ファンタシースターポータブル外伝〜After the tragedy〜 作:烏山
…失礼しました。
ディーンのピンチ!さてどうなるのか…!?
マルコは二刀目のフォトンナイフを出現させ、左手に逆手で握った。ナイフと言っても刃の部分(要はフォトンの部分)がとても長くそのあたりの剣と同じくらいである。
もう一度口元を不気味に歪めると、またさっきと同じように急接近してきた。そして二本の刃で上段と下段を同時に攻めてきた。
片手剣とハンドガンでは防ぎきれないと感じ、オレはすぐさま両剣ヴィヴィアンを取り出して二本の刃をうけ止めた。
マルコ 「なるほど…いい反応をしますね…。ですが、その両剣は亡くなったご友人の形見なのでしょう?…なんとも未練たらしいですね…」
ディーン 「!!!!」
オレは込み上げてくる怒りに任せて両剣を回転させてマルコのナイフを弾き飛ばした。ナイフは宙を舞っている。
武器が無くなって無防備な状態のマルコに両剣で突きを放った。
しかしそれはあっさりと避けられてしまった。そしてマルコは落下してきたナイフをキャッチした。
マルコ 「怒りと動揺で動きが丸わかりですよ?よほどそのご友人のことに触れられたくないようですね?」
図星だった。ヴィヴィアンのこと出されると、あの時の無力な自分とそのけっしてその現実と向き合おうとしない今の自分に腹が立つ。なにより言われていることを否定できないことが一番辛い。
そもそもなんでコイツはヴィヴィアンのことを知っているんだ?ガーディアンズに潜伏していたとしてもあくまでいたのは支部。…知り過ぎだ。しかも、この両剣を形見だと見抜いた。…何者なんだ?
マルコ 「おや?私がなぜこんなことを知っているのかという顔をしていますね…」
なんだコイツ!?マジでエスパーか?
マルコ 「私の上司はかなり情報に精通している方でして、ガーディアンズの詳しい情報はほとんど知らされています。…アナタの個人情報もね……」
…個人情報だと…?いったいどんな奴だ!?
ただ納得はできた。ペラペラとしゃべってくれたお陰で多少不気味さは薄れた。少しオレは冷静になることができた。
ディーン 「うらぁ!!」
突きを放った状態のまま横に斬りつけた。だがこの攻撃もしゃがんでかわされた。そしてそのまま反撃に転じてくるようにナイフを構え体重を前に移動させた。
マルコ 「これで終わりです!!」
ディーン 「お前がなっ!!!」
両剣を回転させさっき使ったのと反対側の刃でマルコの顔面を下から切り裂いた。
マルコ 「なっ…バ…バカなっ!!…ガァアアアア!!!!」
血で赤く染まった真っ二つに切断されたメガネが地面に落ちた。
~マナ・ルミアの方~
ファング 「なんだなんだ?もうお終いかぁ~?…つーかマルコは何やってんだ?油断してっからそうなるんだよ…ったく…」
私のルミアさんでさっきから何度もテクニックで攻撃して全て命中しているのに、服に汚れが付く程度でダメージは与えられていない。
ルミア 「…なんなのこのヒト…!?本当に無敵!?
マナ 「こ、この前私たちが戦った、『コーライル』の代表さんも無敵でしたが、それとは圧倒的に違います……」
私のこの発言にサングラスの男は反応した。
ファング 「ん?『コーライル』?…もしかして、お嬢ちゃん達がケルビンを処分したのか?」
マナ 「えっ!?あのヒトのこと知ってるんですか!?」
サングラスの男は腹をかかえて大笑いした。
ファング 「はーっはっは!!!そうかそうか!!アンタらで処分してくれたのか!!…そうだ!オレがアイツに闇のOS(おず)をプレゼントしてやったんだよ!」
マナ 「お…ず…?」
ファング 「あぁ~…そうかそうか!知らないんだったな!!…まぁどおせ一生奴隷として生きていくことになるんだろうから話しちまうか…。…Original Seed…通称・OS。オレ等のトップに立っているやつが作り出した人工SEEDだ!」
ルミア 「人工SEED!?そんな技術聞いたことが……」
ファング 「…無いだろうな!だが、驚くのはまだ早ぇ!!このOSは四年以上前…SEED事変以前から存在したものだ…。…だからまぁ、OSって名前は最近ついたんだがな…」
マナ 「そんな前から…」
ファング 「まぁ…あの男に渡したのはSEEDに自我を喰われ、暴走するだけで…決してヒトと適合しない失敗作の闇のOSだけどな!!…ちなみにアイツは無敵になったわけじゃねぇ!ただ、本人の自我が喰われ痛覚もなくなったただのSEEDの入れ物になっただけだ!」
マナ 「…そんなものをわかってて渡したんですか!?……ひ、酷過ぎます…」
ファング 「…ヒデェのはソイツに止めを刺して殺したてめーらもだろうが!!…さてと、これから一生表世界に出ないとはいえ、話過ぎちまったかな?…そろそろオレも攻めさせてもらうぜ?」
男は鋭い目つきで私たちをにらむとツインクローを出現させて装備した。
ファング 「安心しなぁ……殺しゃしねぇよ…!!」
~ディーン・サイド~
顔面血だらけになったマルコが顔を両手で押さえてふら付きながらなんとか立っている。攻撃は浅かったようで普通に生きていた。
マルコ 「…よくも…よくも……!!そよ風ごときが、この私の顔に傷をぉ!!!」
ディーン 「その傷でこれ以上やっても結果は見えてんだろ?…大人しく投降しやがれ…」
そういうと急に不気味な声で狂ったように笑い始めた。血を出し過ぎておかしくなったか!?
マルコ 「かは…かはははは!!!なんだ?勝った気でいるのか!?顔に一太刀入れただけで!?…貴様ごときに使う予定はなかったが、顔を傷つけられたからには…全力で八つ裂きにしたくなったよ……」
ディーン 「なんのハッタリだ?」
マルコ 「ハッタリかどうか自分の目で見極めるんだな…そよ風クン!…ハァアアアアアアアアア!!!!!!!!!!」
叫び声をあげるとマルコの体中を黒いオーラが包みはじめた。体全体を隠したかと思うとそのオーラはどんどん巨大になっていった。
インフィニティブラストかと考えたが、明らかに違うし、マルコはヒューマンだ。そして、あることを思い出した。
…ケルビンがキャリガインの姿になった時のことだ。
マルコ 「クフフ……!!いい!いいですよ!!この姿は!!」
黒いオーラの中から変異したマルコが姿を現した。
SEEDフォームの『ディルナズン』に似ているが、両手のブレードは氷の剣のようになっていて、全身も氷の鎧のようなもので覆っている。そして顔の部分は氷でできた鬼のお面になっている。
周りの空気が一気に下がった。…なるほど、握手した時に寒気がオレを襲ったのはコイツの正体がこんな氷の化け物だったからか…
それよりも驚くことは、ケルビンのように自我を失っていないことだ。それにさっきまではコイツから何も感じなかった。
マルコ 「さてさて……それでは第二ラウンド・スタートです!」
周りの空気は冷たいのにオレは妙な汗をかいていた。
マルコのOSの力による変身は、某死神漫画の仮面が破れちゃった人たちの変身みたいな感じですw
そんなイメージで読んでください。
それではまた次回。