※この物語は本編第十七話『色白少年』と同時刻に起こった出来事です。
???side
「......。なんだここ。」
オレは死んだ。何回かな。何回も......。
「...住宅街か...」
死ぬたびに、体が体じゃなくなった。刻まれて、抉られて。
縫いつけられて、組み込まれて。
化け物だ。
―――食べるものすら、人と違うんだぜ。
「なんできたんだっけ......忘れたな......」
実験か、何かだった気がする。
わけのわからない装置に叩き込まれて、
わけのわからないことを説明されて。
目の前が光ったと思ったら、何もかも変わっていた。
「まぁ、いいか......これで終われる......ようやく......。」
生きる理由なんてなかった。
定期メンテナンスのせいで、
生き延びていただけ。
目を閉じた。意識を沈めた。
この世界に溺れるようにして
どうにか死んでやろうと思って――
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ロキside
アイツがアラバスタに行ってから三日か。
自分でも驚いている。今、こんなにも寂しいと思っている事が。
それもそうか、まともな人間関係を俺はもっちゃいなかったんだ。だから仕方ないか。
「......ハァ...。」
寂しさを紛らわす為に外に買い物に出たが、それでも消えない。やっぱり駄目だ。
「...俺はいつからこんな風になったのだろう。」
.........わかっている。あいつが来てからだってことは。
人って、こんなに弱いんだなと再確認させられたよ。
「......?何だあれ。」
ふと、路地裏の方に視線を向けた。そこに黒いコートを着た大柄の男が倒れていた。
――見たことが無いな。初めて見る服。白い髪。...何より、それが発する
俺はその男に近づく。気になったからだ。敵対すると言うのならその場で叩き潰せば問題ない。
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???side
「...大丈夫か?」
落ちかけた意識が、その一言で覚醒した。...邪魔をしないで欲しい。
オレはその声の主に向かい言ってやった。
「...いや、いいから。放っておいてくれて、全然......。」
その男は一瞬嫌そうな顔をしたが、
「放っておくわけにはいかないんだよ。海兵として。」
...海兵?...なんだそれ。
...いや、今から死ぬオレが知っても意味なんて無いな。
「あっそう......。」
立ち去ろうとした。
別に死ねればどこでもよかった。
するとそいつはオレの肩を掴んだ。
「どこに行くつもりだ。」
「どこだっていいだろ......。」
「そう言うわけにも行かない。ここら一体は海軍が厳戒態勢で警備をしているからな。夜にブラブラしてたら留置所に放り込まれるぞ。」
「...行く場所は決まってるから。だから関わらないでくれ..」
決まってる。ただ死ねればそれでいい。
「...地獄にでもいくつもりか。」
―――そこで俺は気づいた。この男は俺の大半を見透かしていることに。
「...アンタには関係ない...。」
「そうだな。」
脅したつもりだったが、
綺麗に流された。
殴ってやろうかと、踏み出せば――。
「こっちに来い。」
そう言われ、路地裏から引っ張り出された。
突然の事で思わずされるがままになる。
―引っ張られて着いたのは、公園のような場所。
「...見てみろ、ここからの景色を」
「......何だお前。」
「何の罪も犯してないのに死にたいって奴の邪魔をする男さ。」
「...なんでだよ......」
「...もったいないじゃないか。俺みたいな男にも綺麗だと思えるこの景色を、見ないまま死んじまうなんて。」
俺の目に見えたその男の顔は、どこか寂しそうであり、嬉しそうでもあった。
「ほら、見てみろよ。」
促されるままに、首を回した。
――綺麗だった。
白を貴重とした町並みに人々の笑う顔。まるで平和の文字がそっくりそのまま、映し出されたような景色。
「...一人になったら必ずここに来ている。ここから見える景色は、俺の冷え切った心を暖めてくれる唯一の場所だ。」
「......。」
「俺はロナルド.D.ロキ。お前は?」
「......ニコラ・アデル。」
「...今からちょうど家に帰るとこなんだよ。俺、弟子に料理の腕は一流って言われてるからさ。...なんか作ってやろう。」
「...いらない。」
「何?俺が作った料理は食えないって言うのか!?」
「人が作ったものは食えないし、人の飲むものは飲めない。」
「じゃあ、何を食うんだ。」
俺は驚かせてやろうと思って、言った。
「―――鉱石」
「...分かった。ちょっと
「...お前、変だな。」
「お前が言うのか、それ。」
「ふっ。」
笑った。
笑ってみて――
そういえばと気づいた。
―――あぁ。
笑うのなんて、久しぶりだな―――。
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センゴクside
私が書類作業をしていた時、一本の電話がかかってきた。
「おっかっき~!!!!」
<あられ。ロキだ。>
「なぬっ!!!ロキ中将!!!?」
<そんなにおかしいか。>
意外すぎる、ロキが電話かけてくるなんて。【悪政王】の時でさえ、コング元帥に電話をかけてこなかったというのに。
「...何が目的だ......!!!」
<いやなんで悪者の対応になってるんだ。>
<...ふっ...。>
電話越しから、ロキ以外の声が聞こえた。
「そこに誰かいるのか。」
<ああ、ニコラって言う奴なんだけど、コイツの飯を用意してやって欲しい。>
「飯!!?そんなもの自分で作れば良いではないか!!!」
<いや、ニコラは鉱石を食うらしい。>
「...はい?」
<いやだから、鉱石。>
「鉱石?......悪魔の実の能力者か?...まあ、とりあえず連れて来てもらおうか。」
<わかった。すぐ行く>
そう言って彼は電話を切った。
なんだろうか、もう嫌な予感しかしない。
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ガツガツムシャムシャバキッ!!!
「「.........。」」
私達は今、とんでもなく恐ろしい光景を目にしている。
彼が連れてきたニコラという男が、鉱石をバクバク食っているのだ。
「...で、君は何者なんだ...。」
「バリボリ...ニコラ・アデル...うまいな......この鉱石...」
鉱石に味なんてあるの!!?と思ったが、うまいらしい。
「君は悪魔の実の能力者か?」
「......なんだそれ。」
悪魔の実のことを知らない...?
「...ロキから聞いたと思うけど、オレは果実は食えない。」
「じゃあ、君は一体...?」
鉱石を食って悪魔のみの能力者でないのなら、正直人間なのかも怪しいぞ
「...機械だよ...」
「「機械!!?」」
私達は目を見張る。こうやって普通に接する事の出来る男が機械なはずが無い。ペガパンクですら未だに『人間兵器』を作れていないんだぞ...!!
「最初は人間だったさ...でも、死ぬたびに人間じゃなくなった。『化け物』になったんだ。」
死ぬ!!?『化け物』!!!?...意味がわからないな。現に彼は生きてる。
「...まあ、驚いて当然だけど。」
「...君の事は概ね理解した。だが、一つ聞いていいか。」
「......何。」
「なぜ君はロキに接そうと思ったんだ。彼はウチの中では孤立している方だぞ。」
「...なんだと大将!!!今の俺には立派な弟子がいるんだぞ!!!」
「彼女は今、いないではないか。」
「ッ!!!......そうだが、」
「...そいつの方から話しかけてきたぞ。オレはただ倒れてただけだ。」
「何ッ!!!ロ、ロキの方から、だと...!!!」
「うるせぇな!!なんか文句あるかよ!!!...俺だって寂しいんだよ!!!...一人は...。」
「「...!!」」
初めてロキが弱音を吐いた。あのロキが。
「......そうか、わかった。じゃあニコラ君。一つ提案があるんだが。」
「......何、海軍に入れって?」
「全く持ってその通りだ。なぜわかった。」
「いや、だいたいこの流れからして、わかるでしょ。ま、いいけど。」
「!!」
「本当か!!!」
「まぁ......ここの鉱石うまいし、行く当ても無いし...死のうとしたらロキに止められるし...。」
...彼の強さはわからないが、兵が増えることは悪い事ではない。
だが、ロキに目を付けられるほどだ。強い事には間違いない筈だ。
「...書類審査はこちらで通しておく。身体検査だけ出てくれ。」
「......学校みたいな事、するんだな...。」
「まぁ、学校ほど緩くは無いが。ロキ、案内してやれ。」
「...!!はい!...ほら、こっちだニコラ!!」
「......ああ、わかった。」
彼らは良き仲間になりそうだ。
知らない方のために
ニコラ・アデルはサイゲームス様の作品『Shadowverse』に出てくるキャラクターです。