ファンタシースターポータブル外伝〜After the tragedy〜   作:烏山

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パートナー

~東軍本部~

 

 

ディーン  「………『負けませんよ』……か…」

 

 

訓練中の諸注意を聞き流しながら先ほどのマナの発言について考えていた。

東西の兵の違いを表す背中に貼るステッカーについてや、勝利条件のおさらい等が離されていたが、全く頭に入っていない。

 

 

ディーン  「……アイツも自信がついて来たってことなのか…?…多分負けないとは思うけど……」

 

 

1人でブツブツと呟いているため、周りのヒトは皆気味悪がって離れて行った。

 

 

諸注意はすぐに終わり、東軍のリーダーとして指名された人物がなにやら演説している。ただし、ディーンの耳には入ってこない。

 

 

リーダー  「え~…我々東軍はツーマンセルで行動し、一人が囮、一人が伏兵として敵が油断したところを叩くと言う作戦で行こうと思う!なので今から自分のパートナーを決めて私に報告してくれ!」

 

 

そう告げ終えた瞬間、あたりはざわつき始めた。ある者は知り合い同士で組、ある者は近くにいた者と組む。パートナー決めは思いの他スムーズに進んだ。あの男を除いて…

 

 

ディーン  「……それにしてもアイツのあんな顔は初めて見たな……初対面の時とはまるで別人だ……まぁ、短期間で色んなことがあったしな……」

 

 

まだ独り言をつぶやいているディーンはパートナーがいない。と言うよりも誰も寄り付かない。そもそもディーン自身、今がパートナー決めの時間だと分かっていないようだ。

 

 

そんなディーンのそばに一人の女性が近寄ってきた。

 

 

???   「あの……そこの貴方…!」

 

 

ディーン  「…ん?ハイ?」

 

 

声を掛けられ我に返り声の主の方を見る。

雪のように白い肌で、髪型は黒のロングヘアーに蒼い華の髪飾りをつけている…白い軍服のような服を着こなしていて、目つきは鋭く片方の目を眼帯で隠していることからデューマンと思われる。

 

 

ディーン  「…オレがどうかしました?」

 

 

???   「貴方はまだパートナーが決まっていないようだが、誰かに声を掛けないのか?」

 

 

ディーン  「…パートナー?…なんだそりゃ?」

 

 

???   「ん?貴方は『パートナー』を知らないのか?『パートナー』というのは自分の信頼でき、背中を預けることが可能な相棒のことだ!」

 

 

腕を組んで『どうだ!』と言わんばかりのドヤ顔をしているが、ディーンとは話が噛み合ってないようだ。

 

 

ディーン  「……いや、オレが聞きいてるのはそういうコトじゃなくてだな……なんで今パートナーを決めるのかってコトだ…」

 

 

???   「なんだ…そちらについてだったか!……ん?それについては先ほど東軍のリーダーになった人から説明があったはずだが?」

 

 

 

ディーン  「…え?そんなのあったか?」

 

 

???   「…あったぞ!東軍はツーマンセルで行動するそうだ…!一人が囮、一人が伏兵だそうだ…。…故にパートナーが必要となる…!」

 

 

ディーン  「…なるほどな…。…で、今フリーの人はどのくらいいるんだ?」

 

 

???   「私と貴方だけだ。」

 

 

一瞬空気が固まった。

 

 

ディーン  「・・・・・・」

 

 

 

???   「・・・・・・」

 

 

 

ディーン  「…なるほどな…。…つまり、オレのパートナーはアンタってことか…」

 

 

???   「そうなるな。」

 

 

引きつった表情のディーンに対し、デューマンの女性は淡々と答える。

 

 

ディーン  「……それで、名前は?」

 

 

???   「…名前?…なんのだ?」

 

 

ディーン  「アンタの名前だよ!!他に何の名前があるんだよ!?」

 

 

ナギサ   「あぁ、私の名前か!…ナギサと言う…貴方は?」

 

 

ディーン  「……ディーン・オーシャンだ…」

 

 

ナギサ   「長いな…もう少しなんとかならないか?」

 

 

段々とディーンのイライラメーターが満たされつつある。

 

 

ディーン  「フルネームで覚えなくていいから…。…ディーンでいいよ…」

 

 

ナギサ   「うむ、それならば簡単だ!では『ジーン』!よろしく頼む!」

 

 

ブチっという何かが切れる音がした。

 

 

ディーン  「『ディーン』な!!オレの名前!!さっそく間違えんなよ!!早過ぎるでしょ!!」

 

 

ナギサ   「…あぁ、それはすまない。よく聞こえなかったものでな…。ディーン!よろしく頼む!」

 

 

ディーン  「…ん…あぁ…(……ムリだ…。こういう何考えているか分からない奴は苦手すぎる…)」

 

 

 

訓練開始の音楽が流れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

~訓練開始から10分後~

 

 

 

マナ    「…う~…各自適当に動けって言われたけど、知ってる人いないから単独行動だよ~…」

 

 

大通りを一人で歩いているマナ。東軍から見ればいいカモだ。

 

 

 

マナ    「ディーンさんにあんなこと言っちゃったけど、多分、私ディーンさんにたどり着く前にやられそうだな~…とにかく西軍のグループになってるところについて行こうかな~?」

 

 

キョロキョロとあたりを見回していると二人組の男を発見した。

 

 

マナ    「(あ!あの人たちについていこー!)すいませ~ん!!」

 

 

二人組に駆け寄ったが、銃を向けられる。よく見ると東軍のステッカーを胴につけている。

 

 

マナ    「あっ!東軍!」

 

 

男A    「あぁん?お嬢ちゃん西軍かい~?ダメだな~?よくステッカーを見ないと~」

 

 

男B    「わりぃけど、さっそく退場願おうか!?」

 

 

トリガーを引く!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バンバン!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マナ    「…えっ?」

 

 

二発の銃声がしたが倒れたのは二人組の方だった。

 

 

すると後ろから声がする。

 

 

???   「オイオイ~…女の子一人相手に野郎二人でかかるって……ダサすぎるぜ?お前等?」

 

 

 

黒いハットに黒いスーツ。そして黒いツインハンドガンをくるくると回している。その銃を使ったらしい。

パッと見そうとは分かりづらいが声が機械の声だったため、キャストのようだ。

 

 

その男はマナの元に歩みより片膝をついて手を差し伸べる。

 

 

???   「ケガは無いかい?マドモァゼル?」

 

 

マナ    「え…まどもあ……?…あ、はい…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~演習場・中央の管制塔~

 

 

1人のキャストが歌を歌いながら警備員が全滅した廊下を歩いている。倒れている警備員は大きな外傷は見られないがピクリとも動かなくなっている。

 

 

 

ワスプ   「ぶるんぶるんぶるん♪はらちりがらとろぶるん♪おろいりけれのろまらわらりりにり、おろはらならがらさらいりたらよろ♪」

 

 

管制室の扉の前で立ち止まる。

 

 

 

ワスプ   「ぶるんぶるんぶるん♪はらちりがらとろぶるん♪…とうちゃ~く~♪」

 

 

にやりと笑い、一歩踏み出す。

 




キャラクター設定⑮ 
ワスプ
種族:キャスト(SEEDフォーム)(男性)
年齢:5歳(製造されてからSEEDフォームになるまでの期間。生きた年数は12年)
身長:172cm
体重:98kg
ICV:柿原 徹也
詳細:ペンタクルの一番新入り(?)。前任のペンタクルのメンバーがとある事情でペンタクルの座についていられなくなり、空席を埋めるため、包帯男がスカウトした。生前は殺しを楽しむ快楽殺人『機』だった。7年前に宇宙船の中で殺そうとした男に思わぬ反撃をうけ死亡したが、宇宙船ごとSEED空間に取り込まれSEEDフォームとして再構成された。
現在も邪魔者の殺しを組織内で担当している。性格は無邪気な子供のようだが、その無邪気さ故の残酷さを持つ。
快楽殺人鬼ならぬ快楽殺人機…敵として書いてみたいやつでした。さてさて、どんな能力を持っているのやら…そして何をするつもりなのか?
名前の由来は英語で蜂の意味のwaspから。
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