ファンタシースターポータブル外伝〜After the tragedy〜   作:烏山

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作戦

~モトゥブ・旧砂漠都市跡地~

 

 

 

 

 

 

ディーン  「…ここにマナが……」

 

 

 

まだ夜明け前……オレ達は発信機の反応と情報を頼りにその昔、とても栄えたというが、500年戦争の戦火により、一晩で焼き払われた砂漠都市『ザート』の跡地の一角にあるファング達が取引をする場所の近くで張っていた。跡地と言っても当時の建物はある程度原型をとどめている。しかし、砂嵐や風化によって砂に埋まったり、脆くなり崩れていたりしていてまるで侵略モノの映画の中に入ったかのような風景だ。

 

万が一、ばれた時のために二組に分かれて隠れた。オレはラグナとペアになり、建物と建物の間の路地に隠れた。ヤマトとギラードは少し離れた廃墟の2階から様子を見ている。

 

 

ラグナ   「…ふぅ~…やっぱ日が出てないときの砂漠は冷えるな~…」

 

 

緊張感のないセリフに聞こえてしまうが、夜の砂漠は本当に寒い。ワイシャツに薄いコート一つのラグナとオレは極寒の中、ある廃墟の入口を見張っていた。

 

 

ディーン  「……まだ動きはないな……。…乗り込むか?」

 

 

ラグナ   「…おっ?珍しいな!ディーンが冗談言うとは!」

 

 

ディーン  「……割とマジで言ったんだけど…?」

 

 

そう割とマジな顔でラグナの方を向くと、その顔を見たラグナは「あちゃー」と言わんばかりの表情をした後、オレの肩に手を載せた。

 

 

ラグナ   「……まぁ、気持ちはわかるよ…。でも力入り過ぎてもいい結果は出ねぇぞ?いったん肩の力抜こうや…!」

 

 

…やっぱりこのヒトは兄貴肌なのだろうか?こんな時でも冷静だ。

オレは冷静でいるのがギリギリな状態だったが、どうにか抑えられた。

 

 

 

ディーン  「……あぁ……すまない…」

 

 

 

 

時間は過ぎて行った……

 

 

 

 

 

 

 

 

~廃墟地下の牢獄~

 

 

 

檻の中も外も松明の明かりだけでほとんど薄暗くなっている。

マナは部屋の中央で眠っていて、奴隷男は布のローブを被って部屋の隅で座っている。寝ているか起きているかはわからないがピクリとも動かない。

 

 

 

看守    「おい!お前ら起きろ!!…ここから出してやるよ…ヒヒヒ…」

 

 

キツネ顔のヒューマンの男が階段を下りてきて、持っているライフルで檻をガンガン叩いて嫌味をいいながら二人を起こす。

 

 

 

奴隷男   「……あぁ…起きている…。…すぐ出る…」

 

 

男は立ち上がり、マナのところへ起こしに行った。

 

 

奴隷男   「…お嬢ちゃん…覚悟を決めるんだ…!…売られる時間だそうだ…」

 

 

マナ    「……………は、はい……」

 

 

 

マナが起き上がる瞬間、奴隷男は耳元でささやいた。

 

 

 

奴隷男   「(昨日言ったとおりに頼む…俺を信じてくれ…)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

看守    「よーしぃ!二人とも出たな?…ん?どうした?女?もじもじして?」

 

 

 

牢から出たマナは顔を赤らめて、動きづらそうにもじもじしていた。

 

 

マナ    「…あ…あの…、…ト…トイレに行きたい…です…」

 

 

 

看守    「はぁ~?そんなの我慢しろよ?」

 

 

 

マナ    「……で、でも……き、気絶してましたけど……この檻に入れられてから…ずっと……してませんし……」

 

 

マナはその場に座り込んでしまった。

 

 

看守    「…ったく……奴隷が………。……ん?!」

 

 

看守は何かを思いついたかのようにニヤリとした。

 

 

看守    「…いいぜ?ただし、逃げる可能性もあるからそこの隅でやれよ…?…俺が見張っててやるよ!ヒハハ!!」

 

 

 

マナ    「…………」

 

 

牢屋の前の廊下の隅にいき、そこでまたしゃがみ込む。

 

 

看守    「ヒハハ!!!早くしろよ!!脱げよ早く!!漏れちまうぞ!?手伝ってやろうか!?ヒハハ!!!」

 

 

看守はハイテンションでマナの方を向いて野次を飛ばしている。スカートの中に手を入れているマナに夢中だ。

 

 

 

奴隷男   「……下衆が………」

 

 

看守    「んあ?」

 

 

 

 

 

ゴスッ!!!

 

 

 

看守    「げふっ!!!」

 

 

奴隷男の拳が看守の顔の横を直撃し吹っ飛んで檻に叩きつけられる。そして床にライフルが落ちた。

 

 

看守    「…いったぁ……て…てめぇ……!……あ…」

 

 

 

見上げると自分に銃口を向ける奴隷男の姿があった。

 

 

 

奴隷男   「…変態看守が……まぁ、おかげで逃げられそうだ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バンッ!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

奴隷男   「…うまくいったな…。…お嬢ちゃん…すまなかったな…。…あんな演技させて……」

 

 

 

マナ    「…私は大丈夫です……こ、このヒト、し…死んじゃったんですか?」

 

 

奴隷男   「…いや、スタンモードだから死んではいないはずだ……。…そうだ、このライフルはお嬢ちゃんが持っていてくれ…」

 

 

マナ    「えっ!?…私、そんな大きい銃、使えませんしおじさんが持っていた方がいいんじゃ…?」

 

 

奴隷男   「……俺は大丈夫だ…。お嬢ちゃんは体術が使えるわけでもなさそうだし、ナノトランサーも着けてないことから戦えないが、俺は肉体労働がほとんどだったから腕力には自信がある…。それに銃は使えなくても脅しにはなる…。…だから、お嬢ちゃんが持っていてくれ…」

 

 

 

マナ    「…は、ハイ…(このヒト、歳は全然違うけど、ディーンさんに少し似てる……)」

 

 

ライフルを受け取るとき、じぃ~と男の顔を見つめる。

 

 

奴隷男   「ん?お嬢ちゃん?」

 

 

マナ    「い、いえ!!な、な、なんでもないです!!…そ、それより、私のナノトランサーとコートが奪われてると思うんですけど、それを回収できれば、私も役にたてるかと……」

 

 

 

奴隷男   「……そうか…じゃあ、お嬢ちゃんの持ち物が保管されてるところを探しながら、上に向かおう…!!」

 

 

 

 

マナ    「…は、ハイ!!!」

 

 

 

 

 

 

二人は倒れた看守をそのままに階段を上って行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~廃墟・外~

 

 

 

ラグナ   「…日が明けるぜ?…準備はいいな?」

 

 

 

オレは片手剣とハンドガンをトランスして両手に構えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ディーン  「…いつでも…!!」

 




はい、よくある脱走方法です。それではまた次回
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