『ルイン』   作:shoon K

3 / 31





紅色の乱 2

シャンクスside

 

「ぅぅああっちいいいいいいいいい!!!!」

「大丈夫か!バギー!!」

「うるせェ!!大丈夫だったら叫んどらんわアホ!!...ああ、後でクロッカスさんに観て貰わなきゃ!」

 

 

よく見ると右腕を火傷しているようだ。

 

 

「しかしその程度で済んで良かったな、バギー。」

「いや、クソ痛ェからなお前!!」

「おう、だったら前線復帰しようぜ!」

「見習いの俺たちが海軍の化け物とあの紅い竜に勝てると思ってんのか!?」

 

 

そう、海軍の化け物はさておき、あんな竜は以前いなかった筈なんだが。

 

 

「おいルイン!もう少し能力の扱いに慣れておけと言ったはずだが!!」

『すまない!センゴク中将!!』

 

「「竜が喋った!!?」」

 

俺たちは驚きが隠せない。だって竜が喋るんだぞ!?

 

「おいシャンクス、バギー。()()はおそらく能力者だ。」

 

突然レイリーさんがそう言ってきた。

 

「「能力者ァ!?あの竜が!?」」

 

バギーのそれとは格が違う。

 

「おそらくだが動物(ゾオン)。しかも幻獣種の可能性が高い。この世界にあんな生物は存在しないからな。」

 

確かに。あんなのいたら俺たちとっくに死んでたな。

 

「そして、速くお前たちも来い。先程の熱線でかなりやられた。」

「ちょっとレイリーさん!俺も掠ったんですけど!!」

「お前は軽傷じゃないか。なら戦えるし、もう話し込んでる暇も無い。行くぞ!」

「ちょっと無茶言わないでよ副船長~」

 

さあ、仕切り直しだ!

 

 

_______________________________________

 

「おらァ!!!」

 

これで何人斬ったか。そこらじゅうに海兵が転がっている。

やはり強いのは将校クラスだけなのか。

そしてあの紅い竜も見当たらない。

 

「シャッ..シャンクス!!助けてくれ!」

 

バキーの声だ。近接戦ならなかなか強いアイツが助けを呼んできた。

 

「おいバギー!斬られないお前がどこの誰に苦戦してんだよ!」

「この女海兵、将校じゃねェみてェだが覇気を使うし、何かの能力者だ!」

 

覇気使いで能力者か、なら納得だな。

 

「わかった!すぐ行く!!」

 

そう言って俺はバギーの元へと駆け出した。

 

 

 

 

 

 

 

ルインside

 

 

ロジャーが怒りだしてすぐに変身解除した私は、バギーを見つけたのでとりあえず戦うことにした。

 

バギーの戦闘スタイルは原作と全く同じで小振りのナイフ6本を猫の爪のようにもって戦うスタイルだ。

 

 

 

「食らえッ【バラバラ砲】!!!」

 

 

 

バラバラ砲、バラバラの能力の応用技で手首から先を大砲のように撃つ技だ。

 

当然、私は見聞色でかわす。

 

 

「ぐッ...覇気使いか、これならどうだ!!【バラバラフェスティバル】ッ!!!」

 

 

瞬間、バギーの体のパーツがポップコーンのように弾け、彼を中心にして動き出した。

 

「うわっ...」

「ギャーッハッハッハ!!これなら覇気でもかわせねェ!!!俺様の必殺技よ!!」

 

あの中に入れば覇気が未熟な私は攻撃を受けてしまうだろう

だが問題ない。私の能力は物理技が聞かないからな。

私は意を決し、ゆっくりと近づいていく。

 

「あァん?そのまま近づけば痛い目見るぜ?」

「問題ない。私は能力者だからな。」

「は?」

 

 

ファイアドレイクは火の精霊、故にどんな攻撃も火と化して受け流す。

パーツが当たる度に炎と化す私に、彼は青ざめた。

 

 

「お、おい待てよ。話せばわかる!」

「戦いの中で交わす言葉は無い。」

 

 

そう、海賊に情けなどいらない。

 

 

「いや、そういわずに「【火炎掌低(かえんしょうてい)】!!!」ぐふぉああああああちゃちゃちゃあああああ!!!!」

 

 

炎を纏わせた手で彼の顔に打ち込んでやった。

 

 

「ぐぅぅぅぅぅぅ...クソ!こうなったら」

 

 

彼にはまだ秘策があると言うのか

 

 

「シャッ..シャンクス!!助けてくれ!!!」

 

 

......まぁ、いいか。期待した私が馬鹿だった。

 

 

 

 

 

_______________________________________

 

 

 

 

 

「お前が、ウチのバギーが苦戦してる女海兵か。」

「ああそうなんだよシャンクス!おめぇの戦闘の腕だけは買ってるからな!こんな女ボコしちまえ!!!」

 

...なんだろう、傍から見ればマフィアのボスと子分に見える。

 

「...にしてもバギーお前ソイツ俺たちより年下じゃねェか。」

「うるせェな!お前も戦ってみろ!俺は顔面大火傷だぞ!!」

 

確かに割と高火力で打ったんだが普通気絶してもおかしくないと思う。

 

「元々戦う気で来てんだよ」

「だったらさっさと始めろこの赤っ鼻がァ!!」

「赤っ鼻はおめぇだろ!」

「何だとてめぇ!!!」

 

「呑気に会話してる暇ある?」

 

彼らの喧嘩に付き合う気の無い私は左腕に炎を纏わせた。

 

 

「「!!」」

 

一応少しだけコントロール出来る覇王色を二人にぶつける。

 

「話は済んだ?私は君たちの喧嘩に付き合う気は無いのでね」

 

「...おい、シャンクス」

「...なんだ、バギー。」

「俺様らしくねェが共闘するぞ」

「おう」

 

2人の海賊は覚悟を決めたようだ。

 

「では早速..【地獄の炎(ヘルフレイム)】ッ!!!」

 

「!おい、そっちは」

 

 

 

纏った炎の量に応じて火力の変わる炎。今腕に纏った炎の全てを()に向けて放った。

当然、船は無事では済ませないつもりだ。

 

「ロジャー!船に紅い炎が!」

「くそォ、さっきのルインとか言う海兵の仕業か」

「ああ、おそらく。」

 

ロジャー海賊団はその炎をきっかけに今までの陣形が狂い始めた。

船内の水をかけたり、自分の服で仰いだりするのが見える。

まぁ()()の水では消えないだろうが。

 

 

「お前ェ!!」

 

 

シャンクスの怒りの声が聞こえる。と同時に彼の持つサーベルが黒刀へと変化した。

 

「安心しろ。私の炎は私を倒せば消える」

「なら斬るまでだ!」

 

シャンクスが私の体目掛けて斬りかかる。私は見聞色を発動させ、スレスレの所でかわした。

なかなか良い剣筋、その年で黒刀を作り出せるほどの覇気。おそらく能力が無ければ瞬殺されていただろう。

 

「そこだ、バギー!!」

「【バラバラ砲】!!!」

 

シャンクスの剣撃をスレスレで回避した所をバギーが能力で援護する形のようだ。

しかし、バギーは原作で覇気が使えない筈だが。なら受けても支障はないはずだ。

 

そしてバギーのナイフと私の体が接触した。

 

「...え」

 

瞬間、私の脇腹に強い痛みを感じた。

 

「でかしたバギー!!」

「おうよ!さっきはド派手にやられちまったが、能力者用に海水に漬けておいたナイフが役に立ったぜ!!」

 

いやナイフを漬けたら錆びるんじゃないか?そう突っ込みたくなった。

...だが油断した。私に触れられるのは海楼石か武装色程度だと思っていた。

完全に私の落ち度だ。使いたくなかったが、この技を使うか。

 

「...やるな、だがこれくらいの傷は楽に癒せる」

 

「「は?」」

 

「【再生】」

 

 

周りの炎を吸収することで自身の体の傷を癒す技だ。

この技を使うたびに「不死鳥マルコ」を思い出す。

 

 

「「何ぃぃぃぃぃ!!?」」

 

 

そりゃ驚くのも無理は無い。私だって最初使った時は驚いた。

 

「おいおい、そんなのありかよ...。」

「...!見てみろバギー!船で燃えてた炎が消えてる!」

 

そう、()()の炎を吸収するのだ。

地獄の炎(ヘルフレイム)だって例外ではない。

 

「はぁ...あとちょっとの所だったのだが、まあいい。こうなれば私が不利だ。」

 

そう、いくら最強の能力と言えど伝説の海賊団のクルーに目をつけられては太刀打ち出来ない。

特にロジャーなんかは私を倒しに来そうだ。

 

「..今回はおとなしく引き下がろう。今回はだ。次会った時には容赦しないぞ、二人とも。」

 

そう言って私は竜の姿へ変身した。

 

「...おいおいおいおいシャンクス、あれ!」

「...道理で強かったわけか。」

 

こいつら二人は今更私の正体に気づいたようだ。

あんなに能力を使ったのに、鈍感な奴らだ。

 

 

『私個人はもう手出ししないが、センゴク中将とガープ中将がどうするかは私も知らんからな!』

 

お決まりの捨て台詞のようなものを残し、私は軍艦へと向かった。

 




【火炎掌低】
炎を纏わせた手で掌低パンチを放つ。手に纏う炎の出力で威力が変わる使い勝手の良い技

【地獄の炎】
変身前(人型)の時は口から噴くか、炎を腕に纏わせて放出するかのどちらかで放つ。
纏わせた場合は纏わせた炎に応じて火力が変わる。
変身後(獣人化または獣化)の時は常に体に炎を纏っているため、任意のタイミングで放つことが可能。
この技で発生する炎はルイン本人が消すか海水をかけること意外では決して消えない。

【再生】
炎を吸収すれば傷を負った部分が回復できる。
センゴクの鬼畜組み手の際に習得。

ちなみに竜化(獣化)のとき使ったあの攻撃は後々説明します。


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。