大魔王inヒーロー学校   作:ソウクイ

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第4話

 

"個性"が殆どの人類に宿り職業としてプロヒーローが当たり前の今の世の中。

高校にはヒーロー科も当たり前のように存在する。ヒーロー科は文字通り将来ヒーローを目指すモノ達の為の科目。

 

ヒーロー科は人気がある。当然受験などでヒーロー科の倍率は軒並み高い。そんな中でも倍率300を誇る雄英高校のヒーロー科は日本で最高峰、比肩するのは士傑高校ぐらいだろう。超エリート高校。

 

難関の試験を抜けて雄英のヒーロー科に入学しても、ヒーローに相応しくないなら簡単に退学者させられることもある。1つのクラス全員が退学者になった事もあると言えば、その厳しさは少しは判るだろうか。

 

 

困難に比例して雄英ヒーロー科を卒業したヒーロー達の実力に知名度は群を抜く。雄英の卒業者は活躍し有名になるヒーローが多数。なにより不動のナンバーワンと呼ばれる現トップヒーローも雄英卒業者。 

 

ヒーローになるだけなら他の高校のヒーロー科を卒業する方が遥かに楽。しかしヒーロー飽和と言われる今の時勢、有名になれないまま消えていくヒーローは数知れず。ヒーローの中でも脚光を浴びるヒーローは極一部。ヒーロー志望なら誰もが思うだろう。ヒーローになるなら世間に名を刻むほど有名になりたい。その思いが雄英の倍率300に現れている。

 

 

雄英ヒーロー科の受験日

 

数千人のヤル気に満ちた受験生達が集まっている。ヒーローになる事を夢見るヒーロー候補者達。ヒーロー候補達が集まっている。この場の全員がヒーロー候補……

 

ヒーロー候補?

 

関係ない、とも言えない話だが、もしヒーローを別の呼び方をするとしたら英雄の他にも勇者と呼べないだろうか。とにかくヒーローを勇者と呼ぶとしてだ。

 

勇者候補として『大魔王(バーンさま)』が似合わない学生服でいたらどうだろう。周りの勇者候補の顔色がとても悪い。まるで勇者になる前に始末しに来た何て事を想像してるみたいだ。

 

 

「いやーー……場違い感が酷いね!」

 

 

何処からか覗き見していた校長がそうほざいた。

 

 

 

 

 

 

雄英実技試験会場にあるー室。雄英で教師をしている世間に名の知れたプロヒーロー達が集まっている。校長である根津が入って来た。

 

「あ、校長、探しに行こうか話していた所ですよ」

 

「ゴメンゴメン遅れてすまないね」

 

「校長どこかに寄り道でもしてたんですか?」

 

「ちょっとね。確認に行ってたのさ」

 

「確認ですか」

 

校長が直接確認するような事があったのだろうか?何を確認してきたのか聞こうとした。しかし聞く前にまたドアが開く。

 

「失礼するよ」

 

「……バアさんどうして此所に」

 

彼女はバアさん、いやリカバリーガール、希少な治癒能力の個性を持ったプロヒーローであり雄英の医療を司っている。彼女の治療なら骨折レベルの怪我でも当日に治せる。雄英高校が生徒に対し無茶が出来る理由が彼女にある。癒しの個性なのに生徒の苦難と苦痛を保証していた。

 

「バアさんじゃなくてリカバリーガールと呼びな。と、今はそんな事を言ってる場合じゃないか、校長」

 

「なんだい。緊急の用件なのかな」

 

冗談めかした問い掛けに真剣に返答した。

 

「緊急だね」

 

その言葉を聞いた瞬間に室内の全員、教員がプロヒーローとしてリカバリーガールに注目した。

 

「それは穏やかでないね。なにがあったんだい」

 

「さっきから倒れた患者が何人も来てるんだよ。運び込まれた全員が精神に異常な負担が掛かって倒れたみたいなんだ」

 

拍子抜けと言った風に顔を見合わせる。彼女の治癒には傷の耐えないプロヒーローは全員がお世話になっている。さらに年齢もヒーロー歴も断トツ、この場のヒーローの殆どが彼女に頭が上がらない者ばかり。それでもヒーローとして気後れなんて理由で判断を誤る訳にいかない。可笑しいと思った事は口に出す。

 

「それって試験の緊張のせいじゃないですか?たまに神経の細い子もヒーロー科の受験に来てますし。去年だって受験生が倒れた事はありましたよね」

 

何で高校教師として採用されたか判らない全身タイツな格好の18禁ヒーローミッドナイトが言った。年齢サンジュウ…

 

「確かに緊張でまいって倒れる受験生は毎年居るけどね…………今年はその数が例年と誤差じゃ済まないぐらい多すぎるんだよ」

 

「そんなに多いんですか」

 

「ウ~ン、今年は神経の細いヤツが多いって事ではないんです?」

 

「ないね。倒れたとされる場所はある一定の範囲内、さらに倒れた受験生は目覚めてからも何かに怯えていた。反応から言って試験での緊張とは違う原因が確実にあるね。それと」

 

「それと?」

 

 

「全員が大物のヴィランとしか言えない存在を見て体が震えたと証言してるよ」

 

教師たちは顔を見合わせた。

 

「いや、それを先に言ってください。それはもうその角のヤツが確定で黒ですね」

 

一人の教師の発言に多くの教員が頷いた。

 

「そのヴィランにしか見えないヤツに、精神に作用する系統の個性で何かされたのかな?」

 

「受験の妨害目的ですかね」

 

「受験生か。受験生に紛れたヴィランという可能性もあるか」

 

「何にしても早急にソイツを確保しないといけませんよ」

 

「下手に確保に動くと受験生を巻き込みますよ」

 

「校長、どうします?」 

 

ミッドナイトはこの場の最高責任者である校長に指示をあおいだ。

 

「…………」

 

無言だ。

 

「校長?聞こえてますよね」

 

「うん聞こえてるよ」

 

校長はそう答えた。

その続きがない事に困惑した。 

 

見掛けはアレだが、個性ハイスペックを持った根津は人間でないと言うハンデを退け雄英の校長になるほど知能が高い。見かけと違いこの場で一番頭脳的な面では上だ。 

 

その頭脳で何時もは直ぐに指示を出すのに、直ぐに指示を出さないのは変だ。根津は毛で判りにくいがよくみると汗をかいていた。それと校長の他にも約二名反応が変な教師がいる。居心地を悪そうにしたり。気まずそうにしていた。

 

大ベテランのリカバリーガールが先ず始めに気づいた。

 

「校長、心当たりがあるのかい。あとイレイザーヘッドとプレゼントマイクも何か思い当たるみたいな様子だね」

 

その発言に其々三人は注目を集めた。

居心地が悪そうだ。

 

「なにか思い当たることがあるの」

 

同僚の問い掛けにまず相澤が答えた。

 

「…いえ…確実にとは言えませんが……大物のヴィランにしか見えないって所で多大に」

 

続いてプレゼントマイクが深く頷きながら発言。

 

「あーイレイザーも同じ予想したのな。そうとしか考えられない的な感じだよな……いや!確実にそうって決まった訳じゃないけどなぁ」

 

二人が答えた後に全員が根津を見た。

 

「なんだね。二人と同じかな!あとついさっき直接みたけど…二人の予想は間違ってないと思うよ!」

 

根津の言葉にヤッパリなのかと二人は顔をしかめた。

 

「ふむ、心当たりがあって動こうとしないって事は、問題ない事なのかい?」

 

「問題がないか?問題がないって聞かれたら、うん大問題だ」

 

「しかし心当たりで間違いないなら俺達が取り締まれる問題ではないですね。……そもそも問題を呼び込んでしまったのは此方ですよ」

 

二人の目をよく見たら虚ろだ。

特に相澤の様子が可笑しい。

 

「呼び込んだ?その心当たりは…人が倒れてる理由は個性の悪用ではないんですか」

 

「個性の悪用はしてないよ。倒れるのが個性が原因だと言われたらあながち間違いかな?」

 

「倒れたのはメンタルが弱い奴だろなぁ。試験の緊張とのダブルパンチでノックアウトってところだろ」

 

「……そんな所か」

 

三人は自分達だけで納得していた。

 

「個性の悪用はしてないけど個性が原因、メンタルが弱いと倒れる……それって、もしかして見掛けがグロテスクで滅茶苦茶怖い系?」

 

「まー…うん!怖いって所はあってる」

 

「グロテスク系の怖さじゃなくて…こう!心に来る系の怖さ?」

 

「……見ると精神的に来る怖さがあると思ってください」

 

プレゼントマイクはともかく相澤のガチ目の発言にプロヒーローなのに怖くなった。

 

「いったいどんな相手なんだい。間違ってないか確認しないといけないから教えな」

 

山田と相澤は校長を見る。お前が言えよと目が訴えていた。校長は扱いが悪く成ってない?と思う。

 

「うーん…そうだね…ハッキリ言うとね。受験生として彼が来てるのさ!」

 

まったくハッキリ言わなかった。

受験生としかわからない

 

「その言い方だと私たちでも知ってるような有名な相手なのかい?」

 

「……知ってると思うよ」

 

プロヒーロー達は誰か有名人やプロヒーローの子供か?など様々な想像をした。

 

「だから誰なんだい……」

 

校長は目を泳がせ相澤に目を向けると目を伏せられ。山田に目を向けると天井をみて口笛を吹いていた。

 

ここまでは言い澱むとなるとよほどに言いにくい相手、まさか犯罪者(ヴィラン)の関係者かと悪い方向の想像をしだす。当たらずとも遠からず。

 

「だれ、なんだい」

 

強めの問い掛けに校長はしかたなさそうに言うことにした。

 

「……地獄の帝王の息子さんさ」

 

反応はスカウトに行くと聞いた相澤や山田と似たような感じだ。害獣が居ると保健所に連絡しようと思ったのは幾人か。

 

 

 

 

「まぁ、落ち着きなよ。彼の実力についてはボクもとても不安だったから、実技試験については大丈夫な様にしてあるさ!」

 

 

 

 

 

勇者の中にいる大魔王ことYouTub○でバーンザーイをして母親を呼んでる幼女をみてホッコリした田中太郎、略してバーンさま。決してロリコンではない。

 

数ヵ月前、ヒーローになる学生が目指す雄英の教師を名乗る者達が家まで来て、雄英を目指さないかとバーンさまが勧誘された。

 

バーンさまは詐欺かと考えた。

 

特段可笑しくない。例年受験の倍率が数百となる雄英は多くの人が入りたい名門校。

 

中学時代のバーンさまは何処にでもいそうな真面目で優等生な下僕は居るが平凡な生徒にしか過ぎなかった。そんな相手を名門がわざわざ勧誘すると思うだろうか。

 

なにより雄英の教師を自称する三人が…どうみても教師に見えない相手だった事も詐欺疑惑のおおきな原因か。

 

サングラスに金髪鶏冠ヘア男、

無精髭の不健康そうな男

 

「やぁはじめまして!先ずは自己紹介をさせてもらうよ。ネズミなのか犬なのか熊なのか、かくしてその正体は…雄英高校の校長なのさ!」

 

と、二人を盾にしながら名乗る謎の生き物と謎の言うラインナップ。

 

 

誰が雄英以前に教師と信じるだろう。特に謎の生物、雄英ほどの有名高校が謎の生物を校長にしてると思えない。何故かやって来た二人の男が頷いた。…直ぐにネット検索で出た情報を見せられ間違えようのない校長の顔が載ってるのを見せられた。あと金髪鶏冠がDJプロヒーローをしてる動画も見せられた。

 

本物であり一応は詐欺でないと納得するしかない、勧誘の理由を聞くと、父親が昔は凄かったみたいな理由らしい。父親が凄いなら子供も凄くなるみたいな理由らしい。

 

父親は昔は凄かったのが想像は出来なかったが、要は血縁的な理由の勧誘だろう。勧誘を一応は本当だと信じたバーンさま。ただ信じたからと言って特に嬉しいとも思えなかった。

 

ヒーローになるには最高なのが雄英。

 

バーンさまは現代の若者よろしく少しはヒーローに興味があったが、ヒーローに成りたいと思わないタイプ。内気で平和主義な自分だとヒーローに向かないと思っていたからだ。

 

しかしバーンさまは受験を受ける事にした。

 

"友人"が雄英の試験を受けると隠れ聞いてたので、一緒に試験を受けるのも悪くないかと考えてだ。好都合にも希望の農業高校の入試試験と被らないので、ヒーロー科の一般入試を受ける事に問題はなかった。

 

一般入試に参加すると伝えるとナゼか慌てた様子で、バーンさまは推薦枠で受験を受けられると言われた。どのみち落ちるのに推薦はアレだと遠慮して断った。

 

 

試験日。

雄英の会場の前。

 

バーンさまはどうせ落ちると気楽な気分で受験を受けにきていた。確実に落ちるという前提がありなんの気負いもない。気楽な気分なのはバーン様ぐらいだ。

 

雄英ほどの有名校の試験ピリピリしている。バーンさまの周りで何人も過呼吸で倒れる人が出ていた。

 

真剣に合格しようと思ってきた受験生の緊張はどれ程か。倒れたのは過度な緊張のせいだろう。倒れる人が多発すると不安にもなってくる。助けを求めるようにバーンさまは受験に来ている筈の友人を探すが、人が多すぎて見つからない。只でさえ友人は小さいので見付けるのが困難すぎた。

 

偶々受験生と目線があった。熊に会ったバンビの様にガタガタ震えている。同じ人見知りなんだろうとホッコリして笑うと受験生は倒れた。試験の緊張でまた一人、バーンさまは深く同情をした。

 

それから何十人もの人が倒れるのを見ていると説明会の時間となった。試験の説明会の会場、沢山の受験生がひしめくその場に……バーンさまはいない。

 

「…………」

 

何故か別室。

 

 

バーンさまのみ別室のモニターで説明会を聞かされることになる。モニターで寂しく見る勧誘にきた鶏冠男による実技試験の説明会。とても寂しい。バーンさまはスカウト枠の扱いはこうなのだろうかと広い部屋に一人で心細くなる。外から見ると全くそんな風には見えない何て事は言ってはいけない。

 

説明を終えると移動。実技試験は別の試験会場で行う。試験会場は幾つかあり受験生は試験会場までバスで移動するようだ。

 

 

受験生は先ず実技試験のために着替える。バーンさまも当然に同じ更衣室で着替えに向かう。試験の服装は自由。中学のジャージはもちろんヒーローが着るようなモノを自前で用意してもいいようだ。

 

バーンさまが着るのは自前。服は何故か下僕の様な態度を取る地元のプロヒーローから貰ったローブ。

 

バーンさまが着替えるなか、多くの受験生達が着替えると我先に更衣室から出ていった。まるでこの場に一秒でも長く居たくないみたいな青ざめてたり半泣きな受験生。バーンさまには試験にやる気を燃やした結果としか思われない。

 

 

バーンさまは周りが余りに早く居なくなるので少し急いで着替えると、ゆっくり歩き更衣室をでて指定のバスに乗るバーンさま。余裕でなくローブを踏んで転けたりするのが嫌だったからだ。

 

少し遅れたのに指定されたバスに乗るが、バスにバーンさま一人だった。間違ったバスかと思い運転手に聞いても震えた声で間違ってないですと答えられた。バスの最後尾の端に座ると目をつむるとバーンさまは実技試験について考えた。

 

実技試験の内容は説明だとロボ相手に実戦さながらの試験。1~3Pまで点数がついたロボの撃破。少し考えると可笑しい気がする。

 

試験をするのは一般の中学生。

 

当たり前だが普通の中学生が戦う事なんて経験はまずない。それに原則使用が禁じられた個性を使っての攻撃なんて初だろう。まぁ伝が有れば個性で攻撃する訓練もできるだろうか。

 

しかし訓練をした一部を除けば、この試験で一番有利なのは、普段から喧嘩をしている者や個性の不正使用をしているモノ。ヒーロー失格な行為をしてる者でないか?…と一度は考えたが、中学もそんなヒーロー失格者を雄英試験に行かせないと思うのでまったく問題ないのだろうと考えを改める。もしきてもそんなヒーロー失格者を合格させる程に雄英の眼も節穴でないだろう。…いや節穴か。バーンさまは平凡な自分をスカウトしてしまった雄英の見る目を信じるのは難しかった。

 

しかしそれでもいきなり戦闘のような試験はやはり無いと思う。本当に無いと思う。

 

穏やかで平和主義なバーンさまは勿論のこと戦闘なんて未経験、愚直に個性の使用禁止というルールを守っていてバーンさまは自身の個性の把握すらできていない。

この世界で一般的に個性はヒーローしか使ってはいけないもの。自宅内などでは使えるが別に使う必要もなかった。ヒーローになるなら練習は必要だろうがバーン様は一切使ったことがない。

 

なんで雄英ヒーロー科の試験に来たんだと言われるだろうが、そもそも来るつもりが無かった。

 

なら受験が決まった後に練習ができた。

ヤル気がなかった。

 

この試験、物見遊山気分、(何故か見つからなかったが)友人と受ける記念受験のつもり。目標は合格でなく怪我をせずに終わることぐらい。どう安全にやり過ごすか考えてるとバスが動き出した。

 

「……」

 

バーンさまはバスに一人。

とてもさみしい。

 

バスが止まると他の受験生別のバスで来てると思いすぐに降りた。

 

案の定と言うのか……誰もいない。バスもサッサと何処かに行って一人。大きな町を模した試験会場のスタート地点、人が沢山並びそうなスタートラインは有るのにバーンさまは一人。

 

試験は一人でやるということか。バーンさまは眼を逸らしてきた事にようやく目を向けた。試験の説明を一人で聞かされた時には薄々こうなる気がしていた。スカウト枠の特別扱いなんだろうか。こんな寂しい特別扱いいらなかった。イジメを受けた気分で精神に会心、いや痛恨の一撃を受けた。

 

『はいスタート』

 

スタートのアナウンス。間違えようのない金髪鶏冠男、プレゼントマイクの声。合図のあと急げなど競争相手が居る前提の言葉を発していた。一人ポツンと居るバーンさま…切実に競争相手が欲しかった。

 

始まったのに競争相手が居ない事で静かすぎて不気味な会場、ホラー系の町のようだ。奥にいけばロボが出てくるだろうか。行こうと思えない。

 

バーンさまは終わりまで此所に居ようかなと思う。試合放棄!リタイア!そんな結果でも別にいいかと思う気持ちでスタート地点で居ると説明会で1Pと説明されてたロボが自ら出てきた。ロボの形状が説明会のと少し違う気がした。全体的に分厚い。

 

『シニタクナイ。シニタクナイぃい!!』

 

と言いながらに行動は真逆で猛然と突撃してきた1Pのロボ。ぶつかると思えた瞬間にバーンさまが防御行動として腕を前に突きだすと、腕はロボの胸部の一番装甲の厚そうな所に当たり……つらぬいた。

 

『シニタク…な…い』

 

悪質な音声を残してガクリと機能停止するロボ。

 

音声の事は軽くスルーするとして、仰々しいわりに簡単に倒せたロボ。貫いた腕に残ったのはクッキーを砕いた程度の感覚。バーンさまはなるほどと思う。この試験はロボを破壊してPをとる試験。しかし受験生は戦闘をしたことがないだろう中学生、それに受験生の中には対ロボ向けでない個性の受験生もいるだろう。だから素手でも簡単に破壊できるようなロボなんだろうと納得。知った所でヤル気がないので意味がない。

 

沢山の足音、あちこちから1P2P3Pのロボが、複数飛び出てきてバーンさまを目指して突撃してきた。バーンさまは驚いた。なんであんなに、受験生に向かうように設定されてるのだろうか。受験生はバーンさま一人だから来たのか。

 

『イヤァァァ!アッチニイキタクナイ!!』

 

ロボの群れは続々来る。簡単に倒せると判明しても群れてこられたら怖い。今こそ個性を使うときだろうとバーンさまは思う。本能的にちょっと危険かな?と使ってはダメだと思う個性。使った事がない。しかし使えることに疑いはない。人が呼吸を忘れないように本能的に何時でも使える気がしていた。

 

使えると思う力は複数。

初めなのでふーーと吹くような軽い吐息の様な軽めの力を使う。

 

ギラ

 

人指し指の先に光ったようにエネルギーが収束し。高熱がレーザーの様に打ち出された。収束からレーザがでるまで、瞬きするよりも一瞬だ。人の目には一瞬赤く光ると、ロボやビルに赤い線を走らせ消えた。何の効果も無かったと一瞬思われた。

 

しかし

 

赤い線の通過したロボが前進しようと進むと…

 

ゴトッ、

 

ロボは赤い線が見えた所から切り分けられ分断される。バイオハ◯ードのレーザーのトラップに掛かったあとのようだ。生身で受ければどうなるか…その惨状を見て頷くバーンさま。二度と『ギラ』は使わないと決めた。

 

『ロボニモジンケンヲ!!ロボニモジンケンヲ!』

 

『シヌゥウウ』

 

ロボはまだきていた。

何の為にあるのか不明な音声はさらに大きくなっている。バーンさまは今度は指先でなく手のひらをロボに向けた。

 

 

『ヤッテヤルワァァ!!』

 

『オユルシクダサイ!』

 

ヤケクソなのか悲鳴なのか判らない叫びの音声を発しながらバーン様の元に向かうロボ。まるで蟻地獄に落とされるアリの様に見えたのは気のせいだろうか。バーンさまは迎撃する。もちろん危ない『ギラ』はない。今度は自身の個性のなかで最弱と思う力を

 

 

バギ

 

風の渦巻きがロボはミキサーに掛けられた様に粉々。

 

メラ

 

噴火のような火柱によりロボが溶解。

 

ヒャド

 

氷結の世界で塵の様に砕けるロボ。

 

イオ

 

大きな爆発がロボと一緒にビルもついでに飲み込んだ。

 

自分の産み出した光景に再び満足げにまた頷くと、魔法はなるべく使わないと決めた。

 

バーンさまは攻撃的な自分の個性に驚くが、よく考えたら寝ぼけた父親がもっと酷い光景を毎日作ってたなと、何だ此ぐらいなら普通だなと思う。普通の基準が可笑しい。

 

向かってくるロボは(原型も残さずに)居なくなった。これで終わりだろうか?

 

その時、地響き。ズンズンと何かが歩く地響き。そして出てきたのはビル並みに巨大なロボ。これは高校入試の試験、バーンさまは雄英は絶対に頭おかしいと確信した。よく考えると一般人の父親ぐらいのサイズだったので可笑しくないか。

 

 

試験前に説明された0ポイントだろう。倒す意味はいっさいない。(誰も居らず隠れた救助ポイントもつかないので本当に意味がない)

 

巨大ロボの歩く震動でビルの一部が崩れた。バーンさまの近くに瓦礫は落ちてくるが当たる範囲に入ってないので動かなかった。油断していた、

 

ゴツン。

 

 

ビルの破片が落ちて砕けてその破片がバーンさまの額にガツンと当たった。偶然の奇跡、拳大の瓦礫が人に致命傷を与えるのに十分なサイズと勢いだったが、砕けたのは破片の方でありバーンさまの額は無傷。

 

だが

 

バーンさまの周囲の大気が歪んだ。

 

まるで物理的な圧力のあるような歪み。画面越しに見ていた雄英のプロヒーローに息を飲ませるほど、オールマイトですら険しい顔をしていた。

 

 

バーンさまに今あるのはシンプルな思考。

 

恥ずかしい。

 

顔文字にすれば…(*/□\*) 

 

人によって恥ずかしいと思った時に恥ずかしさを誤魔化す為に叫んだり何かを殴りたいと思う事があるだろう。しかし誰かに見られて叫んだり空や適当な物を殴ろうとするのはさらに恥ずかしい。人はいないがカメラなどで試験を見てるだろうと考えると適当に発散もしづらい。

 

恥ずかしさを発散する方法。

何かを力の限りぶっ叩く。

殴っても問題ないモノはなにか。

 

視界に入ったのは恥ずかしさの元凶である0ポイントロボ。

 

 

殴る…けど近付くのは大きくて少し怖い。あ、殴る以外の方法として個性の力がある。個性で恥ずかしさを解消するために力一杯攻撃しよう。それで選んでしまったのが必殺に部類される。此処までの選択時間は一秒未満、つまり此処から先は反射的(暴走気味)な行動。

 

 

纏っていた大気の歪みが手刀の形の右手に集まっていく。何らかの力が集束したと示すように手が眩しく光を放ち床やビルのコンクリートを剥がすほどの強風が吹き荒れ、遂には何百トンあるか判らないが巨大質量の0ポイントの巨体がコンクリートを削りながら後ろに下がっていく。まだ力を放つ前の光景だ。

 

 

『やめ!!』

 

 

 

監視をしてた相澤が寒気を感じ咄嗟に中断をアナウンスしよとしたが…判断は正しいが言うのが…遅かった。

 

 

 

 

力は解き放たれた。

 

 

 

『カラミティウォール』  

 

 

 

 

必殺の技の一つにして、ある世界で世界最強の勇者パーティを一度は全滅に追い込んだ必殺の一撃。鋼鉄すら粉砕される破壊の波。

 

 

0ポイントの巨体は波に呑まれ放浪され、原型どころか部品の1つも判らないほどに砕かれ、波は通過した後には剥き出しの地面…そして目標を破壊しても衝撃波は止まらない。バーン様は止める術は知らないので見送るしかない。

 

意図せずこれから巻き込まれる会場にもしだ。感情があるなら、顔文字にするとこれだ…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

\(^o^)/オワタ

 

 

 




ポップのギラがレーザーみたいでしたし。
バーンさまのならこうなるかなと

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