雄英に襲撃、オレは有り体に言えばヴィラン、犯罪者だ。ヴィランなのは俺のせいじゃねぇ。クソヒーローのせいだ!!
悪い事をして誰かのせいにするのは責任転嫁っていうな…ふざけんな…。
俺はヴィラン扱いされる前はいわゆる優等生くんな人間だった。校則の1つもやぶった事もない真面目な生徒だった。
そんな真面目な俺は学生時代はあまり遊ばず頑張って勉強をして、其れなりの学校に進学して卒業して、運良く大手の会社に採用された。俺の人生は順調。順調なのは此まで積み重ねた努力のお陰だと思った。真面目にやれば報われる。努力は実るそんな事を思ってたな。
だからヴィランは努力しなかった不良が成るような奴等だと、その頃は思っていた。
全部一瞬で台無しになった。
入社から一年ぐらいの出勤時の話だ。ヴィランを追跡していたヒーローが後ろからぶつかってきた。俺は普通に歩いてただけで後ろからぶつけられる形、俺は吹っ飛んで地面に激突して怪我をして気絶、どう考えてもヒーローが完全の過失、ヒーローから慰謝料貰える話だ。
結構な怪我はあったけど初めはヒーローにそんなに怒りとかはなかった。ヴィランを捕まえるのに事故は仕方ないってな。俺は事故だから謝ってもらえば許すなんて…思ってたな。
で、どうなったと思う?
警察に俺は逮捕された。
怒りより混乱したな。
普通に歩いててヒーローが後ろからぶつかってきて気絶した。どこをどうやって俺がヴィランになるんだよってな。
クソヒーローが追跡してたヴィランを逃がすために俺がわざとぶつかったとか、ヴィランの共犯とか言ったんだと!!
初めはヒーローに怒りは感じけどそんなに慌てたりなんてしなかった。普通に考えてあんな無茶苦茶な話が信じられるなんて思わないしな。
なのに警察にヴィランじゃないと言っても信じて貰えない。可笑しいって思ってそうな警官もいたけど、捕まえたヒーローが其れなりに有名な奴でヒーロー側の言い分だけが採用されたんだとよ!!ふざけんな!
その時の罪は軽いものだった逮捕された。逮捕されたヴィランって肩書きが付いて…会社はクビになって仕事もなくして、釈放されてからは真面目に生きようと思っても逮捕されたヴィランって肩書きは重くてマトモに再就職はできなくて、ズルズルと本当にヴィランに落ちた。
俺は済し崩しにヴィランに成るしかなかった小者だ。俺みたいに大したこともないヴィランが集まったヴィラングループに俺はいた。昔の事を思い出す度にヒーローへの怒りと憎しみが沸いてくる。同類は集まる。グループには俺と理由は違っても相当なヒーローが嫌いなやつばかりが集まっていた。
相当な数が集まってた。でもヒーローをどうこうできる度胸はない。ただ愚痴を言い合うだけで不満を燻らせていた。
そんな時、ヴィラン同士の繋がりで雄英の襲撃をするという噂を聞いた。噂を聞いて何日かしてからその襲撃をするという別のグループから誘いを受けた。襲撃グループのリーダー格が決めた襲撃グループの名はヴィラン連合、チープな名前だ…けど…俺が!俺達が欲しかった機会だ!
雄英襲撃。計画とか陣容は知らないけど、くそヒーローの巣窟にデカイダメージを与えられるとも思えない。襲撃して逃げ切れるかどうか。雄英を襲えば先ず逮捕はされると俺達は思った。逮捕される覚悟でないといけない。
俺は行く…ヴィランの冤罪を押し付けたのも雄英の出身。あのクソヒーローの後輩になる雄英のガキに復讐できるなら逮捕されてもいい。俺だけでなく俺のいるグループは逮捕覚悟でも全員が参加することになった。
参加した後から聞いた事だけど、雄英襲撃の目的は雄英の教師なったオールマイトの殺害ときいた。アホじゃね?ヒーローは嫌いになったけど……今でもオールマイトのファンだ。けど敵なんだよな。
…オールマイト、敵と考えたら怖すぎるから関わりたくない。対オールマイトのヤバそうな脳味噌が出た化物が戦うそうだけど勝てると思わねぇ。どうせオールマイトに負けるだろう。
流石にオールマイトと戦わされるとかなら参加は止めるぞ。俺達が戦うのは別だ。襲撃場所は一年の授業中の施設。俺達が襲う相手はバラバラに黒霧の旦那に転送されてくる一年。
まだ入学したばかりのガキなら数で囲めば俺たちでも勝てる筈だ!ヒーローになんてなろうなんてするエリートのガキが泣き叫ぶ顔を想像したら……いいよな。もし女なら、雄英の女は可愛いらしい。他の意味でも楽しみだ…とか考えるようになった俺は完全にヴィランに成ってるな。怨むならお前等の先輩を怨め。
転移系の個性の黒霧の旦那のお陰で雄英の施設に簡単に大人数が侵入できた。黒霧の旦那の能力がスゴいとしても、話に聞いてたより雄英の警備大した事ないな。……態々襲撃しなくても爆発物とか仕掛けてドカンといけたんじゃないか?
俺達の役割は其々の施設に散らされた一年のガキを好きにして良いそうだ。送られた施設で待った。俺はどうせなら可愛い女子がこないか期待して待…ちたかった。
…来た意味ないかもしれない。
だってさ…同じ所で待機してるの、ニコニコ笑ってる顔がツギハギの大男、フランケン、海外から来た名の通ったヴィランだ。コイツに俺達全員がビクビクしている。そりゃ名前ありとか俺たちみたいな小者とは格が違うやつだしな。
殺人鬼のマスキュラー、ソイツと同じ部類のヤツだ。人を潰すのが大好きなやつで、プロヒーローを真っ正面から何人もやってるらしい。犯行がトップニュースで報道されて未だに捕まってない大物だ。何か海外から態々、世界で一番平和な町を襲いに日本に来てて、ヒーロー学校を襲うのも面白そうだってスカウトされたんだと
いや、なんでこんな大物が俺たちに混ざってるんだよ!!!オールマイト潰すんだろ!!?生徒なんかよりオールマイトと戦うのに使おうってなるよな!?なんでこっちにいるんだよ!!
くそ!なんで混ざってるかと言えば、リーダーの死柄木のヤツがイカれてて扱いにくいって理由だとよ!手首をアクセサリーにしたやつにイカれてるって言われるヤバさ。
「ーーーーー♪」
鼻歌歌ってるよ。潰すのが大好きなヴィラン。女が出てきても俺達が楽しむ前に潰すんだろうな。男でもいたぶる前に潰しそうだ。
あーーくそぅ!コイツがいると俺達なにもすることない!!文句を言うとか無理、俺達に戦わせてほしいと頼んだヤツが其処の染みになってるし…。はぁ見学で終わりそう。
ビクビクしてたら予定の時間がきた。黒いモヤが空にでた。黒霧の旦那のモヤだ。それでモヤから出てきたのは、一人か。出てきたの男だな。後ろ向きだけど後ろ姿だけで男とわかる。男の着そうなコスチュームだし。ヒーローのコスチュームか?まぁ下手に可愛い女が来ても潰されるの勿体無いと思うしましか。
けど一人だけかぁ。何人かでくるとかおもってたのに。一人だとサクッとフランケンに潰されて終わりだな。逮捕覚悟で来たのにエリートをボコボコにする復讐ができないわぁ。
黒い服の長身で長い髪に太い腕。後ろから見ただけで強そうなヤツとわかる。顔は見えないけど絶対にイケメンぽい。学校とかでモテただろうな!ん?なんか寒気がするのなんだ?逃げた方がいい気がする??なんでだ????
フランケンが前に出た。あの巨体でとんでもなく早いな!あれが有名なヴィランの動きか。桁違いだな。俺達置き去りだ。雄英生徒が着地した。けどもう既に背後にはニコニコした顔で腕を振り上げるフランケン。
一応雄英生徒を逃がさないように囲むように動いてるけど…意味ないよなぁ。だって雄英生って言ってもヒーローの卵。プロヒーローでも正面から潰す化物の不意討ちなんてどうにも成らないだろ。
まったく、せっかく雄英に合格出来たのに運の悪い奴だな。悪いのか?いやどうなんだ。俺たちになぶられてボコボコにされないのは運がいいのか。一発で潰される方がマシ…か?どうでもいいか。それよりホントこれじゃなんのためにきたかわかんねぇな。こうなったらもう他の所に行く…[バチン!!]…か
は?
バゴン!!
あれ?フランケンさ、あ、アイツの後ろに居たよな。なんで目を少し逸らした間に居なくなってんだ。いや動きが素早かったけど…一瞬で消えるなんて無理だよな、なんかバチン!と言ってゴガン!!って音がしたな?…え?彼処の壁なんで崩れて瓦礫が……あ、あれ血か!?ち、血が流れてきてる!あの瓦礫から出てる腕って…フランケンの……
は????
雄英の生徒は振り向いた。
「……」
雄英の生徒が俺達をみて…雄英の生徒…せいと?
ち、違う!!せ、生徒なわけあるか!?あ、あんな恐ろしいのがヒーローを目指す雄英の生徒なモノかよ!?絶対にヒーローになる生徒なわけねぇよ!!誰だよこ、こい、この方は!?こんな恐ろしい威圧感、な、なんで気付かなかったんだよ……ヴィランだ。それも俺達みたいな小悪人なヴィランじゃねぇ!あの恐ろしかったフランケンより遥かに格上の超大物な御方だ!
「こ、ころされる。絶対ころされる」
隣のやつの呟きが聞こえた。
こ、殺されるってなんだよ…
「誰か知ってるのか?」
「知らねぇよ!!け、けどフランケンの奴がやられたんだ次は俺達の番だろ!?……」
はぁ!!!俺達もやられるのか!?やられるってのか!?そ、そんなこと…無いと言えなねぇ威圧感をしてらっしゃる。お……おい、お、おれヒーローやらヒーローの卵相手なら捕まっても命の危険はないとおもって今回の襲撃にきたんだぞ!?死ぬとかいやだぞ!い、いやいや、ま、まてよこの方はヴィランでヒーロー関係じゃない。な、なら俺達をやる理由もないよな。フランケンの奴は攻撃しようとしたからやられただけで、すよね?な、なんで俺達をジックリと見てるんですかね?
「どうするか」
え、なんすか。どうするかって……始末するか、どうするかって悩んで??も、もしかして目撃したから、目撃者は消すみたいな。そ、そうなのか、ど、どうすりゃいいんだ…倒す?フランケンの奴がアッサリやられた相手に俺達が纏めてかかっても勝てるわけねぇだろ!?!てか!怖くて足が動かねぇんだよ…
足が動いたら何とか逃げ……だ、駄目だ。ここからでる出口はフランケンのヤツが崩してる。あの大馬鹿野郎が!!何が逃げないようにだ!俺達の逃げ道無くなってるじゃねぇか…
「まて!まってくだしゃ、さい!お待ちください!」
誰かが舌をもつれさせながら叫んでいた。
「あ、あなたさまへの攻撃は、さ、さっきのヤツが勝手にやったんです。お、オレたちはあなた様と敵対なんてするつもりなんて毛頭ないんです!」
「そうですぜ!!俺達はアンタと敵対するつもりなんてありません!?」
「……」
「あ!も、もちろん!た!逮捕されてもあ、あなた様の事は絶対口外しないと誓います!」
「……」
「た、助けてください」
「…助ければ良いのか」
その言葉に見逃してくれるんだとホッと仕掛けた。そして顔を見て……
「ひぃ!!」
悲鳴が漏れた。
ねぇよ…た、助けてくれるなんて顔じゃねぇ…よ…崖っぷちに立ってたらそのまま崖から突き落とされる…だめだ。死なせて恐怖から解放して助けてやろうって顔だ……
「……」
ち、近づいてくる…近づいてくる。
やだよ近づかないでくれよ…あ、足がすくんで動かない。指一本動かせない。なんでだよ動いてくれよ。目だけ少しだけ動いた。横を見ると、まるで死ぬ寸前みたいな顔をしてる奴等がいた。もう死ぬことから逃げれないって覚悟をしてしまってる顔だ。お、俺も同じ顔だろうな。
あぁ…いやだ…しにたくねぇよ…だれか…だれかたすけて…
「死にたくないなら手をあげて!!早く!!」
女の子の声が聞こえて俺達は全員手をあげていた。