けど、内容に支障はござあせんので。
ペルside
「...じゃあ、行きますよ!!」
獣人状態の僕は背中に翼が生えている。その翼を最大限活用する為、空高く飛翔する。
「...おお、」
ニコラは飛翔した僕を珍しいものを観るかのように見ている。
――今に見てろ、これを喰らったらそんな顔できなくなるからな!!
空高くに飛んでいる僕は、ニコラに向かって落ちるようにして向かっていく。
その時にかかる重力の影響で上がっていくスピードを推進力に変える、
―速度は、最大の武器だ。
「...喰らえッ!!!【
ニコラの体を能力で変形させた爪で捕らえる。秒速500メートルの速度で放たれる一撃で無事にいられるはずが無い。
ザシュっといった心地いい音が辺りに響く。
「......成る程な。スピードを武器にしているのか。」
「!!」
今の手ごたえ的に喋る余裕がないほど深くやったと思ったが...
「...今度は、オレの番だな。」
声が聞こえたときには、もう彼の姿を認識する事が出来なかった。
―どこだ、どこに消えた。
「がっ...!!!」
脇腹辺りに強い衝撃が伝わる。まるで、
あまりの痛みに変身が解け、ガクリとその場に倒れこむ。
「...脆いな。そんで小さい。」
「.........ち、小さいですか、脆いですか...」
「!...
...ここで倒れたら、もう追いつけない。
「これくらいの攻撃で倒れてたら、ルインさんを守れやしない...!!!」
「!!...
あいかわらずニコラが何を言っているのかがよくわからないが、こんな所で倒れる僕ではない。
――ルインさんを守ると誓ったんだ。強くなるのさ、守り抜く為に。
そう思うと、何だか痛みが消えていくような気がした。
そして、力が込み上げてくる。
「...もう、脆いなんて言わせないですよ...!!!」
「
再び変身をする。その時、いつもとは違う何かを感じた。
何だろうか、前よりも強くなったような感覚だ。
「そこまでだ、ニコラ、ペル君。」
睨み合う僕たちの間に、ロキさんが割り込んだ。
「...ロキさん、邪魔しないでくださいよ。ここからだってのに。」
「いや、ここ船の上だからな。無闇に暴れて壊されでもしたら弁償しなきゃいけなくなるだろうが。...んで、ニコラ。」
「...何。」
「ペル君は覚醒しているんだな。」
...覚醒?何の話だ?
「ああ、今その覚醒とやらをしたみたいだ。」
「何ィ!!?なぜ今!!?」
「オレが覚醒させた。」
そう言ったニコラに対し、驚きの表情を隠せないでいるロキさんは、
「...ぺ、ペル君?もしかして、ニコラから受けた傷が、直ってたりする?」
と、恐る恐る聞いてきた。
僕は脇腹に手を当てると
「パンチか何かを食らったと思うんですけど、もう痛くないですね。」
「...マジか。」
「マジです。」
「...ニコラ、お前は海軍校の教師になればいいよ。推薦してやる。」
「...止めとくよ、めんどくさいし。」
こうして模擬戦は中途半端に終わった。
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ルインside
師匠が外が騒がしいからと言ってこの部屋から出て行ったので、マリージョアのガイドブックみたいなものを読んでいた。
この本は王族のみに支給されるらしく、コブラの許可を貰って特別に読ませてもらっていた。
この本によると、私達は“
「...ボンドラって何だろう。」
「ああ、シャボン玉で飛ぶリフトだな。」
「そうなんだ...って、うわっ!!!師匠!!?いつの間に!!」
「お前がボンドラのページを読んでいた辺りからだ。」
...それって、結構前からじゃないか。
「それより、だ。お前が連れてきたペル君が能力に覚醒してるぞ。」
「ええ!?」
「ニコラいわく、覚醒
「そんなことが可能なのか。」
「何らかの形で悪魔の実の覚醒条件を満たしたんだろうな。ちなみにまだその覚醒条件ってのは解明されてないぞ。」
「...へぇ。」
覚醒、か。私もいつの間にかしてたみたいだけど、予兆なんてなかったもんなぁ。
「...入るぞ。」
「失礼します!」
ちょうどのタイミングで彼等が入ってきた。
「聞いたよペル!!覚醒したんだってね、おめでとう!」
「は、はい!ルインさん!!」
「...ふわぁ。」
「ニコラもありがとう!ペルを覚醒させてくれて。」
「...お前の元に就きたいって言ってるんだ。これくらいしとかなきゃお前の護衛なんて一生出来ないと思うからな。」
本当、ニコラには感謝しなきゃあな。
訓練させる手間が省けるもんだ。
「...ところで、ずっと気になっていたんですが、覚醒って何ですかね。」
「ああ、覚醒って言うのはね、悪魔の実の力の延長線みたいなものさ。私とペルみたいな動物系は生存本能が強くなって、より野生の力を引き出せるようになる。師匠みたいな超人系は自分の周りのものに影響を与え始める。自然系はまだ確認されてないね。」
「へぇ...勉強になりますね。っていうか、ロキさん能力者だったんですか。」
「まぁな、ピタピタの実の溶接人間ってとこだ。」
「そうなんですね、じゃあニコラも?」
「...いや、オレはただの海兵さ。」
「...うう、ただの海兵に傷一つ付けられない僕って一体......」
...彼には見聞色が通じない。私はその時点で只者じゃないと踏んでいるが。
ドゴォォォン!!!
!
「「「「!!!」」」」
突如、爆破音が聞こえた。その爆破音と同時に、アナウンスが響き渡る。
〈
...突如?
「ハァ、ハァ、る、ルイン君!!」
「コブラ王!?大丈夫ですか!!?」
外から入ってきたコブラ王は肩から大量の血を流していた。
「ああ、私は大丈夫だ...だが前線で応戦している海兵達が押されている。今すぐ向かってくれ!!」
「わかりました。行こう!!師匠、ペル、ニコラ!」
どこの馬の骨か知らないが、この船に襲い掛かってきた事、後悔させてやろう!!
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???side
「クソ、コイツ強いぞ!!」
俺様の周りには俺様の武器『サイクロプスハンマー』の餌食になった雑魚共が転がっている。
全く、近頃の海兵は脆いと言うものよ。
数だけで俺様に勝てると思っているのか?
「この護衛船には王族が乗ってるんだろう?さっさとこっちによこせ!!そうすればお前の命は助けてやろう。」
「そんなことするわけないだろう!?我々はアラバスタの王コブラ様を無事護衛する事が任務だからな!!」
「チッ...口だけの雑魚に用はねェんだよ!!」
俺様の自慢のハンマーが歯向かう雑魚の頭を捉える。
このハンマーは俺様にしか扱えない代物。俺様の
...しっかし、確実に頭を捕らえたはずだが、違和感があるな。
「そこまでだ。懸賞金5200万ベリー“悪鬼”マッシュ。」
「あぁん!!?誰だ!!!俺様を呼び捨てする雑魚は!!!」
俺様を呼び捨てする奴は許さん!!叩き潰してやる!!!
「誰だか知らねェが潰れろ!!」
俺様を呼び捨てしたソイツにハンマーを叩きつける。その衝撃で護衛船の甲板に亀裂が入る。
だが俺様は、この事を後悔することになる。
「お前みたいな
バカなッ!!!今確かに叩き潰したはず!!
「!!!...貴様は...“孤独の狩人”...ロキ...!!!」
バカな!!!何故護衛船に奴が乗っている!!?
「グェ...!!!」
首元をつかまれる
「...俺を...その通り名で呼ぶんじゃねェ!!!【
瞬間、俺様の視界が真っ暗になる
(き、貴様!!何を......)
...気づいてしまった。俺様が、喋れない事に。
俺様が...
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ルインside
「...なんなんだ師匠、この銅像は。」
私達が駆けつけたときには、逃げ惑う海賊達の姿だけだった。そして師匠の目の前に、彫刻家が彫ったかのような立派な像が置かれていた。
「...コイツが今回の襲撃の犯人だ。“悪鬼”の名で通ったクソ雑魚だ。」
「いやいやいや、なんでその犯人がこんな立派なアート作品になってるのって聞いてるの。」
「...察せ。」
「「え?」」
「そんなことより残りの海賊達を潰してこい。俺は今、気分が悪い。」
師匠はそう言うと船室の方へ歩き出して行ってしまった。
「あ...あ...!!!」
ペルが恐怖に染まった声色で声を上げる。気づいてしまったのか。
「...これからはどんな事があっても師匠を怒らせては駄目だ。
「は...はい...き、肝に銘じておきます...!!!」
「...あいつも、
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二コラside
海賊船はルインが燃やしに行った。残されたオレ達は残党を狩る事に専念する。
「...おそいな。」
「グぎゃァァア!!」
オレの掌低は物理的な意味で貫通するからな。
せめて相手が苦しまないように、と心臓部分を貫いて殺してる。
「...に、ニコラ、その殺し方は、ちょっと......。」
「....こうする事で相手は苦しまずにあの世にいけるだろう?」
「サイコパスですか?」
「...サイコパス?なんだそれ。」
「あ、いいです。気にしなくていいんですよ。」
と言った後、明らかなため息を吐いた。
―何がしたかったんだ?
「...あそこに固まってる連中は、僕にやらせてください。」
ペルが指差した方向には刀を持った海賊が5,6人ほどいた。
あれくらいなら大丈夫だろう。
「...ああ、いいぞ。」
「わかりました。じゃあ、行ってきますね。」
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ペルside
「何だ!?でっかい鳥がこっちに向かって飛んでくるぞ!!?」
...爪はいつでも打てる状態にある。
「打ち落とせ!!」
連中は銃を構えるが、その選択は正しかったとは言えないだろう。
「【飛爪】ッ!!!」
『ゴォア!!!!』
飛ばした爪は海賊達の体を撃ち抜く。銃弾の雨のように。
...だが、
「...何だこれ...。」
海賊の腹部に弾丸ではとても開かないような大穴が開いており、当て損ねた爪は船の甲板を抉っていた。
「
「あ、ルインさん!!」
獣人状態で空を飛んでいるルインさんは掌に紅の炎を灯していた。
「さてさて、〆は私にさせてもらうよ。」
彼女は掌に灯した炎を巨大戦艦目掛けて放った
「【
その炎は巨大戦艦をあっという間に火達磨に変えてしまう。
―ああ、こんな力を持つ人を、守れるのだろうか。
不安だなぁ...。
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ルインside
「...ルイン君だけではなく、君達全員が化け物じみた力を持っていたんだな。」
燃えて海底に沈んで行く戦艦、アート作品、抉れた甲板、周りに飛び散っている血を見たコブラはまるで殺人鬼を見るかのような目でこちらをうかがってくる。
「その像、アンタにやるよ。いい値段で売れると思うぜ。」
「い、いや、遠慮しておこう。末代まで呪われそうだ。」
確かに、見た目は綺麗だが欲しいかって言われたら欲しくはないな。
「そ、それよりだ。もうじき“
「...ふわぁ、めんどくさいな。」
「なんか、さっきの襲撃のせいで緊張感が無くなってきましたね。」
「...俺はまだイライラしてるけどな。」
本当、“悪鬼”は師匠に何を言ったんだ?ここまで機嫌が悪かった事なんて早々ないぞ。
「...ハハ、それでこそ君達だ。頼んだぞ。」
燃えゆく戦艦を背に、護送船は大海原を駆けて行った。