『ルイン』   作:shoon K

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わかる方は冒頭でわかるかもしれません。このキャラクターが。
※この物語は本編第十七話『色白少年』と同時刻に起こった出来事です。


平行線ストーリー♯1『壊れた男』

 

 

???side

 

「......。なんだここ。」

 

オレは死んだ。何回かな。何回も......。

 

「...住宅街か...」

 

死ぬたびに、体が体じゃなくなった。刻まれて、抉られて。

縫いつけられて、組み込まれて。

 

化け物だ。

―――食べるものすら、人と違うんだぜ。

 

「なんできたんだっけ......忘れたな......」

 

実験か、何かだった気がする。

わけのわからない装置に叩き込まれて、

わけのわからないことを説明されて。

 

目の前が光ったと思ったら、何もかも変わっていた。

 

「まぁ、いいか......これで終われる......ようやく......。」

 

生きる理由なんてなかった。

定期メンテナンスのせいで、

生き延びていただけ。

 

目を閉じた。意識を沈めた。

この世界に溺れるようにして

どうにか死んでやろうと思って――

 

 

_______________________

 

ロキside

 

アイツがアラバスタに行ってから三日か。

自分でも驚いている。今、こんなにも寂しいと思っている事が。

それもそうか、まともな人間関係を俺はもっちゃいなかったんだ。だから仕方ないか。

 

「......ハァ...。」

 

寂しさを紛らわす為に外に買い物に出たが、それでも消えない。やっぱり駄目だ。

 

「...俺はいつからこんな風になったのだろう。」

 

.........わかっている。あいつが来てからだってことは。

人って、こんなに弱いんだなと再確認させられたよ。

 

「......?何だあれ。」

 

ふと、路地裏の方に視線を向けた。そこに黒いコートを着た大柄の男が倒れていた。

――見たことが無いな。初めて見る服。白い髪。...何より、それが発する()()が人の()()ではなかった。

 

俺はその男に近づく。気になったからだ。敵対すると言うのならその場で叩き潰せば問題ない。

 

 

________________________

 

???side

 

「...大丈夫か?」

 

落ちかけた意識が、その一言で覚醒した。...邪魔をしないで欲しい。

オレはその声の主に向かい言ってやった。

 

「...いや、いいから。放っておいてくれて、全然......。」

 

その男は一瞬嫌そうな顔をしたが、

 

「放っておくわけにはいかないんだよ。海兵として。」

 

...海兵?...なんだそれ。

...いや、今から死ぬオレが知っても意味なんて無いな。

 

「あっそう......。」

 

立ち去ろうとした。

別に死ねればどこでもよかった。

するとそいつはオレの肩を掴んだ。

 

「どこに行くつもりだ。」

 

「どこだっていいだろ......。」

 

「そう言うわけにも行かない。ここら一体は海軍が厳戒態勢で警備をしているからな。夜にブラブラしてたら留置所に放り込まれるぞ。」

 

「...行く場所は決まってるから。だから関わらないでくれ..」

 

決まってる。ただ死ねればそれでいい。

 

「...地獄にでもいくつもりか。」

 

―――そこで俺は気づいた。この男は俺の大半を見透かしていることに。

 

「...アンタには関係ない...。」

 

「そうだな。」

 

脅したつもりだったが、

綺麗に流された。

殴ってやろうかと、踏み出せば――。

 

「こっちに来い。」

 

そう言われ、路地裏から引っ張り出された。

突然の事で思わずされるがままになる。

 

―引っ張られて着いたのは、公園のような場所。

 

「...見てみろ、ここからの景色を」

「......何だお前。」

 

「何の罪も犯してないのに死にたいって奴の邪魔をする男さ。」

 

「...なんでだよ......」

 

「...もったいないじゃないか。俺みたいな男にも綺麗だと思えるこの景色を、見ないまま死んじまうなんて。」

 

俺の目に見えたその男の顔は、どこか寂しそうであり、嬉しそうでもあった。

 

「ほら、見てみろよ。」

 

促されるままに、首を回した。

 

――綺麗だった。

白を貴重とした町並みに人々の笑う顔。まるで平和の文字がそっくりそのまま、映し出されたような景色。

 

「...一人になったら必ずここに来ている。ここから見える景色は、俺の冷え切った心を暖めてくれる唯一の場所だ。」

 

「......。」

 

「俺はロナルド.D.ロキ。お前は?」

 

「......ニコラ・アデル。」

 

「...今からちょうど家に帰るとこなんだよ。俺、弟子に料理の腕は一流って言われてるからさ。...なんか作ってやろう。」

 

「...いらない。」

 

「何?俺が作った料理は食えないって言うのか!?」

 

「人が作ったものは食えないし、人の飲むものは飲めない。」

 

「じゃあ、何を食うんだ。」

 

俺は驚かせてやろうと思って、言った。

 

「―――鉱石」

 

「...分かった。ちょっと上層部(うえ)に頼んで用意してもらうよ。」

 

「...お前、変だな。」

 

「お前が言うのか、それ。」

 

「ふっ。」

 

笑った。

笑ってみて――

そういえばと気づいた。

 

―――あぁ。

 

笑うのなんて、久しぶりだな―――。

 

 

 

 

 

 

__________________________________

 

 

 

 

センゴクside

 

私が書類作業をしていた時、一本の電話がかかってきた。

 

「おっかっき~!!!!」

<あられ。ロキだ。>

 

「なぬっ!!!ロキ中将!!!?」

 

<そんなにおかしいか。>

 

意外すぎる、ロキが電話かけてくるなんて。【悪政王】の時でさえ、コング元帥に電話をかけてこなかったというのに。

 

「...何が目的だ......!!!」

<いやなんで悪者の対応になってるんだ。>

<...ふっ...。>

 

電話越しから、ロキ以外の声が聞こえた。

 

「そこに誰かいるのか。」

<ああ、ニコラって言う奴なんだけど、コイツの飯を用意してやって欲しい。>

 

「飯!!?そんなもの自分で作れば良いではないか!!!」

 

<いや、ニコラは鉱石を食うらしい。>

 

「...はい?」

 

<いやだから、鉱石。>

 

「鉱石?......悪魔の実の能力者か?...まあ、とりあえず連れて来てもらおうか。」

 

<わかった。すぐ行く>

 

そう言って彼は電話を切った。

なんだろうか、もう嫌な予感しかしない。

 

 

___________________________

 

ガツガツムシャムシャバキッ!!!

 

「「.........。」」

 

私達は今、とんでもなく恐ろしい光景を目にしている。

彼が連れてきたニコラという男が、鉱石をバクバク食っているのだ。

 

「...で、君は何者なんだ...。」

 

「バリボリ...ニコラ・アデル...うまいな......この鉱石...」

 

鉱石に味なんてあるの!!?と思ったが、うまいらしい。レアメタル(その石)は。

 

「君は悪魔の実の能力者か?」

「......なんだそれ。」

 

悪魔の実のことを知らない...?

 

「...ロキから聞いたと思うけど、オレは果実は食えない。」

「じゃあ、君は一体...?」

 

鉱石を食って悪魔のみの能力者でないのなら、正直人間なのかも怪しいぞ

 

「...機械だよ...」

「「機械!!?」」

 

私達は目を見張る。こうやって普通に接する事の出来る男が機械なはずが無い。ペガパンクですら未だに『人間兵器』を作れていないんだぞ...!!

 

「最初は人間だったさ...でも、死ぬたびに人間じゃなくなった。『化け物』になったんだ。」

 

死ぬ!!?『化け物』!!!?...意味がわからないな。現に彼は生きてる。

 

「...まあ、驚いて当然だけど。」

 

「...君の事は概ね理解した。だが、一つ聞いていいか。」

 

「......何。」

 

「なぜ君はロキに接そうと思ったんだ。彼はウチの中では孤立している方だぞ。」

「...なんだと大将!!!今の俺には立派な弟子がいるんだぞ!!!」

「彼女は今、いないではないか。」

「ッ!!!......そうだが、」

 

 

「...そいつの方から話しかけてきたぞ。オレはただ倒れてただけだ。」

 

「何ッ!!!ロ、ロキの方から、だと...!!!」

 

「うるせぇな!!なんか文句あるかよ!!!...俺だって寂しいんだよ!!!...一人は...。」

 

「「...!!」」

 

初めてロキが弱音を吐いた。あのロキが。

 

「......そうか、わかった。じゃあニコラ君。一つ提案があるんだが。」

 

「......何、海軍に入れって?」

 

「全く持ってその通りだ。なぜわかった。」

 

「いや、だいたいこの流れからして、わかるでしょ。ま、いいけど。」

「!!」

「本当か!!!」

 

「まぁ......ここの鉱石うまいし、行く当ても無いし...死のうとしたらロキに止められるし...。」

 

...彼の強さはわからないが、兵が増えることは悪い事ではない。

だが、ロキに目を付けられるほどだ。強い事には間違いない筈だ。

 

「...書類審査はこちらで通しておく。身体検査だけ出てくれ。」

「......学校みたいな事、するんだな...。」

「まぁ、学校ほど緩くは無いが。ロキ、案内してやれ。」

 

「...!!はい!...ほら、こっちだニコラ!!」

 

「......ああ、わかった。」

 

彼らは良き仲間になりそうだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




知らない方のために

ニコラ・アデルはサイゲームス様の作品『Shadowverse』に出てくるキャラクターです。
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