silence of this area collapses   作:風見 桃李

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存在しない筈の存在する人物 黒瓜鬼門


彼らの対面 巡り合わせ 後日談

その声は、何だか聞いたことある声だった。

「はじめまして、黒魔術師の黒瓜鬼門です」

 

黒瓜鬼門と名乗った髪が金髪の仮面の男は高野遙の方に目を合わせるとにこりと口だけ笑い、すぐに口を元に戻した。

「へ?(なんで私見て笑ったの?それとも後ろの高遠くん見て笑ったの?)」

「(…あの笑みはいったい…)」

「では黒瓜先生さっそく!」

「えぇ、わかりました」

 

そういうと黒瓜はゆっくりと高野の方に向かった。

「(ひぃぃぃ!こっちにくるー!もしや金田一ポジションだった!?)」

「失礼お嬢さん」

 

いつのまにか何も置いてないテーブルの上のテーブルクロスを黒瓜は勢いよく引っ張った。

その下からは魔方陣、この机こそが今回使う黒魔術の魔方陣そのものだった。

「(そうだ、ここに魔方陣あったんだ)」

「何も怖がることはありません、西洋で呪い(ブードゥー)をビジネスに用いることはごく一般的です。君達の考えているようなおどろおどろしいものではありません」

「あの、蝋燭とかは?前の先生は使われていましたが…」

「あぁ、この魔術灯があれば十分です」

「魔術灯?」

「この家の皆さんは御存知なかったようですがこのランプシェード、人間の皮膚が使われているんですよ。様式から見て、造られたのは19世紀のイギリスでしょう。産業革命での裏ではオカルティズムも盛んでしたので。さ、儀式を始めます、皆さま準備はよろしいですか?」

 

やけに明るい声で黒瓜は言うと火祀家の人々は座り直したり、着衣の乱れを直したり少し準備をした、そして黒魔術の儀式は始まった。

約三時間以上にわたって続いた黒魔術の儀式、血の繋がらない三兄弟はずっと呪文を唱えていた。

他人に聞かれたくない、知られたくない、そんな呪いの言葉を呟くように。

「お疲れ様でした、本日の儀式は終了しました。現在このサロンには精霊が降臨しています、呪いの効果を少しでも長く維持したいのであれば、そちらの魔術灯の灯りを決して、消されることないようにお願い申し上げます。それでは次は深夜12時丁度、ここではなく本館の居間にお集まりください」

 

儀式が終わり黒瓜がそう言うと部屋を出ていった、それと同時に皆立ち上がり解散していった。

最後にその場に残ったは高遠、明智、井沢の三人だった。

「初めてでしたが少し興味深かったですね」

「嘘だろ健悟…って思ったけど、お前は確かそう言うオカルトの類い好きだったな。俺はクライアントじゃなかったら願い下げだよ」

「オカルトの類いは専門外なので明智くん、あなたに任せますよ。念のために私はトリックの種を確認しなくては」

 

高遠は電灯の近くに向かうとコードを辿りカーペットを少し捲った。

どうやら前世の時と同じくコードは縫い付けられ、カーペットは切れていた。

扉も確認しようとすると葉村と海崎が戻ってきてたようで確認する前に葉村に止められた。

「あとは扉ですね…、やはりありましたか」

「いけません!高遠さん!そのカーペットはめくってはいけないと言われているんです」

「何故です?」

「明智様、そこは地下室の入り口なのです、先代の青竜社長がその地下室を大変気に入っておられました。この地下室があるからこそ、このサロンは黒魔術の儀式にふさわしいのだと。ご理解頂けましたか?本館に戻りましょう、もう夜も更けてきております」

 

海崎と葉村は仕事があるのかバラけてしまった、考えながら高遠たち三人はゆっくりと歩いていた。

「コードは縫い付けられ、カーペットもそのまま、地下室も健在と考えて良いでしょう。だがこの胸騒ぎは…」

「やっぱりイレギュラーになった黒瓜が怪しいんじゃないのか?」

「それはそうなのですが、問題はどうやってその証拠を手に入れるか…証拠を作り出すか、揺さぶるか…」

「そういえば声が高遠そっくりじゃなかったか?」

 

井沢はそう言って高遠の方を見るが高遠は首を振る。

「自分が出してる声と出した後の声は違うのですよ、震える空気の振動数が違うので私にはわからないのですよ井沢さん」

「へぇ、そうなんだ」

「えぇ、ですので私の声は自分ではわかりません。明智くん、黒瓜の声はそんなに似ていました?」

「確かに似てましたね、正直聞き間違えそうなほどに。おや、何だか騒がしくありませんか?」

「あぁ、そういえば前だと剣持さんが来るんでしたね」

「け、剣持くんが!?」

「本人が来るとは限りませんよ、金田一くんの件もありますし、何より剣持勇が存在していたとしても覚えているとは限りません。それは明智くん、君なら重々理解している筈」

「そう、でした、ね。」

 

彼はまだ『明智健悟』の記憶の全てを把握していない、故に高遠のその言葉は彼にしっかりと刺さった。

それの言葉を胸にしっかりと刻み明智はゆっくりと声の方向に向かった。

そこにはスーツ姿で若い男がいた。

「そう言う態度での対応は困るんですよ、私は東京からあなた達の親父さんの捜査をしに来たんだ!それに夜だから帰ってくれと言われても…」

「松田さん?」

「あっ、明智さんの息子!なんでこんなところに!」

「それはこちらの台詞ですよ、私達は友達の井沢研太郎のお手伝いで来てまして。研太郎、高遠くん、彼は父の知り合いの新人刑事の松田さんです」

 

そう紹介された天パ気味で少し撚れたスーツを着て、胸にグラサンを差した若い男は明智の近くまで行くと高遠たちを見て名乗った。

「新人言うな!松田だ、よろしくな」

「(なるほど、彼が剣持勇の代わりですか。随分と若い刑事だ。)」

「明智様の知り合いでしたか…しかしこの方は捜査一課の刑事ですが?」

「私の父が刑事でして、その縁です」

「そういうことでしたら…どうぞこちらへ」

 

松田刑事と明智たちは火祀暁に誘導され、部屋に入り各々椅子に座ったり、近くに立った。

そして松田刑事は手にメモ帳を持ち各々のアリバイを聞き始めた。

 

一方その頃、その場にはいない高野遙はとある部屋の一室で黒瓜鬼門と対峙していた。

黒瓜は椅子に座り優雅に足を組みニヤリと口を歪ませ、対する高野は彼の前に立ち、手は震えていた。

「単刀直入に言います、黒瓜鬼門さん」

「はい、何でしょうか?」

「あなた、私に会ったことありますよね」

「いえ、お嬢さんとは生きていて会ったことはありませんね」

「…あなたが、私を殺しましたからね」

「おや、物騒ですね。少なくとも私は貴女に会ったことはないですよ。それは本当だ。高野遙さん、でしたか?」

 

一度も彼の前では名乗ってもいないのにも関わらず名前を言われた高野は後退りをしようとした、だがそれは黒瓜に手を捕まれそれ以上は下がれなくなった。

彼の反対の手には表紙が白紙の紙の束が持たれていた。

「ここに来る前に火祀暁さんからここに来る人達のリストを貰いました、ですので名前は知っています。リストを見た時は驚きました、とある一部が私の知らない人たちで構成されていましたから」

「あなたの知ってる人達で全て構成される予定みたいな言い方ですね、黒瓜さん」

 

黒瓜はそう言われ表紙が白紙の紙の束、リストを手にそれを捲りながら名前を挙げていき手に持ったリストを軽く投げ高野に当てる。

高野に当たったリストは繋ぎが甘かったのかバラバラになり彼女の足下へ散らばった。

「明智健悟、高遠遙一、高野遙、この三人は本来この時期、ここには居ません。いや、高遠遙一はある意味います、ね。しかし彼等は年齢も違う、居るべき者がいなく居てならない者がいる。…本来なら、私もここにはいない」

「あなた、もし、かして…」

「一応愛読書のひとつでしたよ、金田一少年の事件簿」

「や、やっぱり前世の記憶、あるんですね!黒瓜鬼門さん!」

「前世、ですか。私からしてみれば体は違えぞ地続きですよ。…あまりにも、ここは希望に溢れていた。このような私には、あまりにも…なのに…何故…何故ェッ…!」

 

右手で仮面で隠された顔を覆った黒瓜のその声は、悲鳴のような祈る声に聞こえた。

高野の手はいつの間にか震えは消えていた、ゆっくり彼に向かって歩きその右手を手にとって彼の目を見た。

手を取られた彼は仮面越しでもわかるように目を見開いていた。

「私が、貴方の希望になれませんか?」

「何を、言ってるんですか?」

「希望に溢れていたんですよね、なら私を一つの希望にしてみませんか? 私、守りたい人がいて将来警察官になるんです、あなたも守ります。守りますから、私を希望にしてみませんか!」

「…残念ですが、それは出来ません。…なるほど、こういうときに、もっと早くに出会いたかったと思うのか…」

「黒瓜さん?」

「私はすでに人を殺しています、母を殺した人達に対する、復讐として。お嬢さんは警察官になるというならそれは不可能だ。」

「そ、そんなこと!」

「世の中、救えないモノもあることを知りなさい」

 

高野遙は絶句した、前世も含め少しでも救えると、そう、思ったから。

事実彼女に救われた人も居ただろう、彼女は助けられるなら助けたいと思い前世はそうしてきた。

偽善者、そう言われても良い、思われても良い、それでも助けたいと思い生きてきたのだから。

その結果、手を伸ばす者の手を掴み、寄り添い立ち上がらせ、礼はなく、それは当たり前とされ、立ち上がった者たちから見放され、最後には誰にも見向きもされず、名も知らぬ者に彼女は殺されたのだが。

黒瓜鬼門は絶句し、歯を食い縛り泣くのを我慢してる彼女に手を伸ばした。

「あまりにも愚かで甘い考えですが、私の周りにはない考えだ。きっと、お嬢さんのような人が身を削り、人を守り、落ち葉のようになりながら死ぬのでしょう」

「くろ…うり…」

「…私の名前は敷島青雅(シキシマセイガ)、黒瓜鬼門ではありません。わかると思いますが黒瓜鬼門は偽名です」

「黒瓜さん…なんで突然?」

「敷島青雅です。いえ、嫌な予感がするのでね、意外と当たるものなんですよ。残念ですが今回の黒魔術殺人事件は計画だけの未遂事件となりそうです。そうですね…黒魔術殺人未遂事件なんてどうでしょうか?」

 

そう言うと黒瓜鬼門こと敷島青雅はニヤリと笑った。

 

 

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時は少し松田刑事による火祀家のアリバイ確認が終わる直前にまで遡る。

社員から聞いた話も話し、それについて高遠が殺人の可能性もあると言ったところで御開きになりそうな所を松田刑事はハッと思い出した。

「あっ、待って待って!待ってください火祀さん!両方です!他にこの館に誰がいますか?」

「他にですか?黒魔術師の黒瓜さんと井沢くんの友人の女性の方が今のこの場に居ませんが来てるぐらいかと」

「その二人にも話し聞いても?」

「松田さん、何故二人にも話を?」

「前に先輩が言ってたんだ、関係無さそうな奴でも話を聞いとけ、自分一人で迷宮入りしそうなのはしっかり現場とアリバイと証拠を見とけ見つけとけ、あとは仮面の男は大抵怪しい…だったかな」

「松田さん、黒瓜鬼門は仮面を付けた男です」

 

明智は松田刑事にそう言うと火祀暁に黒瓜鬼門の部屋を聞いた、松田刑事と明智、高遠、井沢が急いで向かうと中からは話し声が聞こえた。

松田達は息を潜めて扉に耳をやった。

「きっと、お嬢さんのような…人を守り…落ち葉…死ぬのでしょう」

「くろ…うり…」

「遙…!」

「待て、まだ話してる、落ち着け」

「もう少し待ってください、高遠くん」

「敷島青雅です。いえ、嫌な予感…意外と当たるもの…残念ですが今回の…計画だけの未遂事件となりそうです。そうですね…黒魔術殺人未遂事件なんてどうでしょうか?」

 

中で話し声が終わると松田刑事はドアを開けた。松田刑事は敷島青雅という名前を聞いたことがあった。

「敷島青雅だな、やはり薔薇の騎士館殺人事件はお前が犯人だな!」

「おや、松田刑事ですか、あの時以来ですね」

「先輩が言ってたんだよ、仮面の男は大抵怪しいってな!その仮面、取って貰おうか」

「嫌ですね、醜い火傷の痕が見えてしまう。貴方は知っているでしょう?私の顔の左に醜い火傷の痕、背にも十字の火傷の痕、ほら、手だって」

「黒う…いや、敷島さんそっちの方だったの?!」

「そうなんですよ、ポジション的にはツクヨミで」

「和むな!今回の火祀青竜の件もお前だな!敷島青雅!そしてそこの女性をはなっ!」

 

松田刑事の言葉を遮り、敷島青雅は背の方にあった椅子を軽々しく片手で持ち、松田刑事の方に投げた。

松田刑事は上手く避けたが急に接近してきた敷島に鳩尾を殴られ倒れた、近くにいた井沢も足払いをされ倒れた頭を打ち動けなくなった。

急に接近してきた敷島から離れるように明智と高遠は交互に別れた、高遠は高野遙のもとに向かった。

扉の方には犯罪者に倒された松田刑事と井沢健太郎、この部屋からは出るに出られなくなった。

「流石と言うべき動きですね、ですが君達が一緒に行動している、と言うことは記憶がないということでしょう。アドバンテージは私にある。記憶も経験もない君達など簡単に倒せる」

「何を言ってるのかさっぱりわかりませんが、その嫌な仮面、取ってもらいましょうか?」

「フッ、出来るものならしてみては?」

「高遠くん!無茶は!」

「明智くんは遙をよろしく頼みます、そのまま警察の応援を。…金田一くんともしたことのない肉弾戦、ここでしてしまうとはね」

「記憶があるのか」

「金田一くんを知っているので?」

「金田一少年なら知ってますよ、金田一37歳も」

「…私より、長く生きたのですね。さて捕まってからゆっくりと、たくさん話してもらいましょうか。私の平行線について」

「犯罪芸術家、そして怪人 地獄の傀儡師と肉弾戦とはこれは光栄だ」

 

敷島はそう言うと片足を後ろに引き、重心を後ろに向け、手を少し上げた。

「(片足をただ後ろにしたわけではないですね、足の捻りが独特、恐らく合気道。イギリスではボクシングとアーチェリーしか今世ではしてないのですが…きっと平気でしょう、日本に戻って来てから通信教育の忍術を学んでます!)」

 

高遠はやけに謎の自信ある根拠に頼り、手を構えた。

高遠が先にジョブをすると相手との距離を測るためか敷島は高遠の攻撃を避ける。

時折ボディブローをして仕掛けるが受け流されてしまう。

互いが攻撃をしては避け、一撃を与えられずに攻防戦が続いていた。

「あ、明智くん、ど、どうしよう!」

「扉の方から二人が退いた瞬間に研太郎と松田さんを退かしましょう、ですので落ち着いて、遙さん」

「う、うん」

「…今です!」

 

明智の声を皮切りに明智は松田刑事、高野は井沢を引摺り部屋から出した、軽々と井沢を引摺る高野を見て明智は驚いた。

そこに少し隙があったのか高野は急いで部屋に戻りポケットから石を出し、振りかぶり投げた。

当たらなかった石は窓を突き抜け、窓が割れた。

「せぇい!」

「何を投げたんですか!お嬢さん!」

 

そして今度は敷島の投げた椅子を振りかぶり、殴った、のだが敷島は腕をクロスして耐えた。

隙を逃さない高遠は左ストレートで殴った。

「ぐっ!(力が強い!)あなたまさか、怪力ですか?」

「彼女は馬鹿力ですよ!」

「かふっ!」

 

高遠の拳は敷島の仮面をぶっ飛ばした、髪はカツラなのか地毛なのか不明のそれを除けば彼の顔の造型は高遠によく似ていた。

唯一違うとすればその目は血のように紅かった。

「顔を明かすつもりではなかったのですが…参りましたね、今回は逃げましょう」

「逃がすと思いで?」

 

割れた窓から敷島は逃げようとする所を高遠は何処からともなく薔薇を投げた。

高遠遙一の薔薇の性質を知っていたのか敷島は自らの髪を掴みそこから薔薇を弾いた、その髪を地毛ではなくカツラだったのだ。

そして月の光と共に露になったのは黒髪で顔に火傷のある青年の顔だった。

「その薔薇は悪いですが頂けません」

「その顔、あまり好ましくありませんね。分け目は違えぞ、いつぞやの私そっくりだ」

「なりたくてなった訳じゃない」

「しき、しまぁ…!」

「…松田刑事、だいぶ強く打ちましたので安静にしておいた方がいいですよ」

 

静かに風が吹く音が聞こえると敷島は全体を見た、高野遙と高遠遙一に目を合わせると静かに一言、そして上着から閃光弾を出した。

「グッドラック、未来ある君と因縁の者達、またどこかで会いましょう」

 

 

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敷島青雅(シキシマセイガ)が立ち去った数時間後、明智健吾が呼んだ警察が到着し一時事態は騒然としたものの近辺には既に敷島はいなく呼ばれた警察と共に松田刑事も帰ってしまった。

その後特に事件も起こる事無く静かな夜となった。

そして井沢研太郎の部屋の一室に高遠、明智、高野、部屋の主の井沢がいた。

井沢は怪我のためベットに寝そべり、その回りに椅子に座り足下に高遠、その隣に高野、反対側に明智がいる。

「…なぁ、健吾や高野さんは良いとしてなんで高遠まで俺の部屋にいたた!蹴られた足を触るな!触らないでください!」

「今回は私の失態です、井沢くん、怪我をさせてすみませんでした」

「そう思うなら痛いところ触らないでったっい!頭はマズイ!」

「高遠くん、研太郎で遊ばないでくださいよ…」

「すみません、つい出来心が…」

「それに失態と言うならば今回のは私も悪かったです、前世の記憶があり、警察という身分でしたのにあのような動きしか出来ず、君たちを守れなかった。遙さん、怖かったでしょう?」

「え、あ、うん、殴りあいしてるのは怖かったけど…」

「それなら椅子を持って特攻を仕掛けるのは止めてください、驚きましたよ。君はただの火事場の馬鹿力が強いだけのそこそこか弱い女の子なんですから」

「高遠くん、女性にそれは」

「明智くんは黙っていてください。良いですか?今回の犯罪者が遙に危害を加える気が無かったにせよ、何をされるか、何をするかなんてわかったものではありません。彼等は一線を越えた人間です」

「一線…」

「それは犯罪者によって違うので一概に何それとは言えませんが、今の貴女にどうこう出来る人間ではないのは確かです。時には逃げることも大切だ、恥ではないのです。良いですか?君はただ、生きることを優先しなさい」

「…ごめんなさい」

「…怪我はないですか?遙」

 

高野は高遠の厳しい声で萎縮していたが最後、怪我を心配する声で高野はボロボロと泣き出した。だがその泣き方は声を我慢するような、泣くのを耐えるような泣き方で高遠、明智、井沢は痛々しく見えた。

特に昔、泣いた所を見たことのある高遠は彼女の泣き方の変化に困惑した。

(彼女は、声をあげて泣く人では、なかったか?高遠遙一(わたし)地獄の傀儡師(わたし)の記憶を持っての始まりの時は、もっと、もっと…)

 

「声を出して、泣いて良いんですよ」

 

高遠はそう言うとぎこちなく、高野を抱き締め、それもまたぎこちなく手をポン、ポンと優しく叩き宥め始めた。

(あの時、きっと今も私は泣けないだろう。私は表情も感情も豊かな方ではないのは自覚している。ただ、あの義父が今回は居なかった、あの近宮玲子が今回はずっと居た。我ながら私は、童心に返ってたと思う、近宮玲子と共に笑顔できっと、マジックをしていた。近宮玲子のマジックがあの幼い体では出来なくて、私なら出来る筈なのに悔しくて泣いたこともある。フッ、昔の私では、今の状況なんて面倒で、突き放したり放置していたでしょうね。あぁ、今回はどうやってでも、何をしてでも守らなければいけないものが増えてくる。私の原点でマジックの師匠 近宮玲子、まだ幼い義妹の美咲ジゼル、完全ではない明智健吾、そして今回の私の始まり 高野遙)

「泣いて良いんです。ここには、君が泣いていてそれを叱る人も、君をいじめる人もいない」

「う゛、う゛ぅぁぁ…」

「大丈夫ですよ、遙、大丈夫…大丈夫…」

「あ、あっ、あ゛ぁぁぁぁぁっ!うわあぁぁぁん!」

 

(あぁ、考えてみればあの時から可笑しかったじゃないですか、いじめられてるのにも関わらず薄いリアクション。それにいつのまにか全体的にリアクションも薄くなっていた。幼い頃は私のマジックや会話、何でも一喜一憂してきた彼女が…。彼女は私ではない、そんな薄いリアクションをする人間ではないのだから。彼女とは、会話を増やした方が良いですね。もう一度、もう一度だけ私のマジックで、笑って、もう一度私の奇術を魔法と)

「…高遠くん、遙さん寝てませんか?」

「えっ…この状況下、私の腕の中で寝るとは良い度胸してますねぇ…まぁ、今回はそれほど大事にはなりませんでしたので今回は許しましょう。明智くん、井沢くん、帰ったらやることが沢山ありますので肝に命じとくように」

 

そう言う高遠の顔はとても悪い顔をしていた、井沢の顔はひきつりつつ高遠に一言、自分がしてる仕事は?と聞いた。

「私の言うことは今のところは仕事に支障の無い程度に始めてくれて結構です」

「高遠くん、私も帰ったらやることができました」

「君にやること?」

「…『明智健吾』の記憶に、胡座をかいていたようです。記憶がなんだ、役に立たないじゃないか!…そう思いました。私は、もう一度、今度は自分がなりたいから警察になろうと思います。記憶だけでは、度胸も技術も何もかも身に付かない」

 

敷島の件は明智には非がない、彼はただの高校生なのだから、それでももっと何か出来た筈だと、前世の記憶があるのだからと彼は考えた。

彼は今、完全に覚悟を決めたのだ、自らの意思で警察官になることを。

その表情を見て高遠は微笑ましかった、彼はまた自分の知っている『明智健吾』に近付いて来た、そう思ったから。

「…良い顔ですね、少し私の知ってる明智くんに似てきましたよ」

「『明智警視』と私、明智健吾は別の存在ですよ。君だってそうです、確かに君は地獄の傀儡師だったのでしょう。けどそれは前の話、今の君は高遠遙一、今までの全てを経験したことがあるだけの私の友達です!」

「…健吾の友達なら、俺も友達で良いよな?高遠」

「(年を取りましたかね?何故か、少しだけ、目頭が熱い)」

「高遠くん?」「高遠?」

「フッ、友達を名乗るなら死なないでくださいよ?」

「そう簡単に、私は死にませんよ」

「まぁ、俺も死なないよ」

 

二人がそう言うと、少し間をおいて三人は声を出さず、静かに笑った。

夜明けが近付いている、彼等はまた、朝を迎える。

 

 

 

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後日談 帰宅後

高遠くんの様子がおかしい話

 

 

高遠くんは、軽井沢から帰ってきてからぼやっとしている。

窓の外を良く見ていますし、マジックする時の薔薇の色が固定されていません、何より今日なんか避けれる筈の体育のバレーボールが顔面に当たった。

そしてここは保健室、五時限目の授業開始と共に彼は倒れたのでまだ放課後ではない。

「高遠くん、起きましたか?」

「…明智くん、私は…」

「君、授業中にバレーボールが避けれなくて顔面に当たって倒れたんですよ」

「…情けない」

 

そう言うと彼はベッドの布団に身を潜めた、なんだか新しい一面を見た気がしたがそれよりも彼の様子である。

「軽井沢から帰ってきてから可笑しいですけどどうしました?」

「いえ、君、遙の前で前世がどうのこうの言いましたよね?」

「…あっ」

「私まだ言ってないんですよ、何から言えばいいんですか?それに気のせいか避けられてるんですよ私」

「すみません、ってそれまだ言ってなかったんですか?」

「まだそのタイミングでは…」

「今日言いましょう、不安なら健太郎呼びますから」

「いや井沢くんはいいです」

「じゃあ健太郎抜きで今日言いましょう!タイミングは見計らうものではない、作るものですよ!」

「…見計らうものだと思うんですがね」

 

放課後、私は高遠くんを餌に遙さんを呼び出して保健室に向かった、高遠くんはもう平気なのかベッドから立ち上がっていた。

「高遠くん平気?明智くんからバレーボールのボールが顔面にショットされたって…」

「どちらかと言えばアタックですけど…まぁ、そんな感じです。冷やしてれば平気ですよ、今日は明智君も連れてたまには私の家でお話しましょうか?」

「えっ、わ、私帰る…」

 

遙さんはそそくさと帰ろうとするが高遠くんは逃がさないように腕を掴んだ。

遙さんは驚いたような表情をしていた、軽井沢から帰ってきてから可笑しいのは遙さんもだった。

「話すことがあります、大事な、大事な話です。話を聞いてくれませんか、遙。最悪、私の話しか明智くんの話だけでもいいので」

「こ、ここじゃダメなの?高遠くん」

「聞かれると…不味い話なので」

「あ、うう…わ、わかった! 私、話聞く!私も、私も全部は言えないけど話したいことがあった!」

 

遙さんは珍しく真剣な表情をして言うと驚きと安心からか高遠くんは真顔になった、そして一言そうですかと言って私たちは学校を出ることにした。

 

 

 

そして場所は変わり、高遠くんの家、彼の家は遙さんの家の隣にありつい最近改築が終わったとか。

彼の部屋は随分と物が少なかった、あるのはマジックの道具、学校の物、本と倒れた写真立て。

部屋の主が飲み物を持ってくると話は始まった。

「さて、どちらから言いましょうか」

「高遠くんから…」

「…わかりました。今から話すのは、本当の話です。私は、恐らく一度死んでいます、前世の記憶があり、それは同姓同名にして私自身、こことは恐らく違う世界。…そして、私は犯罪者で人殺し、犯罪芸術家であり地獄の傀儡師、昔言いませんでしたか?地獄の傀儡師に負けないようなお巡りさんになってくださいと」

「…少し、覚えてる」

「最終的には私が警察になることを約束してしまったので、地獄の傀儡師としての仕事はしなさそうですが…まぁそれは置いときます。私は、君に期待をしたのです、地獄の傀儡師に負けない人になるのではないかと思って」

「高遠くん、頭良いから私は負けると思うけど…」

「推理だったらね。けどひとつ、私は負けてしまったと思うのがあるんです」

 

「え、いつ私勝ったの!?」

 

「私が記憶を思い出してから負けてますよ。小学校の時、記憶を思い出してから誰も寄ってこなかったのに君だけは来た、君は昔からずっとマジックを誉めてくれた、わからなくても話を聞いてくれた。高校生になる前もそう、突然の訪問にも関わらず真剣に話を考えてくれて答えてくれた。そして今も、こんな与太話を君は、信じてくれてる。フフッ、伊達にマジシャンと犯罪芸術家をしてませんからね、君の表情と声でわかりますよ。損得関係なく、君はずっと、地獄の傀儡師をしていた高遠遙一(わたし)に死なず側に居てくれる。…恐らく僕が、そちらに落ちないのは近宮玲子、母さんが生きていることもそうだけど、君がずっとそこにいるから」

 

私はこの場にいない方がいいのではと思うぐらいこの場は二人だけの世界だった。

そんな彼の表情は地獄の傀儡師とは真反対、あまりにも儚い笑み、高遠くんは気付くだろうか?

彼は、自然と表情を出す人ではないから。

「私、私そんな良い人じゃないよ?高遠くん。私ね、私もね、わたし、私も、わた、私も、あるの、私も前世の記憶があるの!!」

「遙さんにも、記憶が?」

「明智くんも、高遠くんも、玲子さんだって私は知ってるよ?明智警視に死骨ヶ原の高遠さん、板を踏み外して死んだ近宮玲子さんに、二人を繋ぐ金田一くんだって…私は知ってる…」

「…私が犯罪者だと知っていて、私の側にいたのですか?」

 

吃りなからも喋る遙さんは俯き、果てには高遠くんまで俯いた。

二人は前世の記憶があった、私と高遠くんを繋ぐものが金田一少年だとしても、やはり記憶ではなく私は夢なので、今考えると高野遙と高遠遙一には負けるだろう。

死んでも尚、続くその想いには負けてしまう。

「そうだよ、知っていて私はずっと高遠くんといた!私のエゴだよ、勝手に守ろうとしたんだよっ!高遠くんだって遙一だって地獄の傀儡師だって全部っ高遠遙一なんだから!ただひとりの幼なじみの高遠遙一(あなた)なんだから!私はあなたの魔法が好きだから!マジックが大好きだからっ!お巡りさんになってあなたを守るんだから!マジック出来なくなったって、生きてればなんとかなるんだからっ!死んでも高遠遙一を守るって勝手に決めたから!あなたを犯罪者にさせないから!近宮さんも守るから!あなたの大切なもの守るかっ!?」

 

高野遙さんは叫んだ、それはひとつの慟哭とも取れた、俯き言う彼女は顔は見えないがボロボロと雨を降らしていたから。

それを止めたのは高遠遙一くん、俯いていた彼は少し顔を上げ彼女の顔に手を伸ばし口を塞いだ。

驚いた彼女は顔を上げ二人の目線は交差した。

私は、このような激情を受けたことがない。恐らく、彼も。

あぁ、やはり隙を見て部屋を出るべきでしたね。

今この場では、明智健吾という存在はあまりにも異質だ。

そして高遠くんは、マネージャーの高遠遙一のようだけどそれとは少し違い、男らしい、でも頼りない顔で少し早口に喋り始めた。

「愚かだ…君はやはり思慮深さに欠ける、私が快楽殺人鬼になってたらどうするのですか?私が自暴自棄して地獄の傀儡師のようになってなかったらどうするのですか?私が貴女を殺してたらどうするというのですか?!私は冷酷で、残忍な、殺人鬼なんですよ!?何故自分の身を蔑ろにしてまで私を守ろうとする!?生きてればなんとかなる?犯罪者にさせないから!?…勝手にも、程がある…私の大切なものを守るなら、どうか死なず側にいて、守られて、私のマジックを誉めてくださいよ。この世界での私の始まりはあなたなんです。金田一くんではないのです、私を追うものはいないんです、平行線は、光と闇の双子はいないんです、いないんです!!いないんですよ、金田一くんが…。そんな世界で犯罪をしたってつまらない。美しくもない、楽しくもない、快感もない…そして何より知ってしまった、今は犯罪芸術よりも近宮玲子が出す奇術の課題をこなすのが美しいと、人を殺すより生かす方が難しく楽しいと、ふとしたとき君にマジックを誉めてくれるのが嬉しいと」

「たか、とお…」

 

彼は優しい声で、真顔に見えるが少し微笑んでいる表情で遙さんに言い聞かせるように話す。

「これから先、君に何回言えば良いんでしょうかね?遙、良いですか?絶対に、私より先に死んではいけません。約束しても良いですよ、地獄の傀儡師としてでも、高遠遙一としてでも。次は私が守りましょう、あぁ、気にしないでください、勝手に決めましたから」

「ぅふぇぇえぇぇん!」

「フフッ、なにそれ泣いてます?はぁ、なんか言ったらスッキリしました、次は明智くんです」

 

首をコキコキと鳴らしながらこちらを見て高遠くんは言った。私は「この状況で?」と聞いたらオウム返しのように「この状況で」と言われた。

きっと昔の私だったら銃を取り出すんでしょうねぇ、射殺もやむなしと。

その後私は前世を夢で見る人でそれを受け入れている人間、と言うことを言い数分後前世の話のことはお開きとなった。

まぁ、遙さんの体力的に無理だったみたいなのでお開きせざる終えないのですが。

「また寝てますね」

「泣くと眠くなるのかもしれませんね」

「泣くと疲れるというのでそれでしょう、しかし感心できませんね。いくら幼なじみと友達の前とはいえ女性がこのように無防備に寝てしまうのは」

 

私がそういうと彼は遙さんを持ち抱えベッドへ場所を移して布団をかけた。

少し手慣れているので驚いたがそれはあとの会話で何となく私は察した。

「…泣いて疲れたのもあるのでしょう、ですが一番疲れたのはきっと、言えないことを言ったからだと思いますよ。彼女は、少なくとも小学校の時から記憶があった、それを誰にも言わずに今の今までまで話さなかった。泣いて疲れて、感情的になり疲れて、…我慢して疲れて、私たちより随分と子供じゃないですか。明智くん、彼女はよく食べますしよく寝ますよ、よく動きますしホント、前世の記憶があると思えないほどナチュラルでそれなんです。私達より子供な彼女は、いつから我慢してたのでしょうね」

「…君は我慢してないんですか?」

「我慢…?あぁ、してますね。やはり一度殺すとたまに殺りたくなります」

「は?」

「まあまあ、話は最後まで聞いてくださいよ明智くん。刺したくなるだけなのでそれは料理やダーツとかに変換してますよ。今私の家も彼女の家も家族がいないので私が作っていてね、彼女は質より量なので丁度良い。犯罪のプランニングは反転して防犯に使ってますし、好きなマジックはやりたい放題。意外と今の人生も悪くないんですよ、近宮玲子が生きていますしね」

「…君、冷酷も反転してますね?」

 

彼は何だかんだ今の人生を楽しんでいた、そして彼は、遙さんを既に勝手に守っていた。

守ってる自覚は恐らく無いのでしょうね、気付くのはこれからなのでしょう。

…明智警視、高遠遙一が殺人の方じゃない犯罪の道に行かないよう私、見てますね。

彼の今後が少し不安ですし、何より、その手を染めないで生きていく彼を見たい。

光の方として生きる彼を。

 




毎回増える設定など
・高遠遙一
高校三年生、髪型は既に真ん中分け。休みの日は時折オールバック、新作マジックの練習のため。
黒魔術の件で高野遙より事件を優先したので普段は側にいる彼女がいないけど本来だったらいないから怪我することなく平気かと思ってた高遠くん。
それは彼女もイレギュラーを指していたのに黒瓜鬼門に気を取られて彼らしからぬ失態を犯してしまった。

やっと高野遙に前世 地獄の傀儡師であることを告白。
平行線は?彼は?金田一くんがいない、金田一くん、金田一くん…の結果が高野遙と近宮玲子にシフトチェンジ、そこにいずれ明智健吾と井沢健太郎が足される。
そして本人は少し覚悟を決め始めたのと同時に気になる組織ができた。非合法に捜査をする組織…気になりますね。

殺意などは料理に注ぎ込め、犯罪するなら防犯に、警官になるって言いましたから犯罪はなるべくしませんよ。
現在日本の家庭料理に凝ってる高遠、肉じゃがとかなめこの味噌汁、里芋の煮ころがしを作る。

敷島、いずれ捕まえるから待ってなさい。
と思ってるけど敷島って発音が霧島に似て…まさかぁ!!
霧島は金田一の側にいますのでここにはいない。


・明智健吾
高校三年生、既に眼鏡。
眼鏡キャラなのに本体は眼鏡ではない荒業を見せる男。
髪型はいつも通り。
作者一の暴走列車、如何に高遠と高野が消極的かわかった。
黒魔術の時は高野さんとあまり喋れなかったなぁと思っている、井沢健太郎優遇だった。
明智警視の記憶があり、何となく警官にならないと違和感があったが今回のでそれは記憶に釣られているからと気付き、自ら警官にならねばと決意した。
警視になる前に彼はきっと記憶を思い出す。

前世の件は高野遙にスッと受け入れられたなので驚いたがまぁ高野遙だからとか思った。
ちなみに剣持さんは金田一の側にいるので会えません。

・高野遙
高校三年生、そろそろ眼鏡かけそうかもしれない。
髪型はミディアムより少し短い、恐らくウルフカット。
ロングではないのは確か。
黒魔術の時は疎外感半端無いので勝手に動いていた、三人が行ったあとは火祀星子と喋っていた。その後も星子と地味に交友関係は続くため自然と暁の嫁の夏目とも話すようになる。
敷島青雅のことは(自分を殺した人と思ったけど)勘違いで良かったが、新たにやることが増えたなと思っている。
馬鹿力がそろそろ通常化し始める、通常時で片腕にパイプ椅子三三の合計六持てるので普通の女子よりまぁ力はあるのでは?

前世の件は戸惑った、知ってるとはいえ打ち明けられると思ってなかった。
高遠遙一のことはどんなやつになっても守ろうかなと思っていた、それは叱られる。
この件で完全に覚悟をし始めた、守るための行動をしよう。
いくら言われても命を大事にが中々できない人間。
まだ言ってないことは死因と前世の出来事、そして金田一くん達を知ってる理由。
ちなみに死因の元は同じ世界にいるのでエンカウントしないよう気を付けてください。

・井沢研太郎
ある意味新キャラ。
明智健吾と同い年のため高校三年生だが仕事もしてるので恐らく通信か夜間。
黒魔術の時は高遠や明智に記憶があるのにも驚いたが何より驚いたのが高遠の童顔具合。
顔変わってないな…?
これから扱き使われるのかぁと思うと暇な内に体鍛えたり体力付けようと井沢くんは思った。
事件巻き込まれるよな!?そうだろ金田一!?

ちなみに火祀青竜は殺していないが死んでいた。
小さい頃、視線と雰囲気であいつらだと気付き、成長してからは火祀コーポレーションの仕事で関わったために今度こそと思った。

・敷島青雅
新キャラ、年齢二十代前半、コナンクロスオーバー時三十代前半。名は全て薔薇から来ている。
白薔薇 和名 敷島(カイゼリン・アウグステ・ヴィクトリア)
青薔薇 青雅
髪型は高遠少年にそっくり、顔ももろ高遠、ドッペルゲンガー並みである。
しかし高遠が金の目に対し敷島は紅、簡易に言うと眼だけアルビノのようなものである。
普段は太陽光から眼を守るためグラサンをかけている。そのせいか夏場や冬などの太陽光が激しい季節はあまり犯行に及ばない。勿論海辺の殺人は以ての外。
あと違うのは彼の方が少し図体がいい。
火傷の位置のイメージは顔は左目に片手添える感じの範囲がひきつれている。背中の十字の火傷はジゼルと同じ感じ、左手はうっすらと十字の火傷、実は左腕も少し火傷の跡がある。

犯罪の種を巻くのではなくそこにある種を育てる人間。
怪人 薔薇騎士、ローゼンナイト
殺気よ、刃のように。
憎悪よ、炎のように。
復讐よ、美しい薔薇のように咲き誇れ。

生まれと事件の位置は月読ジゼルだが立ち位置は高遠遙一。
母がとても優しく前世ではあり得ないほど大切に育てられた、しかしそれは終わることとなる。
腹違いの弟がいるがそっちは生まれと事件の位置が高遠、しかし本質は月読ではなくどちらかと言えば霧島よりも酷く執着心の強い快楽殺人犯であり死体愛好家。
兄弟共に前世の記憶があり、前世は年が逆転していた。
つまり敷島は現在兄の前世弟である。
ちなみにその弟は魔術列車殺人事件の時に出る予定。

宿世の因縁は今ここに始まる。

黒魔術の時はなにか察した。弟とは雰囲気が似てるからもしや彼女は弟の被害者?と思っている。
今回ので金田一世界だったのかと勘違いしている。
火祀青竜を殺したのは彼でもない、計画はまぁまぁ立てていた。


・松田刑事
あの松田にしようか悩んでいるため未定


・火祀家
もしかしたら今後も出るかもしれない。
火祀青竜を今回殺した人がここにいる。


・その他
現在の身長は敷島、明智と井沢、高遠、高野、近宮玲子の順。

現在の身体能力は敷島、明智、高遠、近宮玲子、井沢、高野の順であるが高野の馬鹿力発動時は高遠の後ろに来る。

敷島青雅の母の名前は敷島鳴海、またもや薔薇の名前。
ピンクの薔薇 和名鳴海(マダム・アベル・シャトネイ)

そして未定だけど敷島の弟の名前は高宮幽一(タカミヤユウイチ)近野宵弐(コンノショウジ)

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