも消え失せるだろう。」

「そうなんですか...だったら早くなってくださいよ。」

 

急かされたので竜化することにする。

 

「...ちょっと離れるんだぞ、【竜化】」

 

毎度のように私の体は炎に包まれ、その炎はどんどん肥大化していく

私の竜化は炎が肥大化している最中にその炎の中で竜の姿が形成されていく仕組みになっている。外から見れば多分、太陽みたいな火の塊がどんどん大きくなっていく感じだと思う。

そして完全に竜の姿を形成し終わると、私を包んでいた炎が全て私の中に吸収され、その姿を露にする。

 

「...お、おお!...凄い...」

 

ペルが感嘆を漏らすほどの姿。私自身竜の姿は気に入っているからな。褒められるのは悪くない。むしろうれしい。

 

『そうか!凄いかこの姿!!』

「ちょっと!その姿ではしゃがないでくださいよ!!なんか物凄く台無しですよ!!」

 

ちょっとテンションあがっただけでこの言われ様。薄々感じてはいたけどペルって友達とか出来ないタイプなんじゃない?私に対する反応がドライすぎる。

 

『ペルも速く鳥になれ。もしかしたら私の炎に町人が気づくかもしれん。』

「...ファルコンですよ。言い直してください。」

 

.........めんどくさいな、ペルって。

 

 

 

_________________________________

 

――今現在、宮殿に向かって飛行中、大きい私の体の下にコバンザメのようにペルが沿っている形だ。

 

「...夜に飛ぶのって初めてですよ僕。」

『...そうか、私はここに来るのに一度徹夜したが。』

「ええ!大丈夫だったんですか!!?じゃあ今その姿になってるのってキツかったりします?」

『流石動物系の能力者だな、だけど大丈夫だ。ここに下り立つ前にある島に寄り道してな。そこで一泊させてもらってるから体力にはまだ余裕がある。』

「へぇ...!!!」

 

ペルが興味ありそうに相槌を打つ。...まだ宮殿につくまで少し時間があるからな。何か話をしてやろうか。

 

『...私はな、物心ついた時には無人島にいた。...多分、親に捨てられたんだろうさ。死ぬかと思ったよ、けど幸いその無人島には果物がたくさんあったからね。なんとか生きていく事は出来た。そんな生活を続けていた時に私は海軍に拾われた。生きる意味を貰ったといっても過言ではないな。』

 

「...それって昼の作り話の続きですか?」

 

...まあ、半分本当で半分作り話だな。

 

『いや違う、本当の話さ。』

 

「そうなんですか!!?...てっきり昼の話の続きかと...」

 

『まぁ、そう思っても仕方ない。私からすれば本当に作り話のような人生だからな。』

 

「ハハハ、本当ですね。.........じゃあ僕もちょっと話しましょうか。」

 

『...ああ、聞きたいな。』

 

ペルの幼少期とかどうなんだろうな。まあ今も子供だけどな。

 

「...僕はナノハナで生まれました。さっき居た町のことです。父はレインベースでギャンブルばっかしてて、母はそんな父に嫌気が差して出て行きました。...僕を置いて。」

『...』

 

...悲しい話だな。私ならその時点で精神が狂っててもおかしくない。

 

「悪魔の実もその時に食べました。父が僕に無理矢理食わせて売り飛ばそうとしましたね。悪魔の実はそのままの状態で売ったほうが絶対高いのに。だけど僕は売り飛ばされる前に能力で逃げ切りました。はるか上空まで飛んで。」

 

『.........。』

 

「...その時から、僕は誰も信じれなくなりました。...だけど、僕は夢をあったんです。【人を守る】と言う夢が。その夢は父に売り飛ばされそうになった時、消えかけましたけどね。けど、その夢もなくなってしまえば僕は何の為に生きているのかわからなくなる。だからアラバスタ兵に入りました。見習いですけどね。...あ、能力は見せてないですよ!...異物扱いされるのが怖かったので。」

 

......強いな、心の芯が。

 

「...すいませんね。こんな暗い話をしてしまって。」

『...強いな。本当に強いよ、君は。』

「.........え」

『そんな残酷な過去があったというのに、折れることなく人を救う道を選んだ。普通なら自殺していると思う。...よくがんばったな。ペル。私が言えたものではないが、よく頑張ったな、ペル。』

「いや、止めてくださいよ...褒められるようなことじゃないですし」

 

『それは違うぞ、ペル』

「......え、」

『お前の言うそれは、誰でもできるわけじゃない。今言ったばかりだろう、普通なら自殺してるって。』

「...な、何を...」

『お前は間違いなく強い子だ。だって諦めてない、自分の夢を。今までずっと自分を曲げずに生きてきたんだ。』

 

「......」

 

 

『それなのによく感情を抑えて生きてきた。よく我慢した。...辛かっただろう。寂しかっただろう。...誰かに、甘えたかっただろう。』

 

「...う、うぅあ...ひぐっ...えぐっ...」

 

『出していいんだよ。今は誰も、君の涙を笑いやしない。』

 

「う、う、うぅぅぅぁぁぁ......うぁああああああああああ!!!!!」

 

 

 

泣かせといてやろう。溜まった思いは一度出しておかなければいつか溜め込みすぎて壊れてしまう。

お前のその涙は、誇るべきものなんだ。

 

 

 

_______________________________

 

 

ペルside

 

小さい頃の話をするのは、一瞬戸惑った。同情されるのが怖かったからだ。

だけど、話すことにした。この人は決してそんな事はしないと思ったからだ。理由は無い。ただそう思った。

 

話していくたびに母の真っ赤な顔。父のゴミを見るような目を思い出した。もう一生記憶から消えてくれないであろう地獄がフラッシュバックした。

...それでも言い切った。人に自分の過去のことを言うなんて初めてだし、言うのなら全て言い切ってやろうって思った。

 

......何故かすっきりした。本当は口にも出したくない過去なのに、何故だろうか。

だけど同時に後悔もした。同情されるかもと思った。さっきは彼女がそんなのするわけないと思って話したのに。後から思ってしまった。

けど、彼女は予想外な言葉を言った。「強いな」、「よく頑張った」と。

その言葉を聞いたとき、心がズキッとした。なんでかな。...そういえば、と僕は褒められたことが無いのを思い出した。

それを話すと、彼女は僕を褒めだしたんだ。褒められる度に心に深く巻きついていた何かが解けていくような気がした。

 

―邪魔なのよアンタ!!!

―お前の面を見せるなァ!!!次見せたらぶっ殺すぞ!!!!

 

――あたしはもう出て行く。――アイツを思い出しちまう...お前の顔を見るとよォ!!!!

 

―食え!!!さっさと食って飲み込めクソガキ!!!

 

―逃げんなァ!!!お前は金になるんだよォ!!!!

 

 

...駄目だ、

 

『よく夢を持って生きてきたな』

 

『よく感情を抑えて生きてきた。よく我慢した。』

 

『つらかっただろう、寂しかっただろう。』

 

...駄目だ...!!

 

『...誰かに、甘えたかっただろう』

 

この人は、僕が一番欲しかった言葉をくれたんだ

 

『出していいんだよ。今は誰も、君の涙を笑いやしない。』

 

 

 

______________________________

 

 

 

 

 

 

 

 

ペルが泣き終わる頃には宮殿の目の前に居た。下りる準備をしなければ。

 

『ペル、もう大丈夫か。解除するぞ。』

 

「.........グスッ...」

 

彼は鼻水をたらしながら首を縦に振る。

 

『【解除】.........ふぅ、やっぱり慣れんな、あの姿は」

「...僕はなる時違和感なんて感じないし、体力も消費しないんですが。」

「え、普通はそうなの!?」

「僕の場合はそうなんですが...」

 

...私の実はちょっと特殊なのか?

 

「いや、どうでしょうね...僕はわかんないですね...」

 

「そうか...って、ん?」

 

ちょっとまって、今私()()()()()()()

 

「...どうしたんですか。」

「ペル、今私、言ってないよな。私の実が特殊って。」

 

「......確かに、何でわかったんだろう。」

 

「...!!!」

 

見聞色の片鱗が見え始めていた。何故かわからないが

 

「...まぁ、そんなことより早く王の所へ行きましょう。」

 

「あ、ああ。」

 

この子は絶対将来有望な海兵になるな。絶対にお持ち帰りさせてもらおう。

 

 

_______________________________

 

コブラside

 

...ま...うさま......

 

...何だろうか、声が聞こえる。聞いたことの無い声だ...いったい誰の声だ...?

 

「...コブラ王様」

「は、はい!!!」

 

耳元にささやかれた甘い声に耐えられず飛び起きてしまう。その声の主の方に視線を向ける。

 

「...!!」

 

美しい顔立ち、真っ赤に染まった髪、目立つ一本のアホ毛...ん、どこかで見たことがあるような...無いような...。だが美しい...!!思わず未来の妻が起こしてくれたのかとも思ってしまったぞ!

 

「...す、すまんが君、名前は...?」

 

「あらら、私の名前ですか?私の名前は...」

 

そこまで言うとその女性は一度顔を伏せ、もう一度顔を上げた

...私を睨んで。

 

「...あなたが世界会議の護衛をしろといって呼び出し、その裏で暗殺しようとした、『ルイン』ですよ」

 

ルイン......あ゛あ゛!!!

 

「あ...あ...」

 

ヤバい!!!死ぬ!!!!死ぬ!!!!!

...早かったなぁ...私の人生。せめて童貞卒業したかったなぁ...。王なのにまだ誰も抱いてないし、○○○してないし、そもそも王なのに王女いないし!!全く!!最悪な人生だったよ!!!!

 

「あ、あの...王様?私心の声聞こえるんでそう言った発言はちょっと...」

 

「...え、聞こえてるって?」

 

『ルイン』は少し顔を赤めらせ

 

「○、○○○とか////...その「あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!やめろぉぉぉぉぉおおおおおおあああああああああああ!!!!!

 

嘘だろ!!?本当に聞こえているのか!!!恥ずかしいんですけど!!!というか終わった。私、最後にこんな辱めを受けて死ぬのか...!!!

私が恥ずかしさで悶えていると後ろから肩を掴まれた。

...そして感じる殺気。

私はおそるおそる後ろを振り向く。

 

「女性に()()()()()言葉を言わせるとは...あなたは後でしっかりとお仕置きをしなければならないようですね?コブラ王」

 

鬼の形相のイガラムに向かい、プライドもクソも無い見事な土下座を敢行した。

 

 

__________________________________

 

 

 

 

 

 

ルインside

 

宮殿を訪ねた所、見回りの兵に何者かといわれたので身分証明書を見せたら手のひら返しのようにペコペコして私を通してくれた。宮殿前の超長い階段をペルと上っていた最中にイガラムと合流し、そのまま王室までやってきたのだが、王が爆睡していたのでイガラムに許可を貰い、耳元でコブラ王様と甘い声で起こそうとしたわけだ。その間後ろに控えていたペルとイガラムは顔を紅くしていたな。

 

...全く、コブラはこんなにデリカシーが無いとは...まあ心の声を読んだ私も私だが。

 

「本当に王様は!!!毎日毎日このイガラムが世話してあげているというのに!!!」

「すいませんすいません!!だって、美少女が甘い声で起こしてくれたんだぞ!!!下心が出てしまってもしょうがないじゃないか!!」

 

うわっ、最低だこの人。欲望丸出しだ!

 

「...なら明日から甘い声で起こしてあげましょうか?」

「すいません私が悪かったのでそれだけは止めてくださいお願いします本当に止めてくださいお願いします」

 

まるでお経を読むみたいに謝罪を言い始めたコブラ王。王がこんなのでよく国が纏まってるな。

 

「...ペル、君は今まであんなのに仕えていたんだぞ。」

「............確かに、僕は海軍に行ったほうがいいのかもしれません」

 

呆れた表情のペル。

 

「......で、『ルイン』...私をどうする気だ。」

「別に、どうもしないが。」

「「え!?」」

 

だってこんな(おっさん)消した所でどうにかなるわけでもないし。そもそも革命軍とはお友達だからね。

 

「で、では...なんのためにこの国に...?」

「いや何の為にって、王が私を呼んだのだろう?世界会議で護衛してくれって。」

「そ、それはそうだが...私は一度君を殺そうとしたんだぞ!」

 

「それはもう過去の話。私は過去のことなんて気にしない。実際こっちに何の被害もなかったからね。」

 

「...ああ、なんて大きな心を持った方だ。」

 

「ああ、ただ一つ、このペルって子を私達海軍にくれないか?」

 

そう聞くと二人は驚いた。ペルは立場上そんなにココから離れても痛くない子だと思うが。

そしてその言葉を聞いたコブラの雰囲気が変わったのを感じ取れた。

 

「...それは、その子の意思を尊重しているのか。」

「!」

 

...確かに、私はペルを無理矢理ここに連れて来た。...コブラの言っている事は正しい。私は彼の意思を尊重していなかった。ペルをここに連れて来たのは完全に私のわがままだ。

そう思うと今更罪悪感が沸きだした。その罪悪感は顔に表れるほど大きくなっていく。

 

「...なら無理だ。ペルにはアラバスタに「ちょっと待ってください!!!」...!!」

 

 

「確かに僕は、ここに無理矢理連れてこられました。僕の意見も聞かずに無理矢理!!......でも、今日僕は救われたんです!...『孤独』という絶望から、悪夢から!!...人に言うのが怖くて、ずっと抱えてた過去を、この人は、ルインさんは受け入れてくれました!!「今までよくがんばった」と...!!その言葉に僕は救われたんです...!!!!......だから国王様、どうか、どうか僕に、海軍に入る許可をください!!」

 

...まさかペルが自分から入りたいというとは...!!!

 

「...海軍に入って何がしたい。ペル。」

 

「...ルインさんの部下になりたいです!!!」

「「はい?(え?)」」

「僕はルインさんに救われました。だから、ルインさんに恩返しをしたい!!そして、親のように接してくれたルインさんを......僕が死ぬその時までずっと守りたい!!!」

 

「「「......」」」

 

周りの空気が時が止まったかのように静まる。これって、遠回しに私に告白してるような物なんだが。こんなに懐かれるとは思わなかった。

 

「......ま、まぁ、君の意思が固いことはわかった。...だけどね、ペル君、()の発言はよろしくないな。」

「...え?」

 

何の事かさっぱりのペルに、イガラムが釘を刺すように言った。

 

「ペル...君今遠回しにルインさんに告白したんだぞ。」

「え、告白?............!!!」

 

自分の言った言葉の重大性にやっと気づいたペルはその白い顔をどんどん赤くしていく。

 

「う、う、うわぁぁぁぁあああああああああ!!!!!!

 

ペルは顔を真っ赤にして王室を飛び出していった。

 

 

 

 

 

 




○○○は○○○です。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。