ファンタシースターポータブル外伝〜After the tragedy〜 作:烏山
レポートがあるというのに……
そんなギリギリな状態で書いたものですが読んでもらえると嬉しいです。
オレはこのサラサラメガネ男の発言に対して、黙って拳を強く握ることしかできなかった。もちろん殴っていいわけではないが、このサラサラメガネ男が言ったことが本当のことである以上オレには何も言うことができなかった。
確かにオレはコイツの言うとおりヴィヴィアンを失ったショックでガーディアンズを辞めた。
こういわれて改めてあの時のことを考えると自分の無力さしか感じない。…何が『蒼い風』だ。
本当にただの弱々しいそよ風の方がお似合いなのかもしれない…
そして、ことを荒立てないようにオレは握った拳の力を抜き、マルコに軽いあいさつをすませるために近づこうとした。…しかし
ルミア 「ちょっとマルコさん!そんな言い方はないと思います!」
マルコの前に足を一歩踏み出して強い口調でそう言った。流石イーサンの妹。こういう時にすぐに行動にできる。
それに反してマナは後ろでこのちょっとした修羅場のような空気に混乱して、あわわ…と慌てふためいている。
マルコ 「ルミアさん…。…そうですね…私としたことが……。どうにも人を悪い気にさせてしまう言い方しかできないようです……。…ディーンさん…申し訳ありません。どうかお気を悪くなさらず……」
さっきの悪意のある表情とは打って変わって誠意に満ちた顔で頭を下げられた。
…いつかのフォレスの時といい、今といい、オレはどうも頭を下げられるのが苦手らしい。
オレは頭を下げるマルコに手を差し出した。
ディーン 「…いや、気にしていない…。改めてオレはディーン・オーシャンだ。よろしく頼む…」
マルコ 「…あ…はい。マルコ・テリエーです。こちらこそよろしくお願いします。」
マルコも手を差し出してきて握手を交求めてきた。そしてオレはマルコの手に触れた。
ディーン 「…!!!!???」
手に触れた瞬間とんでもない寒気が全身に走った。マルコの手は冷たかったが、絶対にそれだけが理由じゃない。
だが、とくに行動には示さず何事もなく握手を交わした。
ルミア 「では、メンバーがそろったところで改めて自己紹介させていただきます。今回のミッションのリーダーを務めさせていただく、ルミア・ウェーバーです。ディーンさんやマルコさんの方がベテランでこの役職はあなた方の方がふさわしいと思いますが、本部からの指示ですし、実際名前だけのリーダーなのであまり気にしないでください」
自己紹介をおえるとルミアの端末からこのレリクスについてのいくつかの情報が載っているデータが立体で表示された。
レリクスとこの周辺の地図のようだが、サーモグラフィーのような色で表示されていて、レリクスの中心部分は真っ赤である。
ルミア 「この図で赤く表示されているのはAフォトンの濃度なのですが、ご覧の通りレリクスの中央は真っ赤です。レリクスなのでAフォトンの濃度が濃いのは当たり前なのですが、これはちょっと異常です。以前、亜空間問題に関連したレッドタブレットの類と予測されていますが、まだ何もわかっていません。私たちに与えられたミッションはこの濃度の原因と原因がものであればそれ回収です。」
その後、このレリクスの発見の経緯ついて一通りルミアから説明があった後、オレ達は調査のためにレリクスの内部に入って行った。
~ミズラキ・レリクス 内部~
内部は一本の道がまっすぐ続いているだけの単純なもので原生生物の姿は見当たらなかった。しかし、入って100mほど歩いたあたりから道の両脇に大型の自立起動兵器『スタティリア』が起動していない状態で何十体も並んでいた。
『スタティリア』とは旧文明人がレリクスに設置した、対SEED用の兵器の総称でいろいろな種類がある。
ちなみに今オレ達のまわりに配置されているのは『スヴァルタス』というヒト型の大型スタティリアである。手に持った剣での直接攻撃や衝撃派、火炎放射の機能もついている上位種である。
ディーン 「スゴイ数だな……これ全部動き出したら流石にお手上げだな…」
ルミア 「ちょっと、不吉なこと言わないで下さいよ…」
ディーン 「わるい、わるい…。…そういえばマルコさん。オレのことを知っていたようだけど、有名なのはあだ名だろ?どうして顔見てオレが『蒼い風』ってわかったんだ?」
マルコ 「あぁ…そのことですか!それはですね…。…おや?マナさんがいらっしゃいませんが…?」
オレも周りを見渡すが近くにはマナはいなかった。…近くには…
マナ 「わぁ~~~~~~!!!」
前方50mほど先を無邪気に走り回っている。普段おとなしめなので、こんなマナは珍しい。
ディーン 「オーイ!?何やってんだ~!?勝手に前行くんじゃないよ~!」
マナ 「ディーンさん~!!なんだかこことっても落ち着くんです!!いや、開放的な気分になれるんですよ~!!」
こちらを振り返りながら叫んでそう返してくる。
レリクスが落ち着く?何言ってんだこの娘は?
ディーン 「…ったく…いいから戻って……。…!!!危ないっ!!」
マナ 「えっ?」
マナの前方(今振り返っているから目では見えてない)のスヴァルタスが動きだし、マナ目掛けて剣を振り下ろそうとしている。
オレは全力で地面をけってマナの元に向かったが、距離が離れているため間に合わない。
ルミア 「はぁ~…ていっ!!!」
後方でルミアがロッドを振りかざした。
ボォオオン!!!!
突如スヴァルタスが爆発した。
…火属性のテクニック『ラ・フォイエ』である。
爆発でよろめいた隙にマナは逃げ出した。しかし、まだスヴァルタスは停止していない様子である。
だけど、オレとスヴァルタスとの距離はすでに5mを切っている。…この距離ならやれる…
オレは手に持っているセイバーのフォトン出力を高めた。そして……
ザザザザザザザンッ!!!!…
フォトンアーツ『インフィニット・ストーム』を放ってそのまま駆け抜けた。オレがスヴァルタスの10mほど前に着いたとき、後ろでスヴァルタスがバラバラに崩れ落ちる音がした。
すぐに後ろから3人が掛けてきた。
ルミア 「スゴイです!あだ名に違わぬ神速の剣でした!」
ディーン 「キミのテクニックだってスゴイ制度だよ…。…あんなに離れていたのに座標はピッタリだし威力だってかなりのものだ。イーサンに負けてないな!」
マナ 「み、みなさん!!本当にすいませんでした!!」
マナがペコペコと何回も頭を下げる。今日はよく謝罪されるな…
マルコ 「みなさん…。…どうやらゆっくり話している暇はなさそうですよ?」
後ろを見るとすべてのスヴァルタスの目が光っている。どうやら起動してしまったようだ。
前方にいる何体かのスヴァルタスの目も光り始めた。
ルミア 「この数を相手にするのは無茶があります!…あそこまで駆け抜けましょう!!」
前方にみえる扉を指さす。扉はヒトくらいの大きさのため確かにスヴァルタスには通れそうにない。
オレ達は後ろから聞こえる、たくさんの足音を振り切って扉まで走った。
~ミズラキ・レリクス さっきディーンたちが通ったところ~
全てのスヴァルタスが起動していて道をふさいでいる。
そこへ一人の男が現れた。
ファング 「オイオイ~?アイツ等ちゃんとこういうの掃除してけよぉ~?」
少し前かがみになりながらサングラスを取り外して懐にしまった。あらわになった彼の目は獲物を狩る獣のような目だった。
ファングに気付いたのかスヴァルタスたちは剣を振り上げながら近づく。
ファング 「おっと、俺様に敵意剥き出しぃ?…そりゃそうか…w」
特に焦った様子もなくコートのポケットに手を突っ込んだままである。
ファング 「ほいじゃあ掃除でも始めますかぁ…」
不気味な笑みを浮かべた直後、ファングの体を黒いオーラが覆った。
~5分後~
ファング 「ふぃ~…ご馳走様でしたぁ~っと!」
スヴァルタスの残骸でできた山の上に座って口に手を突っ込んで歯に挟まった食べ物のカスを取っている動作をしている。
彼の周りには食い散らかされたような(生ものではないが)スヴァルタスの残骸が散らばっていて、ディーンたちの入って行った扉のあたりまで続いている。
ファング 「さぁ~ってと……そろそろ行きますかぁ~?」
懐からまたサングラスを取り出して掛けた。
まるで獣のような目を隠すかのように…
ファングのキャラ紹介はストーリー上の都合により後回しです。
感想、指摘、レポート完成への応援メッセージ…お待ちしておりますw