通商連合のナブー封鎖、ハルプスブルク帝国軍による再封鎖。
ヌート・ガンレイ他通商連合の重鎮達の身柄は、ハルプスブルク帝国女帝マリアーヌの庇護下に置かれた。遥か昔より婚姻同盟によって勢力を拡大し縁による繋がりを最重要視するかの国はガンレイの引き渡しを拒否。
そのガンレイの影響下にあるニモイディアは共和国加盟国第二位の実力を持つ国家の後援を受け、共和国元老院のガンレイの処断には消極的であった。
「ガンレイ総督率いる通商連合のナブー包囲は、些か強硬な手段であったことは事実です。ですが、彼がこのような抗議を行ったのはフィニーズ・ヴァローラム議長が交易課税において初期の約定を反故にし課税額を釣り上げたことに原因があると、ハルプスブルク帝国は考えるものであります!」
この発言はハルプスブルク帝国の選出議員アルバート・ケッセルリンク。マリアーヌ・ハルプスブルクの妹婿エスペランザ・ルクシュタインの兄である。蛇足だがルクシュタイン家は植民地総督である。
アルバートはナブー他の選出議員と激論を交わし、一方でハルプスブルク帝国縁戚国の元老議員の取り込みを行い議論は平行線となり、フィニーズ・ヴァローラム議長の退陣に伴い一時棚上げとなった。
その間も一応被告不在の裁判は進行していたが、ガンレイの賄賂工作でうやむやになることとなる。
コルサントの元老院議会の大廊下ではニモイディアの選出議員ロット・ドットとアルバートが並んで歩きながら話していた。話題は一定の安全が確保できたガンレイ総督の身柄から、彼の私生活に変わっていた。
「いやはや、あのガンレイが女に入れ込むとはなぁ・・・。」
「いや全く。姫様は幼いながら陛下の血を引くだけあって、間違いなく美姫でありますから。」
二人の頭にはハルプスブルクの離宮で彼の貢いだ宝物の数々に囲まれて優雅に暮らすナネット・ハルプスブルクと、嫁の気を引こうとあれやこれやをするガンレイ総督の姿であった。
ヒャッハー!!!
カネだ!!マネーだぁ!!ジュエリーだ!!
前世小市民の自分が想像でき得る限りの贅沢をしてやってるぜ!!
酒!!金品!!女!!いい男!!
我が夫ガンレイも、しばらくは表に出れないし暇だからね!!
離宮のテラスにプール作って、トワイレックやトグルータとか色んな種族のカワイイチャンネーやチャンニーを囲って乱痴気騒ぎよ!!
そんなことやってると悪い奴らが寄ってくるって?
御客人の中にハット族の誰かがいるような気がするけど・・・細けぇこたぁいいんだよ!!
ふへへへへ、ドロイド達も天然物のオイルで酔っ払ってらぁ!!
「姫様、セレスティーナ・ルクシュタイン様がいらっしゃいました。」
「ん?パーティーに参加したいのかな?かな?」
悪酔い状態の私。
「お待ちください!セレスティーナ様!」
使用人の静止を振り切って入ってきた叔母様。
その表情はこの場に似つかわしくないほどに険しい。
あ、これは・・・マジなやつだ・・・。
顔は赤いが表情はキリッとさせる。
「セレス叔母様ご機嫌麗しゅう。いったい何があったんですの?」
「な、ナネット落ち着いて聞きなさい。貴方の義父様が、先ほどコルサントのペントハウスでお亡くなりになられたそうです。こんなところで馬鹿やってないで早くコルサントへ行きなさい!」
・・・・・・・・・・・・・・あぁ・・・やはり・・・なのだろうか。
義父様の死の運命は変わらなかったと言うことでしょうか。
私は私の側近と化した戦術ドロイド陣と軍参謀たちを率いて、母上が先行して向かったコルサントへと飛んだのでした。
義父様を殺したのは恐らく、シディアス卿。
全てを抑え込んでシスの計画に乗るか。ジェダイの側に付くかもう一度考えなくてはいけませんね。
数日前、銀河共和国の最高議長に選出されたパルパティーンは、ついに偉大なる計画を単独で続けるときがきたと判断したのであった。プレイガスから得られるものはすべて学んだため、もはやこの年老いたムーニンリストは彼にとって邪魔者以外の何者でもなくなったのだ。コルサントのカルダニ・スパイア・ビルにあるダマスクのペントハウスで、元老院で披露する予定の就任演説のリハーサルを行っていたとき、パルパティーンはマスターであるプレイガスにワインを注いだ。そしてプレイガスが酩酊状態に陥ったのを見たパルパティーンは、彼が眠りにつくまで辛抱強く待ち、彼に激しいフォース・ライトニングを浴びせたのである。彼はムーンの激しい苦痛を楽しみながら、ゆっくりとマスターに死の拷問を加えた。プレイガスは死に、その弟子がフォースにおける世代交代を成し遂げたのである。
シス・オーダーに関わる幹部ヒーゴ・ダマスク、そして極僅かの人間が知るシディアスの師プレイガスの死は、この後のクローン大戦と呼ばれる戦乱をさらに複雑させることとなる。
コルサントの病院で義父様の亡骸を引き取った母上と私達は、その日の内にコルサントを離れた。
ロイヤル・シップの私たちの部屋に義父様の亡骸は安置され、私と母上以外の者たちは下がらせた。
母上は義父様の亡骸にぴったりとくっ付いたまま、ぶつぶつとつぶやいていた。
側にいた私は、母上の言葉が聞こえた。だから、他の者たちを退出させ誰も入れないようにした。
これは、誰にも聞かせられない。
母上は泣き腫らした目元が切れ、血涙を流していた。
母上は義父様の亡骸に縋りついたまま声を上げる。
「あの人から多大な恩を受け…その報いがこれかぁ・・・許さぬぞ。決して許さぬぞ・・・シディアス卿ォォ・・・。」