ナブー封鎖よりしばらく、コンサルタントの元老院議会ではこの問題の解決に動き出した。
重い腰を上げ、鈍足に動き出した。
ハルプスブルク帝国は、皇女ナネットが通商連合総督ヌート・ガンレイと婚約関係にありながら、ナブーと交友関係を持つと言う双方の関係を取り持てる特異な立場にあった。
当然、元老院内ではハルプスブルク帝国に調停を依頼する声が上がっていたが、ハルプスブルク帝国の選出議員は首を縦に振ることなく沈黙を守っていた。
シディアスはプレイガスから学べるだけのことを学び、ダース・モールを弟子に迎えようと準備を始めていた。2人の掟を破ったシディアスに対して、プレイガスも内縁関係にあった忠実な妻である母上を新たな弟子に迎えるべく動き出した。
「マリアーヌ、シディアスは私を謀った。奴は私を裏切るかもしれん、関係の修復を図るがもはや叶わぬかもしれん。シスの継承の手段として私を殺すこと、あるやもしれん。」
「私がそのような真似させません。」
この二人はシスのマスターとアプレンティスと言う関係において、今までにない関係にあった。
「衰えたとはいえ、私はシスの暗黒卿だ。私の持つ技を教えよう・・・マリアーヌよ。私と共に来てくれるか。」
「はい、どこまでも。貴方の御傍に・・・。」
夫婦である間柄だからこそ生まれた感情・・・、それは愛であった。
しかし、シスの本質は負の側面にある。故にこの愛は狂愛となり銀河に大きな混乱をもたらすこととなった。
母上とおじ様が、剣舞の訓練をしている。
おじ様が使っているのはシス卿としてオーソドックスな真っ赤なライトセイバーだ。
一方の母上は、おじ様からの手ほどきを受けあっという間に基礎を収め、自己流の戦闘スタイルを確立していた。母上の武器は、古い伝統重視のハルプスブルク帝国故と言ったところか、王室宝物庫の奥底に眠っていた古代のライトセイバーのダークセイバーであった。現在のライトセイバーに古代のダークセイバーは性能に劣る、しかしこのダークセイバーは通常の剣と違い刃の部分がワイヤーで繋がれつつ等間隔に分裂し、鞭のように変化する機構を備えた蛇腹剣であった。
母上の戦闘スタイルはトリッキーで手数の多さで敵を翻弄するスタイルであるとは、私付きの戦術ドロイドの言だ。
訓練後の母上に報告をしに向かう私達。軍部の首脳陣は軍の参謀たちと、改良を加えた戦術ドロイド数体を引き連れて、二人の訓練場に向かう。
訓練直後の汗の滴る艶めかしい姿をさらしている母上は、同じ女である私も思わずハッとしてしまう程だ。
「艦隊の出撃用意が完了しました。」
参謀長の言葉を受けて、母上は一瞬でキリッとした表情に戻る。
「よろしい。直ちにナブー星系へ進出しなさい。」
「っは!」
ハルプスブルク帝国は通商連合の側に立って参戦するというのでしょうか?
既に、ナブーではアミダラ女王とジェダイがグンガンの指導者ルーゴア・ナスと接触したとの情報が入っていた。
「は、母上。グンガンがナブー王国に付いたとすると・・・、元老院議会が・・・共和国が介入してくる可能性が高くなります。すでに、ジェダイが介入していますし共和国の介入がなくても、ジェダイが本格介入したら計画は頓挫しますよ。」
不安な気持ちを隠し切れない私に対して、母上は気にも留めた様子もなく私に言い返す。
「そのための、ハルプスブルク軍の介入よ。ガンレイが逮捕される前にこちらで確保するのよ。それと・・・ナネット。艦隊の司令官席には貴女が座りなさい。」
っは!?なんで!?最前線に行かなきゃならないだよ!!死んじゃうじゃないか!?
「・・・・・・・・・。」
唖然として静止していると・・・。
「「「姫様は我々がお守り致します!」」」
「「「ワレワレ モ ゼンリョクヲ ツクシマス!」」」
勇ましく母上に敬礼する軍参謀陣と戦術ドロイド陣。
なに格好つけちゃってるの!?お前らモブがいい格好するのは死亡フラグっていうんだよ!!
母上が私の耳元に口を寄せる。
「まさか、貴女。この状況で嫌とは言わないわよね。」
いえいえいえ!?とんでもございません事ですわよ!?
「私にお任せください母上・・・!」
逃げられない。母上様からは逃げられないのだ。
我が軍の宇宙戦艦アルザス・モルナヒ級バトルシップ1番艦アルザス・モルナヒ、これが私の乗っている船ね。銀英伝のブリュンヒルトっぽい見た目をしているよ。
無駄に内装も凝ってるところが正に銀英伝の帝国軍そっくりだよ。
銀英伝の帝国軍だったら勝利フラグばっかりで嬉しいけど、私の艦隊はこれから本作の御主人公様と御ヒロイン様に喧嘩売りに行くんですよ。中ボスレベルの悪役(ガンレイ)を助けるためにね。
死ねる!間違いなく死ねる!仮にうまくいっても割に合わない、中ボスの身の安全と引き換えに主人公勢に睨まれる!割に合わない!!全く割に合わないよ!!
やってられっかー!!酒飲んでやる!!ワインボトルごと持ってこいや!!
あびゃびゃびゃ!!酔わなきゃやってられないよー!?
何ぃ!?3本目だぁ!?知るか!!いいから持ってこいや!!あと、おつまみも持ってこい!!チーズは飽きた!!ナッツがいい!!うわうぇえええい!!
「ひ、姫様。な、ナブーに到着しました。すでに共和国の艦艇群がガンレイ総督の逮捕のために陣取っております。包囲を行いナブー政府に引き渡しを要求しましょう。」
ん?なんか言ったか?ホーイを行い?フォーイってなんだ?頭がくらくらする。飲みすぎたかな?フォーイ?フォーン?フォース?ん!?フォースを行ってる!?
ジェダイの攻撃か!?やべぇええ!?あのミラクルパワーで船ぶつけられて爆死しちゃう!!うわぁああああああああ!!やばいじゃないか!!
「何やってんだ!!お前ら!!反撃だ!!反撃しろ!!撃て!!ファイア!ファイエル!!ふぁいえるーん!?」
「え、撃つんですか!?本当に撃つんですか!!」
テんっぱってキョドる参謀たち。
「イカクシャゲキ ダ!! オドカシテヤレ!! ヒメサマ バンザイ!!」
「「「ヒメサマ バンザイ!!」」」
「なるほど!威嚇射撃か!本艦の主砲を共和国艦隊の中央を通過させるように撃つんだ!」
「「「帝国万歳!!」」」
私に忠実なドロイド達は私の命令を好都合にも好意的に意訳し、行動に移す!
そして、なぜか納得する参謀陣。
参謀長が号令を掛ける。
「主砲!狙え!撃て!」
ん、叫んでたら頭が痛くなってきた。少し酔いがさめ・・・て・・・来・・・た・・・ようなって!?
うぇえええええええええ!?何やってんの私!?