大魔王inヒーロー学校   作:ソウクイ

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第13話

災害訓練用に頑丈に作られているUSJの壁の一角が崩壊している。うず高く積もった瓦礫。脳無にず殴られ瓦礫に埋もれたバーンさま。

 

オールマイト級の身体能力のあると豪語された脳無。その一撃はプロヒーローである相澤の骨を折る程。もしヒーロースーツを着てなければ骨どころか肉体が無事かどうか。

 

そんな脳無の一撃をマトモに受け瓦礫に埋もれたバーンさまは……誰もがまさか!?やられた!?やったか!!と思いバーンさまを心配しただろうが……無傷だった。

 

やっぱりとか案の定とか嘆かれた事実は…きっとない。

 

「……」

 

バーンさまは瓦礫の中で考えている。それは自分を殴った脳が剥き出しの脳無、の事ではない。脳無に殴るように指示した手男もとい死柄木について。

 

手を払っただけで腕が折れる脆さの持ち主。バーンさまも試験やら何やらで“多少”力が強い自覚は有るが…それでもヴィランを名乗るにしたら脆すぎないか。バーンさまの想定するヴィランてなんだろう。一般人の父親以上には強いのが普通じゃないかと思われている。

 

本当にヴィランなのか。

未だにしつこくまだその点で悩んでいた。

 

相手が襲ってきたヴィランなら幾らとても優しいバーンさまでも、怪我をさせても地面にいた虫を踏んだぐらいの認識になるのだが…

 

ヴィランなのかどうか。

 

送られた場所では助けてくれと願う人達しかいなかった。

 

入り口まで戻り、バーンさまも相澤が怪我をしているのを見て流石に本物のヴィランかと、死柄木の台詞にヴィラン襲撃は事実と思った。

 

そう思ったのだが…しかし…思い出せばあの場に何人も居たが相澤以外は特に怪我人がいなかった。生徒が無傷でプロヒーローである相澤だけが怪我人…生徒を相澤相手への人質にしてたようにも見えない…

 

「た、田中くん大丈夫!」

 

バーンさまが瓦礫の中で考えていると上から焦った様な心配したような葉隠の声。初めて聞く家族以外で自分を心配した声が聞こえた。

 

喜びは有るが疑問もあった。なぜ心配されているのだろう?バーンさまはそう言えば殴られ瓦礫に埋もれていたと思い出す。ちょっとバーンさまは天然気味なのだ。

 

バーンさまは上に乗った大量の瓦礫を苦もなく退かす……瓦礫が飛んだ。

 

「!?」

 

バーンさまが瓦礫を飛ばし出てくるとギョッ!とした視線が向けられた。脳内で戦慄や降臨みたいな名前の付いた危険を演出するBGMが聞こえてそうだ。いや勿論、ヴィランにとっての危険と言う意味で

 

葉隠は吹き飛んだ瓦礫の衝撃でなのか尻餅を付いていた。見えないが女の子が全裸で尻餅を付いている。瓦礫から出てきたバーンさまを見た。

 

「だ、大丈夫?…うん…心底大丈夫そうだね」

 

バーンさまが平然と服についた埃を払う姿に、バーンさまはなんのダメージも受けていない事をさとる。ヴィラン側が青ざめた顔をし一部の雄英生徒は絶望した顔をしている。なにかおかしい気がする。

 

念の為に立ち上がったバーンさまは体の調子を確認する。バーンさまの身体にはなんの異常もない。少しだけ殴られた所にスゴくは痛みがあるぐらいか。一般人の父親からの寝起きの攻撃の方が痛い。

 

「いやいやふざけるなよ。オールマイトの一撃を受けたようなモノだぞ。なんで無傷みたいなんだよ」

 

「………やはり恐ろしい御仁のようですね」

 

その台詞が聞こえてバーンさまは笑った。

 

「…………な、なにが面白い」

 

それは笑える発言だろう。オールマイトとはバーン様が産まれる前から活躍しているナンバーワンヒーロー。認識としてはアメリカンヒーローのスーパーマ○。そんなオールマイトに匹敵する一撃で殆ど痛くない何てあり得ない。相手は脳無を過大評価してるか。オールマイトを過小評価し過ぎている…とバーン様は思った。

 

「……」

 

ふと見ると相澤が険しい顔をしている。

バーンさまはその顔の意味を考えた。

 

あの顔は不満を感じている?

 

考えてみると、訓練と考えれても本物のヴィランとしても防げる攻撃を受けたりするのはダメだ。防げたのはプロなら見抜けて可笑しくない。不満を感じても仕方ない。バーン様は気を引き締める。気合いを入れる。圧力となった。

 

「……っ!!」

 

戦意も感じる圧力、ヒーロー相手には本来は感じない死の予感。バーンさまが自分達を殺すつもりだと感じた。気のせいだ。

無意識に数歩後退りしてしまう。そんな自分の行動に怒りを感じ圧力を意識から外し死柄木は思考する。

 

「まてまて……攻撃を一回受けて立っただけじゃないか。それに、そうだなんで気づかなかったんだ。脳無の一撃でノーダメージに見えるのは不自然だ。きっとバリアみたいな個性で防いだんだな。なら化けの皮を剥がしてやればいい。そうだよ。脳無が負けるわけがないんだ。何度も攻撃したらバリアも壊れるだろ」

 

首をガリガリと掻いた死柄木がブツブツと呟き結論をだし脳無を見た。

 

「待ってください死柄木」 

 

黒霧は次に出す言葉を察して慌てて止めた。

 

「なんだよ黒霧」

 

「別に彼と戦う必要はないでしょう。この時期に雄英を襲撃しているなら我々と目的は同じではないですか。狙いは十中八九オールマイト、もしくは生徒の誰か。時間もないですし一時的にでも協力するのがよろしいのでは」

 

黒霧は敵対は避けようと提案した。

 

「……黙れ。同じヴィランでも第三勢力ってのは経験値泥棒で邪魔なんだよ」

 

バーンさまは不思議な会話を聞いた。

 

まるでバーンさまがヴィランの様な扱いじゃないか。あと第3勢力で経験値泥棒と聞くと冥王と忍者を思い出すバーンさまはスパ□ボ好きだ。

 

死柄木たちの話を聞いた雄英の担任にクラスメイトは何も言わない。ナチュラルにバーンさまがヴィラン扱いされてる事に一人二人は反論してくれてもイイ気がするが何も。バーンさまがヴィランなんて突飛過ぎる話で反論の必要も感じてないんだろう。

 

何の根拠もない突然のヴィラン扱い。これを訓練とすれば模擬戦の様にバーンさまにもヴィラン役として動けと言うフリだろうかと……流石に気のせいだろうと考え直し命拾いをした。どちらがとは言うまでもない。

 

ヴィラン役でない。

なら普通にヒーロー役だ。

 

相手が本物のヴィランか訓練の為の役か今一確信は持てないが、他の生徒はヴィランと戦う様子を見せている。なら同じ様に動くべきと思い戦意を向けた。

 

「こ、殺したらダメだよ!?」

 

戦意を向けた瞬間にバーンさまは透明な少女からとても不本意な事を言われる。瓦礫に埋もれたぐらいで心配した事といい。心配性な女の子なんだろうとバーンさまは察した。安心させるように殺したりしないと言う。なぜか殺す方が慈悲がある様な…

 

 

「脳無あの黒いのをやれ」

 

死柄木は脳無に指示を出している。飛び出してくる脳無、オールマイトに匹敵する身体能力が偽りで無いと示すように、並みのプロヒーローでは対処不可能な速度で向かってくる脳無。

それに対して先程なぐり飛ばされたバーンさまは…心配性な葉隠の為にも成るべく穏便に取り押さえようと考えていた。そうして思い付いた手段…

 

「!!」

 

バーンさまを目前にして見えない壁にぶつかった様に脳無は弾かれる。数メートル後ろに下がり地面を削り着地した。

 

「弾きとばされた?」

 

「…脳無もう一度だ」

 

再度接近、今度は弾かれず脳無は直撃すれば一撃で致死する威力を秘めた拳で殴る。しかし脳無が殴ろうとしても当たらない。脳無の拳はバーンさまに当たる手前で何かを殴っている。まるでバーンさまの前に見えない壁があるかのようだ。

 

「はは、あぁやっぱりそうか」

 

死柄木はやはりバリア系の個性で攻撃を防いだのだと思う。脳無は見えない壁を大気が震える勢いで無心に殴ってる。効果が無いように見えるが死柄木は止めない。バリアなら耐久の限界もあるだろうと、殴ればバリアは限界を越えて壊れると脳無に攻撃を続けさせた。

 

脳無がバリアを壊すか。

バーンさまが耐えきるかの勝負。

そう一人を除いて誤解していた

 

「(…………化物め)」

 

死柄木は位置が悪く見えてなかったが、個性を使う為に脳無がしっかりと見える位置に移動した相澤の目には…事実が映った。

 

化物、いや自分の生徒が自分を散々に打ちのめした脳無の攻撃を受けているが、別にバリアのような壁で防いではいない。バーンさまの腕が消えるように動いてるのが見えた。そして腕の先が脳無の拳と当たっているのが見えた。

 

つまり脳無の拳に対応し手で防ぎ相殺している。死柄木の思うバリアの壁なんてモノは存在はしない。ただただ極単純に……オールマイトに匹敵するパワーの脳無の攻撃の一切が素手で防がれてるだけ……。

 

(俺はあの拳が直撃してなくてもこの有り様何だがな……)

 

あの生徒の御方の担任の相澤は他の生徒共々現在助けられてる立場だが……過去のトラウマをほじくってしまう相手の活躍を見せられ…なんで自分は形振り構わずにB組に送らなかったんだろうと考えてしまう。

 

バットの様な棒で壁など何か堅いモノを思いっきり殴った事は有るだろうか?やった事のある危険人物はわかるだろう。堅いモノをバットで殴ればその反動が自分に来る。

つまり一方的に攻撃をしているように見えて…脳無も攻撃を受けてるも同然。

 

脳無は全力で攻撃をし続けている。防がれるその反動は衝撃となるが衝撃は脳無のショック吸収能力で無効化される。一発一発が大砲を上回り兼ねない威力の衝撃を無効化している。ではそれは永遠に続くのか…死柄木の思うバリアの様な許容限界…それが脳無に無いなんて誰も言ってない。

 

「は?」

 

相澤と死柄木は同時にそう言った。

生徒たちも1拍遅れて同じ声を出した。

 

ブチり

 

脳無の太い腕が落ちた。

 

バーンさまの腕に防がれた脳無の腕がショック吸収の限界を迎え、バーンさまの腕に押される形で肩の根元から千切れる様に外れた。

 

腕が落ちた。なら防いでいたバーンさまの手はどうなる。オールマイトの攻撃を相殺するだけの力が籠った手は、バーンさまの防御していた手は勢いのまま脳無の胴体に当たる。ショック吸収は脳無自身の攻撃で許容限界を迎え機能せず肉をゾリッと削いだ。辛うじてだが人に見える生き物が致命的に削がれる光景に生徒たちは息をのむ。殺してしまったと見えた。

 

「は、ショック吸収は……」

 

死柄木からすれば攻撃をバリアでずっと防がれていた脳無が、一度殴られただけで削がれたようにしか見えない。

 

「……イレイザーヘッドが脳無のショック吸収を無効化したのでしょうか」

 

相澤が犯人だという憶測を出す。生徒もそうなのかと言う視線で相澤を見た。冤罪。いや生徒を襲うヴィランの個性を抹消して何も悪くないが。相澤はなにもしていない。

 

「………敵の敵は味方ってことか?ヒーローがヴィランの援護なんて手段選ばないなイレイザーヘッド、……………脳無はこの程度で負けないけどな」

 

脳無はどう贔屓目に見ても致命傷、死柄木の声にはまだ余裕がある。脳無がまだ戦闘不能でないという様なセリフに、相澤たちは死ぬ寸前に見える脳無を注視し、その後の光景に…驚愕した。

 

「げ!身体が再生してる!?」

 

致命傷にみえる程に砕かれていた肉体が戻っていく。ウッカリ普通なら死ぬほど相手の身体を砕いたバーンさまも化物だが、常人なら即死する様な損傷を平然と再生させる脳無も紛れもない化物。サラッととんでもない事が書かれてる気がするが気のせい…でもない。

 

「どうだ。これが対オールマイトの脳無だ。さぁ第二ラウンド。やれ脳無」

 

脳無は肉体の再生が終わると自分の身体を砕いたバーンさまに襲い掛かる。先程と速度は変わらない。完全に肉体を再生していた。

 

相手は即死する損傷でも再生して平然と動く怪物。どうにかするには再生する限度まで身体を壊し続けるか。再生する余地もない程に壊すか、再生を何らかの手段で封じるか、身動き出来ないようにするしかない。

結構対処方法があるように思えるが、これをオールマイトクラスのパワー、ショック吸収能力、再生能力を持つ相手に実行するのは難易度は果てしなく高い。

 

 

……それがバーンさまでなければの話だが

 

 

 

バーンさまは脳無が再生したのは多少はスゴいとは思ったが、むしろこれはバーンさまにとっては…朗報か。

 

極端な再生能力は”もう少し乱暴”にしても良いという安心を提供してしまっていた。

 

バーンさまは再び殴りかかってきた脳無の再生したばかりの腕を掴み、そのまま棒の様にを縦に持ち上げる。そして脳無は急速に近付く地面を見た。

 

バーンさまが脳無を地面に投げつけたのだ。

 

『『うわぁぁぁ!!!』』

 

脳無が床に投げつけられた瞬間、頑丈に作られた床はまるで駄菓子の様に簡単に割れ、建築物の床を破り土の地面にぶつかる。十メートル半径で円形に陥没。衝撃と地面の揺れで何人も倒れた。

 

そして起き上がると…脳無とバーンさまが居た地点を中心に円形に床が半分ほど無くなっている。そして床の無くなった所には大きく深い陥没、一番下にいるバーンさま、その近くには脳無の腕だけが伸びていた。 

 

バーンさまの考えた脳無への対処方法は極々単純、動けなくすればいい。埋めることで身動きを封じることにし地面に投げつけ埋め込んだ。再生という安全保障に安心して力を入れすぎて災害みたいになったが

 

誰もが唖然とする中で葉隠の居る角度からは脳無の腕の近くで蠢く黒い靄が見えた。バーンさまの後方の地面に黒い靄が出ている。脳裏に過る初めに散らされた転移。

 

「あ、あぶない!!」

 

葉隠と幾人か危ないと叫んだ。靄から片腕を無くし肉体の所々が裂けている再生途中の脳無が靄から生える様に出てきて襲い掛かってくる。黒い靄はイレイザーヘッドの抹消で途中で消えたが脳無は靄から出た後。視覚外からの奇襲。

 

脳無の視界が暗くなる。

それはバーンさまの足が脳無の頭にあったからだ。

 

脳無の頭は踏み潰される。そしてまた地面に埋められる。更に踏む。まるで巨大なハンマーが落ちてるかの様に、踏み潰すごとに穴は更に深くなる。脳無は抜け出そうとまだ動く。動こうとする足や腕を潰した。ショック吸収の限界を越えるまで踏み潰した。再生しなくなるまで踏み潰した。動けなくなるまで踏み潰した。

 

自分に敵対した相手は存在の欠片も赦さないと言うように徹底的に潰す。ショック吸収も再生も発動しなくなるまで、脳無が動かなくなるまで

 

踏まれ続けた脳無は頭部は埋まり胴体の半分ほども地面に埋まっている。痙攣したように動いている様は、大きな蜘蛛が人に踏み潰された後の光景に少し似てるだろうか。

 

ただただヴィランもヒーローもヒーローの卵たちもその光景に動けずにいた。ガタガタと震えることしか出来なかった。

 

大気が振動する衝撃と肉の潰れる音だけが鳴り響き、数十秒ほどで鳴り響く踏み潰す音が失くなった。脳無は腕だけ見える。唯一見える脳無の腕はピクリとも動かない。対オールマイトとして産み出された脳無は…誕生した意味であるオールマイトと出会う事すらなく無惨な姿を晒すことになった。脳無に殺されかけた相澤すら憐れみを感じてしまう。

 

い、いや!!バーンさまも予定では平和的に拘束しようとしていたのだ!

 

動けなくするだけのつもりだった。まさか腕がもげるまで殴ってくるとは思わなかった。その後もゾンビの様に出てきたのが悪い。ホラーが苦手な御方が驚いて蹴って地中に戻そうと過剰に蹴り続けてもしょうがない。バーンさまは悪くない。悪くないのだが……ちょっとやり過ぎたのかもと思われた。

 

バーンさまは脳無()を心配して見下ろしている。しかしその心配している心情は欠片も外には出ておらず、感情の籠っていない視線で、見るも無惨に踏み潰された憐れな怪物を見下ろす姿は外野から見れば……

 

死柄木はそれを見て決断した。

 

「……逃げるぞ」

 

オールマイトを狙いに来たのに、対オールマイトの脳無が潰されたなら此処にいる理由がない。……救いとしてはオールマイトが終わることにかわりないことか。

 

あの存在の狙いは黒霧の予想通りオールマイトだろう。オールマイト以外にあんな存在が此処に来る理由が想像できない。あの存在ならオールマイトを潰せると確信できる。敵対さえしなければオールマイトがヤられる所を見学出来たのにと今更ながら後悔していた。

 

「はい」

 

黒霧としても撤退に反論はない。むしろ言われなければ自分が提案した。ヴィラン連合の主犯二人は逃げようとした…したのだが…

 

「黒霧、なにしてる急げ」

 

「…個性が発動しません」

 

脳無を倒した相手が近づいてきている。黒霧は急いで逃げようとするが個性が発動しない。

 

黒霧を相澤が見ていた。

 

「イレイザーヘッドめ!!」

 

逃げることが出来ない。なのに脳無を倒した謎のヴィランは刻一刻と穴から登ってくる。脳無を襲わせた報復か。わざとユックリと上ってきている。そして周りの人間を見ている。ヴィランらしく獲物を恐怖させるつもりなんだろう。単に脳無をどうしようか助けを求めてるだけである。

 

登ってくる。

 

半死半生のイレイザーヘッドさえ何とか出来れば逃げれるが、イレイザーヘッドの周りには死柄木達の狙いに気づいたのか護るように生徒達が居る。プロのイレイザーヘッドが幾ら戦闘不能に近く、生徒だけとしても、個性を封じられた状態では。

 

登ってくる。

 

「彼処に!」

 

黒霧の狙いに気付き死柄木は走りだす。柱の影、イレイザーヘッドの視線から外れれば個性が使える。相澤はマトモに動ける状態じゃない。自分達の進路を邪魔する生徒もいない。まだ倒されてなかったヴィラン達がいた。死柄木と黒霧からして既にどうでもいい相手。

 

ヴィラン達は動いた。

 

「確保だ!!確保!!」

 

「おら!大人しくしろ!」

 

「な!お前ら!なにを!?」

 

「……なんだぁ……」

 

死柄木、黒霧は床に押し倒された。

 

自分達の集めたヴィランたちの残りに、三下ヴィラン相手に負けるような二人では無かったが、完全に油断をしていて不意をつかれた。二人ともまだ相澤の個性の範囲内、個性が使えない状態では三下ヴィランの拘束も抜けれない。

 

「なんのつもりだ!?」

 

死柄木は困惑し黒霧は怒鳴った

 

「へ、へへ!あの方に無謀にも敵対したの、お!お前等だ!俺達は関係ない!」

 

「巻き添えになるなんて冗談じゃねぇよ」

 

「貴様ら、まさか…私たちを売って助かる気か!」

 

「おいおい裏切りか…」

 

「うるせぇよ!!何が裏切りだ!おまえさっき俺達残して逃げようとしたろうが!」

 

仲間割れ……いや元からどちらにも仲間という意識が有るとも思えないから仲間割れというのも変か。ただ彼等は雄英襲撃というイベントの主催者と誘われ参加した参加者という関係、仲間でなければヴィランの関係は弱肉強食。強いヴィランの方に付くのも変な話でもない、寝返る相手がヒーローの卵でヴィランでないという致命的な間違いが有ることを除けば可笑しくない。

 

死柄木は手から個性を使うところを見られていたのか、腕を後ろに回され手首を抑えられている。黒霧は実体のある胴体を抑えられている。仮に押さえられてなくてもイレイザーヘッドに個性を封じられどうにも出来ない。裏切る事はありえない脳無はクレーターの中に埋まったままで、戦えるかどうか以前に生きてるかも怪しい……。

 

終わった。

 

雄英の生徒と相澤は何とも言えない表情を浮かべている。謎のヴィラン、いや雄英の生徒の視線が集まる中でバーンさまが穴から床のある所にまで上がると、ヴィラン達が低頭で出迎えている。

 

「私がき…え、なにこの状況」

 

オールマイトがやってきた。

 

 

 

 

ヒーローの勝利である!

 

 

ヒーローの勝利である…!!

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