ファンタシースターポータブル外伝〜After the tragedy〜 作:烏山
今回から新章です
内部告発
第三章「双頭の翼竜」
~製薬会社『コーライル』・極秘の地下実験室~
ぐぎゃああああああああ!!!!!!!!!!
悲鳴が実験室中に響きわたっている。
拘束されて何やら怪しい薬品を投与されている者や、檻にいられている者がいる他、室内には液体に満たされたカプセルがいくつも設置されていてその中にはヒトが入れられている。
奴隷 「頼む!!ここから出してくれーっ!!」
??? 「…クックック…それはできないのだよ…」
檻の中で叫ぶ奴隷の近くにヒューマンの男が近づいて来た。とても高価そうなコートを着ている。
??? 「君たちは、私が奴隷商から高値で購入したからね……。やはり…人体実験が新しいものを作るためには一番効率が良いからね……是非ともわが社の発展の糧となってくれたまえ…」
奴隷 「ふざけんなーっ!!あの商人も…お前も、ヒトをなんだと思ってやがる!?」
??? 「ヒト?…商品に人権があるとでも…? …オイッ!13番に投与した筋肉増強剤はどうだ?」
研究員 「人体への負担が大きすぎました…筋肉が破裂しました…」
??? 「そうか…。では、成分を調整して14番に投与しろ…」
研究員 「了解です」
狂気に満ちた実験室の隅で一人の研究員がこの光景に絶句している。気の弱そうな男である。
男 「……………うっ………おえっ……」
~実験の日から数日後・ギルドのロビー~
温泉村でのミッションから2週間が過ぎたため、ディーンもかなりギルドに慣れてきていた。
ディーン 「あ~…眠い……」
あたかも今さっき起きたの如く眠そうにロビーに入ってきた。ちなみにもう10時を過ぎている。
マナ 「あ、ディーンさん!おはようございます!」
ディーン 「お~…おはよう…。…それよりロビーがまた騒がしいけど、どうした?ジャンがまた演説してんのか?」
マナ 「わからないです。ちなみにジャン君は今朝から訓練に出てますよ。」
ディーン 「アイツも熱心だなぁ…とりあえず言ってみるか…」
~ロビー・受付~
なにやらエレーナとクライアントらしき男性がもめているようだ。
エレーナ 「…ですから当ギルドではそのような違法調査の依頼は受け付けていません。」
男 「だから、違法なのは会社のほうなんですって…!」
この男、実験室で絶句していた研究員である。
ディーン 「何もめてんだ?」
エレーナ 「ディーン様。おはようございます…。こちらの方が『コーライル』に潜入調査をしてほしいとおっしゃるのですが…」
男 「あの会社は地下でいかれた人体実験をしてるんです!だから、その証拠を突き止めてほしいんです!」
ディーン 「…『コーライル』…って製薬会社の?確かに最近新製品をよく出してるけど…流石にそれはないだろ?」
男 「僕、この前実験室に連れて行かれて実験を手伝わされたんですよ…とても普通じゃなくて最後まで続けられませんでしたけど…」
ディーン 「内部告発ってことか…てかここよりもガーディアンズとかに申し出た方がいいんじゃないか?」
男 「申し出ましたよ…。でも…証拠不十分で調査してくれませんでした…。」
ディーン 「だからつってもなぁ…」
エレーナ 「パルムに本社があるのでは同盟軍に行かれては?」
男 「そんなぁ…」
男が下を向いて諦めかけた瞬間…
ラグナ 「オイオイ?お二人さん、冷たいんじゃねぇか?」
『女垂らし』ことラグナが話に入ってきた。
ディーン 「…ゲッ…」
エレーナ 「ラグナ様…」
ラグナ 「話はさっきから聞いてたぜぇ~。…『コーライル』ねぇ…ってぇと、ケルビン・グラス代表だろ?」
男 「え…ハイ。グラス代表が実験を取り仕切っています…」
ラグナ 「やっぱりな…あのオッサン前から怪しいとは思ってたんだ…」
ディーン 「?」
少しこの言葉に違和感を感じた。
ラグナ 「よし!お前さん?名前はなんだ?」
男 「…名前?僕ですか?コルン・マルチトールと申します」
ラグナ 「よし!コルン!俺はラグナだ!お前の依頼は俺が受けよう!」
コルン 「えっ!?」
ディーン 「はっ!?」
エレーナ 「えぇ!?」
どこか覚えのあるやりとりの後、ラグナはそう切り出した。
3人とも突然のことに唖然としていて口が開いたままだったが、エレーナが初めに口を動かした。
エレーナ 「ちょ…ちょっと待ってください。ギルドでは公式に犯罪組織と扱われている団体以外への潜入調査は禁止されています!」
ラグナ 「じゃあ俺が個人的に依頼を受けたことにするさ!一応フリーの傭兵だし…」
エレーナ 「ですが…」
渋るエレーナにラグナは肩をかけた。
ラグナ 「もぅ~エレーナちゃんってば心配症だなぁ…そんなに俺が好き?」
エレーナ 「ふざけないでください!企業を敵に回すんですよ?ただじゃすみませんよ?」
ラグナ 「大丈夫だって!いざって時のためにコイツ連れてくから~」
ラグナの指さした先にはディーンがいた。
ディーン 「………はっ?…オレ…!?」
ラグナがディーンの近くに寄り、耳元でささやいた。
ラグナ 「…昨日…飲んだよな?そんで全部おごったよな?」
ディーン 「……昨日って…」
そう、ディーンが今日こんな遅起きなのは昨日の夜、ラグナに強引に酒に誘われて、遅くまで飲んでいたからである。強引とはいえ、全額ラグナがもってくれたのだから断りづらい…。
ラグナ 「…トータル10万メセタ…」
ディーン 「…わ、わかった…(高い酒ばっか自分で頼んだくせに…)」
エレーナ 「ちょ…ちょっとディーン様まで!?」
ラグナ 「そいじゃあ作戦会議だ!ディーン!コルン!俺の部屋に集合~♪」
二人を引き連れてロビーを去って行った。ラグナは満面の笑み、ディーンは納得のいっていない顔、コルンはまだ呆気にとられたような表情をしていた。
エレーナ 「ああっ!待ってください!!」
マナ 「エレーナ?どうしたの?男性陣3人、どっか言っちゃったけど?」
エレーナの珍しく大きな声に気付いて、マナが近寄ってきた。
エレーナ 「あぁ、マナ…ううん…なんでもないの…」
大きなため息をついた。
キャラクター設定(Ⅶ)
コルン・マルチトール
種族:ニューマン(男性)
年齢:25
身長:168cm
体重:55kg
髪色:黒
髪型:特に変哲のない短髪
詳細:製薬会社『コーライル』の入社2年目の社員。気弱だが正義感が強い。理系に強い人物だったのである日突然実験室に呼ばれた。
ただのクライアント。今後の出番はいかに?